HeritageCard-貧困街上がりの守銭奴カードマスターはヤンデレロリ吸血鬼と無双したい~この吸血鬼、血じゃなくてお金を吸うんですけど~

檻井百葉

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貧困街編

守銭奴カードマスターはヤンデレロリ吸血鬼と共にあるようです

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 ――勝った。
 その事実が、ようやく頭に染み込んできた。

「……クソ……」

 ボクとカマッセ、2人の間に流れる沈黙を破ったのは、彼の方だった。
 ガクリと膝をつき、歯噛みするように唸る。

「ふざけやがって……!
 何だよ、あのカードリアン……反則だろ……!見た目詐欺もいいとこじゃねえか!あんなガキが……!
 大体、なんだよコイツ。図体だけデカくて使えねえ……!大金叩いて買ったのに、ゴミじゃねえか!このクズカードが!!」
「……ふふ」

 小さな笑い声。
 リーナが、ゆっくりと一歩踏み出す。

「まあ、そのカードのスペックが低いのは否定しないわ。”量産型”だものね。
 ただ、あなたにも問題はあるわよ。適格な指示を出さない、相手を過小評価するばかりの、ヘボマスター」

 自らのカードに向かって怒鳴るカマッセに向かって、リーナが静かに告げた。
 ――ヘボマスター、と。

「んだと、このガキ――」
「あら、負け犬はよく吠えるとは言ったものね。ワンワーン?」
「テメ、舐めやがって!誰が負け犬だと!この俺が!この街で力を持つ側の人間だぞ――」
「なに犬が勝手に喋ってるのかしら?」

 おちょくるように笑った後、ただ、静かに片手鎌を持ち上げる。

「品の無い外見と態度だったけど、貴方のために戦ってくれたカードリアンを愚弄しないであげて。
 私達はカードリアン。マスターを愛し、尽くす存在。彼の思いを――馬鹿にするな」

 刃先が、カマッセを真っ直ぐに捉えた。
 それだけで。空気が、変わった。

「……っ!」

 カマッセが、喉を鳴らす。
 今になって、ようやく理解したのだろう。
 ――自分は負けたのだと。

「……なあ」

 ボクは、一歩前に出た。
 自分の声が、思ったより落ち着いていて、少し驚く。

「カードリアン・バトルで負けたんだ。勝者であるボクの言うことには、従ってもらおうかな」

 カマッセが、睨み返してくる。

「……ああ?テメェ、偉そうに――」
「バトルの勝敗がこの世界では全てを決めてきた。今更逆らうの?
 それにこっちのカードリアンはまだ元気なのに、生意気な態度とっていいのかな」
「くっ……」
「まあいいさ。ボクはキミに説教するつもりも、裁くつもりもない」

 事実だ。
 怒りは、ある。
 けれど、さっきまでほどじゃない。

「ただ一つだけ」

 一拍、置く。

「――二度と、ボクに近付くな」

 言葉は、それだけ。
 威圧も、脅しもない。
 だが、リーナの鎌が、その言葉の重さを補っていた。
 抵抗すればどうなるか。
 自分の身を守ってくれるカードリアンは、今は出せない。
 戦闘不能となったカードリアンは、カードの中でしばらく休息を取らなければ再召喚は不可能だ。

「……チッ」

 カマッセは、忌々しそうに舌打ちする。

「行くぞ!」

 下っ端たちに怒鳴りつけ、立ち上がる。

 誰も、引き止めなかった。
 彼らは視線を逸らしながら、路地の奥へと逃げていく。
 その背中が見えなくなってから、ようやく――

「……ふぅ」

 息を吐いた。
 緊張が、ほどける。
 ――勝ったんだ。
 改めて実感した瞬間。
 胸の奥が、じんわりと熱くなった。

 ドクン、と心臓が鳴る。
 手が、微かに震えている。

(……ヤバいな)

 静かだ。
 叫びたいわけでも、飛び跳ねたいわけでもない。
 ただ――

(ちょっと……いや、結構気持ち良かったな。最後の方は特に)

 最後の一撃。
 リーナと感覚を共有した、あの感覚。
 ――誰かと、完全に噛み合った瞬間。
 快感エクスタシー
 それが、一番近い言葉だった。

「ミライ」

 リーナが、鎌を下ろしながら言う。
 先ほどまで振りまくっていた片手鎌が消え、代わりに黒い傘が現れた。
 リーナはボクと初めて出会った時の様に、傘を広げて肩に担ぐ。

「いい初陣だったわ」
「……そうかな」
「ええ。最低限、カードマスターとしての役割は果たしたもの。私をちゃんと”使って”くれたわね」

 最低限、か。
 でも、その言葉が妙に嬉しい。

「次は、もう少し早く決断できるといいわね」
「……精進します」

 そう答えながら。
 心のどこかで、もう次の戦いを想像している自分に気付いて、苦笑した。
 ――『一度私を使うことの“快感”を知ったら――売れなくなるもの』
 そういえば、そんなこと言ってたな。
 ああ、その通りだよ、チクショウ。

