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配属・戦場へ
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特別騎士団専用寮のヨネルの部屋のベッドで、エミルは目を覚ました。
「……気分はどうだ」
ベッドに座って、エミルの様子を見ていたヨネルが言った。
「……ん、大丈夫……」
エミルがそう言うと、ヨネルは少し怒ったように、エミルに覆い被さった。
見つめ合う二人。
「お前は……いつも大丈夫しか言わないな。どれだけ心配してると思ってるんだ」
「……だって……」
反論しようとしたエミルの唇を、ヨネルが自分の唇で塞いだ。
抵抗せず、少し嬉しそうに受け入れるエミル。
唇が離れる。
エミルが、黙って、ヨネルの左目の包帯に手を伸ばした。そして丁寧に包帯をとりはじめる。
ヨネルは何も言わずに、エミルの好きなようにさせている。
包帯をとった下からは、赤く輝く瞳が現れた。ヨネルは、ブルー王国とレッド王国の血を強く受け継いだオッドアイなのだ。
「ちゃんと、隠さずに見て……?」
エミルの言葉に、ヨネルは無言でまたキスを落とした。
しばらく二人でそんな時間を過ごした後、ヨネルはいつものように包帯を左目に巻く。
「今日さ……新しい情報が入ったよ……。もしかしたら、歴史を変えるかもしれない」
エミルが、ヨネルに向かって言った。ヨネルは黙って頷くとエミルを抱き上げた。
「談話室までくらい、自分で歩けるのに……」
そう言うエミルを無視して歩き出す。
「俺にはこれくらいしかできないだろ」
ヨネルの言葉にエミルは黙ると、皆が待つ談話室へと向かった。
「エミル、調子はどうだい?」
ハヤテの言葉に、エミルは黙って頷いた。
談話室には、全員が集まっている。
「今日、新たな情報が分かった。明日から……もしかしたら、歴史を変えるかもしれない出来事が起こる。詳細はこの紙に」
エミルが小さな紙を全員に回す。
そして、全員が読んだことを確認すると、すぐにメモを燃やした。
「これは……一波乱ありそうだな」
シルクが真剣な顔で言った。
「一波乱で済めば良い」
フユが無表情で淡々と言う。
「コル達のチームがどうなるか、楽しみ……とは言えないね」
珍しくエミルが暗い声で言った。
「やれやれ、大変なことは重なるって言うねー。エミルが寝ている間に、テルから連絡が来たよー」
ハヤテが笑顔を崩さずに言った。
「なんてですか?」
エミルがハヤテを見た。
「近々、こっちに一度戻ってくるってさー。報告と……エミルに会いに。後、エミルのお気に入りのあのチームのことも見てみたいって言ってたなー」
ハヤテの言葉に、エミルが少し微笑んだ。
ヨネルはこの日も終始無言だった。
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