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あやかしと"友達"
あやかしと"友達"②
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「最近は大手の製菓店でも取り扱いが増えてきているようですが、同じく数量を絞ってのご提供だったかと。なので実際に口にできる方は、まだまだ限られているのではないでしょうか」
「わあ……。だめ、やっぱりそんな貴重なパフェをご厚意で頂くなんて……! 渉さん。私、ちゃんとお代金払うんで、伝票作ってください」
そう力強く宣言した途端、渉さんは悲し気に眉をへにょりと下げて、
「俺の"厚意"は、ご迷惑でしたか?」
「いえ、違います。お気持ちはすっごく嬉しいんですけれど、私のためにこの苺を取っておいてもらえたってだけで、充分ありがたいというか……!」
「やはり、このような"お祝い"では、押しつけがましいですよね……」
「押しつけがましいだなんて、まさか! 本当に感謝してもしきれないぐらい、嬉しくってたまらない気持ちで――」
「それはつまり、彩愛様は俺からの"お祝い"を、喜んで受け取ってくださると……?」
「もちろんです! 心から喜んで――って、ん?」
「ありがとうございます、彩愛様。やはりお優しいですね。さ、お代を頂いては"お祝い"になりませんので、どうぞこのままお受け取りください」
……これはもしかして、上手いこと言い包められちゃった感じでは?
「……やりますね、渉さん」
「お褒めにあずかり、恐縮です」
にこりと向けられたのは、裏のない、柔和な笑顔。
「パフェの中央部には、くろいちごのピューレを挟んでみました。ちなみにピューレも、砂糖や甘味料は一切なしの100%くろいちごです。俺が説明するよりも実際に食べて頂いたほうが早いと思うので、ぜひご賞味ください」
渉さんはそう告げつつ、パフェの横にティーセットを置いて、
「勝手ながら、お飲み物はダージリンのファーストフラッシュをご用意させていただきました。爽やかですっきりとした味わいが餡子に合いますし、抹茶の渋みとも相性がいいので、ぜひこちらでお試しいただければ」
「うう……ありがとうございます、渉さん。何から何まで……」
「いえ。全て俺の一存でご用意してしまったものですし、彩愛様のお口に合うといいのですが……」
「私、本当に『忘れ傘』のスイーツはどれも好きで。だからこのパフェも、絶対に美味しいーってなる自信しかないです!」
「そう言って頂けると、嬉しいです」
言葉通り嬉し気に頬を綻ばせた渉さんが、私と同じセットを「雅弥様も、ぜひ」と置こうとした。
途端、すかさず雅弥が、
「俺は、いい。そこのヤツに渡してくれ」
「そこのヤツ、ですか?」
不思議そうにしながら、きょろきょろと周囲を確認する渉さん。
雅弥は私の隣に視線を投げて、
「そこに、あやかしがいる」
「え! そうだったんですか? すみません、失礼しました」
慌てて下がった頭を見て、郭くんも即座に「……僕こそ、ごめんなさい」と頭を下げる。
けれども渉さんには、見えてもいなければ、声も聞こえていない。
渉さんは残念そうな苦笑を浮かべ、
「俺、あやかしが見えないんです。ご挨拶もなく不躾で申し訳ありませんが、こちら、良かったら食べてやってください」
郭くんの前に、私と同じ抹茶パフェとダージリンのセットが置かれる。
「……あの、本当にいいの?」
私と雅弥の顔を順に見て尋ねる郭くんの目には、明らかな戸惑い。
私は「うん」と頷いて、
「雅弥がいいって言ってるんだもの。遠慮はなしなし。あ、もしかして、抹茶が苦手とか?」
「……ううん、嬉しい」
郭くんは今度こそ笑みを咲かせ、雅弥を見た。
「……ありがとう」
「……気分じゃなかっただけだ。渉、抹茶のロールケーキはまだあるか?」
「はい、ありますよ。飲み物は何をお持ちしますか?」
「コーヒー」
「かしこまりました。直ぐにお持ちしますね」
雅弥の偉そうな注文にもなんのその、どこか誇らし気な笑みを携えて、渉さんが厨房に戻っていく。
予想するに、雅弥から注文を受けて嬉しいとか、そんな辺り。
あとは雅弥があやかしにパフェを譲った行為に、「さすが雅弥様! お優しい!」と拍手喝采雨あられとか。
(渉さんは雅弥至上主義だからなあー)
私も雅弥が連れてきたってだけで、その恩恵を受けている身なわけだけど。
(おかげさまでこんなに素敵なパフェとも巡り合えちゃったんだから、私も雅弥に感謝しないとなあ)
心の中でありがたい、ありがたいと両手を合わせつつ、私は早速とスプーンを手にした。
「さ、頂きましょ。アイスが溶けちゃうし」
どこかまだ遠慮がちにパフェと見つめ合っていた郭くんが「……うん」と頷く。
細い指がやっとのことでスプーンを手に取ったのを確認して、私は「いただきます」とパフェに向き直り、抹茶アイスにちょこんと座る苺をひとつすくった。
(これが"くろいちご"……)
思えば苺の断面は白みがかっていたはずだけれど、この子は内側も赤い部分が多い。
未知との遭遇……とはいっても、苺は苺なのだから、きっとすっごく甘いとか、後味爽快果汁たっぷり苺! とかかな?
そんな予測を立てながら、私はえいやと口にした。
噛みしめて、衝撃が走る。
「……え、え?」
酸味が、ない。のに、すっごく濃厚な苺の味。
そう、苺。なのだけど、これは……ちょっと、食べたことがない、まったく新しい"苺"のよう。
噛みしめるたびにたっぷりの果汁が溢れて、その一滴一滴に、苺の甘味が凝縮されている。
喉を通ってからも口内に香る、芳醇な甘さ。
私は未だ渦巻く衝撃の名残を辿るようにして、再び苺の一つを、今度は艶めいた抹茶アイスと共にすくい取った。
口に入れる。舌上で、深い渋みと濃い苺の果肉が混ざって、また知らない感動が口内で溶けていく。
「どうしよう、すごく美味しい……!」
思わず頬に手をやりながら郭くんを見遣ると、彼も同意見のようで、こくこくと首を縦に振った。
白い頬が薄く色づく。
「……こんなにおいしい甘味が作れるなんて、あのヒト、すごいね」
「でしょでしょー! 渉さんの作るスイーツは和洋折衷な見た目はもちろん、味もこう、特にフルーツとの組み合わせが絶妙なのよねー」
それに、と。
私はこれまで口にしてきた数々のスイーツをうっとりと思い浮かべつつ、艶めく抹茶アイスを、白玉と餡子に絡めてすくい、
「渉さんのスイーツは、いろんな地域の美味しい素材を使っているのよねえ。だから浅草にいてもちょっとした旅行気分が味わえて、二度おいしかったり」
宇治、といえば京都。
今度は学生時代に行ったきりの京都へ思いを馳せながら、はむ、ともちもちの白玉を食んだその時、
「そういってもらえると、ボクも救われるよ」
「ん? カグラちゃん?」
慣れた仕草で上がってきたカグラちゃんが、「はい、雅弥」と、先ほど要求されていた抹茶ロールケーキとコーヒーを置く。
見れば抹茶生地に挟まれたクリームは淡くくすみ、黒い大納言がたっぷりと混ぜ込まれている。
「わあ……。だめ、やっぱりそんな貴重なパフェをご厚意で頂くなんて……! 渉さん。私、ちゃんとお代金払うんで、伝票作ってください」
そう力強く宣言した途端、渉さんは悲し気に眉をへにょりと下げて、
「俺の"厚意"は、ご迷惑でしたか?」
「いえ、違います。お気持ちはすっごく嬉しいんですけれど、私のためにこの苺を取っておいてもらえたってだけで、充分ありがたいというか……!」
「やはり、このような"お祝い"では、押しつけがましいですよね……」
「押しつけがましいだなんて、まさか! 本当に感謝してもしきれないぐらい、嬉しくってたまらない気持ちで――」
「それはつまり、彩愛様は俺からの"お祝い"を、喜んで受け取ってくださると……?」
「もちろんです! 心から喜んで――って、ん?」
「ありがとうございます、彩愛様。やはりお優しいですね。さ、お代を頂いては"お祝い"になりませんので、どうぞこのままお受け取りください」
……これはもしかして、上手いこと言い包められちゃった感じでは?
