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5章 イズナバール迷宮編
191話 悲劇
イズナバール迷宮11層、以前ジンがぼやいていた様にここはさまざまなトラップが待ち構えているエリアでその罠は奇数階層に仕掛けられている。
石壁作りの11層は主に床や壁に触れた際に発動するボタン式トラップなのだが、その場所やパターンが変わる訳では無いので、一度憶えてしまえば脅威にはならない。他のフロアも同様だ。
また偶数階層にトラップは無く、上のエリアよりも強力な魔物が徘徊しているだけの場所、奇数階層は罠に対する警戒で精神を、偶数階層は魔物によって身体的な疲労を強いるエリアであり、別の角度から見れば、さらに下を目指す者達の為の修練場と見えなくもない。
そんな11層を逆走する3つの影がある。1人が抜き身の剣を手にしたまま周囲に気を配りながら、フロアの床をピョンピョンと跳ねながら渡り、後ろの2人も空になった背嚢を背負ったまま、先導者と同じ床に足を乗せながら駆け抜ける。
……………………………………。
「……行っちゃったね」
「ダンジョンのトラップなんて、場所と仕掛けさえ解れば効果はありませんからね」
「だからこそ好都合なんだがな、さあ、行きますぜ」
背嚢の中の物資を空にしたポーター2人と護衛の1人がフロアを通り過ぎるのを、壁の向こうで気配を隠してやり過ごしたジン達3人は、そのまま12層に向かって走る。
やがて12層に降りると、
「リオン、ちょっと土魔法で落とし穴掘ってくれない? 6メートル立方くらいで。俺は別のモンを用意するから」
「? 構いませんが、こんな所に?」
「罠を仕掛ける条件は”こんな所に?”だよ」
そう言い放つとジンは目の前の森に走ってゆく。
──そうして10分。
「ただいま~っておお、立派立派♪」
「やあジン、おかえ……なに、ソレ?」
「だから、小道具だよ」
ジンはルディの質問に笑顔で応えると、淡々と作業を始める。
そして徐々に出来上がる罠の全容を見ながら、
「ジン、アナタは……」
「流石ジン、そこに痺れる憧れるぅ!!」
ルディは歓喜し、リオンは頭を抱えていた──。
………………………………………………
………………………………………………
タンタンタンタン──
11層と12を繋ぐ通路を軽快な足音が聞こえる。その数、3つ。
先程地上に戻って行った3人が、背嚢の中に食料やポーションなどの物資を詰め込み、19層に陣取っている仲間の元へと急いでいるのだ。
「ふぅ……しっかし、あのトラップだらけのフロアは何とかならんものかね?」
「仕方ねえさ、それに悪い事ばかりじゃねえ。奇数階層は罠がある代わりに魔物は出ないからな」
「けっ、アレに加えて魔物まで出てきたんじゃ迷宮に潜る気にもならねえよ」
階層を抜けた事で緊張の糸が切れたのか、3人は軽口を叩きながら歩く。
「しかしいいのか? 新人潰しにしては結構な大掛かりなうえ金もかかってる、割に合うとは思えねえが?」
「短期的に見ればな。だが、凄腕の女戦士と金持ちのボンボン、この2人は長い目で見ればいい金蔓に成る、そう判断したんだろうよ」
「なるほどね、それじゃ俺達もおこぼれに与れる様気合を入れてお仕事しますか、ね──!!」
「ああ、せいぜい気張れ──!? オイ、どこ行った!?」
意気込みと共に走り出したポーターの一人が2人の視界から消える。
慌てた2人が現場へ向かうと、
「落とし穴? ……なんでこんな所に」
通路を抜け、12層に入って直ぐの場所に仕掛けられた落とし穴は、見事に獲物を捕らえて大きな口を開いている。
(思わず声を挙げそうになるほど見事に引っ掛かりましたね)
(足を踏み外した人間が先ず落ちて、背負った荷物が追いかけるように落ちていくなんて、まるでコントだったよ♪)
(場所や内容がばれてる仕掛けなんざ罠とは言えませんぜ、罠ってのはいつだって相手の心理の裏をかくもんでさあ)
偶数階層である12層に罠は無い、何の根拠も無い事を信じたが故の悲劇である。
迷宮の仕組みに組み込まれていない、それだけで罠の存在を無い物と決め付ける、むしろこれこそが迷宮側の仕掛けた罠かもしれない。
だいいち、自分達は人を罠に嵌めておきながら自分達はそうならないと思い込む、ぬるいと言わざるを得ない。
(ジンも気をつけないといけませんね)
(は? なんで?)
