16 / 55
16
しおりを挟む
◇
――庭も畑も一面が銀世界に色付いたある日のこと。
夕飯を食べ終えた春鈴たちのところに、少し前に美羽蘭にからかわれた少々ガラの悪い男が再び菫家の使いとしてやって来ていた。
「――え、龍の里に行け……?」
「そうだ」
「……ただの人間が里で暮らせるとは思えないがねぇ?」
美羽蘭はそう言いながら呆れたように首を傾げる。
(そりゃあねー……それが出来るなら、うちの父ちゃんたちだって、ずっとここで暮らせるわけだし……)
春鈴は祖母の言葉を聞き、心の中で大きく頷きながら男を見つめ返した。
しかし、その男はそんな春鈴たちの態度を鼻で笑うとバカにしたように顔を歪ませる。
「はっ! 魅音様は由緒正しき菫家の姫君だぞ? しかも国で一番の歌い手だ!
龍王陛下を癒すために是非にと慰問を求められたほどのお方と、その辺の人間と同じにすんじゃねぇ!」
(――確かに龍族は素晴らしい芸事も好んでるって話だけど、龍王様って病気なんでしょ……? そんな人が歌とか聞きたがる……? ――そもそも、お前が一緒にすんなって言った、その辺の人間に含まれてる、うちの母ちゃんと兄ちゃんは龍の血を引いてるけど? 引いた上で無理なんだけど??)
そう思いながらも、春鈴は祖母に顔を近づけ、そっとささやいた。
「……もしかして歌い手って先祖返り並みの妖力があったり?」
「――里で暮らせると言うなら、そうなんだろうがねぇ……?」
美羽蘭は肩をすくめて小さく鼻を鳴らしながら答えた。
その言葉とは裏腹に、美羽蘭の態度は本気で言っているとは到底思えないものだったが、それを隠し男に話の先をうながした。
さっさとこの話を切り上げて、目の前の男を家から追い出したいようだった。
「――お優しい魅音様は、お前をそれに同行させてやってもいいと、おっしゃっている」
勿体ぶるようにニヤリと笑いながら、男は春鈴に言い放った。
「……普通に嫌なんですけど?」
男に見つめられた春鈴は、キョトンとした表情を浮かべ首をかしげると、すぐさま断りの言葉を口にした。
まさか断られるとは思ってもいなかった男は、春鈴がなにを言い出したのか理解できず、かすかに首をかしげながら再び口を開く。
「……同行したいのであれば」
「だから行きたくないってば」
まったく同じことを言い出した男に、春鈴は顔をしかめて再び拒絶の言葉を口にする。
「――同行するようにとのお達しだ!」
「――お断りってできます?」
何度も同じ事を言って来る男を、めんどくさそうに見つめながら、投げやりな態度で首をかしげる。
目の前の男の、断られるという可能性を全く考慮していない思考回路が、春鈴には心底理解できなかった。
「魅音様が言っているんだぞ⁉︎」
「私あいつ嫌いだし。 一緒に生活とか絶対イヤ」
春鈴の言葉にギョッと目を見開き、口をはくはくと動かしながら目を白黒させる男に、美羽蘭は呆れをにじませながらため息をついた。
「……まぁこう言っていることだし、この子はちっとばかり世間知らずでねぇ……連れて行っても足手まといだろうさ」
困ったように笑いながら美羽蘭が取りなすように言うが、男に引くつもりは無かった。
「一緒に来るようにとお達しなのだ! くっ……報酬を出してもいい!」
悔しそうに顔を歪ませながら言葉を紡ぎ出す男。
(あ、これ、うちに支払われる報酬ピンハネする気だったやつだ……)
呆れる春鈴の隣で、美羽蘭の瞳がギラリと怪しく光った。
「報酬、ねぇ……? それでいくら出す? ああ……――金ではなくもの……例えば……そう、この山でもいいが?」
「はあぁっ⁉︎ なんでそんなに支払わなきゃいけねぇんだっ!」
いきり立ち脅すような態度の男に、美羽蘭は鼻を鳴らして軽くあしらう。
「はっ! この山はもともと李家のもんさね。 それを勝手に押し付けた借金のかただと言って奪っていったのはそっちじゃろうて」
