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第7章
新しい環境(2)
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桃華を雇った理由も、数少ない移植手術経験者であり、このボランティア団体の対象となる多くの子どもたちと同じ病気を患っていた経緯があるから。
事務として雇うことで重い心臓病を患っていた桃華の社会人としての生活を支援するとともに、桃華にもボランティア活動の一環として、桃華のペースで講演会等をして欲しいと思っているから。
同じ病気を患っていた桃華だから分かること、乗り越えられたから分かることを話すことで、桃華のように元気になって今を生きている人も居るんだということを伝え、子どもたちに生きることをあきらめさせないのが狙いだそうだ。
そして、いずれはカウンセリングの勉強もしてもらい、子どもたちの相談役としてもボランティア活動に参加して欲しい、とのことだった。
「話が長くなってすまんのぉ。でも私らは君には大きな期待をしておる。
なぜならさっきも話した通り、この願い叶え隊員の中で、唯一君だけが同じ病気を患い、乗り越えた経験を持っているからじゃ。
あまり気張らず、自信を持って頑張って欲しい」
「は、はいっ! 頑張りますっ!」
「良い返事じゃ! フォッフォッフォッ! ただし、少しでも体調に不調が生じたら必ず休むようにするのじゃぞ?」
「はいっ! ありがとうございましたっ!」
「君の面倒は君も馴染み深い新井くんに頼んでおる。新井くんは1番のやり手だからのぉ! 何でも聞くがよい」
「じゃあ桃華ちゃん、行きましょうか」
いつの間にか、桃華の座っている後ろに新井が立っていた。
「はいっ! よろしくお願いしますっ!」
隊長室を出ると、新井に連れられ、桃華の事務机に案内された。
桃華が安心して仕事ができるように、新井の隣になっていた。
「ここが桃華ちゃんの机よ。必要なものはだいたい揃ってるはずだから。今後何か分からないことがあったら何でも聞いてね!」
「はいっ!」
「じゃあ今日は初日だし、ガイダンスとしてパソコンの使い方を教えるわね!」
「はいっ! よろしくお願いしますっ!」
桃華の元気の良い返事に、新井は嬉しそうに微笑んだ。
しかし、桃華の元気も、夕方になる頃にはクタクタになっていた。
「ふぁぁ~、疲れたぁ……」
「桃華ちゃんすごく張り切ってたものね。今夜はゆっくり休んでね! お疲れさま!」
「ふぁい。ありがとうございました」
桃華は眠気まなこでフラフラと願い叶え隊の事務室を出て、帰路についた。
家に着いた桃華は、かろうじて夕食とお薬とはちゃんと取り、お風呂に入ってベッドに倒れ込んだ。
まだそんなに夜遅くはない。
でも初日で緊張して、慣れない環境に包まれた桃華は、すでに眠気がMAXだった。
今夜は、明日NEVERのライブツアーに旅立つ拓人に、少し遅くなってもいいから会いに来て、と頼んでいた。
今夜を逃せば、しばらくはテレビ画面の向こうのTAKUにしか会えないから……。
拓人と出会う前は、それが当たり前だったのに、今は直接会えないことを寂しく感じるなんて……不思議だなと桃華は感じた。
(拓人……まだかなぁ……そろそろ来ると思うんだけど……)
桃華の瞼はゆっくり落ち、すやすやと寝息を立てはじめた。
事務として雇うことで重い心臓病を患っていた桃華の社会人としての生活を支援するとともに、桃華にもボランティア活動の一環として、桃華のペースで講演会等をして欲しいと思っているから。
同じ病気を患っていた桃華だから分かること、乗り越えられたから分かることを話すことで、桃華のように元気になって今を生きている人も居るんだということを伝え、子どもたちに生きることをあきらめさせないのが狙いだそうだ。
そして、いずれはカウンセリングの勉強もしてもらい、子どもたちの相談役としてもボランティア活動に参加して欲しい、とのことだった。
「話が長くなってすまんのぉ。でも私らは君には大きな期待をしておる。
なぜならさっきも話した通り、この願い叶え隊員の中で、唯一君だけが同じ病気を患い、乗り越えた経験を持っているからじゃ。
あまり気張らず、自信を持って頑張って欲しい」
「は、はいっ! 頑張りますっ!」
「良い返事じゃ! フォッフォッフォッ! ただし、少しでも体調に不調が生じたら必ず休むようにするのじゃぞ?」
「はいっ! ありがとうございましたっ!」
「君の面倒は君も馴染み深い新井くんに頼んでおる。新井くんは1番のやり手だからのぉ! 何でも聞くがよい」
「じゃあ桃華ちゃん、行きましょうか」
いつの間にか、桃華の座っている後ろに新井が立っていた。
「はいっ! よろしくお願いしますっ!」
隊長室を出ると、新井に連れられ、桃華の事務机に案内された。
桃華が安心して仕事ができるように、新井の隣になっていた。
「ここが桃華ちゃんの机よ。必要なものはだいたい揃ってるはずだから。今後何か分からないことがあったら何でも聞いてね!」
「はいっ!」
「じゃあ今日は初日だし、ガイダンスとしてパソコンの使い方を教えるわね!」
「はいっ! よろしくお願いしますっ!」
桃華の元気の良い返事に、新井は嬉しそうに微笑んだ。
しかし、桃華の元気も、夕方になる頃にはクタクタになっていた。
「ふぁぁ~、疲れたぁ……」
「桃華ちゃんすごく張り切ってたものね。今夜はゆっくり休んでね! お疲れさま!」
「ふぁい。ありがとうございました」
桃華は眠気まなこでフラフラと願い叶え隊の事務室を出て、帰路についた。
家に着いた桃華は、かろうじて夕食とお薬とはちゃんと取り、お風呂に入ってベッドに倒れ込んだ。
まだそんなに夜遅くはない。
でも初日で緊張して、慣れない環境に包まれた桃華は、すでに眠気がMAXだった。
今夜は、明日NEVERのライブツアーに旅立つ拓人に、少し遅くなってもいいから会いに来て、と頼んでいた。
今夜を逃せば、しばらくはテレビ画面の向こうのTAKUにしか会えないから……。
拓人と出会う前は、それが当たり前だったのに、今は直接会えないことを寂しく感じるなんて……不思議だなと桃華は感じた。
(拓人……まだかなぁ……そろそろ来ると思うんだけど……)
桃華の瞼はゆっくり落ち、すやすやと寝息を立てはじめた。
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