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帰還、そして出産
95 恵美の策謀1
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翌朝。
祥子が朝食準備をし、慎也と舞衣以下が揃い、最後に亜希子が眠そうに起きてきた。
「みんな早いのね~」
亜希子も席に着く。
「ところで、昨晩の夜のアレ。激しかったわね……。こっちは独り身なんだから。寝られなくなっちゃったじゃないの……」
「激しいって~。別に~、いつものことですけど~」
代表して恵美が答えた。
「自覚無いの? あの大きな喘ぎ声……。昨日は、いったい誰の番だったの?」
「誰の番って~、全員ですよ~」
「は? 今、何て言った?」
「だから~、全員~!」
………。
亜希子は白い目で、周りを見渡した。
「確認するけど、昨日、旦那とシタのは、この六人全員?」
「そうですよう~」
恵美がニヤッと笑って答えた。
沙織が補足する。
「私たちは、一応、平等ってことになってますので、毎日全員、満足させてもらってます」
「ま、満足………。 あ、頭痛い…。姉さんが聞いたら卒倒しちゃう……」
「お母様のことは良いんです! ここでは、そういうことになってるんです!」
「はいはい、分かりました。もういいです。私が間違ってました。ゴメンナサイ! でも、よくモチマスね。あなた」
亜希子の視線の先は、慎也…。
「はい、自分で自分を褒めてやりたいです……」
「まあ、慎也さんにはフィンガーアタックもあるからね~」
「フィ、フィンガーアタック…?」
「はい、もう御仕舞!朝御飯よ!」
恵美の母親、真由美の時のような面倒くさい展開を嫌って、沙織が無理やり切り上げた。何故、ここで恵美がフィンガーアタックについて持ち出したのか、不審には思ったが…。
朝食後、舞衣から順番に亜希子の診察を受けた。腹部の触診と、聴診器による診察。そして問診だ。
亜希子はここで、先ほどの疑問を解消しようと図ったが、舞衣は、はぐらかして教えてくれない。次の祥子は、訊けば素直に教えてくれる。よって、大まかには判明した。
さらに恵美が、フィンガーアタックについて大げさに(?)吹き込んだ。
「指を入れられると、電気が走ったような感じがして~、それがだんだん、とてつもない快感に変わってきて~、最後は~、悶え死にしそうになるんですよ~。物凄~く気持ち良いんですから! あれは、とてつもないですよ~。み~んな、メロメロなんです~」
意図的に、その後のことを除いた説明だ。
次の沙織は、訊いてもフィンガーアタックに関しては答えない。杏奈も環奈も顔を赤くして、その質問には答えなかった。
(なるほど、指で満足させているから六人相手でも保つのか…。フィンガーアタック…。でもなんで、指だけで、そんなに気持ち良いの? みんな、あんな大きな喘ぎ声を出すほど)
明らかな誤解である。
前の様に、全く指を使わないということは無くなっていた。
しかし、本人からの要請があった時のみ。それも入れるのは、ほんの少し。長くても十数秒…。指だけでイカせている訳では決してない。六人と慎也は、しっかり毎日交わっている。
だが、亜希子には、そんなことは信じられなかった。一人と交わり、後は指でイカせているのだと解釈したのだ。
五人を毎日あっという間に絶頂に達せさせるフィンガーアタック…。亜希子は、このフィンガーアタックというモノに、多大な興味を覚えた。
それが恵美の策謀とは、思いもしなかった。
神社への道すがら。祥子と恵美の二人だけである。
恵美が祥子に問いかけた。
「祥子さ~ん。あの亜希子さん、どう思います~?」
「どうと言われてもなあ。沙織たちの叔母であるし、悪気があるのでは無いだろうが、遠慮というものを知らぬな」
新婚家庭に踏み込まれ、勝手に居座られて、態度も大きい。気分良いはずがない。
「そうでしょう~。ああも傍若無人に振舞われては面白くないわね~。でね!好き勝手出来ないようにと~、何かの時のカードとしてですね~。ちょ~っと謀り事に協力頂けません~?」