「言いがかりを言うなっ!」
言いがかりのような要求を突き付けていたのは菫家のほうだったが、入ったばかりのこの男が、そんな真実を知ることは無いようだ。
「――これを連れて行きたければ、山を返して借金は帳消しさね」
男の態度から、菫家が春鈴の動向を強く望んでいるのだと読んだ美羽蘭は、ここぞとばかりにそれに付け入った。
「おいババァ! 思い上がるなよっ⁉︎」
「――嫌なら孫は蓮歌山からは一歩も出さん。 ――そもそもこれがいなければ毎月の借金返済が滞るでな」
「そっれは……」
「――お前のその軽そうな頭でも、式の代わりぐらい出来るだろう?」
「なんだとっ⁉︎」
「グダグタお言いでないよっ! さっさと帰って本家にお伝えっ! 春鈴を連れて行きたければ山を返しなってね」
(……うちが借金してるのは知ってたけど……え、この山って元々うちのだったの⁉︎)
「っ黙って聞いてりゃいい気になりやがって!」
額に青筋を立てて、再び腰に下げた剣に手を伸ばす男。
それを見た美羽蘭は、男を挑発するように鼻を鳴らして春鈴に視線を流した。
「――春鈴、この男がまだ居座るようなら救命用の狼煙をお上げ。 今回は龍族様に助けていただこう」
「ぇ、わ……分かった!」
美羽蘭に言われ、春鈴は慌てて棚に駆け寄った。
そしてその奥にしまってあった緊急用の狼煙を持ち出し、近くの窓を大きく開け放った。
「――最近、うちの料理をご贔屓にしてくださる龍族の方々がいてねぇ? ……忙しいだろうに毎朝毎晩見回りまで……ーーまさか知らなかったのかい⁉︎」
大袈裟な仕草で、男を煽るように話す美羽蘭。
ついでとばかりに、ここの見張りでもある男を刺激する。
「っく……! バケモノ憑きどもがっ」
美羽蘭にバカにされた男は、ギリギリと歯をかみしめ、顔を真っ赤にして一気に剣を抜き放った。
「春鈴焚きなっ!」
「はいっ!」
「っ! 覚えておけよっ!」
興奮している状態でも、龍族は恐ろしいのか、美羽蘭の言葉と春鈴の行動にハッとした男は、そう言い捨てるとたたらを踏むようにあわてて家を出て行った。
そして家から立ち上る狼煙の煙に一段と顔色を悪くして、一目散に山を下りて行った。
逃げ去っていく男の背中を見送りつつ、美羽蘭は呆れたように春鈴に話しかける。
「――本気で焚くやつがあるかい……あれはただの脅しさね……」
そして風の術を使って、空高く上ってゆく煙を拡散していった。
「ええ⁉︎」
(あんな勢いで「焚きなっ!」とか言ったのに⁉︎)
春鈴は心の中でそう文句を言いながらも、祖母に習って煙を拡散していくのだった。
――が、結局、龍族に目撃されていて、不審に思った浩宇たちが様子を見に来てしまい、お茶とお茶菓子でもてなすことになったのだった――
「ごめんねぇ?」
「気にすんなって! こう言う時の護衛なんだからさ」
「こうしてうまい菓子にもありつけた。また呼んで欲しいくらいだな」
春鈴はこの浩宇と優炎の言葉が、優しい気づかいなのだと理解して、くすぐったそうにはにかむのだった。
――庭も畑も一面が銀世界に色付いたある日のこと。
夕飯を食べ終えた春鈴たちのところに、少し前に美羽蘭にからかわれた少々ガラの悪い男が再び菫家の使いとしてやって来ていた。
「――え、龍の里に行け……?」
「そうだ」
「……ただの人間が里で暮らせるとは思えないがねぇ?」
美羽蘭はそう言いながら呆れたように首を傾げる。
(そりゃあねー……それが出来るなら、うちの父ちゃんたちだって、ずっとここで暮らせるわけだし……)
春鈴は祖母の言葉を聞き、心の中で大きく頷きながら男を見つめ返した。
しかし、その男はそんな春鈴たちの態度を鼻で笑うとバカにしたように顔を歪ませる。
「はっ! 魅音様は由緒正しき菫家の姫君だぞ? しかも国で一番の歌い手だ!
