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それから三日後に美奈穂は東京から戻って来た。
「ただいま戻りました!」
時刻は夕方の六時。大きなキャリーとお土産袋を持って帰宅した美奈穂を慶が迎えた。
「お帰りなさい美奈穂さん」
「慶さ…んっ!」
帰って来るなり抱きしめられキス。今までのパターンとは打って変わって恋人のやり取りに今だ美奈穂は慣れない。
(世の中のカップルはこんな感じなのでしょうか…?)
暑い外から帰って来たばかりだが、今ので余計に体温が上がってしまった。
「あの!お土産買って来たんで、後で食べましょう!それから先にお風呂入っていいですか?」
わたわたする美奈穂が面白おかしく、慶はプッと笑ってしまった。二十九になって情けないと美奈穂は自分自身の行動が恥ずかしかった。
「わかりました。でもお風呂まだ入れてなくて…」
「シャワーで十分ですから!」
慌てながら部屋に向かう美奈穂。慶はいつまでもクスクスと笑っている。
(いい加減キスくらい慣れなきゃ…!)
シャワーを浴びながら由美といろんな話をしていた事を思いだす。その最もな話が、「いい?戻ったら西園寺慶とHする!わかった?」そうはやし立てられたが、無理だと心の中で美奈穂は叫ぶ。自然な流れでそういう雰囲気にもつれ込むなど恋愛上級者のテクニックだ。
恋愛ほぼ初心者マークの美奈穂は普通にしてればいいと思ったが、次に頭に浮かんだのは「相手が誰かわかってるでしょ?相手はほっといても女が寄ってくる男なのよ!」という由美の天の声だ。もしこのままずるずると何もないままで慶に飽きられ別れると言われたら自分はどうなるのだろうか?想像がつかない。だが昔のように熱が上がらない恋に美奈穂はこのままでいいのかと思う。
(付き合いたてなのに何ネガティブになってるんだ!ポジティブだよ!ポジティブ!)
自分のモチベーションを持ち上げるよう言い聞かせる。
シャワーを浴び終わって夕食を取った後は、美奈穂が買って来た東京土産を縁側で一緒に食べていた。すると慶からとんでもない質問が飛んできた。
「そういえば美奈穂さんの趣味って何ですか?」
思わず食べていたものを吹き出しそうになってしまった。何故そのような話題になるのか?いや、これが普通の趣味ならば簡単に口に出せただろう。だが、美奈穂の趣味はコスプレだ。恥ずかしくて口が裂けても言えない。
「ひ…秘密です…」
「どうしてですか?今回のイベントって、美奈穂さんの趣味と関係あるんじゃないですか?」
「な、ないとは否定しませんが…でも言えません!」
「いいじゃないですか。恋人同士なんだし」
恋人同士と…なんて素敵で甘美な響きだ…胸がジーンとした美奈穂だが、いかんいかんと首を振った。
「ただいま戻りました!」
時刻は夕方の六時。大きなキャリーとお土産袋を持って帰宅した美奈穂を慶が迎えた。
「お帰りなさい美奈穂さん」
「慶さ…んっ!」
帰って来るなり抱きしめられキス。今までのパターンとは打って変わって恋人のやり取りに今だ美奈穂は慣れない。
(世の中のカップルはこんな感じなのでしょうか…?)
暑い外から帰って来たばかりだが、今ので余計に体温が上がってしまった。
「あの!お土産買って来たんで、後で食べましょう!それから先にお風呂入っていいですか?」
わたわたする美奈穂が面白おかしく、慶はプッと笑ってしまった。二十九になって情けないと美奈穂は自分自身の行動が恥ずかしかった。
「わかりました。でもお風呂まだ入れてなくて…」
「シャワーで十分ですから!」
慌てながら部屋に向かう美奈穂。慶はいつまでもクスクスと笑っている。
(いい加減キスくらい慣れなきゃ…!)
シャワーを浴びながら由美といろんな話をしていた事を思いだす。その最もな話が、「いい?戻ったら西園寺慶とHする!わかった?」そうはやし立てられたが、無理だと心の中で美奈穂は叫ぶ。自然な流れでそういう雰囲気にもつれ込むなど恋愛上級者のテクニックだ。
恋愛ほぼ初心者マークの美奈穂は普通にしてればいいと思ったが、次に頭に浮かんだのは「相手が誰かわかってるでしょ?相手はほっといても女が寄ってくる男なのよ!」という由美の天の声だ。もしこのままずるずると何もないままで慶に飽きられ別れると言われたら自分はどうなるのだろうか?想像がつかない。だが昔のように熱が上がらない恋に美奈穂はこのままでいいのかと思う。
(付き合いたてなのに何ネガティブになってるんだ!ポジティブだよ!ポジティブ!)
自分のモチベーションを持ち上げるよう言い聞かせる。
シャワーを浴び終わって夕食を取った後は、美奈穂が買って来た東京土産を縁側で一緒に食べていた。すると慶からとんでもない質問が飛んできた。
「そういえば美奈穂さんの趣味って何ですか?」
思わず食べていたものを吹き出しそうになってしまった。何故そのような話題になるのか?いや、これが普通の趣味ならば簡単に口に出せただろう。だが、美奈穂の趣味はコスプレだ。恥ずかしくて口が裂けても言えない。
「ひ…秘密です…」
「どうしてですか?今回のイベントって、美奈穂さんの趣味と関係あるんじゃないですか?」
「な、ないとは否定しませんが…でも言えません!」
「いいじゃないですか。恋人同士なんだし」
恋人同士と…なんて素敵で甘美な響きだ…胸がジーンとした美奈穂だが、いかんいかんと首を振った。
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