36 / 44
Ⅲ デイジーΣぱにぱに
E36 南へ向かって
しおりを挟む
九月二十七日水曜日、午後の日差しの中、皆で木通の間に集まっていた。
「十月二十八日土曜日にひなぎくちゃんの作品を搬入できるようにしような。美術品用のものではないが、車は用意する。白咲家に皆で行って、搬送しようと思うが、どうだい?」
黒樹はいつも通りに見えて、どこか緊張している。
「どうしたんすか? 力仕事なら歓迎っすし、ひなぎくさんちに行くのは大歓迎っすけど」
和は優しさから質問したが、黒樹とひなぎくがギクシャクとしてしまった。
「ちょっとしたトラブルがあってな」
「ごめんなさい。芸術の秋で忙しいと言っていた運搬業者が空きが出たとの言葉に飛びついてしまった私がいけないの。ダブルブッキングだったわ」
ひなぎくは、自分が悪いのだと黒樹をかばった。
「なあに? それ」
無邪気な虹花の声だった。
「同じ席に二人が座るようなものだ。とにかく、先方はこの話はなかったことにして欲しいらしいぞ」
黒樹のしかめっ面に周りは静まる。
そこを明るくするようにひなぎくは微笑んだ。
「私、がんばるわ」
九月二十九日金曜日、飯山教会の明け渡しの日がとうとう来た。
小学生達が学校へ行っている時間に、ふしゅふしゅと落ち葉を踏みしめ、現地で集まり、暫し歓談する。
飯森神父夫妻と親しくなれて、ひなぎくは嬉しい気持ちで一杯だ。
ミックスのシイナちゃんも来てくれた。
わふんわふんとひとときの別れを惜しむシイナちゃんに、ひなぎくはなめ倒されてしまった。
「あらあらあらあら」
下着が見えないかと照れて、スカートを押さえた。
「はっはっはっ」
いつもは、じゃれる黒樹が、普通に笑って見ている。
ひなぎくは、普段なら下着が見えたら踊って喜ぶ黒樹の様子が少しおかしいと思った。
黒樹が飯森神父と握手をし、別れた。
「お父様、落ち葉がまだありますね」
「うむ。それは、劉樹と虹花と澄花に、遊びながらさらって貰おうな。きっと喜ぶぞ」
「お手伝いをしたいらしかったから、それもいいかも」
蓮花が口に手を当てて笑う。
弟妹達の様子が思い浮かんだようだ。
その帰り道、お迎えに分校へ寄って、おんせんたま号を待つ間、落ち葉のことを伝えると、三人はキャーキャーと騒いだ。
予想通りの反応にひなぎくにも笑みがこぼれる。
「受付カウンターは、ほぼ出来ているよ、ひなぎくちゃん」
たまにはドヤ顔と黒樹が決めてみたが、それを和が真似たので、ひなぎくには微笑ましい。
「そうなのですか? ありがとうございます。和くん、プロフェッサー黒樹」
ひなぎくも自分の調子を整えないとと思う。
「どうってことではないっす」
「ほれほれ、感謝しろー。ひなぎくちゃん」
黒樹が、少しだけいつものペースに戻って来た。
「私もね、コインロッカーのペイント、ほぼできていますよ、ひなぎくさん」
「ありがとうございます。蓮花さん。急にお仕事をさせてごめんなさい」
気を遣いがちなひなぎくに蓮花も対応する。
「なんのなんの。ひかえおろう。私、調子に乗っちゃうよ、ひなぎくさん」
皆の明るい態度に、二荒社前バス停で、笑い声が響いた。
九月三十日土曜日、皆はバラバラになって行動した。
「古民家組の皆さん、本日もよろしくお願いいたします」
ひなぎくは、ぺこりとお辞儀をすると、お風呂場へ行きモザイクタイルを貼って行った。
作業は、乾かない内にやらなければならない時間との勝負なので、ゆっくりとはしていられない。
不慣れなひなぎくは、数日は、他の古民家組の方に交じって貼って行かなければならないと試算した。
それから、福の湯に帰って来てのことだ。
「プロフェッサー黒樹、聞いて来ましたよ。温泉にするには、この辺りにある組合に入ればいいらしいです」
「ああ、それなら、俺が頼みに行って来た。楽々組合だそうだ」
ひなぎくは、手を合わせて笑う。
