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入団・面談・混乱
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「エミルさん、今日はお疲れ様でした。なんだか、楽しそうですわね」
ブルー王国国王、カナトの一人娘の姫、エリノアが、紅茶を飲みながら嬉しそうに言った。
「えぇ、とても楽しいです。あいつが、誰とどんなチームを組むのか、楽しみでしょうがないんです。特別騎士団を目指すのならば、一緒に組みたいとチームを解散してでも申し出てくる、第一騎士団の奴とチームを組むのが、効率が良いでしょう。ですが、あいつは……あの二人は、もっと私を驚かせることをしてくれると思うんです」
エミルも紅茶を飲んだ。
「……エミルさん、少し、無理して笑っていますね?お気に入りの子達が、ついに戦場に向かうことになったことに関して、何か考え込んでいるのでは?」
エリノアが紅茶を置いて言った。真っ直ぐに、エミルを見ている。
部屋には、二人だけ。
部屋のすぐ外で、ヨネルとシルクが見張りをしている。
「……別に無理なんかしていないですよ。あいつの夢は、私の夢です。あいつがここでどう成長するかは分からない。だけれど、間違いなく、私の希望となるはずですから」
「エミルさん……」
エリノアが、少し悲しそうにエミルを見た。
「希望、ですか。私の希望は、エミルさん、あなたです。だって……」
「エリノア姫、それ以上は言ってはいけませんよ。誰が聞いているか分からないのです。それに、私はあなたを憎まないといけない存在。この場であなたが殺されてもおかしくないのですよ」
エミルが、エリノアの言葉を手で制して言った。
エリノアが、黙って頷いた。そしてそのまま、文をエミルに渡す。万が一を考えて、机の下を通して。エミルが、文を受け取り、エミルからも文を渡す。
「あいつが成長する前に、私は夢を叶えてやりますけどね」
エミルが、ニヤリと笑った。
エリノアが、微笑んだ。
部屋を出たエミルは、特別騎士団への寮へと、三人で帰る。
そして、寮の談話室に戻ってから、エリノアからの文を広げた。
「なるほどね」
エミルは、その文を全員に見せると、その場で文を燃やした。
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