龍王陛下を癒すために是非にと慰問を求められたほどのお方と、その辺の人間と同じにすんじゃねぇ!」
(――確かに龍族は素晴らしい芸事も好んでるって話だけど、龍王様って病気なんでしょ……? そんな人が歌とか聞きたがる……? ――そもそも、お前が一緒にすんなって言った、その辺の人間に含まれてる、うちの母ちゃんと兄ちゃんは龍の血を引いてるけど? 引いた上で無理なんだけど??)
そう思いながらも、春鈴は祖母に顔を近づけ、そっとささやいた。
「……もしかして歌い手って先祖返り並みの妖力があったり?」
「――里で暮らせると言うなら、そうなんだろうがねぇ……?」
美羽蘭は肩をすくめて小さく鼻を鳴らしながら答えた。
その言葉とは裏腹に、美羽蘭の態度は本気で言っているとは到底思えないものだったが、それを隠し男に話の先をうながした。
さっさとこの話を切り上げて、目の前の男を家から追い出したいようだった。
「――お優しい魅音様は、お前をそれに同行させてやってもいいと、おっしゃっている」
勿体ぶるようにニヤリと笑いながら、男は春鈴に言い放った。
「……普通に嫌なんですけど?」
男に見つめられた春鈴は、キョトンとした表情を浮かべ首をかしげると、すぐさま断りの言葉を口にした。
まさか断られるとは思ってもいなかった男は、春鈴がなにを言い出したのか理解できず、かすかに首をかしげながら再び口を開く。
「……同行したいのであれば」
「だから行きたくないってば」
まったく同じことを言い出した男に、春鈴は顔をしかめて再び拒絶の言葉を口にする。
「――同行するようにとのお達しだ!」
「――お断りってできます?」
何度も同じ事を言って来る男を、めんどくさそうに見つめながら、投げやりな態度で首をかしげる。
目の前の男の、断られるという可能性を全く考慮していない思考回路が、春鈴には心底理解できなかった。
「魅音様が言っているんだぞ⁉︎」
「私あいつ嫌いだし。 一緒に生活とか絶対イヤ」
春鈴の言葉にギョッと目を見開き、口をはくはくと動かしながら目を白黒させる男に、美羽蘭は呆れをにじませながらため息をついた。
「……まぁこう言っていることだし、この子はちっとばかり世間知らずでねぇ……連れて行っても足手まといだろうさ」
困ったように笑いながら美羽蘭が取りなすように言うが、男に引くつもりは無かった。
「一緒に来るようにとお達しなのだ! くっ……報酬を出してもいい!」
悔しそうに顔を歪ませながら言葉を紡ぎ出す男。
(あ、これ、うちに支払われる報酬ピンハネする気だったやつだ……)
呆れる春鈴の隣で、美羽蘭の瞳がギラリと怪しく光った。
「報酬、ねぇ……? それでいくら出す? ああ……――金ではなくもの……例えば……そう、この山でもいいが?」
「はあぁっ⁉︎ なんでそんなに支払わなきゃいけねぇんだっ!」
いきり立ち脅すような態度の男に、美羽蘭は鼻を鳴らして軽くあしらう。
「はっ! この山はもともと李家のもんさね。 それを勝手に押し付けた借金のかただと言って奪っていったのはそっちじゃろうて」
「言いがかりを言うなっ!」
言いがかりのような要求を突き付けていたのは菫家のほうだったが、入ったばかりのこの男が、そんな真実を知ることは無いようだ。
「――これを連れて行きたければ、山を返して借金は帳消しさね」
男の態度から、菫家が春鈴の動向を強く望んでいるのだと読んだ美羽蘭は、ここぞとばかりにそれに付け入った。
「おいババァ! 思い上がるなよっ⁉︎」
「――嫌なら孫は蓮歌山からは一歩も出さん。 ――そもそもこれがいなければ毎月の借金返済が滞るでな」
