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12.その言葉にウソはないな?
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「た、確かに言われましたけど……!」
しげたん社長がうちの店舗に視察に来たとき、確かに司さんの嫁に、うちの息子の嫁に、と言われた。
だけど、あのときは、まさかしげたん社長の息子さんが司さんだなんて、思わなかったんだもん……!
「でも、みんな司さんが社長の息子さんだなんて知らないですよね。何で今まで隠してたんですか?」
「特別扱いを受けるのが嫌だったからな。俺は、一社員としてこの会社の従業員の現状や仕事内容を直に感じたかったんだ。それが、社長の息子ってだけでチヤホヤされてたら、意味ねぇだろ?」
「言われてみれば、そうですね……」
なんだか司さんらしい理由……。
「まぁ、お前の望む“平々凡々としたお相手”ではないかもしれないが……」
「え!? それは別に……」
いきなり何を言い出すのかと思ったそのとき、あっと私の中でひとつの記憶が思い起こされる。
しげたん社長が来られたあとの次長との会話、司さんに聞かれてたんだ……!
あのときは、まさかこんな展開になるなんて予想つかなかったからそう言っちゃっただけなんだけどな。
「で、どうなんだよ」
「え……」
「そろそろ今の時点でのお前の気持ち、聞かせてくれてもいいんじゃねぇの?」
自信たっぷりに見えたかと思えば、どこか不安げに揺れる司さんの瞳。
「私でよければ、よろしくお願いいたします」
緊張で震える手で、目の前の花束を受け取る。
梨緒の姿で会っていたときから変わらずに向けてくれている、大きな愛を。
「その言葉にウソはないな?」
「はいっ!」
確かめるように私を見る司さんに自信満々にこたえると、目の前の大好きな顔は本当に幸せそうに微笑んだ。
ウソから始まった私たちの関係。
だけど、司さんは、ウソだらけの中にあった本当の私を見つけ出してくれた。
全てがあからさまになっても、司さんは変わらず私を愛してくれた。
ありのままの奈緒がいいって、言ってくれた。
「じゃあ、また近いうちにお前に一番似合う指輪、探しに行くか」
「はい」
自分の気持ちを伝えるのは苦手だけど、何もやろうとしなければ人は成長できないって、司さんは教えてくれた。
今日の精一杯を重ねていくうちに、どんどんできることが広がっていく。
「司さん。私も、司さんのこと大好きですよ」
だから、今日伝えられる精一杯の本当の気持ちを伝えていく。
明日はもっと、明あと日はもっともっと、精一杯の域を広げて、いつかは司さんからもらってる以上の愛を、私からも伝えることができるように……。
「知ってる。でも、俺の方がお前のこと愛してる」
一面のネオンが煌めく夜景を前に、ウソ偽りのない愛を誓った──。
*END*
しげたん社長がうちの店舗に視察に来たとき、確かに司さんの嫁に、うちの息子の嫁に、と言われた。
だけど、あのときは、まさかしげたん社長の息子さんが司さんだなんて、思わなかったんだもん……!
「でも、みんな司さんが社長の息子さんだなんて知らないですよね。何で今まで隠してたんですか?」
「特別扱いを受けるのが嫌だったからな。俺は、一社員としてこの会社の従業員の現状や仕事内容を直に感じたかったんだ。それが、社長の息子ってだけでチヤホヤされてたら、意味ねぇだろ?」
「言われてみれば、そうですね……」
なんだか司さんらしい理由……。
「まぁ、お前の望む“平々凡々としたお相手”ではないかもしれないが……」
「え!? それは別に……」
いきなり何を言い出すのかと思ったそのとき、あっと私の中でひとつの記憶が思い起こされる。
しげたん社長が来られたあとの次長との会話、司さんに聞かれてたんだ……!
あのときは、まさかこんな展開になるなんて予想つかなかったからそう言っちゃっただけなんだけどな。
「で、どうなんだよ」
「え……」
「そろそろ今の時点でのお前の気持ち、聞かせてくれてもいいんじゃねぇの?」
自信たっぷりに見えたかと思えば、どこか不安げに揺れる司さんの瞳。
「私でよければ、よろしくお願いいたします」
緊張で震える手で、目の前の花束を受け取る。
梨緒の姿で会っていたときから変わらずに向けてくれている、大きな愛を。
「その言葉にウソはないな?」
「はいっ!」
確かめるように私を見る司さんに自信満々にこたえると、目の前の大好きな顔は本当に幸せそうに微笑んだ。
ウソから始まった私たちの関係。
だけど、司さんは、ウソだらけの中にあった本当の私を見つけ出してくれた。
全てがあからさまになっても、司さんは変わらず私を愛してくれた。
ありのままの奈緒がいいって、言ってくれた。
「じゃあ、また近いうちにお前に一番似合う指輪、探しに行くか」
「はい」
自分の気持ちを伝えるのは苦手だけど、何もやろうとしなければ人は成長できないって、司さんは教えてくれた。
今日の精一杯を重ねていくうちに、どんどんできることが広がっていく。
「司さん。私も、司さんのこと大好きですよ」
だから、今日伝えられる精一杯の本当の気持ちを伝えていく。
明日はもっと、明あと日はもっともっと、精一杯の域を広げて、いつかは司さんからもらってる以上の愛を、私からも伝えることができるように……。
「知ってる。でも、俺の方がお前のこと愛してる」
一面のネオンが煌めく夜景を前に、ウソ偽りのない愛を誓った──。
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とてもおもしろかったです。
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おもしろかったと言っていただけて、とても嬉しいです。
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読んでくださり、ありがとうございました!