「――す、スゴい!!」

 弾けるような声。
 振り向くと、そこにいたのは――リーナが星型の髪留めを買った、あのアクセサリー売りの少女だった。

「スゴいスゴい!本物のカードリアン・バトル……わたし感動しちゃった!」

 目を輝かせ、興奮を隠しきれていない。

「ベルリーナちゃんがひらりひらり戦う様子も、ミライさんが最後の方、真剣に指示を出す様子も……全部カッコよかった!わたしもいつか、あんなバトルがしてみたい!!」
「あはは……。そう言ってもらえると嬉しいよ。初めてのバトルで結構緊張してたし、正直上手く出来た自信無かったからさ」
「実際、上手くは無かったわ」
「ぐえ」

 リーナが、にこりと笑う。

「もし、私もいつかカードリアンと出会えたら――」

 一瞬、言葉を詰まらせてから。

「ミライさんとベルリーナちゃんに、挑戦するから!」

 ライバル宣言だった。
 一切の冗談抜きの、真っ直ぐな。

「……ええ」

 リーナは、楽しそうに微笑った。
 ボクも、釣られて笑った。

「楽しみにしてるわ」
「ライバル登場だね」

 少女は、ぱあっと顔を輝かせた。

「約束だよ!」

 その様子を見ていて――ふと、思い出す。

(……そういえば、この子)

「ねえ」

 声を掛ける。

「キミ、言ってたよね。
 カードリアン・バトルの配信は見たことないって」
「うん……携帯端末デバイス、高くて……」

 少女は、少し俯く。

「……ならさ」

 懐に手を入れ、小さい板――携帯端末デバイスを取り出す。
 画面に細かい傷が入った、修理品。
 ボクが昔廃棄場から拾って使っていたものだ。
 暇潰しにカードリアン・バトルの配信を見て、あの世界に憧れて――色んな興奮と夢を与えてくれたデバイス。

「これ、あげるよ」
「えっ……!?」
「安物の修理品だけどね。画質は荒いけど、視聴自体に問題は無いはずだよ」

 少女が、目を丸くする。

「ほ、本当にいいの……?」
「その代わり」

 一拍、置く。

「ボク達のバトルやってたら、絶対応援してよ」
「……!」

 次の瞬間。

「する!!絶対する!!」

 端末を胸に抱きしめ、何度も頷く。

「ありがとう!!絶対、見る!!」

 ――悪くない。
 誰かに何かを施すってのも。
 少女はボクとリーナに何度も頭を下げてから駆けて行った。

「美しい対応だったわ、ミライ。それでこそ私のマスターね」

 リーナがボクを見上げて微笑む。

「よせやい。感謝なら言葉じゃなくてお金で伝えてくれ」
「その返しは美しくないわ」
「半分ジョークだよ……さて」

 人混みの中に、見覚えのある顔を見つけた。
 工房のオヤジだ。
 目が合った瞬間、露骨に逸らしやがった。

「……おいオヤジ」

 近寄って呼ぶと、渋々とこちらを向いた。

「……よぉ、ミライ!いやー、中々に良いバトルだったぜ。こんなスラムにも最高級のエンタメをありがとな」
「よくもまあ」

 思ったより、軽い口調で言えた。

「ボクの情報、あいつらに売りやがったな?」
「はは……」

 オヤジは、乾いた笑いを浮かべる。

「いやぁ……スラムじゃ情報も商品だからよ。それにアイツらしつこくってな」
「商売上手だねえ」

 皮肉を込めて言ってやった。

「おかげで、良い経験できたけど」
「……怒ってねえのか?」
「怒ってるに決まってるでしょ」
「……だよな」
「怒ってるけど――」

 ……まあ、過ぎたことだし。

「勝ったからいいよ。今日のところは全部水に流すさ」
「……すまねえ」

 少し黙ってから、オヤジは言った。

「……なあ、お前さ」
「なに」
「もっと街の方に行って、カードマスターとしてやっていってもいいんじゃねえか?」

 一瞬、言葉に詰まる。

「……王都、か」
「そうだ」

 オヤジは、懐から袋を取り出し、放ってよこす。

「移動費だ。こんなスラムでも王都行きの交通網は出てるの、知ってるだろ」
「は?」
「ま、迷惑料みたいなもんだ。黙ってとっとけ」

 袋の重みは、はっきりしていた。

「おっほぉ!……マジでいいの?」
「黙ってとっとけって言っただろ。あとお前、その下品な笑い声は直せ。都会の連中に馬鹿にされるぞ」
「本当に要所要所でミライは美しくないわ」
「うるさいなぁ。癖になってるんだから仕方ないでしょ」