「……やりますね、渉さん」
「お褒めにあずかり、恐縮です」
にこりと向けられたのは、裏のない、柔和な笑顔。
「パフェの中央部には、くろいちごのピューレを挟んでみました。ちなみにピューレも、砂糖や甘味料は一切なしの100%くろいちごです。俺が説明するよりも実際に食べて頂いたほうが早いと思うので、ぜひご賞味ください」
渉さんはそう告げつつ、パフェの横にティーセットを置いて、
「勝手ながら、お飲み物はダージリンのファーストフラッシュをご用意させていただきました。爽やかですっきりとした味わいが餡子に合いますし、抹茶の渋みとも相性がいいので、ぜひこちらでお試しいただければ」
「うう……ありがとうございます、渉さん。何から何まで……」
「いえ。全て俺の一存でご用意してしまったものですし、彩愛様のお口に合うといいのですが……」
「私、本当に『忘れ傘』のスイーツはどれも好きで。だからこのパフェも、絶対に美味しいーってなる自信しかないです!」
「そう言って頂けると、嬉しいです」
言葉通り嬉し気に頬を綻ばせた渉さんが、私と同じセットを「雅弥様も、ぜひ」と置こうとした。
途端、すかさず雅弥が、
「俺は、いい。そこのヤツに渡してくれ」
「そこのヤツ、ですか?」
不思議そうにしながら、きょろきょろと周囲を確認する渉さん。
雅弥は私の隣に視線を投げて、
「そこに、あやかしがいる」
「え! そうだったんですか? すみません、失礼しました」
慌てて下がった頭を見て、郭くんも即座に「……僕こそ、ごめんなさい」と頭を下げる。
けれども渉さんには、見えてもいなければ、声も聞こえていない。
渉さんは残念そうな苦笑を浮かべ、
「俺、あやかしが見えないんです。ご挨拶もなく不躾で申し訳ありませんが、こちら、良かったら食べてやってください」
郭くんの前に、私と同じ抹茶パフェとダージリンのセットが置かれる。
「……あの、本当にいいの?」
私と雅弥の顔を順に見て尋ねる郭くんの目には、明らかな戸惑い。
私は「うん」と頷いて、
「雅弥がいいって言ってるんだもの。遠慮はなしなし。あ、もしかして、抹茶が苦手とか?」
「……ううん、嬉しい」
郭くんは今度こそ笑みを咲かせ、雅弥を見た。
「……ありがとう」
「……気分じゃなかっただけだ。渉、抹茶のロールケーキはまだあるか?」
「はい、ありますよ。飲み物は何をお持ちしますか?」
「コーヒー」
「かしこまりました。直ぐにお持ちしますね」
雅弥の偉そうな注文にもなんのその、どこか誇らし気な笑みを携えて、渉さんが厨房に戻っていく。
予想するに、雅弥から注文を受けて嬉しいとか、そんな辺り。
あとは雅弥があやかしにパフェを譲った行為に、「さすが雅弥様! お優しい!」と拍手喝采雨あられとか。
(渉さんは雅弥至上主義だからなあー)
私も雅弥が連れてきたってだけで、その恩恵を受けている身なわけだけど。
(おかげさまでこんなに素敵なパフェとも巡り合えちゃったんだから、私も雅弥に感謝しないとなあ)
心の中でありがたい、ありがたいと両手を合わせつつ、私は早速とスプーンを手にした。
「さ、頂きましょ。アイスが溶けちゃうし」
どこかまだ遠慮がちにパフェと見つめ合っていた郭くんが「……うん」と頷く。
細い指がやっとのことでスプーンを手に取ったのを確認して、私は「いただきます」とパフェに向き直り、抹茶アイスにちょこんと座る苺をひとつすくった。
(これが"くろいちご"……)
思えば苺の断面は白みがかっていたはずだけれど、この子は内側も赤い部分が多い。
未知との遭遇……とはいっても、苺は苺なのだから、きっとすっごく甘いとか、後味爽快果汁たっぷり苺! とかかな?
そんな予測を立てながら、私はえいやと口にした。
噛みしめて、衝撃が走る。
「……え、え?」
酸味が、ない。のに、すっごく濃厚な苺の味。
そう、苺。なのだけど、これは……ちょっと、食べたことがない、まったく新しい"苺"のよう。
噛みしめるたびにたっぷりの果汁が溢れて、その一滴一滴に、苺の甘味が凝縮されている。
喉を通ってからも口内に香る、芳醇な甘さ。
私は未だ渦巻く衝撃の名残を辿るようにして、再び苺の一つを、今度は艶めいた抹茶アイスと共にすくい取った。
口に入れる。舌上で、深い渋みと濃い苺の果肉が混ざって、また知らない感動が口内で溶けていく。
「どうしよう、すごく美味しい……!」
思わず頬に手をやりながら郭くんを見遣ると、彼も同意見のようで、こくこくと首を縦に振った。
白い頬が薄く色づく。
「……こんなにおいしい甘味が作れるなんて、あのヒト、すごいね」
「でしょでしょー! 渉さんの作るスイーツは和洋折衷な見た目はもちろん、味もこう、特にフルーツとの組み合わせが絶妙なのよねー」
それに、と。
私はこれまで口にしてきた数々のスイーツをうっとりと思い浮かべつつ、艶めく抹茶アイスを、白玉と餡子に絡めてすくい、
「渉さんのスイーツは、いろんな地域の美味しい素材を使っているのよねえ。だから浅草にいてもちょっとした旅行気分が味わえて、二度おいしかったり」
宇治、といえば京都。
今度は学生時代に行ったきりの京都へ思いを馳せながら、はむ、ともちもちの白玉を食んだその時、
「そういってもらえると、ボクも救われるよ」
「ん? カグラちゃん?」
慣れた仕草で上がってきたカグラちゃんが、「はい、雅弥」と、先ほど要求されていた抹茶ロールケーキとコーヒーを置く。
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