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3.黙って会いに来ないでください!
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「どうなんでしょう? なんだか私、ミスばかりで……」
「そりゃ仕方ないで。いきなりいろいろやれ言われて、完璧にこなせる奴なんておらへんもん」
次長は、もともと関西エリアの店舗で働いていた四十代になったばかりの男性だ。
ハハハと大きな口を開けて笑う次長。
「そ、そうですけど……」
次長には悪いけど、笑いごとじゃないですよ……!
「まぁ、俺と池野店長がみんなを甘やかし過ぎとったんがあかんかってん。ごめんな」
「い、いえ……」
「でも、本郷店長、高倉ちゃんに期待しとったで?」
「ぇえっ!?」
確かに期待してる、とはお昼にも言われたけど、まさか次長にもそんな話をしてたの……!?
「高倉ちゃん、驚き過ぎやろ。ってか、前から言っとるけど、もっと自分に自信持ちや?」
「す、すみません……」
「俺と本郷店長以外、フロア民の中では高倉ちゃんが唯一の正社員やねんもん、ある程度はしゃーないで。坂口ちゃんも正社員やけど、あの子は薬剤師やから、基本は調剤室におるやろ?」
「まぁ、そうですね……」
なるほど。本郷店長が私に期待してるって言ったのは、そういうことだったのか……。
一人納得していると、さらに次長は言葉を続ける。
「それもやねんけどな、高倉ちゃん基本的には真面目やから。あとは高倉ちゃんからやる気と自信を引き出せたら、戦力になると本郷店長は思うてるみたいやで?」
「え? やる気と、自信、ですか……?」
「どっちも高倉ちゃんの苦手分野やろ?」
「苦手分野って……」
確かに私は、自分に自信もなければ、やる気もそこそこだ。
「ハハっ、そないな顔されたら、俺が高倉ちゃんいじめとるみたいやないか! まぁ高倉ちゃんは深く考えんと、いつもの一割増し頑張るくらいでええと思うで?」
「そ、そうですか?」
「せやせや。あんま悩みすぎると、こんな感じにハゲるで?」
そう言って、次長は彼の頭頂部の少し髪の毛が薄くなってきてるところを笑いながら指さす。
あまりの自虐ネタに、こちらとしては申し訳ないけれど笑えないです……!
「それは冗談にせよ、無理はせんときな。あとは俺がやっとくから、はよ帰ってゆっくり休み?」
「え!? いいんですか!?」
「ええよ、こんくらい。パートの子から聞いたけど、本郷店長に何言われたかまでは知らんけど、何かいろいろ言われて落ち込んでるんやろ? こんなときは、ゆっくり休むに限るで」
ニカッと笑って、次長は「帰り帰り」と繰り返す。
「じゃあ、お先に失礼します。なんだかすみません」
「やから、気にせんとって。お疲れさん。気つけて!」
「お疲れさまです」
にこやかに手を振る次長に見送られながら、私は事務室へと足を運んだ。
事務室で、自分のロッカーの鍵を開けてカバンを取り出すと、着信とメッセージの受信を告げるランプが交互に点灯していた。
誰だろう……?
スマホのロックを解除して中を見ると、着信もメッセージも梨緒からのものだということがわかった。
着信の直後に届いているメッセージを確認してみる。
『奈緒! 仕事終わったら、私の職場に急いで来て! 本郷さんが来てる』
へ!?
本郷店長が来てる!? どういうこと!?
メッセージの受信時刻は、20:15。
今の時刻は、20:45。
ここから梨緒の働く美容院までは、タクシーを呼んで飛ばしてもらっても、20分はかかる。
梨緒の美容院の最終受付はカット19:00、パーマ18:30になっている。
そのため、その日にもよるけど、だいたい20:00過ぎに閉店することが多いらしい。
とりあえずタクシーを呼んで、その間に梨緒に電話をかける。
「そりゃ仕方ないで。いきなりいろいろやれ言われて、完璧にこなせる奴なんておらへんもん」
次長は、もともと関西エリアの店舗で働いていた四十代になったばかりの男性だ。
ハハハと大きな口を開けて笑う次長。
「そ、そうですけど……」
次長には悪いけど、笑いごとじゃないですよ……!
「まぁ、俺と池野店長がみんなを甘やかし過ぎとったんがあかんかってん。ごめんな」
「い、いえ……」
「でも、本郷店長、高倉ちゃんに期待しとったで?」
「ぇえっ!?」
確かに期待してる、とはお昼にも言われたけど、まさか次長にもそんな話をしてたの……!?
「高倉ちゃん、驚き過ぎやろ。ってか、前から言っとるけど、もっと自分に自信持ちや?」
「す、すみません……」
「俺と本郷店長以外、フロア民の中では高倉ちゃんが唯一の正社員やねんもん、ある程度はしゃーないで。坂口ちゃんも正社員やけど、あの子は薬剤師やから、基本は調剤室におるやろ?」
「まぁ、そうですね……」
なるほど。本郷店長が私に期待してるって言ったのは、そういうことだったのか……。
一人納得していると、さらに次長は言葉を続ける。
「それもやねんけどな、高倉ちゃん基本的には真面目やから。あとは高倉ちゃんからやる気と自信を引き出せたら、戦力になると本郷店長は思うてるみたいやで?」
「え? やる気と、自信、ですか……?」
「どっちも高倉ちゃんの苦手分野やろ?」
「苦手分野って……」
確かに私は、自分に自信もなければ、やる気もそこそこだ。
「ハハっ、そないな顔されたら、俺が高倉ちゃんいじめとるみたいやないか! まぁ高倉ちゃんは深く考えんと、いつもの一割増し頑張るくらいでええと思うで?」
「そ、そうですか?」
「せやせや。あんま悩みすぎると、こんな感じにハゲるで?」
そう言って、次長は彼の頭頂部の少し髪の毛が薄くなってきてるところを笑いながら指さす。
あまりの自虐ネタに、こちらとしては申し訳ないけれど笑えないです……!
「それは冗談にせよ、無理はせんときな。あとは俺がやっとくから、はよ帰ってゆっくり休み?」
「え!? いいんですか!?」
「ええよ、こんくらい。パートの子から聞いたけど、本郷店長に何言われたかまでは知らんけど、何かいろいろ言われて落ち込んでるんやろ? こんなときは、ゆっくり休むに限るで」
ニカッと笑って、次長は「帰り帰り」と繰り返す。
「じゃあ、お先に失礼します。なんだかすみません」
「やから、気にせんとって。お疲れさん。気つけて!」
「お疲れさまです」
にこやかに手を振る次長に見送られながら、私は事務室へと足を運んだ。
事務室で、自分のロッカーの鍵を開けてカバンを取り出すと、着信とメッセージの受信を告げるランプが交互に点灯していた。
誰だろう……?
スマホのロックを解除して中を見ると、着信もメッセージも梨緒からのものだということがわかった。
着信の直後に届いているメッセージを確認してみる。
『奈緒! 仕事終わったら、私の職場に急いで来て! 本郷さんが来てる』
へ!?
本郷店長が来てる!? どういうこと!?
メッセージの受信時刻は、20:15。
今の時刻は、20:45。
ここから梨緒の働く美容院までは、タクシーを呼んで飛ばしてもらっても、20分はかかる。
梨緒の美容院の最終受付はカット19:00、パーマ18:30になっている。
そのため、その日にもよるけど、だいたい20:00過ぎに閉店することが多いらしい。
とりあえずタクシーを呼んで、その間に梨緒に電話をかける。
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