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本編
44
鶴矢さんがどうしてここに?
「透くんったら、私は何度も電話したんですよ。全然出てくれないし、ようやく見つけたと思ったら、車道に飛び出して行くので、私は心臓が止まるかと思いました!」
汗ばんだ額を拭う鶴矢さん。さっき俺が半泣きで、エトワールを飛び出して行ったから、心配して追いかけてきてくれたんだ。しかも一時間以上捜してくれていたことになる。
「心配かけてすみません……」
自分を恥ずかしく思いながら頭を下げる。鶴矢さんを怒らせてしまったかと思ったけど優しく笑い返してくれた。
「いいえ。こちらこそ、つい大声を出して驚かせてしまいました」
誘を乗せたベンツはすでに姿を消していた。でも間に合わなくて結果的には良かった。
清一郎さんが婚約した女性は、シンガポール一の投資ファンドのご令嬢だった。雨宮法律事務所とその投資ファンドが大規模な共同事業を始めるにあたり、二人の婚約が発表されたそうだ。
鶴矢さんが、投資家向け会員サイトで、シンガポール発の速報記事で見つけてくれた。
写真の二人は、俺とはまるで別世界の住人だった。二人が知り合ったきっかけという
去年のシンガポールのチャリティーパーティーのワンシーンで、タキシードを着た清一郎さんと向かい合い、白いドレスを身にまとった、モデルのように背の高い女性が笑顔を見せている。仲が良さそうに見えるのも当然で、記事によると、美男美女で年も近い二人は出会うなりお互いを気に入り、両親の後押しもあって、すぐに交際が始まったそうだ。
「…………」
一年も前から交際しながらなぜ、俺に声をかけてきたんだろう。俺がからかいやすく見えたのかな。とても紳士的で、そんな軽薄な人には見えなかったけど……。
「私はきっとこうなると思っていました!」と鶴矢さんが言った。
「そうですか……」
俺は泣き笑いするしかない。身分違いの結婚を本気にして浮かれてた自分が滑稽で……。目にどんどん涙が溜まってく。鶴矢さんが俺の手を優しく握ってくれた。
「これで良いんですよ。全部うまく行ってます」
憐れな俺を慰めてくれてるんだとしても、ほっと安心する。
「透くんと結ばれるべき運命の人はあの人ではなかったんです。私は最初から絶対違うと思ってました」
「そうなんですか?……」
鶴矢さんがそう言ってくれるなら、まだもう少し婚活頑張ってみようかな。
「じゃあもしも、この人こそ俺の運命の相手だと思ったときは教えてくれますか? 俺はその人とお付き合いします」
「良いんですか……?」
急に試すような目で見られて固唾を飲んだ。高額なオプション料金がかかるとか?
「私が決めた人が透くんの好みに合うか分かりませんよ?」
「なんだ、それなら全然良いです! やっぱ俺って人を見る目がないみたい! 今回で懲りましたから、鶴矢さんに任せますよ」
お礼を言って鶴矢さんにスマホを返した。
(清一郎さん、お幸せに……)
本当は、もう一度会いたい。でも正式なフィアンセは、当たり前に俺なんかよりずっとお似合いで、家族にも認められて祝福されているんだから、俺は黙って身を引くしかない。
「では!」
突然、鶴矢さんが大きく手を叩いた。
驚く俺に、キラリと青い瞳が光る。
「それでは、透くん、お手をどうぞ」
「へ!?」
すっと手を差し出され、条件反射的に手を取ったら……。
チュッと手の甲にキスされた。
「えっ!?」
「puits(ピュイ)でのバースデー・ウエディングまで、もう三ヶ月しかありません。もはや待ったなしだとご存じでしたか!」
「はい!?」
ウエディングについて、当たり前になにも手を着けていなかったが、三ヶ月前から準備するのが一般的で、衣装、お花、お料理と、決めないといけないことだらけ……と鶴矢さんに教わり、血の気が引いていった。待てるのは、せいぜい今月まで。来月には招待状を出さなければいけない。
(削除)
「でも……ご存じのとおり相手がいません」
キャンセルさせてください……。とお願いする声が申し訳なさで、小さくなった。ただ、これだけはハッキリ言う。
「鶴矢さんが責任を取る必要はありません、全て俺の責任なので、キャンセル料は俺がどうにかして払います!」
言い終わるや否や、俺の目の前に、鶴矢さんが両手の人差し指で作った×が掲げられた。
「恐縮ですが、透くんからのキャンセルは受け付けできません!」
「えっ」
「キャンセルは申込者のみとなっておりまして、つまり私にしかできません」
そして鶴矢さんはキャンセルはしないと宣言した。
「そんな……なぜ……?」
そんなことしたって鶴矢さんに何の得もないはずなのに。
「透くんの運命の相手に心当たりがあるので。それでは、来ていただきましょう」
俺はわけも分からず、鶴矢さんにタクシーに引っ張りこまれたのだった。
「──ここは……?」
たどり着いたのは港区のタワマンだった。俺は圧倒的な高さとプラチナカラーの輝きに呆然と見上げる。
俺の運命の人はここに住んでいるということ……?