(……………………………………)
(なあに、ジンは大丈夫さ、僕がいつも見守ってるからね)
(途端に不安になりましたぜ……お、次の段階に入りましたぜ)
「…………ぶはっ!! ぐっ、ぺっぺっ──なんでこんな所に落とし穴が?」
5メートル以上の高さから落ちたポーターの男は、身体を起こそうとして上手くいかない自分の状況を確認する。
深さ数十センチの泥溜まりに草が敷かれ、落下した時のダメージはほとんど無い、むしろ後追いで落ちてきた背嚢に押し潰された事のほうが痛い。
そして落下の衝撃で背嚢の中身は周囲にぶちまけられ、現在泥の中に沈んでいる最中だ。
ポーションの類は軒並み割れて食料は泥浸し、悲惨の一言である。
怪我が無くて幸いだと思うべきなのかもしれないが、コミュニティ「韋駄天」のメンバーである彼にしてみれば、自分の身体よりも荷物が優先される。
預かった荷物を確実に守る、確実に届ける、この安心感があって初めて雇用を生む、彼等に依頼と大金が舞い込む道理なのだから。
ゥゥゥゥゥゥ──
「せっかくの荷物が……とりあえず被害は俺だけで済んだみたいだが……なんの音だ?」
ゥゥゥゥゥゥ──
────────
ブフウウウゥゥゥゥゥ──
「ひっ──!? オ、オーク?」
男の落ちた落とし穴の底にはなぜか、草を敷き詰めた上に眠るオークの姿がある。
それは鼾をかきながら、胸を静かに上下させ気持ち良さそうにしている、何か幸せな夢でも見ているのだろうか? まあ、オークが見る幸せな夢など、人間からすれば惨劇と同義の気もするが。
幸いオークは未だ眠りについており、起きる気配は無い。
「今のうちに……」
音を立てずになんとか立ち上がり、ソロリソロリと後ずさる彼の頭上から、
「オーイ!! 無事か!?」
「──バ、バカやろう!」
「…………ブモ?」
「ヒイイイイ──!!」
下に落ちた仲間を気遣う言葉に罵倒で返す男は、オークが目を覚ましたことを察し、悲鳴をあげる。
──ムクリ。
耳元に届く男の悲鳴と周りに漂う食料の匂いに、口元に涎をたくわえながらそのオークはゆっくりと立ち上がる。
(あらら~、ポーター一人じゃオークの相手はキツイかな?)
(上の護衛が助けに入らないと食い殺されるだけですね)
(なあに、オークは予め武器を取り上げて丸腰丸裸で放り込んどいたから暫くはもつさ。それに……)
(それに?)
「ブヒイイイイイ──」
オークの歓喜に沸いた鳴き声が周囲に響き渡る。それは、目の前の獲物を心の底から喜ぶ声。
「ブ、ブヒッ! ブヒヒヒヒヒ──」
「な、なん──!?」
両手をワキワキと忙しなく動かし、にじりよるオーク。湿気ばんだ吐息を漏らしながら近付くそいつの股間には──無かった。
「まさか、め──雌!?」
「ブヒイイイイイ──♪」
(いやあ、ラッキーだったわ♪)
((うわあ……))
自分達を罠に嵌めた陣営の人間とはいえ、さすがに同情を禁じえない2人だった。
「た、助けっ! お、オーク、オークがっ──!!」
「オーク!? 待ってろすぐ行く!!」
仲間の窮地を救うため勇敢にも飛び降りた護衛の戦士は、目の前で起きようとしている悲劇が、予想とは若干違うことに目を丸くし、それでも剣を振るいオークに迫る!
しかし、
グッ──!!
「なに!?」
倒れこむように落ちたポーターと違い、落とし穴に飛び込んだ戦士の足は泥の奥深くまで突き刺さり、下層の粘度の強い土に足をとられ倒れこむ。
「わぷっ!!」
前のめりに倒れこんだ戦士は雌オークに剣を奪われ、そのまま背中を激しく殴られ気を失う。そして、壁を何とかよじ登ろうとしていたもう一人を剣の先で軽く小突いて落とす。
「や……やめ、て……」
「………………ブヒ♪」
「アアアアアアアアア──」
「あ、ああああ……」
眼下で起きようとしている悲劇に、しかし何も出来ないと立ち尽くす3人目は落とし穴の端で震えている。
ヒュン──ガッ!!
「痛っ──あ、ああああ──!!!」
どこからか飛んできた小石を足に受け、バランスを崩した最後の一人も荷物ごと落とし穴に落ちる。
そして──
「……よし、それじゃ次の作戦にいきましょうぜ、若さん」
「敵対するには嬉しくない相手を敵に回しましたね、可哀想に」
「見極めは大事だよね~♪ ところでジン」
物陰から様子を伺っていたジン達3人は、第1作戦の成功を確認して次の作戦の為、移動を始める。そこにルディがジンに向かって疑問を唱える。
「何ですかい?」
「言っちゃあ何だけど、人間って、雌のオーク相手に……出来るの?」
「ああ、なるほど……聞きたいですか?」
振り返ったジンは真剣な面持ちでルディの目を見る。
──聞いて後悔しないか?
ジンの瞳は問うていた。
……コクリ
「いいでしょう……雌のオークは発情状態になると母乳が出ましてね、それを飲んだ男はまあ……そりゃもうスゴイことに」
「うわ……」
ゴスン──!!
「なうっ!!」
「ジン……若様になんて事を教えるんですか!」
設定を忠実に守る3人はやいのやいの言いながらその場を後にし、残された3人は──
「アアアアアアアア──!!」
「ブヒヒヒヒイイイイ──!!」
一生モノのトラウマを背負うことになった──。
石壁作りの11層は主に床や壁に触れた際に発動するボタン式トラップなのだが、その場所やパターンが変わる訳では無いので、一度憶えてしまえば脅威にはならない。他のフロアも同様だ。
また偶数階層にトラップは無く、上のエリアよりも強力な魔物が徘徊しているだけの場所、奇数階層は罠に対する警戒で精神を、偶数階層は魔物によって身体的な疲労を強いるエリアであり、別の角度から見れば、さらに下を目指す者達の為の修練場と見えなくもない。
そんな11層を逆走する3つの影がある。1人が抜き身の剣を手にしたまま周囲に気を配りながら、フロアの床をピョンピョンと跳ねながら渡り、後ろの2人も空になった背嚢を背負ったまま、先導者と同じ床に足を乗せながら駆け抜ける。
……………………………………。
「……行っちゃったね」
「ダンジョンのトラップなんて、場所と仕掛けさえ解れば効果はありませんからね」
「だからこそ好都合なんだがな、さあ、行きますぜ」
背嚢の中の物資を空にしたポーター2人と護衛の1人がフロアを通り過ぎるのを、壁の向こうで気配を隠してやり過ごしたジン達3人は、そのまま12層に向かって走る。
やがて12層に降りると、
「リオン、ちょっと土魔法で落とし穴掘ってくれない? 6メートル立方くらいで。俺は別のモンを用意するから」
「? 構いませんが、こんな所に?」
「罠を仕掛ける条件は”こんな所に?”だよ」
そう言い放つとジンは目の前の森に走ってゆく。
──そうして10分。
「ただいま~っておお、立派立派♪」
「やあジン、おかえ……なに、ソレ?」
「だから、小道具だよ」
ジンはルディの質問に笑顔で応えると、淡々と作業を始める。
そして徐々に出来上がる罠の全容を見ながら、
「ジン、アナタは……」
「流石ジン、そこに痺れる憧れるぅ!!」
ルディは歓喜し、リオンは頭を抱えていた──。
………………………………………………
………………………………………………
タンタンタンタン──
11層と12を繋ぐ通路を軽快な足音が聞こえる。その数、3つ。
先程地上に戻って行った3人が、背嚢の中に食料やポーションなどの物資を詰め込み、19層に陣取っている仲間の元へと急いでいるのだ。
「ふぅ……しっかし、あのトラップだらけのフロアは何とかならんものかね?」
「仕方ねえさ、それに悪い事ばかりじゃねえ。奇数階層は罠がある代わりに魔物は出ないからな」
「けっ、アレに加えて魔物まで出てきたんじゃ迷宮に潜る気にもならねえよ」
階層を抜けた事で緊張の糸が切れたのか、3人は軽口を叩きながら歩く。
「しかしいいのか? 新人潰しにしては結構な大掛かりなうえ金もかかってる、割に合うとは思えねえが?」
「短期的に見ればな。だが、凄腕の女戦士と金持ちのボンボン、この2人は長い目で見ればいい金蔓に成る、そう判断したんだろうよ」
「なるほどね、それじゃ俺達もおこぼれに与れる様気合を入れてお仕事しますか、ね──!!」
「ああ、せいぜい気張れ──!? オイ、どこ行った!?」
意気込みと共に走り出したポーターの一人が2人の視界から消える。
慌てた2人が現場へ向かうと、
「落とし穴? ……なんでこんな所に」
通路を抜け、12層に入って直ぐの場所に仕掛けられた落とし穴は、見事に獲物を捕らえて大きな口を開いている。
(思わず声を挙げそうになるほど見事に引っ掛かりましたね)
(足を踏み外した人間が先ず落ちて、背負った荷物が追いかけるように落ちていくなんて、まるでコントだったよ♪)
(場所や内容がばれてる仕掛けなんざ罠とは言えませんぜ、罠ってのはいつだって相手の心理の裏をかくもんでさあ)
偶数階層である12層に罠は無い、何の根拠も無い事を信じたが故の悲劇である。
迷宮の仕組みに組み込まれていない、それだけで罠の存在を無い物と決め付ける、むしろこれこそが迷宮側の仕掛けた罠かもしれない。
だいいち、自分達は人を罠に嵌めておきながら自分達はそうならないと思い込む、ぬるいと言わざるを得ない。
(ジンも気をつけないといけませんね)
(は? なんで?)
(……………………………………)
(なあに、ジンは大丈夫さ、僕がいつも見守ってるからね)
(途端に不安になりましたぜ……お、次の段階に入りましたぜ)
「…………ぶはっ!! ぐっ、ぺっぺっ──なんでこんな所に落とし穴が?」
5メートル以上の高さから落ちたポーターの男は、身体を起こそうとして上手くいかない自分の状況を確認する。
深さ数十センチの泥溜まりに草が敷かれ、落下した時のダメージはほとんど無い、むしろ後追いで落ちてきた背嚢に押し潰された事のほうが痛い。
そして落下の衝撃で背嚢の中身は周囲にぶちまけられ、現在泥の中に沈んでいる最中だ。
ポーションの類は軒並み割れて食料は泥浸し、悲惨の一言である。
怪我が無くて幸いだと思うべきなのかもしれないが、コミュニティ「韋駄天」のメンバーである彼にしてみれば、自分の身体よりも荷物が優先される。
預かった荷物を確実に守る、確実に届ける、この安心感があって初めて雇用を生む、彼等に依頼と大金が舞い込む道理なのだから。
ゥゥゥゥゥゥ──
「せっかくの荷物が……とりあえず被害は俺だけで済んだみたいだが……なんの音だ?」
ゥゥゥゥゥゥ──
────────
ブフウウウゥゥゥゥゥ──
「ひっ──!? オ、オーク?」
男の落ちた落とし穴の底にはなぜか、草を敷き詰めた上に眠るオークの姿がある。
それは鼾をかきながら、胸を静かに上下させ気持ち良さそうにしている、何か幸せな夢でも見ているのだろうか? まあ、オークが見る幸せな夢など、人間からすれば惨劇と同義の気もするが。
幸いオークは未だ眠りについており、起きる気配は無い。
「今のうちに……」
音を立てずになんとか立ち上がり、ソロリソロリと後ずさる彼の頭上から、
「オーイ!! 無事か!?」
「──バ、バカやろう!」
「…………ブモ?」
「ヒイイイイ──!!」
下に落ちた仲間を気遣う言葉に罵倒で返す男は、オークが目を覚ましたことを察し、悲鳴をあげる。
──ムクリ。
耳元に届く男の悲鳴と周りに漂う食料の匂いに、口元に涎をたくわえながらそのオークはゆっくりと立ち上がる。
(あらら~、ポーター一人じゃオークの相手はキツイかな?)
(上の護衛が助けに入らないと食い殺されるだけですね)
(なあに、オークは予め武器を取り上げて丸腰丸裸で放り込んどいたから暫くはもつさ。それに……)
(それに?)
「ブヒイイイイイ──」
オークの歓喜に沸いた鳴き声が周囲に響き渡る。それは、目の前の獲物を心の底から喜ぶ声。
「ブ、ブヒッ! ブヒヒヒヒヒ──」
「な、なん──!?」
両手をワキワキと忙しなく動かし、にじりよるオーク。湿気ばんだ吐息を漏らしながら近付くそいつの股間には──無かった。
「まさか、め──雌!?」
「ブヒイイイイイ──♪」
(いやあ、ラッキーだったわ♪)
((うわあ……))
自分達を罠に嵌めた陣営の人間とはいえ、さすがに同情を禁じえない2人だった。
「た、助けっ! お、オーク、オークがっ──!!」
「オーク!? 待ってろすぐ行く!!」
仲間の窮地を救うため勇敢にも飛び降りた護衛の戦士は、目の前で起きようとしている悲劇が、予想とは若干違うことに目を丸くし、それでも剣を振るいオークに迫る!
しかし、
グッ──!!
「なに!?」
倒れこむように落ちたポーターと違い、落とし穴に飛び込んだ戦士の足は泥の奥深くまで突き刺さり、下層の粘度の強い土に足をとられ倒れこむ。
「わぷっ!!」
前のめりに倒れこんだ戦士は雌オークに剣を奪われ、そのまま背中を激しく殴られ気を失う。そして、壁を何とかよじ登ろうとしていたもう一人を剣の先で軽く小突いて落とす。
「や……やめ、て……」
「………………ブヒ♪」
「アアアアアアアアア──」
「あ、ああああ……」
眼下で起きようとしている悲劇に、しかし何も出来ないと立ち尽くす3人目は落とし穴の端で震えている。
ヒュン──ガッ!!
「痛っ──あ、ああああ──!!!」
どこからか飛んできた小石を足に受け、バランスを崩した最後の一人も荷物ごと落とし穴に落ちる。
そして──
「……よし、それじゃ次の作戦にいきましょうぜ、若さん」
「敵対するには嬉しくない相手を敵に回しましたね、可哀想に」
「見極めは大事だよね~♪ ところでジン」
物陰から様子を伺っていたジン達3人は、第1作戦の成功を確認して次の作戦の為、移動を始める。そこにルディがジンに向かって疑問を唱える。
「何ですかい?」
「言っちゃあ何だけど、人間って、雌のオーク相手に……出来るの?」
「ああ、なるほど……聞きたいですか?」
振り返ったジンは真剣な面持ちでルディの目を見る。
──聞いて後悔しないか?
ジンの瞳は問うていた。
……コクリ
「いいでしょう……雌のオークは発情状態になると母乳が出ましてね、それを飲んだ男はまあ……そりゃもうスゴイことに」
「うわ……」
ゴスン──!!
「なうっ!!」
「ジン……若様になんて事を教えるんですか!」
設定を忠実に守る3人はやいのやいの言いながらその場を後にし、残された3人は──
「アアアアアアアア──!!」
「ブヒヒヒヒイイイイ──!!」
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