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この手のセレブパーティは陽菜のような一般人にとっては知らないネタを知る場所なのだと思った。だがそれをアレンに言うと、アレンはクスクス笑った。
「でも逆もまた然りだよ。だって陽菜は一度僕と撮られてるからね。伊澄が防護線引いてるとは言っても、パパラッチはいつでも狙ってるんだよ」
「そ、そうなんだ……」
ヒクッと息を飲んだ陽菜。確かにアイドルとのスキャンダルのゴタゴタに巻き込まれた際にアレンといるところを写真に撮られはした。
あれから何もないので普段と同じ生活を送っていたが、実際は裏で伊澄がネタを握り潰しているのだ。
「伊澄さんには頭が上がらない……」
「本当凄いよね。日本だけの秘書にしておくのは勿体ないよ」
あくまでも伊澄はアレンが日本にいる間だけの秘書だ。アンリにはヒースルー家に仕える一族の秘書がいるのに、アレンにはいないのは不思議だ。
「本当はいるんだけどね。面倒だからイギリスに置いてきた」
「お、置いてきたって……それはそれでいいの?」
「いいんじゃない?だって伊澄の方が有能だし」
サラリととんでもない事を言っているが、勿論置いてかれた秘書が全く使えないわけではなく、伊澄のようにある程度の融通が利かないからという理由らしい。
「だって仕事はまだしも、会う毎にお見合いさせられるんだよ。僕にはヒナがいるのに……」
今現在日本でアレンとの付き合いをしているが、実際に結婚となると何重の壁もが立ち塞がるのだ。想像でしかないが、なんだか怖い両親、親戚なんかを想像した。
「そんなこんなでしばらくは帰らないよ。帰る時はヒナも一緒」
「は、はは……」
忘れていただけに一度記憶に残ると前途多難なのだと改めて理解した。
とは言えセレブパーティは楽しんだもの勝ちなので、陽菜は見た事もないような料理を食べたり、なかなか飲めないお酒を飲んだりと、それなりに楽しんでいた。
アレンはアレンで色んな人達と話していたのもあり、気がつくと一人で行動していた。
「あ、あれ?アレンがいない……」
食べるのに夢中になりすぎたのか。アレンを見失ってしまった陽菜は、どうしようかと考えた。
「とりあえず酔いも覚ましたいバルコニーにでも出ておこうかな?」
この人の中でアレンを探すのは難しい。バルコニーに向かった陽菜は夜風に当たっていた。すると男女の言い争うような声が聞こえた。
「な、何だろ?」
気になった陽菜は、そちらの方へと足を向けた。この建物のバルコニーはそのまま庭園へと続く道がある。音を立てずに声のする方へと足を向ける。
「もういいだろ?お前のわがままには付き合った」
「待って!私は真剣に貴方の事……」
「俺はお前とどうこうなるつもりはない」
こっそりと男女の言い争いを見ていた陽菜は、それが大塚一誠と桐谷あすかであると気がついた。
(えっえっ?あの二人付き合ってるんじゃなかったの?)
会話の雰囲気はどうも怪しい。するとむすりとしている大塚一誠はそのままその場を後にしようとした。
「待って!一誠!」
桐谷あすかの制止も虚しく大塚一誠はその場から姿を消した。残された桐谷あすかは目に涙を溜めていた。
(なんかど修羅場見ちゃったんだけど……)
これは黙っていないといけないやつだ。そう思ってその場を後にしようとした時だった。
「あっ!ヒナ!見つけたよ!」
「アレン!」
陽菜を見つけ出したアレンがやって来る。もちろんその声は桐谷あすかにも届いた。
「だ、誰?」
「えっ、えーっと……」
姿を見せた陽菜だが、桐谷あすかは不快そうな目でこちらを見ていた。
「でも逆もまた然りだよ。だって陽菜は一度僕と撮られてるからね。伊澄が防護線引いてるとは言っても、パパラッチはいつでも狙ってるんだよ」
「そ、そうなんだ……」
ヒクッと息を飲んだ陽菜。確かにアイドルとのスキャンダルのゴタゴタに巻き込まれた際にアレンといるところを写真に撮られはした。
あれから何もないので普段と同じ生活を送っていたが、実際は裏で伊澄がネタを握り潰しているのだ。
「伊澄さんには頭が上がらない……」
「本当凄いよね。日本だけの秘書にしておくのは勿体ないよ」
あくまでも伊澄はアレンが日本にいる間だけの秘書だ。アンリにはヒースルー家に仕える一族の秘書がいるのに、アレンにはいないのは不思議だ。
「本当はいるんだけどね。面倒だからイギリスに置いてきた」
「お、置いてきたって……それはそれでいいの?」
「いいんじゃない?だって伊澄の方が有能だし」
サラリととんでもない事を言っているが、勿論置いてかれた秘書が全く使えないわけではなく、伊澄のようにある程度の融通が利かないからという理由らしい。
「だって仕事はまだしも、会う毎にお見合いさせられるんだよ。僕にはヒナがいるのに……」
今現在日本でアレンとの付き合いをしているが、実際に結婚となると何重の壁もが立ち塞がるのだ。想像でしかないが、なんだか怖い両親、親戚なんかを想像した。
「そんなこんなでしばらくは帰らないよ。帰る時はヒナも一緒」
「は、はは……」
忘れていただけに一度記憶に残ると前途多難なのだと改めて理解した。
とは言えセレブパーティは楽しんだもの勝ちなので、陽菜は見た事もないような料理を食べたり、なかなか飲めないお酒を飲んだりと、それなりに楽しんでいた。
アレンはアレンで色んな人達と話していたのもあり、気がつくと一人で行動していた。
「あ、あれ?アレンがいない……」
食べるのに夢中になりすぎたのか。アレンを見失ってしまった陽菜は、どうしようかと考えた。
「とりあえず酔いも覚ましたいバルコニーにでも出ておこうかな?」
この人の中でアレンを探すのは難しい。バルコニーに向かった陽菜は夜風に当たっていた。すると男女の言い争うような声が聞こえた。
「な、何だろ?」
気になった陽菜は、そちらの方へと足を向けた。この建物のバルコニーはそのまま庭園へと続く道がある。音を立てずに声のする方へと足を向ける。
「もういいだろ?お前のわがままには付き合った」
「待って!私は真剣に貴方の事……」
「俺はお前とどうこうなるつもりはない」
こっそりと男女の言い争いを見ていた陽菜は、それが大塚一誠と桐谷あすかであると気がついた。
(えっえっ?あの二人付き合ってるんじゃなかったの?)
会話の雰囲気はどうも怪しい。するとむすりとしている大塚一誠はそのままその場を後にしようとした。
「待って!一誠!」
桐谷あすかの制止も虚しく大塚一誠はその場から姿を消した。残された桐谷あすかは目に涙を溜めていた。
(なんかど修羅場見ちゃったんだけど……)
これは黙っていないといけないやつだ。そう思ってその場を後にしようとした時だった。
「あっ!ヒナ!見つけたよ!」
「アレン!」
陽菜を見つけ出したアレンがやって来る。もちろんその声は桐谷あすかにも届いた。
「だ、誰?」
「えっ、えーっと……」
姿を見せた陽菜だが、桐谷あすかは不快そうな目でこちらを見ていた。
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