「行きますよ」
腕を組んできた鶴矢さんに中へと引っ張られる。豪華なエントランスを突っ切って高層階専用のエレベーターへ。
「45階の一号室が私の自宅です」
「えっ!?」
鶴矢さんの家!? しかも最上階に住んでるの!?
恐る恐るお邪魔した玄関で突然のお姫様抱っこされた。
「ええええ!?」
悲鳴を上げているうちにソファに降ろされたが目の前の出来事に理解が追い付かない。
(俺は……夢を見てるのか?)
目の前で鶴矢さんが、俺にひざまずいている。手には大きなダイヤモンドと、鶴矢さんの青い瞳そっくりのサファイアの指輪。
何がなんだか分からずに、とりあえずへらっと笑ってみると、
「私と結婚してください」
プロポーズされた。
「えええええええ!?そんなっ!? ダメですよ、責任を感じるからって俺なんかと結婚するなんて! せっかくですけどお気遣い無用です!! puitsのキャンセル料も、俺がちゃんと払いますからっ」
よほど俺が憐れに見えたのだろう。それで鶴矢さんは俺に同情してくれたんだ。真っ赤になりながら立ち上がった。
「帰りますっ」
頭を下げて出口に向かったが、
「わっ!?」
すぐに元いたソファの背もたれに押し付けられた。
「逃がしませんよ。運命にかけて、喉から手が出るほど透くんが欲しいのを我慢して、今日まで待っていたんです」
不敵な笑みに射貫かれて、動けない。鶴矢さんはそんな俺を鼻で笑うと、
「猫をかぶるのもやめます」と耳元で囁いてから身体を離した。なんだかいつもの雰囲気と違う……。
かと思うと、やっぱり優しく微笑んで、
「遅くなりましたがコーヒーを淹れてきます。ゆっくりしていって下さいね」
キッチンの向こうに行ってしまった。
目の前のテーブルの上には、豪華なエンゲージリングが輝いている。
──俺は、帰るべき? 帰らないべき? 悩むうちに鶴矢さんが湯気の立つコーヒーカップを二つ持って戻ってきた。隣に腰かける。俺と目を合わせておかしそうに笑った。
「困らせてしまったようですが、透くんは今まで通り婚活すればいいんです。私はこれからも透くんの担当アドバイザーとして、他の方にも公平な態度を心がけます。ですのでご遠慮なく、なんでもご相談ください」
俺にはもう、何がなんだか……。
「俺はこれからどうすればいいんでしょうか……」
分かっているのは、このままでは、すぐに十一月二十二日が来てしまうということ。だからって鶴矢さんに俺を押し付けるわけにはいかない。
「それではアドバイザーとして提案いたします」
鶴矢さんがいつもの真面目な顔つきになった。
「はい!教えてください!」
すがる俺に優しく微笑む。
「これからは、ますます積極的に行動していくべきです」
確かにその通りだ。なにしろ時間がない。でも具体的にどうやって……。
「エトワールでは、婚約までは何人でもお付き合い自由だとお伝えしましたよね」
「はい……」
ちょっと耳が痛い。今まで顔がタイプじゃないとか、年寄りすぎるだとか、選り好みし過ぎてた。これからはもっと基準を下げて行こう。でも、婚活を頑張ろうにも、平日は仕事で墨谷さんにしごかれて残業の毎日。帰宅後は誘が邪魔するだろうし……。
考えていたら不意に両手を取られた。
「まずは私とお付き合いしてください!」
「わっ!? はっ、はい!?」
ぎゅっと抱き締められた驚きで、思わずうなずくと同時に、ジーンズのポケットに入ってる俺のスマホが鳴り出した。こんなときに誰!? 手に取り確認しようとするが、エトワールのアプリからの通知も次から次へやってくる。
ワタワタしてたら、モテモテですね、と耳元でささやかれた。
「さて、どなたから相手をするんですか?」
「え……えと……?」
背中に妙なプレッシャーを感じつつ、俺はスマホの画面に目を落としたのだった。
end.
