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52、二度目の*
「鍵は、あなたが持っていらしたんですね」
内側からかけても、外側から開く鍵をイレーネではなくディートハルトが所有していた。彼はそうだと短く返事をして、自分に宛がわれた部屋へ入り、イレーネを抱えたまま寝台の縁に座った。
彼の膝の上に座らされたイレーネは居心地が悪く、逃げ場もないまま、俯いた。だがすぐにディートハルトの手が伸びて、顔を上げさせられる。
部屋の中は蝋燭一本の灯りだけ。薄暗い中で見える彼の顔には、陰影があり、イレーネをただじっと見ていた。ディートハルトはイレーネの頬を撫で、輪郭をたどって首筋をなぞると薄い肩を撫で、豊かに膨らんだ胸へと下りてくる。
視線も一緒に感じながら、イレーネはされるがまま、大人しくしていた。心臓の音が相手に聴こえてしまうのではないかと思うほど、忙しなく音を立てている。緊張と不安で吐きそうだった。
まるで今から純潔を捧げる生娘のような気分で、おかしなものだと思う。彼にはとっくの昔に処女を散らされ、その後も何度も抱かれてきたというのに……。
(――ちがう)
これからまた、散らされるのだ。ハインツに愛されてきた身体を。
腰から腹を滑り、太股までたどり着いた掌は、またイレーネの顔へと戻る。彼の指は何度もイレーネの頬や顎、顔の輪郭をなぞる。イレーネがここにいることを確かめるように。
そしてようやく気が済んだのか、そっと寝台へと押し倒され、身体を隠す布を今度こそすべて剥ぎ取られていく。寒さと恐怖で肌は粟立っていた。
だがディートハルトはそんなことどうでもいいというように、じっと隅々までイレーネの裸体を観察してきた。彼女はどうしても羞恥心を捨てきれず、胸を手で隠してしまう。
ディートハルトはイレーネの腕をどけさせ、シーツに縫い付けると、覆い被さってきた。彼女は何も言えず、ただ怯えた眼差しで彼を見上げる。
「ハインツと逃げたのは、きみの意思か」
どうしてそんなことを今尋ねるのだろう。
イレーネにはわからなかったが、その時だけはディートハルトに逆らうように「そうです」ときっぱりと告げることができた。
「そうか」
彼は短く答えると、イレーネの首筋に顔を埋める。匂いを嗅ぎ、唇を肌に押しつけ、吸いつく。彼女は目を瞑って、必死で声を殺そうとした。吐息すら、出したくなかった。
ディートハルトは先ほど十分観察したせいか、今度は容赦なくイレーネの肌を堪能しようとする。胸の膨らみを掌で掴み、片手や両手で揉みしだき、その柔らかさをもっと堪能しようと頬をすり寄せ、飾りを口に含み舌で転がす。
「ふ、ぅ……」
目を閉じて、今自分に触れているのはハインツだと思い込もうとした。彼だと思いたかった。イレーネは彼だけの妻でいたかったから。
「イレーネ。目を開けるんだ」
それなのに、ディートハルトの命令には逆らえない自分の弱さが憎かった。薄っすらと目を開ければ、自分を見下ろす瞳がある。綺麗な色をした瞳なのに、ぽっかりと底の抜けた暗い闇を感じさせる。ディートハルトの本性を垣間見た気がして、イレーネはとっさに顔を背けた。
頬に柔らかな感触が当たる。ディートハルトが額や瞼の上、頬に啄むように口づけを落としてくる。言葉ではなく、行為で自分を見るよう命じてくる。彼はいつもそうだった。
(もうやめて……)
イレーネは目を閉じたかった。抱くのならば、人形のように抱かれたかった。彼の欲求だけをぶつけてほしかった。
けれどディートハルトはそれを許さない。イレーネの意思を差し出すよう求めてくる。イレーネにも一緒に堕ちてくることを望んでいる。
「ん……」
胸の蕾をきゅっと摘ままれ、イレーネは顔を僅かにずらしてしまう。口の端にディートハルトの唇が押し当てられる。彼の息が肌に吹きかけられる。腰を撫で、内股を指のはらでなぞられる。くすぐったく、ぞくぞくとした感じに身体が震え――
「ふ、ん、んっ……」
唇が触れた瞬間、彼に捕えられた。舐めて、こじ開けられて、捩じ込んで、貪るように舌を吸われる。
「んぅ、ふぅ、」
イレーネは酸欠になりそうだった。それくらい、ディートハルトはイレーネの咥内を執拗に犯した。
彼の荒い呼吸を耳で拾いながら、らしくない、とイレーネはぼんやり思ったが、やがて考える余裕などなくなり、夢中で舌を絡ませ、吸われる感触に、頑なだった思考が緩み、うっとりとしてくる。
しかし内股をするりと撫でられ、陰唇に触れられた瞬間、はっと我に返った。自分は今何をしている? 誰に触れられて、何を思った?
