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業火
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(※ナレーション=大善の記憶。)
(本作品はフィクションです。シーンをイメージできるようほとんどの台詞の後尾にキャラクターの名前( )が記載されています。youtubeに無料公開中の1話と共にお楽しみいただくとさらに本小説をお楽しみいただけますので興味のある方は是非ともチェックしてみてくださいね。)
奴の、石上(いそのかみ)の銃弾が僕の右胸を貫いた。
真っ黒い影が見える。
そこに居合わせた人、全員を空間ごと捻じ曲げ喰らい尽くしてしまうような禍々しい影が揺らめいて見えていた。
笑っている・・・それとも泣いているのか。
もはやそんなこともわからなくなってきた。
それくらいその時の僕の意識、精神は憔悴しきっていた。
真っ赤に溢れ出した鮮血と、もはや”ヒト”ではなくなってしまった彼自身の背負う意識がその時の僕を殺した。
彼の涙の雫と共に僕の記憶は遠く遠い、はるか彼方へと飛んでいった。
だが、死ぬ前に一言やつ(石上)に勝利宣言させてもらいたい。
唯一僕が期待していた出来事が達成されたようだ。
だってほら・・・・・・・
「姉さん・・・・・・・じいちゃん・・・!・・・・・・これは、この姿は・・・・(テルヒコ)」
死にぞこないの私(僕)のかすんだ視線の先に、散らばった壁面鏡の中に映る姿。
ついに本当の意味で復元されたか・・・。
あの鏡が、ついにようやく。
「みんな・・・・・・・・・(テルヒコ)」
炎。血。夜の研究室は真っ赤な絵の具がぶちまけられたように虚しく沈んでいるかのようだった。
姿見に映る存在。
人間の姿からははるか遠い物となった自分の”カタチ”にうろたえているテルヒコ(孫)の姿が見える。
(ざ・・・まぁあみろッ)
血に咽ながらニタあっとほくそ笑む私の顔を無表情の冷徹な目で見つめる者たちがいた。
工作員部隊だろうか。小銃を持った不気味な仮面の奴らに私は声にならぬ声で高らかに勝利宣言していた
・・・しかし。
惜しいなあ。もっと目に強く、深く焼き付けておきたかった。
もっと僕の方からキミに、君たちに言い残しておきたいことなんて、山ほどあったんだから・・・。
テルヒコ、キミが死んだら・・・。うち(海家)はこれでほんとうにおしまいだ。
もう、なにもかもおしまいのようなものかもわからない。
だけれど、きっと信じてる。キミたちが奴らに打ち勝つことを、私は・・・。
黒い仮面(ペストマスクと思しきカラス面)を装着している石上は闇のなかにたたずむ本物のカラスのようであった。
「先生・・・・・逃げて、ください・・・ぐへああっ(研究生のひとり)」
教え子である学生たちを踏みつけその足音はこちらへと近づいてくる。
影の奥からすうっとぼやけて現れた、白いもう一つの仮面が・・・。
「まだ息があったんだねえ。ジジイ。(九尾の狐)」
その奥から・・・聞き覚えのあるもう一人の澄んだ女性の声がした。
彼女は・・・・・・。?!
?!!!!!!
どうして・・・。
ズガガガガガガガガガガガ
重く鈍い銃声と共に森の中に狂乱する獣のような声がこだました。
「じいちゃん・・・・俺は・・・・・・・・うぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!(テルヒコ)」
(本作品はフィクションです。シーンをイメージできるようほとんどの台詞の後尾にキャラクターの名前( )が記載されています。youtubeに無料公開中の1話と共にお楽しみいただくとさらに本小説をお楽しみいただけますので興味のある方は是非ともチェックしてみてくださいね。)
奴の、石上(いそのかみ)の銃弾が僕の右胸を貫いた。
真っ黒い影が見える。
そこに居合わせた人、全員を空間ごと捻じ曲げ喰らい尽くしてしまうような禍々しい影が揺らめいて見えていた。
笑っている・・・それとも泣いているのか。
もはやそんなこともわからなくなってきた。
それくらいその時の僕の意識、精神は憔悴しきっていた。
真っ赤に溢れ出した鮮血と、もはや”ヒト”ではなくなってしまった彼自身の背負う意識がその時の僕を殺した。
彼の涙の雫と共に僕の記憶は遠く遠い、はるか彼方へと飛んでいった。
だが、死ぬ前に一言やつ(石上)に勝利宣言させてもらいたい。
唯一僕が期待していた出来事が達成されたようだ。
だってほら・・・・・・・
「姉さん・・・・・・・じいちゃん・・・!・・・・・・これは、この姿は・・・・(テルヒコ)」
死にぞこないの私(僕)のかすんだ視線の先に、散らばった壁面鏡の中に映る姿。
ついに本当の意味で復元されたか・・・。
あの鏡が、ついにようやく。
「みんな・・・・・・・・・(テルヒコ)」
炎。血。夜の研究室は真っ赤な絵の具がぶちまけられたように虚しく沈んでいるかのようだった。
姿見に映る存在。
人間の姿からははるか遠い物となった自分の”カタチ”にうろたえているテルヒコ(孫)の姿が見える。
(ざ・・・まぁあみろッ)
血に咽ながらニタあっとほくそ笑む私の顔を無表情の冷徹な目で見つめる者たちがいた。
工作員部隊だろうか。小銃を持った不気味な仮面の奴らに私は声にならぬ声で高らかに勝利宣言していた
・・・しかし。
惜しいなあ。もっと目に強く、深く焼き付けておきたかった。
もっと僕の方からキミに、君たちに言い残しておきたいことなんて、山ほどあったんだから・・・。
テルヒコ、キミが死んだら・・・。うち(海家)はこれでほんとうにおしまいだ。
もう、なにもかもおしまいのようなものかもわからない。
だけれど、きっと信じてる。キミたちが奴らに打ち勝つことを、私は・・・。
黒い仮面(ペストマスクと思しきカラス面)を装着している石上は闇のなかにたたずむ本物のカラスのようであった。
「先生・・・・・逃げて、ください・・・ぐへああっ(研究生のひとり)」
教え子である学生たちを踏みつけその足音はこちらへと近づいてくる。
影の奥からすうっとぼやけて現れた、白いもう一つの仮面が・・・。
「まだ息があったんだねえ。ジジイ。(九尾の狐)」
その奥から・・・聞き覚えのあるもう一人の澄んだ女性の声がした。
彼女は・・・・・・。?!
?!!!!!!
どうして・・・。
ズガガガガガガガガガガガ
重く鈍い銃声と共に森の中に狂乱する獣のような声がこだました。
「じいちゃん・・・・俺は・・・・・・・・うぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!(テルヒコ)」
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