「早いですね。流石ですわ」
ちょっと、黒樹に惚れ直した感があった。
元々、この黒樹は、できる漢なのだ。
ロッカーの塗装は蓮花が一手に引き受け、加工センターを使用した。
蓮花が車に乗せて貰って塗料を買いに行く時、黒樹にその配色について、目を白黒された。
ひなぎくはその合間にもキャプションを作ったり、展示品を楽しむ為の展示品一覧のリーフレットやワークショップの案内をノートに書いていたが、埒が明かないとパソコンを買うことにした。
「パソコン買ったら、お財布が薄くなったわ。困ったわねー」
「ふふふ。俺の気持ちも分かるだろうさ。ほれほれ」
黒樹が肘で突っついて来たので、ひなぎくエルボーが炸裂だ。
福の湯では、藤の間と木通の間の人はお仕事をしに来ていると囁かれた。
十月十日火曜日、今日も一仕事の後、皆が寝静まった夜の温泉で、ひなぎくは、一息ついた。
「はー、タイル貼りも終わったし、ほっとしたわ。いくつか追われている仕事もあるけれども、古民家も方はそろそろ仕上がりそうよ。プロフェッサー黒樹」
ちゃっぷーん。
女湯に一人。
「教会もリフォームが終わって、後は展示だけだな」
ちゃぽーん。
男湯に一人。
そう、ここは、この頃、黒樹と語り合う露天風呂の垣根越しだった。
そんな頃、古民家のリフォームが完成した。
十月十一日水曜日、大安吉日のことだった。
湯治の生活費がかさんでいたし、新しい生活に憧れて、おおわらわでの引っ越しとなる。
長居をしたので、方々に挨拶をしてから出発した。
手回り品とちょっとした荷物だけを持って福の湯に別れを告げた。
「ちょっと、家具とかは今はないが、自分の家だ、くつろごう」
もう、バタバタして、何が何やら分からない状態でも、初めてのごはんをひなぎくは作った。
カレーライスだ。
「おいしそう」
「いい香り」
作っている間、子ども達がわらわらと来る。
お手伝いも進んでしてくれて、市松模様のお皿でカレーライス、パンダのコップにご当地ふっくん印の牛乳を並べてくれた。
「せーの。いただきます」
子ども達が、すっかり、こっちの生活にも慣れてくれたと、黒樹もひなぎくもほっとしていた……。
「皆、色々と忙しかったが、今日は、十月二十八日土曜日だ。ひなぎくちゃんから、白咲のご実家にお電話をして貰っている。皆で搬入に行こう。それで、車なのだが、ノアで七人乗りなんだ。驚かないでくれ」
黒樹は、いつふんぞり返るか計画をしているらしい。
「父さん、驚いたよ」
「お父様?」
「七人乗ったら荷物はどうするぴく?」
「パーパ―、ドライブにするのー?」
「パパ、皆でお出掛けなの?」
五人から、声が掛かる。
「大丈夫だ、考えてあるから」
「この車、俺が買ったんだ……」
「えー!」
「ええー!」
「えええー!」
「ええええー!」
「えええええー!」
よく分からない虹花や澄花も一緒に、驚いた。
「変にハモるなよなー。俺、こんなにお財布やせても、出す時は、出すんだぞ」
黒樹は、そんなに頼りないかといじいじとした。
「プロフェッサー黒樹、頼もしいです」
頬を染めたひなぎくに、黒樹は二秒でハートが明るいピンクになった。
「本当かい? ひなぎくちゃん」
すっかり、ご機嫌だ。
「それでは、皆、乗ったわね?」
夕べの内に車を邸宅に寄せていたので、さっと乗れた。
「出発するぞー!」
「はーい」
黒樹の声に、皆、声を揃えた。
黒樹の横にひなぎく、真ん中の列に蓮花と和、後列に劉樹と虹花と澄花が座っていた。
「南へ!」
黒樹が掛け声をした。
「南へ! 南へ!」
「南へ! 南へ! 南へ!」
「ひなぎくさんちへ! 南へ!」
「ひなぎくさんちへ! 南へ!」
「南へ! ひなぎくさんちぴくよ!」
子ども達はとても盛り上がっている。
ノアのボディーはシルバー。
日差しがあたって、ぽかぽかとする。
ひなぎくも旅立つ気分が高まった。
「南へ!」