「いやっ……!」
強烈な自己嫌悪と相手への拒絶感が沸き起こり、イレーネは暴れ出した。首を振り、ディートハルトの胸を押し戻そうともがき、手足をばたつかせた。
「――エミールに聴こえるぞ」
だがその一言で、あっという間に大人しくさせられる。
「母親の悲鳴を聞きつけた息子は当然、この部屋を訪れるだろう。今、ここには鍵がかかっていない。だから容易く扉を開け、きみが俺に組み敷かれている姿を――裸で、自分の父親でもない男に犯されている様を、その目に映すことになるんだ」
――それでもいいのか?
いいわけない。そんな姿、一生のトラウマになる。そんな傷、あの子に残せるはずがない。
「イレーネ……」
ディートハルトが再び顔を寄せ、優しく口づけをしてくる。イレーネは逆らえず、膣口に彼の指が入ってくるのを、我慢した。彼の指はイレーネを労わるように、浅い箇所を一定の感覚で振動を与えてくる。
それはたくさんの神経が集まった小さな芽や身体の奥底まで届き、イレーネの固く守っていた砦を少しずつ壊し始める。
「ふ、ぅ、……んっ……」
淫水がとろとろと流れ出し、入り口まであふれてくる。ディートハルトの手をしとどに濡らし、たっぷりと蜜が絡みついた指の表面で媚肉を擦るように撫でられると、もどかしさとそれ以外の何かを拾い始める。
「んっ……ぁ……」
ハインツが亡くなって、イレーネはずっと清い身体でいた。自分で慰めることも禁じていた。ハインツが愛してくれた身体を、穢すように思えたから。でも、本当は――
「ぁっ、うぅ……んっ、あっ、あぁっ……」
頑丈だと思っていた城壁は実に脆く、容易く壊された。イレーネに守る気がなかったからだ。この身体はずっと、快感に飢えていた。与えてくれるのは、別にハインツでなくてもよかったのだ。
「ふぅ、う、う……」
そう思うとイレーネは自分の弱さやハインツへの罪悪感やらで胸が押しつぶされ、ぼろぼろと涙を流し始めた。目の前の男に泣き顔を見られたくなくて、必死で顔を横へ逸らし、嗚咽をかみ殺す。小刻みに身体が震え、男にも伝わっていくのが悔しかった。
「イレーネ……」
背中に手を差し込まれ、抱き抱えるようにして顔を振り向かされる。濡れた頬に唇が押し当てられ、吸いとられていく。泣くことすら許さないと言われているようで、ますますイレーネの心は軋んだ。
「どうして、こんなこと、するの……」
内側からかけても、外側から開く鍵をイレーネではなくディートハルトが所有していた。彼はそうだと短く返事をして、自分に宛がわれた部屋へ入り、イレーネを抱えたまま寝台の縁に座った。
彼の膝の上に座らされたイレーネは居心地が悪く、逃げ場もないまま、俯いた。だがすぐにディートハルトの手が伸びて、顔を上げさせられる。
部屋の中は蝋燭一本の灯りだけ。薄暗い中で見える彼の顔には、陰影があり、イレーネをただじっと見ていた。ディートハルトはイレーネの頬を撫で、輪郭をたどって首筋をなぞると薄い肩を撫で、豊かに膨らんだ胸へと下りてくる。
視線も一緒に感じながら、イレーネはされるがまま、大人しくしていた。心臓の音が相手に聴こえてしまうのではないかと思うほど、忙しなく音を立てている。緊張と不安で吐きそうだった。
まるで今から純潔を捧げる生娘のような気分で、おかしなものだと思う。彼にはとっくの昔に処女を散らされ、その後も何度も抱かれてきたというのに……。
(――ちがう)
これからまた、散らされるのだ。ハインツに愛されてきた身体を。
腰から腹を滑り、太股までたどり着いた掌は、またイレーネの顔へと戻る。彼の指は何度もイレーネの頬や顎、顔の輪郭をなぞる。イレーネがここにいることを確かめるように。
そしてようやく気が済んだのか、そっと寝台へと押し倒され、身体を隠す布を今度こそすべて剥ぎ取られていく。寒さと恐怖で肌は粟立っていた。
だがディートハルトはそんなことどうでもいいというように、じっと隅々までイレーネの裸体を観察してきた。彼女はどうしても羞恥心を捨てきれず、胸を手で隠してしまう。
ディートハルトはイレーネの腕をどけさせ、シーツに縫い付けると、覆い被さってきた。彼女は何も言えず、ただ怯えた眼差しで彼を見上げる。
「ハインツと逃げたのは、きみの意思か」
どうしてそんなことを今尋ねるのだろう。
イレーネにはわからなかったが、その時だけはディートハルトに逆らうように「そうです」ときっぱりと告げることができた。
「そうか」
彼は短く答えると、イレーネの首筋に顔を埋める。匂いを嗅ぎ、唇を肌に押しつけ、吸いつく。彼女は目を瞑って、必死で声を殺そうとした。吐息すら、出したくなかった。
