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17、取っ組み合い
「なぜ読まない」
苛立ちを隠そうともせず、ジュリアンがヴェロニカに問い詰めた。
「あら、陛下。今回はずいぶんと遅かったですね。私、待ちくたびれてしまいましたわ」
結局彼が来たのは前回の訪れから二週間後であった。
「手紙は」
ヴェロニカは立ち上がり、置時計の下から手紙を取り出し、ジュリアンにどうぞと差し出した。けれど彼は受け取ろうとしない。
「本当に読んでいないのか」
「ええ、読んでいませんわ」
「……」
「疑うのならば、私ではなくそこの侍女に尋ねてみたらいかが? 四六時中そばにおりますもの」
ジュリアンが侍女の方を見ると、彼女は初めて感情の読めない顔に動揺を滲ませた。内心一矢報いてやったようでヴェロニカは殊勝に微笑む。
「本当に、読んでいないんだな」
「ええ、神に誓いますわ」
「なぜ、読まない」
不可解だと言いたげな顔でジュリアンはヴェロニカを見ている。
「なぜって……これはカトリーナ様に宛てられたものだわ。差出人が私の夫だからといって、勝手に読むのは礼儀に反しますわ」
ヴェロニカがそう言っても、ジュリアンは理解できないと首を振った。
「私だったら我慢できない。妻が他の男から手紙をもらって、いつまでもこんな……汚らわしい」
吐き捨てるような言葉。ふとヴェロニカは思う。なぜこの男はこんなにもカトリーナとハロルドの関係を自分に突きつけるのか。ただ単にヴェロニカを苦しめて楽しむため? けれどたったそれだけのためにわざわざヴェロニカをこんな部屋に閉じ込めるだろうか。
どうもしっくりこない。
(矛盾している……)
今だってヴェロニカの反応をじっと窺っている。手紙を読まなかった選択肢を理解できないと腹を立てている。私なら、と自分の過去と比較している。
(そうだ。この人はあの時、カトリーナ様に対してあんなに怒りを露わにしていた)
ハロルドとの関係を責めていた。カトリーナがハロルドのことを愛していたと告げたらさらに怒って……
「あなた、カトリーナ様のことがまだ好きなのね」
びくりとジュリアンの肩が揺れる。
「なにを……」
掠れた声に、ジュリアンは唾を飲み込んだ。
「何を言っているのだ。あんな女、私は愛していない」
「嘘ね。人は興味がない相手にそこまで感情的になれないわ」
ヴェロニカがそうだ。夫のハロルドに対してはいつも冷静さを失い、感情が爆発する。興味があるから。好きだから。愛しているから。
「あなたは今でもカトリーナ様を愛している」
「ちがう……」
「あなたはあの時、カトリーナ様に否定して欲しかったのよ。それで本当は泣いて縋って欲しかったのよ。ハロルドのもとへは行かない。私が愛しているのはあなた一人だけだと――」
「だまれ!」
突然ジュリアンがヴェロニカに襲いかかった。手首を強引に捕まれ、床に押し倒される。幸い柔らかな絨毯が敷かれており、そこまでの痛みは感じなかったが、馬乗りになられたせいで動きが封じられてしまった。荒い息にぎくりと身体が固まる。
「よくも、よくもそんなこと言えたな!」
顎を掴まれる。手入れさせた爪が皮膚に突き刺さる。自身で刃物を向けた時よりずっと命の危機を感じた。自分ではなく、相手に主導権がある。それはこんなにも恐ろしいことなのだ。
黙り込んだヴェロニカにジュリアンはようやく溜飲が下がったようだ。落ち着きを取り戻し、ヴェロニカを可愛がるように甘い声で囁いた。
「私があんな女を愛しているはずがないだろう? そなたを見て、興味がわいて欲しくなったから交換を申し出たんだ」
愛しているのはそなただけだ、とジュリアンは耳元に唇を寄せる。さらさらとした彼の髪が首筋をくすぐる。そのまま頬に口づけしようとする彼にヴェロニカは思わず口を開いていた。
「あなた、怖いのよ」
ぴくりと彼の動きが止まる。
「どういう意味だ」
そのまま折られるのではないかと思うほど強く手首を握りしめられた。
「答えろ!」
殺されるかもしれない。そう思うくらいにジュリアンの顔は怒りで満ちていた。相手が感情を昂らせ、激昂を露わにするほど、ヴェロニカの頭は冷えていく。
(子どもみたい)
息子のエルドレッドも自分の感情を抑制できず癇癪を起していた。母の気質を受け継いだ可能性もあるけれど、エルドレッドはまだ子どもだ。多少は仕方ない面もある。
けれどジュリアンはもう大人だ。か弱い女をねじ伏せてまで自分の思い通りにさせようとするのは異常だ。成人男性が、しかも一国の王がやることでは決してない。
「そんなにお望みならね、ええ、言ってあげるわ。あなたはカトリーナ様に嫌われるのが怖いのよ! 本当は愛して欲しいくせに、同じ気持ちを返して欲しいくせに、真正面から答えを聞くのが怖くて、こんな幼稚な形でしか答えを知るしかない憶病者よ!!」
「貴様っ……!」
喉元を思いきり締められる。ヴェロニカは暴れた。爪でジュリアンの頬や手を引っ掻いた。
(こんなやつに殺されてたまるものですか!)
