内なる鬱を見つめて

ケイ

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1章 概略

うつ病診断

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ちょうど今から 5 年ほど前、妻に無理やり精神病院に連れて行かれ、鬱病と診断される。当時の事はうる覚えである。今から考えると確かに挙動不審であり、直接の原因は職場環境にあったと言い切れる。しかし、病気の前提となった過労や人間関係、そもそも、今この世界にいる自分は偶然なのだろうか、それとも、生まれた時からの環境、行動による因果関係に基づいた必然だったのだろうか。
 
 また、実を言うと、未だに自分の病気を正確に捉えきれていない。そもそも俗にいう気分障害といわれる病気と性格のボーダーラインが判断できていない。遺伝や幼少期の環境にも影響があるという説もあり、とにかく自分の病気を深く知りたい事と、真の原因を掘り下げて究明したいことを含めて、自分の生い立ちを振り返り、それぞれのターニングポイントにて、自分の病気と因果関係があるか、考察して行きたい。そして、その中で得た、人生観や、この病気について自分なりに得た認識を記載していきたいと思う。
 ただし、読む前に二点ほどお断りしておきたい事がある。
 まず第1に、文中において宗教、特に仏教について記載の場面が登場するが、私はどこの宗教及び団体にも属していない。無神論派である。その点については、安心して読んで頂きたいと思う。逆に宗教批判するつもりもない。信者の方が読んで気分を害された方がいたら申し訳ないが、私としてはフラットな感覚で書いているのでご容赦願いたい。
第2に、長文でかつ、ほぼ文章だけである。原稿を読まれた方から、「視覚的に訴えられるイラストや図表等を入れた方が見やすくて良い」とのアドバイスも承った。しかし、考えあげた挙句、大変申し訳ないが、あえて、視覚情報は最小限にとどめ、文章を主体に書かせて頂いた。この書ができるまで長い過程があり、この結論に達するまでは、確かに図表等を用い整理してきた。そして、それらを入れた視覚情報を入れた方が文章も組み立てやすい。私も書きやすく、試しに多少、当事者研究でのホワイトボードのラフスケッチなども入れて見た。
 でも、読み返すと、図表ばかりに目が行き、イマジネーションが沸かないのである。そして大事な本質を見逃してしまうような気がしてしょうがない。この書では、それぞれの章に長い過程と自分なりの結論を書かせて頂いている。
 しかし、人それぞれ、過程も結論も、違うのは当然であり承知の上である。この文章の主体は、自分の主張を信じて欲しいのではない。私と同じ境遇の人々や同病者、そして、その家族、友人、医療関係者の方々が、「人生」や「病気」について、疑問に思った時、「こんなアプローチの仕方もあるよ」と言うことを進言したいだけである。
 そして、冷たい言い方になるが、それは「ヘルプ」ではなくあくまで「サポート」である。これを読まれた方は、必要であれば自分なりに図表などを書いてみるもよし、ぜひイマジネーションを膨らませて、この書を元に自分なりの解決法を見つけて頂きたい。参考として「当事者研究」、「ペテル式」等をキーワードに、図書館やインターネット等を利用して頂ければと思っている。とにかく、同じ事象で悩んでいる気分障害の方にとって参考になり情報を共有でき、そしてそれぞれの疑問に対する考え方に共感していただければこの上ない幸である。
 このテキストのガイドとして、「人間とか私って何だろう?」で悩んでいる方は4章だけ 、「病気」について悩んでいる方は5章だけでも読んで頂けたら、それでも構わない。
※ 仏教は宗教学としてではなく、仏陀の哲学として、私なりの拡大解釈を加え、書かせて頂いている。
※ 私が考えている、「ヘルプ」と「サポート」の違いは、例えるなら、お腹がすいて困っている人に食料を与えるのが「ヘルプ」、農業を教えるのが「サポート」。そんな風に感じ取ってほしい。
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