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記憶~屋敷編~
二
豪華な屋敷と豪華な料理でもてなされた私は、その後少し休めば?とあてがわれた部屋に案内された。
私の好きな物達で溢れかえってる部屋……。
それを見て、私はまた確信するのだ。
”この人は私を知ってる”と。
子供ながらに記憶をたどっても、目の前の男性が誰なのかさっぱりわからない。
聞いても……良いんだろうか?
気になりだしたら聞かずにはいられなかった。
「ねぇ、お兄さん……」
発した言葉に彼は、ん?っと首を傾げて視線を送ってきた。
少し戸惑った。
その無垢な笑顔に、ほんの少しだけ罪悪感を……感じたのだ。
名乗りでないのは、何か隠してるから。
でも何故だろう。
こんな優しそうな人が……。
「─────僕が何者か?」
無言になってしまった私を見かねて、男性はフッと笑みを漏らした。
「話しても良いけど、沙耶は後悔しない?
8歳ってどんなにしっかり見えても僕にはやっぱり子供にしか見えなくて……そう扱われるのは嫌だろうし」
ん~、と唸り困ったなと小さく呟いた。
「……………………」
「僕は話しても構わないと思う、本当に君が望むなら。でもお願いだから後悔とか……」
悲しそうにその瞳が揺らぐ。
「僕を嫌わないでほしい」
何故そんな事を言ったのかという彼の心理も知らず、幼い私はその瞳をじっと見据えて、そして一つ頷いた。
「教えて?」
それは僅かな好奇心があったからだ。
少し話が長くなるから───
そう言って出されたデザートと紅茶。
「……何から話そうか」
一人呟いてウーンと頭を捻る素振りを見せて、彼はゆっくり口を開いた。
「沙耶、人がやっちゃいけない事って知ってる?」
突然の問いに、私はポカーンと口を開け、次の瞬間首を振った。
「わからないよね」
クスリと笑われる。
「お兄さんと関係あるの?」
「うん、凄くね。僕は人が絶対やっちゃいけない事をしたんだ」
「……やっちゃ…いけない事?」
”やっちゃいけない事”。
そう言われたらそれを実行した目の前の彼は”悪い人”じゃないかと子供ながらにそう思った。
悪い人イコール怖い人のイメージがあって、怒らせないようにおずおずと口を開いたのだ。
「お兄さん…何したの?」
問えば、眉を下げて言いにくそうにこう言った。
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