セイギは勝つ! …性技研究会の活動…

しんいち

文字の大きさ
2 / 11

2 入会

しおりを挟む
 この日の講義が終わり、麻美は綾音に手を引っ張られて例のチラシに書かれていた場所へと連行された。
 性技研究会と紙が貼られた部屋。ノックするとすぐに中からドアが開かれ、「どうぞ、どうぞ」と引き込まれる。
 中には八人のうら若き女性。その内七人は現在の会のメンバーだが、あと一人は…。

「よ、洋子…。なんで?」

 そう、チラシを見て馬鹿にしていた服部洋子が居たのだ。

「い、いや、そ、その、ちょっと興味が出てきてしまいまして……。って、そういう麻美こそ!」

「わ、私は綾音に連れてこられたのよ」

 少し興味もあったとは言わないでおこう。その方が絶対良い。…というのは麻美の心の声。

「なによ。馬鹿にしてたって聞いたけど? それで来るなんて、最低…」

 ワザと周囲に聞こえるように言う綾音。彼女に、朝の洋子との話をしてしまっていた麻美は後悔した。まさか洋子が来るなんて思ってもみなかったから話したのだが…。
 早速、二人の間に剣呑な空気が漂い始める。

「え~っと、お二人さん。見学に来たんでしょ。先輩方の前ですよ」

 麻美は二人の間に割って入った。


「さあ、定刻だな。今年は三人か。まあ、こんなもんかな」

 話し始めたのは背が高い女性。いかにも豪快なお姉様といった感じ。『姐御あねご』という表現がピッタリくる。

「私が会長の松浦一美、四年生である」

 なるほど会長なのか。納得以外の何モノでもない。
 続いて隣の、小柄で細い女性が口を開く。

「私が副会長の池田うらら、四年生です」

 副会長の方は、生真面目そうな和風美女。こんな女性が、こんなサークルの副会長だなんて、意外でしかない。

 そこからは池田副会長が進行をする。順番に会員が紹介され、三年生が三人、二年生が二人で、現会員は総勢七人というコトだ。
 会員紹介の後には会長挨拶。それによると…。

 現在、出生率の低下により子供が減り、高齢化社会となってきている。
 このまま子供が減って行くのは国の危機・民族の危機。
 子を産まない女は非国民。女を孕ませない男も非国民。
 産めよ、増やせよ。どんどん子供を増やさなければならない。
 その為に、性技を研究する。

 ・・・というのが、この会なのだそうだ。

 カナリ問題ある発言が混じっていた。ネットに書き込めば大炎上しそうだ。
 話もビューンと飛躍している。だって、性技研究したところで子供が増えるとは言えないだろう。
 その上、やはり、チョットというか非常に、風紀上どうなのかという気がする。麻美としては…。

 大学というと左系学者が教授となっている印象がないでもないが、この大学は違う。真逆の保守系研究者が集う大学である。
 であるから、国と民族の繁栄のためにという理念の下に設立されたというこの会も容認されているということのようだ。
 ただ、やはり、所かまわずそんな行為をするようでは、風紀的に困る。そこで、会員は女子限定。構内では男女の行為禁止。構内での裸での実技演習も禁止。そういう制約を受けて、許されているのだそうだ。


 その後は、二年生二人による実技披露となった。
 裸での実技演習は禁じられているため、半そでシャツに半パンの体操着姿。肌露出は少ないが、それでも若い女性二人が体をというか、股間を密着させて絡み合う姿は卑猥だ。

 仏壇返し…名前だけは何となく聞いたことがある。が、あんな風に繋がるのはキツソウダ。
 卍崩し…これも聞いたことある。が、「あれ、無理なんじゃない?」「繋がれないような…」との隣の友の声。
 バージンの麻美は顔を赤くして見入っていた。

 気が付くと、友人二人は渡された入会書にすでに署名済み。そしてそれは麻美にも渡された。
 麻美は当然躊躇。興味なかったわけでは無いが、元から入る気などはない。見学の付き添いのつもりだったのだ。
 が、仲の悪いはずの友人二人が、それぞれ麻美の左右の手を握る。

「麻美、私と洋子を二人にさせる気?」
「お願い。麻美も入ってよ。一年生がコイツと二人だけなんて、絶対ごめんよ。あなたが必要!」

 勝手な言い分だ。いがみ合っているくせにこういう時は共闘してくる。卑怯である。
 しかし、この二人だけにして問題を起こされても困る。保護者的立場となってしまっている麻美としては、放っておけない。
 そして、何より……。麻美は頼み込まれると断れない性格なのであった。
 渋い顔をし、躊躇ためらいながらも、署名してしまったのであった。

