68 / 167
帰還、そして出産
68 美月
しおりを挟む
舞衣は、受付番でない時間に、後輩の細田美月に電話をかけた。昨日、自分からしようと思っていたが、その後、恵美からも連絡を取るよう依頼されていた。
「ごめん、美月。十九日に無事帰ってきました。いろいろあって、連絡が遅れちゃった。ほんとにゴメン」
『いいですよう。でも、良かったです! 今どこですか? 長野のご実家?』
「ううん? 今は岐阜県よ。実はね、帰ってきた翌日に結婚してしまいました」
『は?』
「結婚しました」
『うそ?』
「ホント!」
『え、えええっ、え~!! 相手、誰ですか!』
「え~と……。美月の、お腹の子のお父さん…。美月、ゴメン!」
『 ………。 舞衣さ~ん!!』
「ホント、ゴメン!」
『舞衣さ~ん。私の赤ちゃんのお父さんを盗るなんて~!』
「ゴメン……」
『 ……て、冗談ですよう~。この間のお返しで、一発殴らせて貰えれば、許しマス!』
「え……。うん、分かった」
『ちょ、ちょっとお、これも冗談ですってえ…』
「許してくれるの?」
『当り前じゃないですか。おめでとうございます!』
「ありがとう、美月。で、私たち、あの時の女の子たちと共同生活しているの。美月は今どうしてるの?」
美月は、五月二日に無事戻っていた。
こちらの世界では、舞衣に加え、その妹分的存在だった美月まで居なくなって、大騒ぎになっていた。
美月は戻ってすぐ、舞衣に敵対するメンバーの控室に仕掛けていた隠しカメラを回収した。
勿論、これは違法行為。盗撮だ。だが、奴らの悪事を暴く為…。
映像を全て確認し、ついに、見つけた。黒崎・橋本が、自分たちが行った行為について話している場面を。
美月は、決定的証拠部分をDVDにしたものを何枚もつくった。
五月五日。マスコミを集めて、自身の引退発表をした。同時にその席で、DVDをばらまいた。…引退理由として。そして、舞衣の引退の真相として…。
当然、輪をかけての大騒ぎとなる。隅田川乙女組は解散に追い込まれてしまった。
関係ない他のメンバーには、少し申し訳ない気もした。しかし、舞衣に対する嫌がらせを、見て見ぬ振りしていた者は多い。
冬木プロデューサーも、もっと早く手を打っていてくれれば、こんなことにはならなかった。
みんな、自業自得なのだ。
(もう、東京に居ても仕方ない。妊娠もしているし、実家のある滋賀に帰ろう。でも、家族に妊娠のこと話したらどうなるかな。アパート借りて、一人暮らししようか……)
美月は東京の部屋を片付けた。滋賀県内、だが、実家から離れたところに良い部屋を見つけた。その、引っ越しの手配を終えたところで、舞衣からの連絡があったのだった。
舞衣には、一緒に同居しないかと誘われた。是非、行きたい。
しかし、今更全てキャンセルできない状態で、とりあえずは、滋賀へ引っ越しする。
(岐阜なら隣だから、その後は、また考えよう)
ということで、ある程度落ち着く五月三十日に、舞衣のところへ顔を出す約束をした。
「ごめん、美月。十九日に無事帰ってきました。いろいろあって、連絡が遅れちゃった。ほんとにゴメン」
『いいですよう。でも、良かったです! 今どこですか? 長野のご実家?』
「ううん? 今は岐阜県よ。実はね、帰ってきた翌日に結婚してしまいました」
『は?』
「結婚しました」
『うそ?』
「ホント!」
『え、えええっ、え~!! 相手、誰ですか!』
「え~と……。美月の、お腹の子のお父さん…。美月、ゴメン!」
『 ………。 舞衣さ~ん!!』
「ホント、ゴメン!」
『舞衣さ~ん。私の赤ちゃんのお父さんを盗るなんて~!』
「ゴメン……」
『 ……て、冗談ですよう~。この間のお返しで、一発殴らせて貰えれば、許しマス!』
「え……。うん、分かった」
『ちょ、ちょっとお、これも冗談ですってえ…』
「許してくれるの?」
『当り前じゃないですか。おめでとうございます!』
「ありがとう、美月。で、私たち、あの時の女の子たちと共同生活しているの。美月は今どうしてるの?」
美月は、五月二日に無事戻っていた。
こちらの世界では、舞衣に加え、その妹分的存在だった美月まで居なくなって、大騒ぎになっていた。
美月は戻ってすぐ、舞衣に敵対するメンバーの控室に仕掛けていた隠しカメラを回収した。
勿論、これは違法行為。盗撮だ。だが、奴らの悪事を暴く為…。
映像を全て確認し、ついに、見つけた。黒崎・橋本が、自分たちが行った行為について話している場面を。
美月は、決定的証拠部分をDVDにしたものを何枚もつくった。
五月五日。マスコミを集めて、自身の引退発表をした。同時にその席で、DVDをばらまいた。…引退理由として。そして、舞衣の引退の真相として…。
当然、輪をかけての大騒ぎとなる。隅田川乙女組は解散に追い込まれてしまった。
関係ない他のメンバーには、少し申し訳ない気もした。しかし、舞衣に対する嫌がらせを、見て見ぬ振りしていた者は多い。
冬木プロデューサーも、もっと早く手を打っていてくれれば、こんなことにはならなかった。
みんな、自業自得なのだ。
(もう、東京に居ても仕方ない。妊娠もしているし、実家のある滋賀に帰ろう。でも、家族に妊娠のこと話したらどうなるかな。アパート借りて、一人暮らししようか……)
美月は東京の部屋を片付けた。滋賀県内、だが、実家から離れたところに良い部屋を見つけた。その、引っ越しの手配を終えたところで、舞衣からの連絡があったのだった。
舞衣には、一緒に同居しないかと誘われた。是非、行きたい。
しかし、今更全てキャンセルできない状態で、とりあえずは、滋賀へ引っ越しする。
(岐阜なら隣だから、その後は、また考えよう)
ということで、ある程度落ち着く五月三十日に、舞衣のところへ顔を出す約束をした。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる