異世界召喚出来ました。嬉しいけど親友も一緒!?

まぁ

文字の大きさ
16 / 32
第二話

4

しおりを挟む
 歪みの中に入ると、目の前には先ほどと似たような森が広がっていた。しかし違和感はすぐに訪れる。
「あれ?レティは?フェイもいない……」
 先へ行ったはずの二人の姿がどこにもない。むしろ湖から見た幻影の森が延長線にあるようにしか見えないのだ。
「これ、本当に二人と同じ道なのか?」
「こ、怖い事言わないでよ!」
 まさか別々の場所に繋がっていたとは思いたくもないが、この状況ではそうとしか思えない。
「これ以上は危険だな。真樹、とりあえず戻ろう」
「戻るって?」
「この先は何があるかわからないし危険だ。元の場所にいた方がまだ安心する」
「そ、そうだね……」
 鬱蒼と生えている木々や草。日の光はあまり通していないのか、辺りは薄暗い。不気味な雰囲気のこの場所から離れようと、真樹とカイは潜ってきた歪みをもう一度潜ろうとした。しかし……
「なあ、ここに空間の歪みがあったよな?」
「うん……」
「ないんだけど」
「えっ!」
 これでは元に戻れない。むしろこのまま真っ直ぐ行けと言わんばかりの空気だ。
「オレはフェイやレティほど詳しくはないが、誰かがオレ達を二人から離したんだよな」
「そ、そんな……何で?」
「それは知らないが、こんな事をした奴が何処かにいるには違いないだろ」
 確かにこういう状況はよく漫画なんかで見た事がある。きっと先に進んだところにボスがいて、倒せば元に戻れるアレだ。
「状況からするに、巻き込まれたのはオレ達だろうな」
「どうするの?」
「動きたくはないが、動かないと終わらない気もする。仕方ないから進むしかないな」
 それ以外の選択肢がないのだから仕方ない。真樹とカイは道なき道を歩く事にした。


「なんだろ……ちょっと寒くなってきたかも……」
 ぶるりと身を震わせた真樹。
 二人はあれから歩き続けた。森には動物の影もない。しかし何かがいるという気配だけはわかる。
 そして日没などの時間軸は同じなのか、徐々に周囲が暗くなり始めた。それと同時にひんやりとした空気も立ち込めている。
「これ以上は危険かもな。どこか暖がとれる場所を探そう」
 もう間も無く夜になる。そうなると冒険者でもない二人には目利きが出来なくなる。急ぎ足で休める場所を探す。
(……だよねぇ。ベタだよねぇ……)
 この場合の定番中の定番なのか、少し歩くと開けた場所に出た。そしてそこには一軒のロッジのような木造家屋がある。
「これ、絶対罠だよ」
「オレもそう思う……けど」
 寒さが増していく中、真樹はカタカタと震えている。それを見たカイは、背に腹は変えられない。罠だとしても無いよりマシと決心する。
「行こう」
「えっ?」
「罠だけど、このままじゃ凍死だ。それに中にこの状況を作り出した親分がいるなら手っ取り早い。さっさと始末して二人の元に戻ろう」
 確かにこのままではラチがあかない。真樹は大人しく「うん」とだけ答え、二人は罠の中へと入って行く。
「すみません……」
 扉を開けてみると、中は真っ暗で誰もいない。
「とりあえず火を起こすから座って」
「うん」
 周囲を見渡して見るが、テーブルにイス、暖炉と、普通の家と何も変わらない。それどころか敵の姿が見えない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

とある美醜逆転世界の王子様

狼蝶
BL
とある美醜逆転世界には一風変わった王子がいた。容姿が悪くとも誰でも可愛がる様子にB専だという認識を持たれていた彼だが、実際のところは――??

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。 【完結】

まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。

【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました

キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。 けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。 そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。 なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」 それが、すべての始まりだった。 あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。 僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。 だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。 過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。 これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。 全8話。

悲恋の騎士と姫が転生したら男子高校生だったんだが、姫は俺を落とす気満々だ

つぐみもり
BL
《第一部 翠河の国の姫は押しが強い》 かつて俺は、滅びゆく王国で姫君に忠誠を誓い、命を落とした―― ……はずだったのに。 転生したら、なんで俺が男子高校生やってんだ!? しかも、クラスの陽キャトップ・周藤智哉(すどうともや)は、どう見ても前世の姫君その人。 顔も声も、距離感バグってる性格もそのまま。 今度は身分差も掟もないからって、攻略する気満々で迫ってくるのやめてくれ! 平穏な現代ライフを送りたい陰キャ男子(元騎士)と、全力で落としにかかる陽キャ男子(元姫)の、逆異世界転生BLギャグコメディ! 「見つけたぞ、私の騎士。今度こそ、お前を手に入れる」 「イイエナンノコトカワカリマセン」 忠義も身分も性別も全部飛び越えて、今日も逃げる俺と追いかける姫(男子高校生) 《第二部 熱砂の国からの闖入者》 郁朗と智哉は、前世の想いを飛び越え、ついに結ばれた。 そして迎える高校二年生、健全な男子高校生同士として、健全な交際を続けるはずだったが—— 「見つけたぞ姫! 今度こそお前を手に入れる!」 「もしかして、あいつは!?」 「……誰だっけ?」 熱砂の風と共に転校してきた、前世関係者。 千隼と翠瑶姫の過去の因縁が、また一つ紐解かれる。 ※残酷描写あり

【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?

キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。 知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。 今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど—— 「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」 幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。 しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。 これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。 全8話。

学園ものに転生した悪役の男について

ひいきにみゐる
BL
タイトルの通りにございます。文才を褒められたことはないので、そういうつもりで見ていただけたらなと思います。

処理中です...