 オヤジは、少しだけ笑った。

「ま、いつかお前達が大物になったら返しに来てくれよ。ついでにサインも頼むわ」

 人混みに戻っていく背中を見送りながら。
 ボクは、袋を握りしめた。
 胸の奥に、まだ残る静かな高揚。

「……リーナ」
「なに?」
「ボク、改めて決めたよ」

 一歩、前を見る。

「カードマスターとして、やっていく」
「ええ。美しい選択だわ」

 彼女は、穏やかに微笑った。

「私は、何処までも貴女と一緒よ」

 ――当然でしょう?と言わんばかりに。
 穏やかな微笑み。上品で落ち着いた声音。
 なのに。なぜか背筋に、ぞくりとした感覚が走った。
 リーナは一歩、距離を詰めてくる。
 夕暮れの光を受けて、白い肌と赤い瞳がやけに生々しく映る。
 その仕草は妙に艶めいていて、”バトルの時以外は背伸びして大人っぽい態度をとっているちんちくりんの少女”として認識していた像を、静かに、だが確実に塗り替えてくる。

「改めて、貴女は勝ったのよ、ミライ」
「……?ああ。君のおかげでね」
「そう。私のおかげで」

 ”私のおかげ”という単語を噛みしめるようにして、言葉を重ねる。

「なら――」

 細い指が、そっとボクの袖をつまんだ。
 白くて可憐なその手が、やけに熱を持っている気がして、思わず視線が逸れる。

「ご褒美が、欲しいわ」
「……は?」

 間抜けな声が漏れた。

「えーと、ご褒美といいますと?アクセサリーとか、食べ物とか……?」
「いいえ。物じゃないわ。もっと根源的な物よ。言葉にするならそう――
 ”愛”、ね」

 にこりと、無垢な笑顔。
 ……なぜそこで愛!?

「欲しいのよ。私のマスターである貴女の意識も、視線も、感情も、全部が、私に向いているっていう実感が」

 その一文が、やけに長く、やけに重い。

「……えっと」

 さっきまで胸にあった決意や高揚が、妙な方向へ転び始めている。
 とても面倒臭いことになっているということはすぐに分かった。

「愛がほしい、って……どういうこと?」

 なるべく刺激しないように、言葉を選んだつもりだった。
 ナニヲイッテルノカワカリマセーン、というようにすっとぼけた。
 リーナが一歩、距離を詰める。
 近い近い。

「行動で示してほしいの」
「……行動?」
「ええ」

 赤い瞳が、じっとこちらを見上げる。
 その視線は、年相応の無邪気さとは明らかに別物で、静かに、しかし執拗に絡みついてくる。

「唇がとろけるような熱い口づけでもいい、壊れるくらいに激しい抱擁でもいい、逃げ場なんて無いって理解出来るくらいに、貴女の想いで私が縛られているって、満たされているって――それが分かればいいのよ」
「…………」

 ダメだ。思考が追いつかない。頭の中で即座に「このやべーカードリアン、とっとと売ろうぜ!」と警鐘が鳴る。
 ……何言ってんだコイツ。ドン引きだよ。
 確かに、初めて会った時にやたらエロティックな表現をすることがあった。ただそれは冗談であって、大人の女性に憧れる少女が無理をして”おとなのおねえさん”のモノマネをしている程度のことだと思っていた。

 コイツ、ガチのやつだ。
 ボクは、ようやく理解した。
 この吸血鬼。
 可愛いし、強いし、頼れるし――それ以上に。
 ――ヤンデレ属性持ちだ……!!

 無理無理無理無理。
 ボクにそんな趣味は無い。
 カードリアンを、それも同性の少女に対して、”そういう”行動は出来ない。
 内心で全力拒否をしながら、視線を彷徨わせる。
 その末に。

「……えーと」

 ボクは、意を決してそっと手を伸ばした。

「こんなもんで、いい?」

 指先が、リーナの頭に触れる。
 さらりとした桃色の髪を、軽く撫でる。
 ――いい子いい子。
 これが、今のボクに出来る”最低限の愛の行動”だ!!

「……」

 リーナの動きが、止まった。

「子ども扱いしないでちょうだいっ……」

 不満そうな声。
 ……けれど、抵抗は無い。
 むしろ、撫でる度にわずかに肩の力が抜けていっているようだ。
 まつ毛が伏せられ、赤い瞳がとろんと緩む。
 正直なところ、ちょっと可愛いなと思った。ずっとこんな感じならいいのに。

「……まったく。見た目が少女だからってそんなことで喜ぶとでも……!」

 そう言いながら。
 その表情は、年相応の少女そのもので。

 猫が撫でられているみたいだ、と思った。
 さっきまでのやたら湿度の高い言葉が嘘のように。

「これで、満足かな……?」

 恐る恐る聞くと。

「……今回は、これで許してあげるわ」

 小さく、そう答えた。
 ”今回は”か。次回があるのかよ。怖過ぎだろ。
 胸の奥で、これからカードマスターとして生きていく以外の別の不安が芽生えたが――今は、考えないことにした。

「なんか調子が狂っちゃったけど……まず目指すは――王都だ」

 情報も、仕事も、カードも。
 全部、そこに集まる。
 そうしてボク達は歩き出す。

 小さな一勝を胸に。
 確かな一歩を踏み出して。

 ――こうして。
 ボクとリーナの物語は――本格的に動き始めた。
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