死ぬなら道連れにしてやる、という気概で反抗した。だがしょせんは女の力であり、ヴェロニカはジュリアンに圧し負け、このまま意識を失いそうになるのを感じた。
「おまえなど、おまえなど……!」
「おやめください!!」
もうだめかもしれないと意識が飛びそうになった時、突然首の圧迫感が止まった。消えかけた視界がまた色をつけていく。ヴェロニカは水の中から這い上がったように激しくむせた。
「陛下。どうか冷静に」
ジュリアンは衛兵たちに後ろから引き剥がされたらしい。離せ! という荒々しい声が聞こえた気もするが、酸欠になった状態のヴェロニカにはよくわからない。
「ご無事ですか」
ヴェロニカの顔を覗き込むのはあの鉄仮面の侍女である。どうやら彼女が助けを呼んでくれたらしい。床に転がされたヴェロニカの身体を起し、絞められた首筋を凝視している。せっかく包帯が外れたと思ったのに、またつけ直さないといけないなと思った。
「ヴェロニカ様」
薄く色づいた唇を開きかけ、侍女は何か伝えようとしたが、言葉が出てこないようで、静止画のように止まっている。
「……ふふ。あなたもそんな顔、できるのね」
青ざめている侍女の顔はヴェロニカのことを心配していた……かどうかはわからないけれど、一人の人間が殺されようとした状況に怯えていた。当たり前の反応を見せてくれたことが、今のヴェロニカには面白く映った。
「わたし……」
侍女は何か言いかけ、やがて「申し訳ありません」と小さく呟いた。言いたいことはあったけれど、ヴェロニカは何も言わずジュリアンへと目をやった。
彼はヴェロニカを見ていた。正確に言うと、ヴェロニカの首元だろうか。首を絞めた時と同じように憎しみの籠った目で睨んでいる。殺し損ねて落胆しているのだろうか。
しかし彼の顔は青ざめ、指先が小さく震えていることにヴェロニカは気づいてしまった。先ほど死にかけたせいか、頭がぼうっとして、恐怖よりもじっと観察する自分がいた。
「陛下。部屋に戻りましょう」
衛兵たちは一刻も早くこの場から国王を離れさせようと言葉をかけている。ああ、と彼が逃げるように背を向ける。
「ジュリアン」
初めて名を呼んだ。去ろうとした後ろ姿が小さく跳ね、恐る恐る振り返るジュリアンは本当に叱られた子どものようであった。
「私、以前言ったわよね? あなたに犯されるくらいなら、どんな手を使ってでも死を選ぶと」
「……それがどうした」
ヴェロニカは内心の恐怖を押し隠して、にっこりと微笑んでやった。
「だからあなたに殺されるよう仕向けてあげたんですわ」
我を失ってか弱い女性を手にかけようとしたこと。それは貴公子として育てられてきたジュリアンにはひどく屈辱的な行動だったはずだ。理性で押し留めることのできなった、カトリーナへの想いがそうさせたことも。
「あなたの弱みはカトリーナ様。これから先も、あなたが私を苦しめるというのならば、私もあなたを同じように苦しめてさしあげますわ」
おまえ自身の手であの世へ逝ってやる。そうして罪悪感で一生苦しめ馬鹿野郎。
「……そなたは本物の魔女だ」
みっともなく震えるジュリアンに、ヴェロニカは笑みを深めたのだった。
苛立ちを隠そうともせず、ジュリアンがヴェロニカに問い詰めた。
「あら、陛下。今回はずいぶんと遅かったですね。私、待ちくたびれてしまいましたわ」
結局彼が来たのは前回の訪れから二週間後であった。
「手紙は」
ヴェロニカは立ち上がり、置時計の下から手紙を取り出し、ジュリアンにどうぞと差し出した。けれど彼は受け取ろうとしない。
「本当に読んでいないのか」
「ええ、読んでいませんわ」
「……」
「疑うのならば、私ではなくそこの侍女に尋ねてみたらいかが? 四六時中そばにおりますもの」
ジュリアンが侍女の方を見ると、彼女は初めて感情の読めない顔に動揺を滲ませた。内心一矢報いてやったようでヴェロニカは殊勝に微笑む。
「本当に、読んでいないんだな」
「ええ、神に誓いますわ」
「なぜ、読まない」