ディートハルトは先ほど十分観察したせいか、今度は容赦なくイレーネの肌を堪能しようとする。胸の膨らみを掌で掴み、片手や両手で揉みしだき、その柔らかさをもっと堪能しようと頬をすり寄せ、飾りを口に含み舌で転がす。
「ふ、ぅ……」
目を閉じて、今自分に触れているのはハインツだと思い込もうとした。彼だと思いたかった。イレーネは彼だけの妻でいたかったから。
「イレーネ。目を開けるんだ」
それなのに、ディートハルトの命令には逆らえない自分の弱さが憎かった。薄っすらと目を開ければ、自分を見下ろす瞳がある。綺麗な色をした瞳なのに、ぽっかりと底の抜けた暗い闇を感じさせる。ディートハルトの本性を垣間見た気がして、イレーネはとっさに顔を背けた。
頬に柔らかな感触が当たる。ディートハルトが額や瞼の上、頬に啄むように口づけを落としてくる。言葉ではなく、行為で自分を見るよう命じてくる。彼はいつもそうだった。
(もうやめて……)
イレーネは目を閉じたかった。抱くのならば、人形のように抱かれたかった。彼の欲求だけをぶつけてほしかった。
けれどディートハルトはそれを許さない。イレーネの意思を差し出すよう求めてくる。イレーネにも一緒に堕ちてくることを望んでいる。
「ん……」
胸の蕾をきゅっと摘ままれ、イレーネは顔を僅かにずらしてしまう。口の端にディートハルトの唇が押し当てられる。彼の息が肌に吹きかけられる。腰を撫で、内股を指のはらでなぞられる。くすぐったく、ぞくぞくとした感じに身体が震え――
「ふ、ん、んっ……」
唇が触れた瞬間、彼に捕えられた。舐めて、こじ開けられて、捩じ込んで、貪るように舌を吸われる。
「んぅ、ふぅ、」
イレーネは酸欠になりそうだった。それくらい、ディートハルトはイレーネの咥内を執拗に犯した。
彼の荒い呼吸を耳で拾いながら、らしくない、とイレーネはぼんやり思ったが、やがて考える余裕などなくなり、夢中で舌を絡ませ、吸われる感触に、頑なだった思考が緩み、うっとりとしてくる。
しかし内股をするりと撫でられ、陰唇に触れられた瞬間、はっと我に返った。自分は今何をしている? 誰に触れられて、何を思った?
「いやっ……!」
強烈な自己嫌悪と相手への拒絶感が沸き起こり、イレーネは暴れ出した。首を振り、ディートハルトの胸を押し戻そうともがき、手足をばたつかせた。
「――エミールに聴こえるぞ」
だがその一言で、あっという間に大人しくさせられる。
「母親の悲鳴を聞きつけた息子は当然、この部屋を訪れるだろう。今、ここには鍵がかかっていない。だから容易く扉を開け、きみが俺に組み敷かれている姿を――裸で、自分の父親でもない男に犯されている様を、その目に映すことになるんだ」
――それでもいいのか?
いいわけない。そんな姿、一生のトラウマになる。そんな傷、あの子に残せるはずがない。
「イレーネ……」
ディートハルトが再び顔を寄せ、優しく口づけをしてくる。イレーネは逆らえず、膣口に彼の指が入ってくるのを、我慢した。彼の指はイレーネを労わるように、浅い箇所を一定の感覚で振動を与えてくる。
それはたくさんの神経が集まった小さな芽や身体の奥底まで届き、イレーネの固く守っていた砦を少しずつ壊し始める。
「ふ、ぅ、……んっ……」
淫水がとろとろと流れ出し、入り口まであふれてくる。ディートハルトの手をしとどに濡らし、たっぷりと蜜が絡みついた指の表面で媚肉を擦るように撫でられると、もどかしさとそれ以外の何かを拾い始める。
「んっ……ぁ……」
ハインツが亡くなって、イレーネはずっと清い身体でいた。自分で慰めることも禁じていた。ハインツが愛してくれた身体を、穢すように思えたから。でも、本当は――
「ぁっ、うぅ……んっ、あっ、あぁっ……」
頑丈だと思っていた城壁は実に脆く、容易く壊された。イレーネに守る気がなかったからだ。この身体はずっと、快感に飢えていた。与えてくれるのは、別にハインツでなくてもよかったのだ。
「ふぅ、う、う……」
そう思うとイレーネは自分の弱さやハインツへの罪悪感やらで胸が押しつぶされ、ぼろぼろと涙を流し始めた。目の前の男に泣き顔を見られたくなくて、必死で顔を横へ逸らし、嗚咽をかみ殺す。小刻みに身体が震え、男にも伝わっていくのが悔しかった。
「イレーネ……」
背中に手を差し込まれ、抱き抱えるようにして顔を振り向かされる。濡れた頬に唇が押し当てられ、吸いとられていく。泣くことすら許さないと言われているようで、ますますイレーネの心は軋んだ。
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