この時、青いバラは、深淵に沈んでいた。
「十月二十八日土曜日にひなぎくちゃんの作品を搬入できるようにしような。美術品用のものではないが、車は用意する。白咲家に皆で行って、搬送しようと思うが、どうだい?」
黒樹はいつも通りに見えて、どこか緊張している。
「どうしたんすか? 力仕事なら歓迎っすし、ひなぎくさんちに行くのは大歓迎っすけど」
和は優しさから質問したが、黒樹とひなぎくがギクシャクとしてしまった。
「ちょっとしたトラブルがあってな」
「ごめんなさい。芸術の秋で忙しいと言っていた運搬業者が空きが出たとの言葉に飛びついてしまった私がいけないの。ダブルブッキングだったわ」
ひなぎくは、自分が悪いのだと黒樹をかばった。
「なあに? それ」
無邪気な虹花の声だった。
「同じ席に二人が座るようなものだ。とにかく、先方はこの話はなかったことにして欲しいらしいぞ」
黒樹のしかめっ面に周りは静まる。
そこを明るくするようにひなぎくは微笑んだ。
「私、がんばるわ」
九月二十九日金曜日、飯山教会の明け渡しの日がとうとう来た。
小学生達が学校へ行っている時間に、ふしゅふしゅと落ち葉を踏みしめ、現地で集まり、暫し歓談する。
飯森神父夫妻と親しくなれて、ひなぎくは嬉しい気持ちで一杯だ。
ミックスのシイナちゃんも来てくれた。
わふんわふんとひとときの別れを惜しむシイナちゃんに、ひなぎくはなめ倒されてしまった。
「あらあらあらあら」
下着が見えないかと照れて、スカートを押さえた。
「はっはっはっ」
いつもは、じゃれる黒樹が、普通に笑って見ている。
ひなぎくは、普段なら下着が見えたら踊って喜ぶ黒樹の様子が少しおかしいと思った。
黒樹が飯森神父と握手をし、別れた。
「お父様、落ち葉がまだありますね」
「うむ。それは、劉樹と虹花と澄花に、遊びながらさらって貰おうな。きっと喜ぶぞ」
「お手伝いをしたいらしかったから、それもいいかも」
蓮花が口に手を当てて笑う。
弟妹達の様子が思い浮かんだようだ。
その帰り道、お迎えに分校へ寄って、おんせんたま号を待つ間、落ち葉のことを伝えると、三人はキャーキャーと騒いだ。
予想通りの反応にひなぎくにも笑みがこぼれる。
「受付カウンターは、ほぼ出来ているよ、ひなぎくちゃん」
たまにはドヤ顔と黒樹が決めてみたが、それを和が真似たので、ひなぎくには微笑ましい。
「そうなのですか? ありがとうございます。和くん、プロフェッサー黒樹」
ひなぎくも自分の調子を整えないとと思う。
「どうってことではないっす」
「ほれほれ、感謝しろー。ひなぎくちゃん」
黒樹が、少しだけいつものペースに戻って来た。
「私もね、コインロッカーのペイント、ほぼできていますよ、ひなぎくさん」
「ありがとうございます。蓮花さん。急にお仕事をさせてごめんなさい」
気を遣いがちなひなぎくに蓮花も対応する。
「なんのなんの。ひかえおろう。私、調子に乗っちゃうよ、ひなぎくさん」
皆の明るい態度に、二荒社前バス停で、笑い声が響いた。
九月三十日土曜日、皆はバラバラになって行動した。
「古民家組の皆さん、本日もよろしくお願いいたします」
ひなぎくは、ぺこりとお辞儀をすると、お風呂場へ行きモザイクタイルを貼って行った。
作業は、乾かない内にやらなければならない時間との勝負なので、ゆっくりとはしていられない。
不慣れなひなぎくは、数日は、他の古民家組の方に交じって貼って行かなければならないと試算した。
それから、福の湯に帰って来てのことだ。
「プロフェッサー黒樹、聞いて来ましたよ。温泉にするには、この辺りにある組合に入ればいいらしいです」
「ああ、それなら、俺が頼みに行って来た。楽々組合だそうだ」
ひなぎくは、手を合わせて笑う。
「早いですね。流石ですわ」
ちょっと、黒樹に惚れ直した感があった。
元々、この黒樹は、できる漢なのだ。