不可解だと言いたげな顔でジュリアンはヴェロニカを見ている。
「なぜって……これはカトリーナ様に宛てられたものだわ。差出人が私の夫だからといって、勝手に読むのは礼儀に反しますわ」
ヴェロニカがそう言っても、ジュリアンは理解できないと首を振った。
「私だったら我慢できない。妻が他の男から手紙をもらって、いつまでもこんな……汚らわしい」
吐き捨てるような言葉。ふとヴェロニカは思う。なぜこの男はこんなにもカトリーナとハロルドの関係を自分に突きつけるのか。ただ単にヴェロニカを苦しめて楽しむため? けれどたったそれだけのためにわざわざヴェロニカをこんな部屋に閉じ込めるだろうか。
どうもしっくりこない。
(矛盾している……)
今だってヴェロニカの反応をじっと窺っている。手紙を読まなかった選択肢を理解できないと腹を立てている。私なら、と自分の過去と比較している。
(そうだ。この人はあの時、カトリーナ様に対してあんなに怒りを露わにしていた)
ハロルドとの関係を責めていた。カトリーナがハロルドのことを愛していたと告げたらさらに怒って……
「あなた、カトリーナ様のことがまだ好きなのね」
びくりとジュリアンの肩が揺れる。
「なにを……」
掠れた声に、ジュリアンは唾を飲み込んだ。
「何を言っているのだ。あんな女、私は愛していない」
「嘘ね。人は興味がない相手にそこまで感情的になれないわ」
ヴェロニカがそうだ。夫のハロルドに対してはいつも冷静さを失い、感情が爆発する。興味があるから。好きだから。愛しているから。
「あなたは今でもカトリーナ様を愛している」
「ちがう……」
「あなたはあの時、カトリーナ様に否定して欲しかったのよ。それで本当は泣いて縋って欲しかったのよ。ハロルドのもとへは行かない。私が愛しているのはあなた一人だけだと――」
「だまれ!」
突然ジュリアンがヴェロニカに襲いかかった。手首を強引に捕まれ、床に押し倒される。幸い柔らかな絨毯が敷かれており、そこまでの痛みは感じなかったが、馬乗りになられたせいで動きが封じられてしまった。荒い息にぎくりと身体が固まる。
「よくも、よくもそんなこと言えたな!」
顎を掴まれる。手入れさせた爪が皮膚に突き刺さる。自身で刃物を向けた時よりずっと命の危機を感じた。自分ではなく、相手に主導権がある。それはこんなにも恐ろしいことなのだ。
黙り込んだヴェロニカにジュリアンはようやく溜飲が下がったようだ。落ち着きを取り戻し、ヴェロニカを可愛がるように甘い声で囁いた。
「私があんな女を愛しているはずがないだろう? そなたを見て、興味がわいて欲しくなったから交換を申し出たんだ」
愛しているのはそなただけだ、とジュリアンは耳元に唇を寄せる。さらさらとした彼の髪が首筋をくすぐる。そのまま頬に口づけしようとする彼にヴェロニカは思わず口を開いていた。
「あなた、怖いのよ」
ぴくりと彼の動きが止まる。
「どういう意味だ」
そのまま折られるのではないかと思うほど強く手首を握りしめられた。
「答えろ!」
殺されるかもしれない。そう思うくらいにジュリアンの顔は怒りで満ちていた。相手が感情を昂らせ、激昂を露わにするほど、ヴェロニカの頭は冷えていく。
(子どもみたい)
息子のエルドレッドも自分の感情を抑制できず癇癪を起していた。母の気質を受け継いだ可能性もあるけれど、エルドレッドはまだ子どもだ。多少は仕方ない面もある。
けれどジュリアンはもう大人だ。か弱い女をねじ伏せてまで自分の思い通りにさせようとするのは異常だ。成人男性が、しかも一国の王がやることでは決してない。
「そんなにお望みならね、ええ、言ってあげるわ。あなたはカトリーナ様に嫌われるのが怖いのよ! 本当は愛して欲しいくせに、同じ気持ちを返して欲しいくせに、真正面から答えを聞くのが怖くて、こんな幼稚な形でしか答えを知るしかない憶病者よ!!」
「貴様っ……!」
喉元を思いきり締められる。ヴェロニカは暴れた。爪でジュリアンの頬や手を引っ掻いた。
(こんなやつに殺されてたまるものですか!)
