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6章 ライゼン・獣人連合編
273話 薬師らしく
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夕食に突如訪れた試練を乗り越えたシンはその夜、オルバ達と一緒に夜のマニエルの街に繰り出す。
「まあ、久しぶりの夫婦水入らずだからな」
とは、一番の良識派であるリーヴァルの提案であった。
宿屋の近くに並ぶ酒場で、さすがに精根尽きたかシンはテーブルに突っ伏し、「う゛~~~~」と唸り声を上げ、それを見たオルバ達は面白そうにニヤつく。
「なんだシン、おめえ虫が苦手なのか?」
「虫が苦手なんじゃありませんよ、虫の「幼虫」を「生」で食べるのが大の苦手なんです……」
そう言い返すシンだが、言葉には欠片も力が感じられず、そのせいで、
「フン、なっさけない!」
姉夫婦に気を利かせてシン達に同行しているミリエラに罵倒される始末。
リトルフィンガー、そしてイズナバール迷宮内でのシンの姿を知っている三人としては、現在のシンの惨状は笑いの種ではあるが、ミリエラにしてみれば、自分の最も恥ずかしい姿を見られた相手の体たらくに、怒り心頭という所であろうか。
「まあミリエラちゃんもその辺で許してやんな、シンも悪気があった訳じゃねえんだし」
「分かってるわよ……ところで皆は今回はいつまでウチに泊まるの?」
「そうだなあ、今回はシンへの依頼もあるから長くはなりそうだが……」
「……コレに?」
訝しげは表情を浮かべるミリエラの指差す先には、先ほどまで突っ伏していた身体を今度は椅子にもたれさせ、天井を仰ぎながら「あ゛~~~~」と呻くシンの姿が。
こんな男に何を頼む事が? ──そう、目で訴えるミリエラの態度にリーヴァルは苦笑しながら、
「まあなんだ……今はこんな事になってはいるが、これでも凄腕の薬師だ。何せオレたち獣人連合の問題を解決してくれるかもしれない男だぞ」
「……リーヴァルさん、もしかして酔ってる?」
シンを擁護したばかりに、自分まで疑いの目を向けられるリーヴァルだった。
そんな中、いまだに復活出来無いシンはと言えば、
「──そもそも人類は、はるか古代に偉大なるプロメテウスから火を授かる、その時から技術文明が始まりを迎え……」
復帰にはまだまだ時間がかかりそうだった──。
………………………………………………
………………………………………………
「──で、そのスゴ腕の薬師さんは何をしてるの?」
背後から聞こえるミリエラの声にシンは、火にかけた鍋を混ぜながら、その手を止める事無く顔だけで振り返り、
「見ての通り薬を作ってるんですよ」
「……こんな場所で?」
その言葉にシンは周囲を見渡す。
ここは、昨日ミリエラがイソギンチャクに襲われたモースの生け簀の側にある、石を積み上げて作られた休憩地で、シンはそこの一角に簡易的な竈を作って薬作りに勤しんでいた。
牛の乳を火にかけながら、表面に膜が出来始めたころに蜂蜜とすりおろしたランジャの根を投入、そのまま弱火でじっくりコトコトと煮込み続ける。
その後、鍋の中身が三分の一にまで減った所で火から離して、少量のマッド・ペッパーの粉と、パウダー状の魔石粉を小さじ一杯程度ふりかけ、かき混ぜながら熱を冷まし徐々に固形にしてゆく。
半固形状になったそれを、今度は浅めの容器に流し込んで完全に冷ました後、まな板の上に取り出し、鋼糸を押し当て一口サイズに切り分けて──。
「ほい、寒露飴、生キャラメルバージョンの出来上がりですよ」
「おお出来たのかシン、ってか生キャラメルってなんだ? 前みたいに飴玉じゃねえのか?」
「……その飴玉をバリボリと噛んで食べたのはどちらさんですか? 獣人の皆さんには即効性が求められそうなんでね、チョット変えてみましたよ」
