13 / 78
貧乏神に取り憑かれました
13 再度の戸隠神社
しおりを挟む
戸隠神社中社。
石段を上って、まずは神様に…。
お賽銭どうしよう。昨日は千円。
これから貧乏神様と暮らさなければならないから、お金は貴重……。
でも、まあ、いいや!
ビンちゃんは私を守ってくれる神様。
その出会いをくれた思兼様なんだ。今日も千円!
「思兼の神様、有難うございました! 頂いたお仕事、頑張ります」
すると、いきなり目の前の空中に、思兼様がポンと現れました。
浮いてる…。
あ、いや、今更驚くことないですよね……。
「うむうむ。千円返せと言いに来たかと思ったが、これは、これは。またまた千円とは豪気じゃな。
其方の気持ち、確かに受け取ったぞ。エースよ。其方も嬉しそうじゃの」
ありゃまあ、ビンちゃん。ホントに「エース」って呼ばれていたのね……。
「うむ。小娘だが、こいつはナカナカ見どころがある。自分を放っておいて他人を助けようとする。気に入った。しっかり取り憑いてやる」
え? ……あ、今朝の女将さんのことか。
神様に褒められるのは嬉しい。
しか~し!
あ~ら、まあ、どうしたモノでござりましょう。
貧乏神様に、大層気に入られてしまったようでござりますよ!
これは、なんだか複雑であります。
あ、いや、私にとっては一応、守り神様。
これはこれで良いんだね……。
そうそう、出て来てくれたのなら、もう一度、思兼様に訊いておきたい。
ビンちゃんの世話の具体的なことを聞いていないのです。
「あ、あの、精一杯するつもりではありますが、お世話するってどうすれば良いのか、イマイチ分からなくて……」
「何を言うとる。其方はもう、しっかりやっとる。大丈夫じゃ。その調子でな」
それだけ言うと、思兼様はポンと消えてしまいました。
え~! 私、まだナンにもしてないよ。意味分かんない……。
拝殿の隣にあるのが、お守りとかが並べてある授与所。
浅葱色の袴の神主さんと巫女さんが坐っています。
二人とも、私を見て変な顔してる……。
なに? 金髪白肌美女に見とれてました~? って、んなわけあるか…。
もっと、不審気というか……。
あ、そうかあ。私、今、思兼様と話してた!
でも、普通のヒトには神様は見えないし、声も聞こえない。
つまり、私は一人でブツブツ言って頭下げたり頷いたりしていた怪しい人……。
きっと、昨日の頭の打ちどころが悪かったんだろうって思ってますよね。
あ~、いや~、その通りです。
打ちどころが悪くて、結果、貧乏神様憑きとなりました。
毎度の「かわいそうに」とでも言ってやってください。
しか~し、私はラッキーガール!
その浅葱袴の若い神主さんから、社務所の方へ行くように言われます。
巫女さんに案内されて中の部屋へ。
泊めてくれたあの神主さん。結構、上の方の人みたいって、当然ですよね。
紫色の袴でしたから…。
あ、神主さんの位は、袴の色で分かります。
よく見る水色っぽい「浅葱色」は、下の位。その上が紫色。
更に上になると、紫地に文様が入ってきます。
トップは白地に白の文様入り。……これは滅多にお目にかかれません。
なお、浅葱色の下に、「出仕」という見習いさんで無地の白袴の人が居たりします。
この白袴は、どの身分の人も使う共通の袴の色。
ですので、浅葱袴もまだ穿くことが出来ない人は白です。
ただ、そういう理由ですので、白を穿いているからと言って身分が下の人とは限りません。要注意です。
まあ、こんな話は、どうでも良い……。
巫女さんにお茶を出され、恐縮しながら待っていますと、紫袴神主さん登場。
即座に、お世話になったお礼を述べます。
神主さんからは、白い封筒を渡されました。
宿泊予定をしていた旅館のキャンセル料の足しにと…。
あんな良い待遇してもらって、その上に、これは……。
やっぱ、遠慮すべきでしょう。
ですが、少しの押し問答の末、結局、頂戴しました。
だって……。私、これから貧乏神様と暮らさなければならないのです。
どうなってしまうか、分からない。
頂ける物は貰っておいた方が良い。
そうしよう。…ということです。
その貧乏神様のビンちゃんは、しっかり私の隣に坐っています。
当然、神主さんには見えていませんが……。
石段を上って、まずは神様に…。
お賽銭どうしよう。昨日は千円。
これから貧乏神様と暮らさなければならないから、お金は貴重……。
でも、まあ、いいや!
ビンちゃんは私を守ってくれる神様。
その出会いをくれた思兼様なんだ。今日も千円!
「思兼の神様、有難うございました! 頂いたお仕事、頑張ります」
すると、いきなり目の前の空中に、思兼様がポンと現れました。
浮いてる…。
あ、いや、今更驚くことないですよね……。
「うむうむ。千円返せと言いに来たかと思ったが、これは、これは。またまた千円とは豪気じゃな。
其方の気持ち、確かに受け取ったぞ。エースよ。其方も嬉しそうじゃの」
ありゃまあ、ビンちゃん。ホントに「エース」って呼ばれていたのね……。
「うむ。小娘だが、こいつはナカナカ見どころがある。自分を放っておいて他人を助けようとする。気に入った。しっかり取り憑いてやる」
え? ……あ、今朝の女将さんのことか。
神様に褒められるのは嬉しい。
しか~し!
あ~ら、まあ、どうしたモノでござりましょう。
貧乏神様に、大層気に入られてしまったようでござりますよ!
これは、なんだか複雑であります。
あ、いや、私にとっては一応、守り神様。
これはこれで良いんだね……。
そうそう、出て来てくれたのなら、もう一度、思兼様に訊いておきたい。
ビンちゃんの世話の具体的なことを聞いていないのです。
「あ、あの、精一杯するつもりではありますが、お世話するってどうすれば良いのか、イマイチ分からなくて……」
「何を言うとる。其方はもう、しっかりやっとる。大丈夫じゃ。その調子でな」
それだけ言うと、思兼様はポンと消えてしまいました。
え~! 私、まだナンにもしてないよ。意味分かんない……。
拝殿の隣にあるのが、お守りとかが並べてある授与所。
浅葱色の袴の神主さんと巫女さんが坐っています。
二人とも、私を見て変な顔してる……。
なに? 金髪白肌美女に見とれてました~? って、んなわけあるか…。
もっと、不審気というか……。
あ、そうかあ。私、今、思兼様と話してた!
でも、普通のヒトには神様は見えないし、声も聞こえない。
つまり、私は一人でブツブツ言って頭下げたり頷いたりしていた怪しい人……。
きっと、昨日の頭の打ちどころが悪かったんだろうって思ってますよね。
あ~、いや~、その通りです。
打ちどころが悪くて、結果、貧乏神様憑きとなりました。
毎度の「かわいそうに」とでも言ってやってください。
しか~し、私はラッキーガール!
その浅葱袴の若い神主さんから、社務所の方へ行くように言われます。
巫女さんに案内されて中の部屋へ。
泊めてくれたあの神主さん。結構、上の方の人みたいって、当然ですよね。
紫色の袴でしたから…。
あ、神主さんの位は、袴の色で分かります。
よく見る水色っぽい「浅葱色」は、下の位。その上が紫色。
更に上になると、紫地に文様が入ってきます。
トップは白地に白の文様入り。……これは滅多にお目にかかれません。
なお、浅葱色の下に、「出仕」という見習いさんで無地の白袴の人が居たりします。
この白袴は、どの身分の人も使う共通の袴の色。
ですので、浅葱袴もまだ穿くことが出来ない人は白です。
ただ、そういう理由ですので、白を穿いているからと言って身分が下の人とは限りません。要注意です。
まあ、こんな話は、どうでも良い……。
巫女さんにお茶を出され、恐縮しながら待っていますと、紫袴神主さん登場。
即座に、お世話になったお礼を述べます。
神主さんからは、白い封筒を渡されました。
宿泊予定をしていた旅館のキャンセル料の足しにと…。
あんな良い待遇してもらって、その上に、これは……。
やっぱ、遠慮すべきでしょう。
ですが、少しの押し問答の末、結局、頂戴しました。
だって……。私、これから貧乏神様と暮らさなければならないのです。
どうなってしまうか、分からない。
頂ける物は貰っておいた方が良い。
そうしよう。…ということです。
その貧乏神様のビンちゃんは、しっかり私の隣に坐っています。
当然、神主さんには見えていませんが……。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる