この兄妹は最強です。

美影

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「今日は魔法の属性はついて勉強をします」

そう言うと、斎藤先生は黒板に文字を書き始める。

「魔法には7つの属性があります。例えば、火、水、風、氷結、祝福、呪怨、無属性のように分けられています」

そう、魔法にはそれぞれ属性というものが存在する。
そして、1人ひとりがこの属性のいずれか1つを兼ね備えている(一般人は除く)。
例えば、〈ダーク・フォックス〉のガディウスは魔法〈光の矢(ホーリーアロー)〉を使用していた。
この魔法は祝福属性に値する。
よって、ガディウスの属性は祝福っていうことになる。

「と、言うことで、今日はあなた達の属性を調べていきたいと思います」

「先生」

と、1人の生徒が質問をする。
それに対し、「なんでしょう」と答える斎藤先生。

「魔法の属性ってどうやって調べるんですか?」

「よくぞ、聞いてくれました!」

すると、斎藤先生は厳重に鍵のかかっている箱から石のようなものを取り出した。

「魔法の属性を調べるためには、この〈魔導石〉を使用します」

生徒たちは「魔導石?」と首をかしげる。
まぁ、初めて見るのだから分からないのも仕方がない。

当然、俺は知っている。
施設で嫌ってほど見てきたからな。

「分からないのも仕方ありません。なので、1から私が教えます」

斎藤先生は〈魔導石〉の説明をはじめた。

「〈魔導石〉というのは文字通り、魔法を調べる石のことです。例えば、この赤い石は〈火属性〉の適正をもつ人を調べることが出来ます。試しに、私がやってみます」

すると、先生はその石を持ち、呪文の唱えはじめる。

「紅蓮の魔導石よ。汝、我に紅蓮の力を与えよ」

・・・しかし、なにも起こらなかった。

「このように、適正のない属性を持たない者はなにも起こりません。私には〈火属性〉の魔法を使うことが出来ません」

すると、斎藤先生は黄緑色の魔導石を取り出した。
そして、また同じように呪文を唱えた。

「疾風の魔導石よ。汝、我に疾風の力を与えよ」

唱えた瞬間、斎藤先生の手元に小さな気流が発生した。

「今、この〈魔導石〉が反応しましたね。ということは私の魔法の属性は〈風属性〉ということが分かります。このように、呪文を唱え、各属性の魔導石が反応した属性があなたの属性になるのです」

それを見た生徒たちは興奮していた。
「私の属性は何かなぁ?」とか「俺は〈火属性〉がいいな!かっこいいし!」など、生徒たちの期待に胸を踊らせる光景が見て分かる。

「では、あなたたちの魔法の属性を調べるため、体育館へと行きましょう。ここは狭いので」

俺たちは体育館へと向かった。

体育館は魔法の障壁などがかかっているため、
安全だ。

「それでは、あなたたちに〈魔導石〉を預けます。そして、魔法の属性を調べてください。くれぐれも人に向けて魔法を使用しないこと!周りに人がいないか確認してからやること!いいですか?」

生徒たちは「はい!」と返事をし、調べはじめた。

すぐに魔法の属性が出る人やそうでない人が度々見受けられる。
魔法が出た時の喜びや笑い声が溢れている。
実にいい光景だった。
俺はそんな彼らを見ていた。

すると、

「南條くんはやらないんですか?」

と、1人の女子生徒が話しかけてきた。
彼女の名前は久保(くぼ)ゆりか。
魔法ランクはDランク級でこのクラスの委員長だ。
どうやら、Gランク級の俺を気にかけてくれてるらしい。
正直、余計なお世話だ。

「俺はいいよ。結果は分かっている」

ここで能力をばらすわけにはいかない。

「あら、そうですか。では・・・」

「危ない!」

後ろから生徒の声がした。
魔法を暴発したらしく、制御が利かなくなってしまったようだ。
そして、その魔法はこちらへと飛んできた。

避けることは可能だが、その場合、久保さんに当たってしまう。当たったとしても、大した怪我にはならないと思う。
しかし、怪我をさせてはまずい、そうと思った
俺は〈邪眼(じゃがん)〉で魔法を消し飛ばした。
〈邪眼(じゃがん)〉とは、自分より格下の相手の魔法を全て無効化するという対抗魔法だ。