「透くんったら、私は何度も電話したんですよ。全然出てくれないし、ようやく見つけたと思ったら、車道に飛び出して行くので、私は心臓が止まるかと思いました!」
汗ばんだ額を拭う鶴矢さん。さっき俺が半泣きで、エトワールを飛び出して行ったから、心配して追いかけてきてくれたんだ。しかも一時間以上捜してくれていたことになる。
「心配かけてすみません……」
自分を恥ずかしく思いながら頭を下げる。鶴矢さんを怒らせてしまったかと思ったけど優しく笑い返してくれた。
「いいえ。こちらこそ、つい大声を出して驚かせてしまいました」
誘を乗せたベンツはすでに姿を消していた。でも間に合わなくて結果的には良かった。
清一郎さんが婚約した女性は、シンガポール一の投資ファンドのご令嬢だった。雨宮法律事務所とその投資ファンドが大規模な共同事業を始めるにあたり、二人の婚約が発表されたそうだ。
鶴矢さんが、投資家向け会員サイトで、シンガポール発の速報記事で見つけてくれた。
写真の二人は、俺とはまるで別世界の住人だった。二人が知り合ったきっかけという
去年のシンガポールのチャリティーパーティーのワンシーンで、タキシードを着た清一郎さんと向かい合い、白いドレスを身にまとった、モデルのように背の高い女性が笑顔を見せている。仲が良さそうに見えるのも当然で、記事によると、美男美女で年も近い二人は出会うなりお互いを気に入り、両親の後押しもあって、すぐに交際が始まったそうだ。
「…………」
一年も前から交際しながらなぜ、俺に声をかけてきたんだろう。俺がからかいやすく見えたのかな。とても紳士的で、そんな軽薄な人には見えなかったけど……。
「私はきっとこうなると思っていました!」と鶴矢さんが言った。
「そうですか……」
俺は泣き笑いするしかない。身分違いの結婚を本気にして浮かれてた自分が滑稽で……。目にどんどん涙が溜まってく。鶴矢さんが俺の手を優しく握ってくれた。
「これで良いんですよ。全部うまく行ってます」
憐れな俺を慰めてくれてるんだとしても、ほっと安心する。
「透くんと結ばれるべき運命の人はあの人ではなかったんです。私は最初から絶対違うと思ってました」
「そうなんですか?……」
鶴矢さんがそう言ってくれるなら、まだもう少し婚活頑張ってみようかな。
「じゃあもしも、この人こそ俺の運命の相手だと思ったときは教えてくれますか? 俺はその人とお付き合いします」
「良いんですか……?」
急に試すような目で見られて固唾を飲んだ。高額なオプション料金がかかるとか?
「私が決めた人が透くんの好みに合うか分かりませんよ?」
「なんだ、それなら全然良いです! やっぱ俺って人を見る目がないみたい! 今回で懲りましたから、鶴矢さんに任せますよ」
お礼を言って鶴矢さんにスマホを返した。
(清一郎さん、お幸せに……)
本当は、もう一度会いたい。でも正式なフィアンセは、当たり前に俺なんかよりずっとお似合いで、家族にも認められて祝福されているんだから、俺は黙って身を引くしかない。
「では!」
突然、鶴矢さんが大きく手を叩いた。
驚く俺に、キラリと青い瞳が光る。
「それでは、透くん、お手をどうぞ」
「へ!?」
すっと手を差し出され、条件反射的に手を取ったら……。
チュッと手の甲にキスされた。
「えっ!?」
「puits(ピュイ)でのバースデー・ウエディングまで、もう三ヶ月しかありません。もはや待ったなしだとご存じでしたか!」
「はい!?」
ウエディングについて、当たり前になにも手を着けていなかったが、三ヶ月前から準備するのが一般的で、衣装、お花、お料理と、決めないといけないことだらけ……と鶴矢さんに教わり、血の気が引いていった。待てるのは、せいぜい今月まで。来月には招待状を出さなければいけない。
(削除)
「でも……ご存じのとおり相手がいません」
キャンセルさせてください……。とお願いする声が申し訳なさで、小さくなった。ただ、これだけはハッキリ言う。
「鶴矢さんが責任を取る必要はありません、全て俺の責任なので、キャンセル料は俺がどうにかして払います!」
言い終わるや否や、俺の目の前に、鶴矢さんが両手の人差し指で作った×が掲げられた。
「恐縮ですが、透くんからのキャンセルは受け付けできません!」
「えっ」
「キャンセルは申込者のみとなっておりまして、つまり私にしかできません」
そして鶴矢さんはキャンセルはしないと宣言した。
「そんな……なぜ……?」
そんなことしたって鶴矢さんに何の得もないはずなのに。
「透くんの運命の相手に心当たりがあるので。それでは、来ていただきましょう」
俺はわけも分からず、鶴矢さんにタクシーに引っ張りこまれたのだった。
「──ここは……?」
たどり着いたのは港区のタワマンだった。俺は圧倒的な高さとプラチナカラーの輝きに呆然と見上げる。
俺の運命の人はここに住んでいるということ……?