そう言ってシンはどこからか湧いてきたオルバから背を向け、隠れるように【組成解析】の異能を発動させて完成品を分析する。
問題が無いのを確認したシンは、
「どうやら効能に違いは無さそうですね……二人とも食べてみますか?」
「いいのか?」
生キャラメルを渡されたオルバは早速それを口に入れ、モニュモニュと噛んだ後ゴクリと飲み込み、
「──おう、コレコレ、来たぜええ!!」
全身の獣毛をブワッとざわめかせたオルバは、そのまま湿原に足を踏み入れ、バチャバチャと茂みの向こうに消えてゆく。湿原の奥へ狩りに行ったのだろう。
広大なマニエル湿原は、リザードマンが作る集落を一歩でも離れると途端に魔物が跋扈する危険地帯に変わる。そのうえ、境界の為の柵は、いつでも集落を拡大出来るように木製の簡易的なもので、決して安全とは言い難い。
とはいえ、元の身体能力が高めのリザードマンゆえ大した問題にはならず、今までも魔物が柵を超えてきた事は何度もあるが、その都度討伐されているのだとか。
昨日、ミリエラを襲った魔物もその同類だった。
「──チョット、何を作ったのよ?」
獅子獣人の豹変振りに、手にした生キャラメルがとんでもない劇薬なのではと訝しむミリエラに、シンはどう説明しようかと悩んでいるところ、丁度タイミングよくルフト達がやって来る。
「──お、出来たのかシン……うん? 形が違うようだが……」
「……飴玉を作っても噛み砕かれるだけなので食べ易いように改良してみたんですよ。効果の程は、先ほどオルバさんが柵の向こうに繰り出して行ったところです」
「そうか、なら成功だな……ミリエラも食べてみるといい、説明を聞くよりも早いぞ」
「義兄さんがそう言うなら……」
パク──
ルフトに促されて生キャラメルを口に入れたミリエラは、暫く口の中でそれを味わうと、コクリと可愛く飲み込む。
その後すこしの間不安な表情を浮かべていたものの、
「────!!」
急にその目がカッと見開くと全身をプルプルと震わせ、戸惑いながらも自分の内側から溢れてくる力に喜びを覚えるミリエラは、ニッと歯を剥き、鋭い牙を見せ付けるように獰猛な笑みを浮かべる。
「これって……?」
「うむ、どうも、シンの作ったそれを食べると獣人種は全身が活性化されるようなのだ、俺たち蜥蜴人だと、陽の照りつける真夏の時期のようにな」
「すごい! 義兄さん、アタシちょっと行ってくる! アイツに見せてやるんだ」
言うが早いかミリエラは文字通り飛び跳ねるように湿原を駆け抜けて行った。それはまるでどこぞのバシリスク(バジリスクではない)のように水上を走りながら。
「……元気ですねえ、ところでアイツとは?」
「うむ……それがどうやら、恋人、らしい……」
「ああ、なるほど……若いですねえ」
心身が充実しまくって肌ツヤも良い状態の自分を見せ、褒めてもらおうとの思いであろうか、見た目はああでも立派な乙女だった。
ただ、なぜかルフトの声は歯切れが悪い。義理とはいえ妹に彼氏が出来たのはやはり、兄としては辛いのだろう。
「──すまないな、シン」
──違った。
「謝られても困りますし、なによりその話はお断りしたはずなのですが……」
ミリルの姿を見て、密かに妹に期待をしていた事実をどこかへ捨て去ったシンは、うんざりするようにルフトの言葉を流すと、おやとルフトの異変に気付く。
ミリエラの事だけでは無いだろう。なにやら悲しい事でもあったのか、肩を落として明らかに元気が無い、そして何よりアレが無い。
直接聞くのが憚られるシンは、後ろに控える熊獣人とウサ耳獣人に視線を向けるが、二人とも目を閉じて首を横に振る。俺に聞いてくれるなといった態度だ。
埒があかないシンは仕方なく、直接ルフトに問いただす。
「ルフトさん──魔槍はどこへ?」
ビクン──!!
静かなシンの声が、怒りを抑えたものだと勘違いしたか、ルフトはバネの様に跳ねると直立不動の体勢をとり、虫の鳴くような小さな声でぼそぼそと話す。
「すまないシン……槍は……槍は……」
「槍は?」
「族長に……没収された……持ち歩くには物騒すぎるから、と」
ハァ──シンは溜め息をつくと、
(まあ、普通そうなるわな)
全てを話して緊張の糸が切れたのか、その場に崩れ落ちてシクシクと泣くルフトにシンは、哀れみの眼差しを向けた。
「まあ、久しぶりの夫婦水入らずだからな」
とは、一番の良識派であるリーヴァルの提案であった。
宿屋の近くに並ぶ酒場で、さすがに精根尽きたかシンはテーブルに突っ伏し、「う゛~~~~」と唸り声を上げ、それを見たオルバ達は面白そうにニヤつく。
「なんだシン、おめえ虫が苦手なのか?」
「虫が苦手なんじゃありませんよ、虫の「幼虫」を「生」で食べるのが大の苦手なんです……」
そう言い返すシンだが、言葉には欠片も力が感じられず、そのせいで、
「フン、なっさけない!」
姉夫婦に気を利かせてシン達に同行しているミリエラに罵倒される始末。
リトルフィンガー、そしてイズナバール迷宮内でのシンの姿を知っている三人としては、現在のシンの惨状は笑いの種ではあるが、ミリエラにしてみれば、自分の最も恥ずかしい姿を見られた相手の体たらくに、怒り心頭という所であろうか。
「まあミリエラちゃんもその辺で許してやんな、シンも悪気があった訳じゃねえんだし」
「分かってるわよ……ところで皆は今回はいつまでウチに泊まるの?」
「そうだなあ、今回はシンへの依頼もあるから長くはなりそうだが……」
「……コレに?」
訝しげは表情を浮かべるミリエラの指差す先には、先ほどまで突っ伏していた身体を今度は椅子にもたれさせ、天井を仰ぎながら「あ゛~~~~」と呻くシンの姿が。
こんな男に何を頼む事が? ──そう、目で訴えるミリエラの態度にリーヴァルは苦笑しながら、
「まあなんだ……今はこんな事になってはいるが、これでも凄腕の薬師だ。何せオレたち獣人連合の問題を解決してくれるかもしれない男だぞ」
「……リーヴァルさん、もしかして酔ってる?」
シンを擁護したばかりに、自分まで疑いの目を向けられるリーヴァルだった。
そんな中、いまだに復活出来無いシンはと言えば、
「──そもそも人類は、はるか古代に偉大なるプロメテウスから火を授かる、その時から技術文明が始まりを迎え……」
復帰にはまだまだ時間がかかりそうだった──。
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「──で、そのスゴ腕の薬師さんは何をしてるの?」
背後から聞こえるミリエラの声にシンは、火にかけた鍋を混ぜながら、その手を止める事無く顔だけで振り返り、
「見ての通り薬を作ってるんですよ」
「……こんな場所で?」
その言葉にシンは周囲を見渡す。
ここは、昨日ミリエラがイソギンチャクに襲われたモースの生け簀の側にある、石を積み上げて作られた休憩地で、シンはそこの一角に簡易的な竈を作って薬作りに勤しんでいた。
牛の乳を火にかけながら、表面に膜が出来始めたころに蜂蜜とすりおろしたランジャの根を投入、そのまま弱火でじっくりコトコトと煮込み続ける。
その後、鍋の中身が三分の一にまで減った所で火から離して、少量のマッド・ペッパーの粉と、パウダー状の魔石粉を小さじ一杯程度ふりかけ、かき混ぜながら熱を冷まし徐々に固形にしてゆく。
半固形状になったそれを、今度は浅めの容器に流し込んで完全に冷ました後、まな板の上に取り出し、鋼糸を押し当て一口サイズに切り分けて──。
「ほい、寒露飴、生キャラメルバージョンの出来上がりですよ」
「おお出来たのかシン、ってか生キャラメルってなんだ? 前みたいに飴玉じゃねえのか?」
「……その飴玉をバリボリと噛んで食べたのはどちらさんですか? 獣人の皆さんには即効性が求められそうなんでね、チョット変えてみましたよ」
そう言ってシンはどこからか湧いてきたオルバから背を向け、隠れるように【組成解析】の異能を発動させて完成品を分析する。