ロッカーの塗装は蓮花が一手に引き受け、加工センターを使用した。
蓮花が車に乗せて貰って塗料を買いに行く時、黒樹にその配色について、目を白黒された。
ひなぎくはその合間にもキャプションを作ったり、展示品を楽しむ為の展示品一覧のリーフレットやワークショップの案内をノートに書いていたが、埒が明かないとパソコンを買うことにした。
「パソコン買ったら、お財布が薄くなったわ。困ったわねー」
「ふふふ。俺の気持ちも分かるだろうさ。ほれほれ」
黒樹が肘で突っついて来たので、ひなぎくエルボーが炸裂だ。
福の湯では、藤の間と木通の間の人はお仕事をしに来ていると囁かれた。
十月十日火曜日、今日も一仕事の後、皆が寝静まった夜の温泉で、ひなぎくは、一息ついた。
「はー、タイル貼りも終わったし、ほっとしたわ。いくつか追われている仕事もあるけれども、古民家も方はそろそろ仕上がりそうよ。プロフェッサー黒樹」
ちゃっぷーん。
女湯に一人。
「教会もリフォームが終わって、後は展示だけだな」
ちゃぽーん。
男湯に一人。
そう、ここは、この頃、黒樹と語り合う露天風呂の垣根越しだった。
そんな頃、古民家のリフォームが完成した。
十月十一日水曜日、大安吉日のことだった。
湯治の生活費がかさんでいたし、新しい生活に憧れて、おおわらわでの引っ越しとなる。
長居をしたので、方々に挨拶をしてから出発した。
手回り品とちょっとした荷物だけを持って福の湯に別れを告げた。
「ちょっと、家具とかは今はないが、自分の家だ、くつろごう」
もう、バタバタして、何が何やら分からない状態でも、初めてのごはんをひなぎくは作った。
カレーライスだ。
「おいしそう」
「いい香り」
作っている間、子ども達がわらわらと来る。
お手伝いも進んでしてくれて、市松模様のお皿でカレーライス、パンダのコップにご当地ふっくん印の牛乳を並べてくれた。
「せーの。いただきます」
子ども達が、すっかり、こっちの生活にも慣れてくれたと、黒樹もひなぎくもほっとしていた……。
「皆、色々と忙しかったが、今日は、十月二十八日土曜日だ。ひなぎくちゃんから、白咲のご実家にお電話をして貰っている。皆で搬入に行こう。それで、車なのだが、ノアで七人乗りなんだ。驚かないでくれ」
黒樹は、いつふんぞり返るか計画をしているらしい。
「父さん、驚いたよ」
「お父様?」
「七人乗ったら荷物はどうするぴく?」
「パーパ―、ドライブにするのー?」
「パパ、皆でお出掛けなの?」
五人から、声が掛かる。
「大丈夫だ、考えてあるから」
「この車、俺が買ったんだ……」
「えー!」
「ええー!」
「えええー!」
「ええええー!」
「えええええー!」
よく分からない虹花や澄花も一緒に、驚いた。
「変にハモるなよなー。俺、こんなにお財布やせても、出す時は、出すんだぞ」
黒樹は、そんなに頼りないかといじいじとした。
「プロフェッサー黒樹、頼もしいです」
頬を染めたひなぎくに、黒樹は二秒でハートが明るいピンクになった。
「本当かい? ひなぎくちゃん」
すっかり、ご機嫌だ。
「それでは、皆、乗ったわね?」
夕べの内に車を邸宅に寄せていたので、さっと乗れた。
「出発するぞー!」
「はーい」
黒樹の声に、皆、声を揃えた。
黒樹の横にひなぎく、真ん中の列に蓮花と和、後列に劉樹と虹花と澄花が座っていた。
「南へ!」
黒樹が掛け声をした。
「南へ! 南へ!」
「南へ! 南へ! 南へ!」
「ひなぎくさんちへ! 南へ!」
「ひなぎくさんちへ! 南へ!」
「南へ! ひなぎくさんちぴくよ!」
子ども達はとても盛り上がっている。
ノアのボディーはシルバー。
日差しがあたって、ぽかぽかとする。
ひなぎくも旅立つ気分が高まった。
「南へ!」
この時、青いバラは、深淵に沈んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる