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合同訓練の始まり
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「ねぇ、早速あのチームがやらかしたって?」
特別騎士団専用寮の談話室で、エミルが嬉しそうに、シルクの持っている書類を覗き込んだ。黙って書類を見せるシルク。
エミルは書類に目を通すと、ヨネルに渡す。ヨネルからフユ、ハヤテと、全員が書類を確認した。
「……新人が、私たちの戦い方で、第一騎士団と引き分け。前代未聞」
フユが表情を変えずに淡々と言った。
「凄いねー。お兄さんビックリだよー。この戦法、きっとアマナが考えたんだろうねー。本当に、エミルにそっくりな子だねー」
ハヤテは優しく微笑んでいる。
「これで、私がこのチームをどこに配属しようと、文句言う奴はいないでしょ。自分たちから私のやりやすいようにしてくれるなんて、本当に最高ね」
エミルが楽しそうに、ソファーに座ると、そのままヨネルの膝を枕にして横になる。
ヨネルはずっと無言だ。
「勧誘者が入って、もっと荒れると思っていたが、コルとアマナは上手くやってくれている。これなら、これ以上荒れることもないだろう」
シルクが別の書類を全員に配りながら言った。
「これが、今回決まった新人のチームだ。どこに配属するか決めないと」
「えー、それはシルクに任せるよ」
面倒くさそうに言ったエミルに向かって、シルクがため息をつく。
「エミル、団長はお前だろう」
「だから、適材適所だって」
そう言いながらも、エミルは書類を見ていた。
ヨネルに、フユとハヤテも、書類をめくる。
「他には、特に目立ったチームはなし。いつも通りの新人配属で問題ないはず」
フユがシルクを見ながら言った。
「そうだねー。細かい配属は、エミルとシルクに任せるよ。お兄さんは、あんまり配属に興味がないからねー」
ハヤテが微笑みながら書類をめくる。
「ハヤテ兄さん、もう少し興味を持って下さいよ」
シルクがため息をつく。
「配属を決めたら、戦闘区域に行かせる。こいつらがどこまで動けるか、見物だな。覚悟のないやつは、一日でここを去るだろうから」
エミルが真面目な顔で言った。
「……そうだな。だからこそ、俺たちには新人を的確な部隊に入れる義務がある」
シルクが真剣な声で返す。
「しょうがないなぁ。たまには仕事らしい仕事をしますか」
エミルが起き上がった。ホッとしたように頷くシルク。
ヨネルはいつものように、始終無言だった。
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