「そっれは……」
「――お前のその軽そうな頭でも、式の代わりぐらい出来るだろう?」
「なんだとっ⁉︎」
「グダグタお言いでないよっ! さっさと帰って本家にお伝えっ! 春鈴を連れて行きたければ山を返しなってね」
(……うちが借金してるのは知ってたけど……え、この山って元々うちのだったの⁉︎)
「っ黙って聞いてりゃいい気になりやがって!」
額に青筋を立てて、再び腰に下げた剣に手を伸ばす男。
それを見た美羽蘭は、男を挑発するように鼻を鳴らして春鈴に視線を流した。
「――春鈴、この男がまだ居座るようなら救命用の狼煙をお上げ。 今回は龍族様に助けていただこう」
「ぇ、わ……分かった!」
美羽蘭に言われ、春鈴は慌てて棚に駆け寄った。
そしてその奥にしまってあった緊急用の狼煙を持ち出し、近くの窓を大きく開け放った。
「――最近、うちの料理をご贔屓にしてくださる龍族の方々がいてねぇ? ……忙しいだろうに毎朝毎晩見回りまで……ーーまさか知らなかったのかい⁉︎」
大袈裟な仕草で、男を煽るように話す美羽蘭。
ついでとばかりに、ここの見張りでもある男を刺激する。
「っく……! バケモノ憑きどもがっ」
美羽蘭にバカにされた男は、ギリギリと歯をかみしめ、顔を真っ赤にして一気に剣を抜き放った。
「春鈴焚きなっ!」
「はいっ!」
「っ! 覚えておけよっ!」
興奮している状態でも、龍族は恐ろしいのか、美羽蘭の言葉と春鈴の行動にハッとした男は、そう言い捨てるとたたらを踏むようにあわてて家を出て行った。
そして家から立ち上る狼煙の煙に一段と顔色を悪くして、一目散に山を下りて行った。
逃げ去っていく男の背中を見送りつつ、美羽蘭は呆れたように春鈴に話しかける。
「――本気で焚くやつがあるかい……あれはただの脅しさね……」
そして風の術を使って、空高く上ってゆく煙を拡散していった。
「ええ⁉︎」
(あんな勢いで「焚きなっ!」とか言ったのに⁉︎)
春鈴は心の中でそう文句を言いながらも、祖母に習って煙を拡散していくのだった。
――が、結局、龍族に目撃されていて、不審に思った浩宇たちが様子を見に来てしまい、お茶とお茶菓子でもてなすことになったのだった――
「ごめんねぇ?」
「気にすんなって! こう言う時の護衛なんだからさ」
「こうしてうまい菓子にもありつけた。また呼んで欲しいくらいだな」
春鈴はこの浩宇と優炎の言葉が、優しい気づかいなのだと理解して、くすぐったそうにはにかむのだった。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
悪役令嬢と氷の騎士兄弟
飴爽かに
恋愛
この国には国民の人気を2分する騎士兄弟がいる。
彼らはその美しい容姿から氷の騎士兄弟と呼ばれていた。
クォーツ帝国。水晶の名にちなんだ綺麗な国で織り成される物語。
悪役令嬢ココ・レイルウェイズとして転生したが美しい物語を守るために彼らと助け合って導いていく。
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~
深山きらら
恋愛
王都の薬師ギルドで見習いとして働いていたアディは、先輩の陰謀により濡れ衣を着せられ追放される。絶望の中、辺境の森で魔獣に襲われた彼女を救ったのは、「氷の辺境伯」と呼ばれるルーファスだった。彼女の才能を見抜いたルーファスは、アディを専属薬師として雇用する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる