本日も俺とてつとはラブラブえろえろ真っ最中♡ ~嘘ですごめんなさい、全部ヘタレな俺の妄想です~ 

そらも

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俺の妄想その九、『――あ、ははっそういうことか♡』

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時は戻って、再び今は7月21日の水曜日。時刻はあれから少し進んで午後の7時をちょうど過ぎたところ。



「……飛び散った己の精液が付いている床をほぼ全裸の状態で無心でティッシュで拭く構図って…いくらなんでも虚しすぎるだろ、俺……」



本日三発目のオナニーを済ました際に勢いがつきすぎて飛んでいってしまった、ベッドのちょうど脇の床にポツリとできた白濁した液の跡。
それを拭き終わったのち、軽くベッド周りを整え服を気直した俺は「はぁぁ……」と大きな溜め息と共にボスンッ…と自身のベッドへと仰向けにダイブする。

天井にできた小さなシミをジッと見つめながらも考えることは、やっぱり隣に住む絶賛片想い中の可愛い年下幼なじみのことであり。


「…結局、今日だって何度も告白できるチャンスあったってのに……っ、ほんっと俺は何やってんだよ!!? も~~っ俺のアホアホヘタレ大馬鹿童貞野郎っ!!!」


……実のところ、先程までのてつととの妄想セックスの序盤の冒頭の会話、


『…はっ、はいはいっ今開けますぅ…!! って、わっ、よっ耀くんだぁ!? ど…どしたの、会う約束なのは今度の土曜のはずじゃ…?』


このてつとの台詞部分は俺の勝手な想像じゃなく実際にあったもので――…え、そのあと? ははっ、そのあとはもちろんすべて俺のたくましい童貞脳から生み出された妄想の産物ストーリーだ!! ……自分の妄想力加減にちょっと引く…――つまりは今からほんの数時間前まで、俺が今日が中学校の一学期の終業式だったてつとの家へ訪れたこと自体は本当だったのだ。

だから今日も必然的にてつとへと愛の告白を伝えられる場面は何度もあったっていうのに……結果はやっぱりというかなんというか、この有様で。



「なんっで…どうして俺はこんなにもダメダメなんだよぅぅっ…!!? うっうぅぅ……」



そうやって毎度毎度、自分の不甲斐なさにこうして後悔に染まった声を情けなくもあげまくるわりに、その反省をまったく次に上手く生かすことができずに、もうすでに早一年の時が過ぎようとしていたのだった。


だというのに、


「……はぁ。あ、でもそういえば今日のてつとのアレ、すっごく可愛かったなぁ…♡♡♡」


ふへへ…と、ふと思い出すのは本日のてつとのこと。


今日がてつとの中学の終業式だと事前に聞いていたので、『――あっ、この時間ならまだおばさんたち帰ってないだろうし、もしかしたらてつと家に一人かもだっ♡♡』と、大学が終わってすぐにウキウキドキドキ気分で寄り道もせずに――むしろ自分の家の敷地にさえも足を踏み入れずに――向かった隣のてつとの家にて。

俺が玄関のチャイムを鳴らした際に少しの間をおいて扉を開けたてつとは、冒頭の台詞通り妙に焦ってた…というか、何やらまるでいつもの俺のようにどこかあわあわとした感じだったのだ。

? …どうしたんだ、てつと。何か様子が…と疑問に思ったのも束の間。すぐにてつとが何やら慌ただしかった理由を俺は理解する。


『――あ、ははっそういうことか♡』
『待っててね、今ジュース…て、へ?』
『アレ、あのリビングの机の上にあるのって、おばさんの大好物の春風堂の生シュークリームが入ってた箱だろう? 夕飯前だってのに、てつと我慢できなくてついついシュークリーム食べちゃって、そこに俺がいきなり玄関のチャイム鳴らしたから、もしかしておばさんが帰ってきたのかもっ…!? って焦って、だからあんなにあわあわした感じだったんじゃないか?』
『え……――うんっ、実はそうなの! えへへ~ほんとはお夕飯後のデザート用よってお母さんに言われてたんだけど、お腹空いててどうしても我慢できなかったんだぁ♡ あっでもでも食べたのはシュークリーム一個だけだよっ、ほんとだからねっ!』
『あははっ、わかってるって一個だけな。それにしても、我慢できなかっただなんて…可愛いなぁ、てつとは♡』
『っ、あ~っ耀くん今絶対おれのことお子ちゃまだなぁ…とかそう思ったでしょっ、もうっ!!』 
『思ってないって♡』
『思ってますぅ!! も~っ耀くんになんてジュース注いであげないんだからねっ! べ~っだ!!』




「――…っ、かっわいいにもほどがある…♡♡♡ べ~って、べ~ってさぁ…はぁもうほんとてつと可愛い♡♡ 宇宙一可愛い…好きぃ♡♡♡」



こんな可愛い中一男子いる!!??? いやっいない!!!!!


そう世の中に向かって大声で叫びまくりたいくらいに可愛さ全振りだった数時間前の幼なじみのことを思い出し、俺はベッドの上でゴロゴロゴロゴロっ左右に激しく動くと共に悶えに悶えまくる。


けれど、そんな可愛いてつとに想いを馳せると同時に、



「……はぁ、でも、やっぱり今日のてつとのお尻も、すっごく柔らかくて…えっち、だったなぁ…っ♡♡♡♡」



性欲の塊のような童貞野郎の俺は、本日も偶発的に接触することに成功した幼なじみのむちっと柔らかい尻の感触に、ニマリ…と気づけば思わず鼻の下をだらしなくも伸ばしまくるのであった。



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