問題が無いのを確認したシンは、
「どうやら効能に違いは無さそうですね……二人とも食べてみますか?」
「いいのか?」
生キャラメルを渡されたオルバは早速それを口に入れ、モニュモニュと噛んだ後ゴクリと飲み込み、
「──おう、コレコレ、来たぜええ!!」
全身の獣毛をブワッとざわめかせたオルバは、そのまま湿原に足を踏み入れ、バチャバチャと茂みの向こうに消えてゆく。湿原の奥へ狩りに行ったのだろう。
広大なマニエル湿原は、リザードマンが作る集落を一歩でも離れると途端に魔物が跋扈する危険地帯に変わる。そのうえ、境界の為の柵は、いつでも集落を拡大出来るように木製の簡易的なもので、決して安全とは言い難い。
とはいえ、元の身体能力が高めのリザードマンゆえ大した問題にはならず、今までも魔物が柵を超えてきた事は何度もあるが、その都度討伐されているのだとか。
昨日、ミリエラを襲った魔物もその同類だった。
「──チョット、何を作ったのよ?」
獅子獣人の豹変振りに、手にした生キャラメルがとんでもない劇薬なのではと訝しむミリエラに、シンはどう説明しようかと悩んでいるところ、丁度タイミングよくルフト達がやって来る。
「──お、出来たのかシン……うん? 形が違うようだが……」
「……飴玉を作っても噛み砕かれるだけなので食べ易いように改良してみたんですよ。効果の程は、先ほどオルバさんが柵の向こうに繰り出して行ったところです」
「そうか、なら成功だな……ミリエラも食べてみるといい、説明を聞くよりも早いぞ」
「義兄さんがそう言うなら……」
パク──
ルフトに促されて生キャラメルを口に入れたミリエラは、暫く口の中でそれを味わうと、コクリと可愛く飲み込む。
その後すこしの間不安な表情を浮かべていたものの、
「────!!」
急にその目がカッと見開くと全身をプルプルと震わせ、戸惑いながらも自分の内側から溢れてくる力に喜びを覚えるミリエラは、ニッと歯を剥き、鋭い牙を見せ付けるように獰猛な笑みを浮かべる。
「これって……?」
「うむ、どうも、シンの作ったそれを食べると獣人種は全身が活性化されるようなのだ、俺たち蜥蜴人だと、陽の照りつける真夏の時期のようにな」
「すごい! 義兄さん、アタシちょっと行ってくる! アイツに見せてやるんだ」
言うが早いかミリエラは文字通り飛び跳ねるように湿原を駆け抜けて行った。それはまるでどこぞのバシリスク(バジリスクではない)のように水上を走りながら。
「……元気ですねえ、ところでアイツとは?」
「うむ……それがどうやら、恋人、らしい……」
「ああ、なるほど……若いですねえ」
心身が充実しまくって肌ツヤも良い状態の自分を見せ、褒めてもらおうとの思いであろうか、見た目はああでも立派な乙女だった。
ただ、なぜかルフトの声は歯切れが悪い。義理とはいえ妹に彼氏が出来たのはやはり、兄としては辛いのだろう。
「──すまないな、シン」
──違った。
「謝られても困りますし、なによりその話はお断りしたはずなのですが……」
ミリルの姿を見て、密かに妹に期待をしていた事実をどこかへ捨て去ったシンは、うんざりするようにルフトの言葉を流すと、おやとルフトの異変に気付く。
ミリエラの事だけでは無いだろう。なにやら悲しい事でもあったのか、肩を落として明らかに元気が無い、そして何よりアレが無い。
直接聞くのが憚られるシンは、後ろに控える熊獣人とウサ耳獣人に視線を向けるが、二人とも目を閉じて首を横に振る。俺に聞いてくれるなといった態度だ。
埒があかないシンは仕方なく、直接ルフトに問いただす。
「ルフトさん──魔槍はどこへ?」
ビクン──!!
静かなシンの声が、怒りを抑えたものだと勘違いしたか、ルフトはバネの様に跳ねると直立不動の体勢をとり、虫の鳴くような小さな声でぼそぼそと話す。
「すまないシン……槍は……槍は……」
「槍は?」
「族長に……没収された……持ち歩くには物騒すぎるから、と」
ハァ──シンは溜め息をつくと、
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