「また、何かするつもりか? まあ、其方のことじゃ。よかろう」
二人の謀議が始まった。
祥子が朝食準備をし、慎也と舞衣以下が揃い、最後に亜希子が眠そうに起きてきた。
「みんな早いのね~」
亜希子も席に着く。
「ところで、昨晩の夜のアレ。激しかったわね……。こっちは独り身なんだから。寝られなくなっちゃったじゃないの……」
「激しいって~。別に~、いつものことですけど~」
代表して恵美が答えた。
「自覚無いの? あの大きな喘ぎ声……。昨日は、いったい誰の番だったの?」
「誰の番って~、全員ですよ~」
「は? 今、何て言った?」
「だから~、全員~!」
………。
亜希子は白い目で、周りを見渡した。
「確認するけど、昨日、旦那とシタのは、この六人全員?」
「そうですよう~」
恵美がニヤッと笑って答えた。
沙織が補足する。
「私たちは、一応、平等ってことになってますので、毎日全員、満足させてもらってます」
「ま、満足………。 あ、頭痛い…。姉さんが聞いたら卒倒しちゃう……」
「お母様のことは良いんです! ここでは、そういうことになってるんです!」
「はいはい、分かりました。もういいです。私が間違ってました。ゴメンナサイ! でも、よくモチマスね。あなた」
亜希子の視線の先は、慎也…。
「はい、自分で自分を褒めてやりたいです……」
「まあ、慎也さんにはフィンガーアタックもあるからね~」
「フィ、フィンガーアタック…?」
「はい、もう御仕舞!朝御飯よ!」
恵美の母親、真由美の時のような面倒くさい展開を嫌って、沙織が無理やり切り上げた。何故、ここで恵美がフィンガーアタックについて持ち出したのか、不審には思ったが…。
朝食後、舞衣から順番に亜希子の診察を受けた。腹部の触診と、聴診器による診察。そして問診だ。
亜希子はここで、先ほどの疑問を解消しようと図ったが、舞衣は、はぐらかして教えてくれない。次の祥子は、訊けば素直に教えてくれる。よって、大まかには判明した。
さらに恵美が、フィンガーアタックについて大げさに(?)吹き込んだ。
「指を入れられると、電気が走ったような感じがして~、それがだんだん、とてつもない快感に変わってきて~、最後は~、悶え死にしそうになるんですよ~。物凄~く気持ち良いんですから! あれは、とてつもないですよ~。み~んな、メロメロなんです~」
意図的に、その後のことを除いた説明だ。
次の沙織は、訊いてもフィンガーアタックに関しては答えない。杏奈も環奈も顔を赤くして、その質問には答えなかった。
(なるほど、指で満足させているから六人相手でも保つのか…。フィンガーアタック…。でもなんで、指だけで、そんなに気持ち良いの? みんな、あんな大きな喘ぎ声を出すほど)
明らかな誤解である。
前の様に、全く指を使わないということは無くなっていた。
しかし、本人からの要請があった時のみ。それも入れるのは、ほんの少し。長くても十数秒…。指だけでイカせている訳では決してない。六人と慎也は、しっかり毎日交わっている。
だが、亜希子には、そんなことは信じられなかった。一人と交わり、後は指でイカせているのだと解釈したのだ。
五人を毎日あっという間に絶頂に達せさせるフィンガーアタック…。亜希子は、このフィンガーアタックというモノに、多大な興味を覚えた。
それが恵美の策謀とは、思いもしなかった。
神社への道すがら。祥子と恵美の二人だけである。
恵美が祥子に問いかけた。
「祥子さ~ん。あの亜希子さん、どう思います~?」
「どうと言われてもなあ。沙織たちの叔母であるし、悪気があるのでは無いだろうが、遠慮というものを知らぬな」
新婚家庭に踏み込まれ、勝手に居座られて、態度も大きい。気分良いはずがない。
「そうでしょう~。ああも傍若無人に振舞われては面白くないわね~。でね!好き勝手出来ないようにと~、何かの時のカードとしてですね~。ちょ~っと謀り事に協力頂けません~?」
「また、何かするつもりか? まあ、其方のことじゃ。よかろう」
二人の謀議が始まった。
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