死ぬなら道連れにしてやる、という気概で反抗した。だがしょせんは女の力であり、ヴェロニカはジュリアンに圧し負け、このまま意識を失いそうになるのを感じた。
「おまえなど、おまえなど……!」
「おやめください!!」
もうだめかもしれないと意識が飛びそうになった時、突然首の圧迫感が止まった。消えかけた視界がまた色をつけていく。ヴェロニカは水の中から這い上がったように激しくむせた。
「陛下。どうか冷静に」
ジュリアンは衛兵たちに後ろから引き剥がされたらしい。離せ! という荒々しい声が聞こえた気もするが、酸欠になった状態のヴェロニカにはよくわからない。
「ご無事ですか」
ヴェロニカの顔を覗き込むのはあの鉄仮面の侍女である。どうやら彼女が助けを呼んでくれたらしい。床に転がされたヴェロニカの身体を起し、絞められた首筋を凝視している。せっかく包帯が外れたと思ったのに、またつけ直さないといけないなと思った。
「ヴェロニカ様」
薄く色づいた唇を開きかけ、侍女は何か伝えようとしたが、言葉が出てこないようで、静止画のように止まっている。
「……ふふ。あなたもそんな顔、できるのね」
青ざめている侍女の顔はヴェロニカのことを心配していた……かどうかはわからないけれど、一人の人間が殺されようとした状況に怯えていた。当たり前の反応を見せてくれたことが、今のヴェロニカには面白く映った。
「わたし……」
侍女は何か言いかけ、やがて「申し訳ありません」と小さく呟いた。言いたいことはあったけれど、ヴェロニカは何も言わずジュリアンへと目をやった。
彼はヴェロニカを見ていた。正確に言うと、ヴェロニカの首元だろうか。首を絞めた時と同じように憎しみの籠った目で睨んでいる。殺し損ねて落胆しているのだろうか。
しかし彼の顔は青ざめ、指先が小さく震えていることにヴェロニカは気づいてしまった。先ほど死にかけたせいか、頭がぼうっとして、恐怖よりもじっと観察する自分がいた。
「陛下。部屋に戻りましょう」
衛兵たちは一刻も早くこの場から国王を離れさせようと言葉をかけている。ああ、と彼が逃げるように背を向ける。
「ジュリアン」
初めて名を呼んだ。去ろうとした後ろ姿が小さく跳ね、恐る恐る振り返るジュリアンは本当に叱られた子どものようであった。
「私、以前言ったわよね? あなたに犯されるくらいなら、どんな手を使ってでも死を選ぶと」
「……それがどうした」
ヴェロニカは内心の恐怖を押し隠して、にっこりと微笑んでやった。
「だからあなたに殺されるよう仕向けてあげたんですわ」
我を失ってか弱い女性を手にかけようとしたこと。それは貴公子として育てられてきたジュリアンにはひどく屈辱的な行動だったはずだ。理性で押し留めることのできなった、カトリーナへの想いがそうさせたことも。
「あなたの弱みはカトリーナ様。これから先も、あなたが私を苦しめるというのならば、私もあなたを同じように苦しめてさしあげますわ」
おまえ自身の手であの世へ逝ってやる。そうして罪悪感で一生苦しめ馬鹿野郎。
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