「行きますよ」
腕を組んできた鶴矢さんに中へと引っ張られる。豪華なエントランスを突っ切って高層階専用のエレベーターへ。
「45階の一号室が私の自宅です」
「えっ!?」
鶴矢さんの家!? しかも最上階に住んでるの!?
恐る恐るお邪魔した玄関で突然のお姫様抱っこされた。
「ええええ!?」
悲鳴を上げているうちにソファに降ろされたが目の前の出来事に理解が追い付かない。
(俺は……夢を見てるのか?)
目の前で鶴矢さんが、俺にひざまずいている。手には大きなダイヤモンドと、鶴矢さんの青い瞳そっくりのサファイアの指輪。
何がなんだか分からずに、とりあえずへらっと笑ってみると、
「私と結婚してください」
プロポーズされた。
「えええええええ!?そんなっ!? ダメですよ、責任を感じるからって俺なんかと結婚するなんて! せっかくですけどお気遣い無用です!! puitsのキャンセル料も、俺がちゃんと払いますからっ」
よほど俺が憐れに見えたのだろう。それで鶴矢さんは俺に同情してくれたんだ。真っ赤になりながら立ち上がった。
「帰りますっ」
頭を下げて出口に向かったが、
「わっ!?」
すぐに元いたソファの背もたれに押し付けられた。
「逃がしませんよ。運命にかけて、喉から手が出るほど透くんが欲しいのを我慢して、今日まで待っていたんです」
不敵な笑みに射貫かれて、動けない。鶴矢さんはそんな俺を鼻で笑うと、
「猫をかぶるのもやめます」と耳元で囁いてから身体を離した。なんだかいつもの雰囲気と違う……。
かと思うと、やっぱり優しく微笑んで、
「遅くなりましたがコーヒーを淹れてきます。ゆっくりしていって下さいね」
キッチンの向こうに行ってしまった。
目の前のテーブルの上には、豪華なエンゲージリングが輝いている。
──俺は、帰るべき? 帰らないべき? 悩むうちに鶴矢さんが湯気の立つコーヒーカップを二つ持って戻ってきた。隣に腰かける。俺と目を合わせておかしそうに笑った。
「困らせてしまったようですが、透くんは今まで通り婚活すればいいんです。私はこれからも透くんの担当アドバイザーとして、他の方にも公平な態度を心がけます。ですのでご遠慮なく、なんでもご相談ください」
俺にはもう、何がなんだか……。
「俺はこれからどうすればいいんでしょうか……」
分かっているのは、このままでは、すぐに十一月二十二日が来てしまうということ。だからって鶴矢さんに俺を押し付けるわけにはいかない。
「それではアドバイザーとして提案いたします」
鶴矢さんがいつもの真面目な顔つきになった。
「はい!教えてください!」
すがる俺に優しく微笑む。
「これからは、ますます積極的に行動していくべきです」
確かにその通りだ。なにしろ時間がない。でも具体的にどうやって……。
「エトワールでは、婚約までは何人でもお付き合い自由だとお伝えしましたよね」
「はい……」
ちょっと耳が痛い。今まで顔がタイプじゃないとか、年寄りすぎるだとか、選り好みし過ぎてた。これからはもっと基準を下げて行こう。でも、婚活を頑張ろうにも、平日は仕事で墨谷さんにしごかれて残業の毎日。帰宅後は誘が邪魔するだろうし……。
考えていたら不意に両手を取られた。
「まずは私とお付き合いしてください!」
「わっ!? はっ、はい!?」
ぎゅっと抱き締められた驚きで、思わずうなずくと同時に、ジーンズのポケットに入ってる俺のスマホが鳴り出した。こんなときに誰!? 手に取り確認しようとするが、エトワールのアプリからの通知も次から次へやってくる。
ワタワタしてたら、モテモテですね、と耳元でささやかれた。
「さて、どなたから相手をするんですか?」
「え……えと……?」
背中に妙なプレッシャーを感じつつ、俺はスマホの画面に目を落としたのだった。
end.
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