「あれ?消えた?」

生徒たちがざわめきはじめる。

すると、先生が「静かにしてください」と声をかけた。

「南條くん、もしかして貴方があの魔法を消したの?」

そう久保さんが聞いてきたので「まさか」と適当に誤魔化した。
その後、魔法を暴発させた生徒は先生にこっ酷く怒られていたそうだ。





休み時間、俺は喉が渇き、自販機へと立ち寄った。

「あら、また会いましたね」

と、話しかけてくる生徒がいた。
俺は後ろを振り向く。
そこには、入学式に親切に講堂の場所を教えてくれた
2年生の佐堂(さとう)三ッ葉(みつば)先輩が立っていた。

「この間はご親切にしていただきありがとうございました」

俺はお礼を言い、深々と頭を下げた。
下げた先にSILVER(シルバー)のバンドが眼に入った。

ーーこの人、Aランク級だったのか。
あの時は急いでいたから眼に入らなかったが凄い人だったのか。

「全然いいのよ。だから、その頭を下げて!」

俺は頭を上げた。
しかし、なぜか他の人の視線が集まっていた。

「・・・場所を変えて話そうか」

そう三ッ葉先輩が言うので、「そうですね」と返事をした。





「今日はいい天気ね」

俺たちは中庭のベンチに座り込んだ。
木々や花々に囲まれたこの場所は空気が澄んでおり、くつろげる空間になっている。
葉っぱの間から漏れる太陽の光がいい具合に温かい。
小鳥たちのチュンチュンという鳴き声がこれまたいい。

「そうですね」

「この学校には慣れましたか?」

「少しは慣れましたね」

「フフ、そうですか」

佐堂先輩はこちらを嬉しそうに見つめている。
その笑顔に太陽の光がちょうど良く当たり美しくも輝いて見えた。
普段は真面目そうな佐堂先輩の無邪気な笑顔がなんだか新鮮に感じた。

佐堂先輩は腕時計で時間を確認した。

「あら、こんな時間」

そういうと、ベンチから腰を上げた。
お尻に付いたゴミをパンパンと叩いて落とした後、

「また、今度ゆっくりと話し合いましょうね」

と言い、佐堂先輩は去っていった。
俺も特に用事がなかったので、教室へと戻った。
教室の扉の前に立ち、開けようとした瞬間、

「てめぇ!ふざけるな!」

という声が中から聞こえた。
俺は扉を開け、様子を確認する。
どうやら、2人の男子生徒喧嘩をしているようだった。
しかも、俺の机の前で喧嘩している。
座りたいが、なんだか座る気分になれない。
さっさとその場をどいてほしい、と俺は思っていた。
だが、5分経過するがその場をどく気配がない。
それどころか喧嘩はどんどんエスカレートしていく一方だった。
5分間、その喧嘩を聞いていたが、喧嘩になった理由が実にくだらないものだった。
肩と肩が当たっただけという理由だ。
俺はその話を聞いていて、何回ため息が出たか・・・。

「当たって謝りもしないのか!」

「だから、謝ったじゃん」

「Dランク級の俺に対して〈ごめん〉の言葉1つだけか?土下座ぐらいしろよ、Fランク級が!」

・・・まずいな。
このままじゃ魔法発動という最悪なパターンだ。
魔法は体育館と緊急時以外の使用は禁止されている。
もし、魔法発動をしたなら、その生徒は罰則を受けることになる。退学になる可能性もある。

俺は事前に最悪なパターンを防ぐため、魔法〈束縛()〉を使用して、魔法の発動を制限した。

その後、Dランク級の生徒が魔法の発動しようとしたが、俺の魔法〈束縛()〉によって阻止することができた。
そして、異変に気付いた先生が教室に入り、喧嘩は終わった。

入学して2日で3つの面倒ごとに巻き込まれた。
俺はただ平凡な日常を過ごしたいだけなんだが・・・。
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みんなの感想(1件)

Syoutaku
2018.08.30 Syoutaku

こんな風な作品を待っていました。
ありがとう

2018.08.30 美影

ご感想ありがとうございます。

解除

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