お花売り

橘さやか

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後編

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 次のお客は老いた種馬でした。

 かつては競走馬として大活躍をしていたようです。最近は老いもあり、種馬としての仕事も満足に果たせない日々が続いていると話してくれました。

 この国の種馬は、その仕事ができなくなると、殺され食べられてしまうそうです。
「500万」と高額ではありましたが、老いた種馬は命を懸けて女の子のお花を買いました。

 女の子はベッドを降りて足を床につけ、ベッドに手をついて四つん這いになりました。女の子は、お尻を老いた種馬のほうに向けます。
 可愛らしい女の子のお花が、老いた種馬に春を呼び戻しました。

 老いた種馬は、女の子と同じように後ろ足を床につき、女の子に覆いかぶさるように前足をベッドにつきました。そして、大きくなった男根を、女の子のお花の中心にあてがいます。

 女の子にとって、老いた種馬の男根は、自分の上半身ほどもある長いモノでしたが、女の子のお花は、そのすべてではないものの、老いた種馬の男根を受け入れました。

 老いた種馬は久しぶりによみがえった春に興奮して、激しく女の子を突きました。女の子もその激しさに応えるよう、透明な蜜をお花から溢れさせ、老いた種馬の動きに合わせてほとばしらせます。

 老いた種馬が果てたあと、女の子は体を痙攣けいれんさせてすぐには動けませんでした。それでも、とてもいいお客様にお花を買っていただいたと満足していました。

 老いた種馬も再び自信を取り戻し、女の子にたくさんのお礼を言って帰っていきました。

 さすがに女の子も疲れてしまいましたので、今夜は次のお客で最後にしようと思いました。

 次に現れたのは人間の男でした。
 しかし、女の子は人間の男が大嫌いでした。
 断る意味で、女の子はお花の値段を伝えます。

「1000万」

 人間の男は文句を言いながら「3万」と値切ってきます。
「1000万」を「3万」ですから、女の子はあきれながら、やはり、人間の男は嫌だと思いました。

 ところが、人間の男が「1000万」で承諾してしまったため、女の子は仕方なくお花を売ることにしました。
「とても払えるようには見えない」
 女の子はそう感じましたが、人間の男を部屋に案内しました。

 女の子は先に支払いをするよう求めましたが、人間の男は、「まだ買っていないから」を理由に支払いません。さらに、「支払ったとたん逃げられても困る」など、たくさんの言い訳をしてきます。
 女の子は気持ち悪くなってしまいました。

 人間の男は、「1000万を出すんだから」と、何かにつけお金の話を出し、女の子にたくさんの恥ずかしい要求をしてきます。

 女の子はレイプされているような気持ちになり、涙が出てきてしまいました。
 しかし、それがかえって人間の男の強欲さをあおり、人間の男の行為は激しさを増しました。

 女の子はつらく悲しくなって、人間の男に休憩を求めました。欲望のまま女の子のお花をむさぼる人間の男でしたが、これには応じてくれました。

 女の子は、煙草を取り出しライターに火をけようとしました。でも、ガスがなくなっているらしく火が点きません。

 人間の男が自分のライターを出そうとしましたが、女の子は自分のライターじゃないと嫌だと言い、ネコの商人からもらった小さなガスボンベを取り出しました。

 女の子のライターは特別な装飾を施してあり、人間の男は興味津々とばかり体を近づけてきます。
 女の子はこのとき、ライターにガスを注入するふりをして、ガスの噴出口を人間の男の胸に向け、勢いよくガスを噴出させました。

 マイナスの、一瞬にしてかなり低温になる液化ガスは、人間の男の心臓を止めました。
 人間の男は、目を見開いたままベッドに横になり、動かなくなりました。

 女の子は、手持ちの別のガスボンベを取り出し、ライターにガスを注入します。
 煙草に火を点け、ゆっくりと吸い、部屋の壁をなんとなく見つめながら、ふうっと紫煙を吐きました。

 時間をかけて煙草を1本吸い終えた女の子は、人間の男が目を見開いたままであることを確認しました。そして、人間の男の大きな体を引きずり、浴室まで運びました。

 入浴中の心臓麻痺という演出です。

 女の子は、今日だけでもたくさんお花を買ってもらうことができました。人間の男からも、男の財産をもらうことができました。生きるのに困ることのないほどですが、女の子はお花売りとして、すがすがしい気持ちで次の街を目指して歩き出しました。



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