 
 さて、正式に三人の入会が決まり。姐御もとい会長から、新入会員に対して御下問があった。「彼氏はいるのか?」と。
 綾音には彼氏がいる。彼女の入会動機は、彼氏とのエッチに刺激を加えたいというコトなのだ。この場でも恥ずかしげもなく、そのことを堂々宣言した。聞いている麻美の方が赤面だ。
 で、洋子はというと、彼女も彼氏がいるのだ。そして、彼女の入会動機も綾音と一緒だという。なんということだ……。
 最後になった麻美に視線が集まって…。

「わ、私はいません。男性とお付き合いしたこともないです」

 事実を、そのまま述べる。

「「お~!!」」

 上級生の会員たちから奇妙などよめきが上がった。
 まあ、当然かもしれない。男性経験もない女子が性技研究会に入会。普通はありえないだろう。
 麻美は場違いなところに入ることになってしまったと恐縮至極。
 だけど本当は自分だって入る気などなかったのだ。成り行き上、仕方なかったのだから御勘弁願いし、ダメだと言うのであれば、今すぐにでも入会申し込み取り下げしたい…のだが・・・、

「オッケー、オッケー。大歓迎だ。君が今年度の主役だ」

「えっ、しゅ、主役??」

 どういうことか意味不明。
 そしてニヤニヤ笑うばかりで、その意味を教えてくれない会長はじめとする会員たち。
 麻美は不安極まりなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

数年振りに再会した幼馴染のお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくなった日

プリオネ
恋愛
田舎町から上京したこの春、5歳年上の近所の幼馴染「さわ兄」と再会した新社会人の伊織。同じく昔一緒に遊んだ友達の家に遊びに行くため東京から千葉へ2人で移動する事になるが、その道中で今まで意識した事の無かったさわ兄の言動に初めて違和感を覚える。そしてその夜、ハプニングが起きて………。 春にぴったりの、さらっと読める短編ラブストーリー。※Rシーンは無いに等しいです※スマホがまだない時代設定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃった件

楠富 つかさ
恋愛
久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃうし、なんなら恋人にもなるし、果てには彼女のために職場まで変える。まぁ、愛の力って偉大だよね。 ※この物語はフィクションであり実在の地名は登場しますが、人物・団体とは関係ありません。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

田舎に帰ったら従妹が驚くほど積極的になってた話

神谷 愛
恋愛
 久しぶりに帰った田舎には暫くあっていない従妹がいるはずだった。数年ぶりに帰るとそこにいたのは驚くほど可愛く、そして積極的に成長した従妹の姿だった。昔の従妹では考えられないほどの色気で迫ってくる従妹との数日の話。 二話毎六話完結。だいたい10時か22時更新、たぶん。

恋人、はじめました。

桜庭かなめ
恋愛
 紙透明斗のクラスには、青山氷織という女子生徒がいる。才色兼備な氷織は男子中心にたくさん告白されているが、全て断っている。クールで笑顔を全然見せないことや銀髪であること。「氷織」という名前から『絶対零嬢』と呼ぶ人も。  明斗は半年ほど前に一目惚れしてから、氷織に恋心を抱き続けている。しかし、フラれるかもしれないと恐れ、告白できずにいた。  ある春の日の放課後。ゴミを散らしてしまう氷織を見つけ、明斗は彼女のことを助ける。その際、明斗は勇気を出して氷織に告白する。 「これまでの告白とは違い、胸がほんのり温かくなりました。好意からかは分かりませんが。断る気にはなれません」 「……それなら、俺とお試しで付き合ってみるのはどうだろう?」  明斗からのそんな提案を氷織が受け入れ、2人のお試しの恋人関係が始まった。  一緒にお昼ご飯を食べたり、放課後デートしたり、氷織が明斗のバイト先に来たり、お互いの家に行ったり。そんな日々を重ねるうちに、距離が縮み、氷織の表情も少しずつ豊かになっていく。告白、そして、お試しの恋人関係から始まる甘くて爽やかな学園青春ラブコメディ!  ※夏休み小話編2が完結しました!(2025.10.16)  ※小説家になろう(N6867GW)、カクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想などお待ちしています。

処理中です...