一進一退夫婦道

Emi 松原

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豚さんの希望

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先日、待ち侘びていた嬉しいニュースが出た。
アメリカで、遺伝子操作をした豚さんの腎臓を使った、人への移植の臨床試験が成功して、患者さんは無事に退院されたのである。

このエッセイを書いている数日前には、2人目が成功したとのニュースも入ってきた。

最初に成功した方の医療チームには、日本人医師の方もいて、インタビューで、早ければ3年で日本でも取り入れられる可能性があると仰っていた。

さらに、お腹の子に豚さんの腎臓を移植する初の手術が、なんと日本で行われる。
生後7ヶ月まで、透析治療はできない。
なので今までは、腎臓に大きな病気を持って産まれた子は、7ヶ月までもたなければ……だったのである。
この移植が上手くいって、7ヶ月まで繋げれば、生きることができるのだ。


これは、私たちにとって、世界の腎臓病、透析患者さんにとって、希望である。


私の腎臓を渡せたら早かったのだが、自分の病気も含めてなかなか痩せられない中、腎臓医療の進歩のニュースはずっと追っていた。

私の中で、腎臓への代替機械の取り付け、再生医療、豚さんの腎臓を頂く、この三つのどれかが進んでくれれば、とずっと思っていた。

まさか豚さんが一番に現実的なものになるとは思っていなかったが、日々研究してくださっている方、そして臨床試験の患者さんには感謝しかない。

ちなみに心臓の移植も行われ、無事機能したと思われたが、その方は40日後に亡くなっている。


もしこの治療法が確立されれば、患者が助かるだけではない。

違法臓器売買も、家族のドナーの決断をして泣く人々も、一気に減らせるはずなのだ。
悲しいことに、臓器を買う人の中には日本人もいる。
又、安易に売ってしまう日本人もいるのだ。
何より。移植登録をしながら言えることではないが、ドナーの方のご家族に重い決断をさせたくない。


豚さんの命は?

そう問う方もいるであろう。

私は、日々お肉を食べている。豚さんも鳥さんも牛さんも、魚さんも。命を頂き生きているのだ。

それなのに臓器だけは貰えない、などとは私には言えない。


これから患者さんの追跡調査も行われて、問題も出るかもしれない。
豚さんを多くどこで育てるか、利権は、で揉めることもあるだろう。
特に透析治療はお金がかかる分、儲かる。つまり利権が……なのである。


それでも。世界に響いた希望のニュースだ。


このご時世、暗いニュースばかりで、情勢もよろしくない。
そんな中入ったこの希望を、大事にしていきたいと心から思うのである。
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