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エピローグ
第1話(2)
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「すごい! これみんな、莉音くんが作ったんですか?」
「ソー・ゴージャス! エクセレント! レストランみたいデス!」
「あの、普通の家庭料理ばかりで全然凝ったものじゃないし、和洋ごちゃ混ぜで一貫性がなくて申し訳ないんですけど」
「そんなことないですよ。ひとりでこんなに、大変だったでしょう?」
感歎の声をあげる早瀬に、莉音は「いいえ」と笑顔で応えた。
五目ちらしの茶巾寿司からはじまって、酢飯のかわりに茹でた蕎麦を包んだいなり寿司に海苔巻き、コールスローサラダ、生春巻き、トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ、ひと口サイズのカボチャコロッケ、ミートパイ、ほうれん草の白和え、鯛とホタテにナッツをまぶし、水菜を添えたカルパッチョ。そして、豆乳とそら豆を使ったビシソワーズ。
テーブルに所狭しと並べられた色とりどりの料理に、早瀬とリサは目を輝かせた。
「社長――アルフから莉音くんの料理の腕前はさんざん聞かされてましたけど、実際こうして目にすると、ほんとにすごいですね。たしかに絶賛するだけのことはある」
「リオン天才。ワタシ、作りカタ知りたいデス」
早瀬夫妻のそれぞれ讃辞に、莉音はありがとうございますと照れ笑いを浮かべた。
眠っている赤ん坊をソファーに寝かせて、四人は早速席に着く。椅子に座ろうとしたところで、早瀬は手にしていた紙袋を莉音に差し出した。
「あ、そうだこれ。僕とリサから莉音くんに引越祝い」
莉音は「え?」と目を瞠る。
「なにがいいか、いろいろ迷ったんだけどね。結局無難なところでまとまりました」
「ありがとうございます。開けてみてもいいですか?」
どうぞどうぞと言われて、莉音は早速袋から包みを取り出し、包装を開ける。中から出て来たのは、洒落たデザインのペアのマグカップとワイングラスだった。
わぁ!と歓声をあげて、莉音は隣のヴィンセントを顧みた。そして、早瀬とリサにも笑顔を向ける。
「すごく素敵です。ありがとうございます」
「莉音くん、二十歳の誕生日になったら、ふたりでワインで乾杯してくださいね。それまではマグカップのほうで」
「はい、どっちも大事にします。リサさんも、ありがとうございました」
「ド、いたしましてデス」
箱から出したカップとグラスを、もう一度箱に戻していそいそとしまう。その様子を、ヴィンセントは穏やかに見つめていた。
あらためて席に着きなおして、内輪でのホームパーティーがはじまった。杉並のアパートを引き払い、正式にヴィンセントと暮らすことになった莉音の引越祝いを兼ねた顔合わせの会だった。
莉音の料理はどれも大好評で、早瀬夫妻は惜しみない讃辞とともに旺盛な食欲を発揮して次々に平らげていってくれた。
「一時はどうなることかと思ったけど、ようやく落ち着くところにおさまって、ふたりともよかったですねぇ」
早瀬はしみじみと言う。
「けど、杉並のアパートのほうはよかったんですか? お母さんとの思い出が詰まった大事な場所だったんでしょう?」
訊かれて、莉音はさっぱりとした顔で「はい」と頷いた。
「ソー・ゴージャス! エクセレント! レストランみたいデス!」
「あの、普通の家庭料理ばかりで全然凝ったものじゃないし、和洋ごちゃ混ぜで一貫性がなくて申し訳ないんですけど」
「そんなことないですよ。ひとりでこんなに、大変だったでしょう?」
感歎の声をあげる早瀬に、莉音は「いいえ」と笑顔で応えた。
五目ちらしの茶巾寿司からはじまって、酢飯のかわりに茹でた蕎麦を包んだいなり寿司に海苔巻き、コールスローサラダ、生春巻き、トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ、ひと口サイズのカボチャコロッケ、ミートパイ、ほうれん草の白和え、鯛とホタテにナッツをまぶし、水菜を添えたカルパッチョ。そして、豆乳とそら豆を使ったビシソワーズ。
テーブルに所狭しと並べられた色とりどりの料理に、早瀬とリサは目を輝かせた。
「社長――アルフから莉音くんの料理の腕前はさんざん聞かされてましたけど、実際こうして目にすると、ほんとにすごいですね。たしかに絶賛するだけのことはある」
「リオン天才。ワタシ、作りカタ知りたいデス」
早瀬夫妻のそれぞれ讃辞に、莉音はありがとうございますと照れ笑いを浮かべた。
眠っている赤ん坊をソファーに寝かせて、四人は早速席に着く。椅子に座ろうとしたところで、早瀬は手にしていた紙袋を莉音に差し出した。
「あ、そうだこれ。僕とリサから莉音くんに引越祝い」
莉音は「え?」と目を瞠る。
「なにがいいか、いろいろ迷ったんだけどね。結局無難なところでまとまりました」
「ありがとうございます。開けてみてもいいですか?」
どうぞどうぞと言われて、莉音は早速袋から包みを取り出し、包装を開ける。中から出て来たのは、洒落たデザインのペアのマグカップとワイングラスだった。
わぁ!と歓声をあげて、莉音は隣のヴィンセントを顧みた。そして、早瀬とリサにも笑顔を向ける。
「すごく素敵です。ありがとうございます」
「莉音くん、二十歳の誕生日になったら、ふたりでワインで乾杯してくださいね。それまではマグカップのほうで」
「はい、どっちも大事にします。リサさんも、ありがとうございました」
「ド、いたしましてデス」
箱から出したカップとグラスを、もう一度箱に戻していそいそとしまう。その様子を、ヴィンセントは穏やかに見つめていた。
あらためて席に着きなおして、内輪でのホームパーティーがはじまった。杉並のアパートを引き払い、正式にヴィンセントと暮らすことになった莉音の引越祝いを兼ねた顔合わせの会だった。
莉音の料理はどれも大好評で、早瀬夫妻は惜しみない讃辞とともに旺盛な食欲を発揮して次々に平らげていってくれた。
「一時はどうなることかと思ったけど、ようやく落ち着くところにおさまって、ふたりともよかったですねぇ」
早瀬はしみじみと言う。
「けど、杉並のアパートのほうはよかったんですか? お母さんとの思い出が詰まった大事な場所だったんでしょう?」
訊かれて、莉音はさっぱりとした顔で「はい」と頷いた。
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