『まやりん☆』よりも、オレを推せっ!!!

そらも

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01 『最悪すぎる出会い』……のはずが。

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「――あっ、もしかして今日から住むっていうお隣さんですか? 初めまして、僕っ103号室の園田すぐるって言います。近くの景上斎大学の二年生やってます、よろしくです!」
「え、ああどうもご丁寧に。っていうかオレも景上斎大学の二年生っす」
「わぁ、そうなんですか? 一緒だったんですね、ははっもしかして今まで大学内でも会ってたかもっ」
「っすね、すれ違ってたかも」


秋寒さを感じてきた、九月の終わり。
季節外れな感じのこの時期に、
ようやく大学からほど近いアパート――『やまだの庭(やまだのにわ)』104号室に入居が決まり、
改めて新生活のスタートを切ることとなったとある休日のこと。

アパートに荷物をすべて運び終わり、ちょうどお昼時だし近くのコンビニに飯でも買いに行くかと部屋を出ると、
タイミングよく隣の部屋から住人らしき人物がひょこっと顔を出した。
無駄に爽やかで背丈の高い好青年風の男――園田すぐる(そのだすぐる)と、
同じ景上斎大学(けいじょうさいだいがく)の二年生で同い年だったことで、しばしの間談笑をしていたのだが。
ふと、……あれ? そういえばオレ、まだ自分の名前言ってなかったな…と思い出したオレは、

「――っと、そういえばまだ名前教えてなかったっすよね。オレ、所沢真哉っていいます。えと、とりあえず同じ大学のお隣さんてことで、今度ともよろし…」

自身の名前が所沢真哉(ところざわまや)であることを告げ、これからよろしくと続けようとした

――瞬間。

グググイっっ!!!

「――っ!! ほっほっほんとに君っ…と、ととっ『ところざわまや』って名前なんですかっ…!!?」
「!? …は、はぁ…まぁ、生まれてこの方、ずっと所沢真哉で通してきてるっすけど…?」
「っっ!! っ、はぁ、マジかぁ……と、ところざわまやっ…うぐっ、な…なんて、なんてことだっ…まさか、」
「?? ……あ、あの、オレの名前が何かっ…」

「――まさかっ、あの『まやりん☆まじかるんっ!!』の主人公、まやりん☆こと『所沢まや』ちゃんと同じ名前の人物がこの世に存在してたとはぁぁぁっ!!!」

「…………はあっ????」

突然、力強く両手を握りしめられたのち。
目の前の爽やか好青年風だったはずの男は、わけのわからない謎の言語を放ち……そして、

「あっあの、あのっ…!! 僕っこれから所沢くんのことっ――『まやりん☆』って、そう呼んでもいいですか!!!」
「――…」

ぎゅうううっ、痛いくらいにまたもオレの両手に力を込めながら、
さらにわけのわからない、もはや言語とは理解しがたい台詞をものすごい満面の笑みでもって、
オレへと投げかけてきたのだった。

「……だ、」
「へっ? まやりん?」
「だぁぁあれがぁっっ『まやりん☆』じゃああぁぁいいっ!!!!」
「ぐあうっ!!?」

ゴチィィィンっっ!!!
そうしてオレは、初対面のオレよりも体格の良い男相手にものすごい勢いで頭突きをかまし。
アパート玄関の前、人ひとりをノックアウトさせるという人生でそうそうない経験を若干二十歳で経験する運びと、
気づけばなってしまっていた。

それがオレ、所沢真哉と、
アパートの隣の住人、園田すぐるとの『最悪すぎる出会い』


――だったのだが。


「――ああっ♡♡ んんっ、あっやぁ♡ …っ、すぐる♡♡ もっと、もっとちんぽおくっ、奥ずんずんってしろぉ…♡♡♡」
「は、っ♡♡ ははっ、真哉くんはほんと僕のちんぽで奥ずんずんされるの好きだなぁ♡♡ …こうっ? ここかなぁ♡」
「うああ♡♡♡ …ぁあっ、そこぉ♡♡ そこ好きっ、すぐるのちんぽ届いてるぅ♡♡ んああっ…♡♡」
「んんっ、あっいいっ…♡ 真哉くんのおまんこ、僕のちんぽにピッタリぎゅうぎゅうでぇっ♡♡ うっ…♡♡」
「はぅんっすぐるのガチガチちんぽぉ♡♡ オレのまんこでぐちゅぐちゅいっぱいいってるっ、ああっ気持ちいっ…♡♡」
「っ、真哉くんそんなにきゅってしたらっ…うぁっ、僕もっ僕も気持ちいいよぉ♡♡ もう射精ちゃいそうだっ♡」
「っすぐる、すぐるキスぅ♡ ちんぽでズコズコしながらっ、オレにちゅうしろぉっ♡♡」
「ふふっ、うん♡ いっぱいちゅっちゅしながらパンパンしまくろうね、僕の可愛い恋人さん♡♡♡」
「っ、すぐるぅ…♡♡♡」


出会いから約一ヶ月、十一月、今現在。
最悪すぎる出会いを果たしたはずのオレとすぐるは

――恐ろしいぐらいの『超絶ラブラブバカップル』へと、
まさかのスピードの速さでもって変貌を遂げていたのであった。


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