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【セルヴィス視点】過去話・悪魔との出会い~2
しおりを挟む「なんっなんだよ、あの魔族は!!」
セルヴィスはキレていた。
他人の目を避け感情を出さない生活をしていたセルヴィスにとって、こんなに感情を剥き出しにする生活は初めてかもしれない。
だがそうせずにはいられなかった───あの悪魔のせいで。
「セルヴィス。ご飯、食べろ。」
「仇が差し出す食い物を喰う馬鹿がいるか!?いらねぇよ!!」
「子供、成長に必要。食べないと、死ぬ。」
「子供扱いするな!!」
何かっていうと世話を焼こうとしてくる悪魔。
最初こそ無視していたセルヴィスも、あまりのしつこさに怒鳴って拒否するのだが……
「元気……良い事。」
良し良し、とばかりに頷く悪魔に、苛立ちは募るばかりだ。
父親が死んだ次の日から、セルヴィスは何度も森に入って仇を探した。
まだ9歳の子供が危険な森に入るなんて自殺行為だが、異端な子供のことなど誰も止めなかった。命がけで森に入っては仇の悪魔だけを探し、時に隠れ時に逃げ。
そうして一週間後、奇跡的に出会えた悪魔。……不意を打とうとして、手も出せずにやられたが。
気が付いた時には悪魔の住処で。そこでセルヴィスはようやく、噂と違い悪魔は人間の言葉を理解し魔法を操る、魔物の中でも上級の魔族と呼ばれる存在だと気づいた。
魔族に人間が無策で立ち向かうなど最早ただの自殺行為。子供でもわかる事だ。
だけどセルヴィスにはどうせもう居場所がない。武器だって取り上げられている。出来る事なら素手でも殺してやりたいが、子供のセルヴィスには叶うはずもなく、せめてもの抵抗に悪魔を詰った。どうせすぐに殺されるんだ。
ところが、この悪魔は訳が分からなかった。
……この、気味が悪い白い髪と紅い瞳を綺麗だと言う。
無理やりスープを渡して食べて寝ろという。よく見れば魔法で負った傷に手当てがしてあるし、寝ていたベッドや部屋は明らかに女性の、恐らく悪魔のもの。
翌日にはチャンスをやるとか言って、ここに住めと言う。
本当に───訳がわからない。
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