12 / 16
4話
しおりを挟む「――でっ、あたしが『あっそのいちごみるくキャンディー、あたしも昔よく食べてたんだぁ。ねっ一つもらってもいいかな♡』って聞いたら、あの野郎っ」
「「『あっわりぃ、このいちごみるくキャンディーはりょう専用のだから、他の奴にあげられねーんだわ』」」
「って、どーせ言ったんでしょっけいいちろーのヤツ!!」
「と…おそらくおっしゃったんでしょうね、恵一郎さんは」
「そうっ!! そうなんですぅぅぅ!!! ……えっ、ていうかもしや、ななお先輩とこころ先輩も…」
「モチのロン」
「ええ、言われました」
「!? い、一年時にも同じことが二度も起きてたとか……こっこわっ!! もうほんと怖いんですけど何なのあの男っマジ何なのっ!?」
「ほんっと軽くホラー入っちゃってるよね~トリハダもんだよ~」
「ななお先輩から話聞いた時もアレだったけど、その次のこころ先輩がまったく同じ話した時には、もう脳内あのサングラスの人進行の番組のテーマ曲が即座に流れてきたもんだわよほんと」
「あの曲よね…わかるわゆのちゃん。そしてまた今、脳内で流れ出し始めたわ」
「高校一年の時から今現在まで、ほぼ毎日あの制服のポケットに例のあの子の大好きなキャンディー常備してるとかマジわけわかんないよねぇ、しかもけいいちろー本人はあの子専用だからとか言ってまったく舐めてないしっ」
「そこがまた、恐怖をより駆り立ててますよね」
「更に言うなれば、おそらく中学、小学時代も食べ物の持ち込みを禁止されてなければ……あの人、恵一郎くんは確実に例のあの子のためにいちごみるくキャンディーを常にどこかしらに常備してたであろうことが容易に想像できるところが、また恐ろしいわよねぇ……」
「あとはアレっ……あいつと…恵と初めてのデートでファミレスにご飯食べに行った時、運ばれた料理をおいしく食べてたあたしを恵が妙にニコニコ……っていうかなんかもううっとりとした表情で見てるもんだから…」
『……えっふぉ、モグ…んっ、どうしたの恵? あたしの顔に何かついてる…?』
『ん? ああ、いや……りょうかってさ、飯食べてる時こうリスみたいにほっぺたちょっと膨らまして食うじゃん?』
『えっ嘘っあたしそんな食べ方してた…!? やだっ恥ずかしいな…』
『あっ隠すなって、めちゃくちゃ可愛いのによぉ』
『っ……そ、そんな可愛いだなんてもうっ恵ったら…』
『ほんとほんとっ、りょうみたいな食い方でめちゃくちゃ可愛いよ♡』
『――は?』
『ん?』
『……りょうって、恵の幼なじみだっていう…涼真くんの、こと…?」
『おうっ、りょうかの食べ方、りょうにそっくりでマジでこのままずっと見てられるくらいだわ~ははっ』
「ははっ、じゃねーからあぁぁぁっ!!!」
「…ああ~…なるほど、そうくるかぁ……いやほんと恵一郎クソじゃん、相変わらずクソじゃん」
「あちゃ~りょうかっち、例のあの子と食べ方似てるんだぁ…それはキッツかったね~…」
「本当災難でしたね、りょうかさん…」
「例のあの子と似てるって言われる部分があるのは超マイナスポイントだよね~りんも死ぬほどわかる~」
「りんちゃんもアレだったものね……何にせよ、本当にお疲れ様だったわりょうかちゃん」
「っ、はい……でも、」
「あたしがその時ちょうど食べてたのも『3種の濃厚チーズエビドリア』っていう、例のあの子の大好物だってその後言われた時は、さすがに胃の中から食べたもの含め何かが勢いよくせりあがってきそうで本当大変でしたね……ははは」
「「「「「いやマジお疲れ様でしたっ!!!!!」」」」」
0
あなたにおすすめの小説
息の合うゲーム友達とリア凸した結果プロポーズされました。
ふわりんしず。
BL
“じゃあ会ってみる?今度の日曜日”
ゲーム内で1番気の合う相棒に突然誘われた。リアルで会ったことはなく、
ただゲーム中にボイスを付けて遊ぶ仲だった
一瞬の葛藤とほんの少しのワクワク。
結局俺が選んだのは、
“いいね!あそぼーよ”
もし人生の分岐点があるのなら、きっとこと時だったのかもしれないと
後から思うのだった。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
溺愛系とまではいかないけど…過保護系カレシと言った方が 良いじゃねぇ? って親友に言われる僕のカレシさん
315 サイコ
BL
潔癖症で対人恐怖症の汐織は、一目惚れした1つ上の三波 道也に告白する。
が、案の定…
対人恐怖症と潔癖症が、災いして号泣した汐織を心配して手を貸そうとした三波の手を叩いてしまう。
そんな事が、あったのにも関わらず仮の恋人から本当の恋人までなるのだが…
三波もまた、汐織の対応をどうしたらいいのか、戸惑っていた。
そこに汐織の幼馴染みで、隣に住んでいる汐織の姉と付き合っていると言う戸室 久貴が、汐織の頭をポンポンしている場面に遭遇してしまう…
表紙のイラストは、Days AIさんで作らせていただきました。
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる