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二期 四章
チーム
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ロクウェルの残骸の中からコアを探し出し街に戻る途中、こんな話になった。
「チーム名決めないか?」
「チーム名?」
アリサがなにそれと首をかしげる。
俺は昔からゲーム、それもオンラインRPGが大好きだった。そこではよくギルドを立ち上げ、ギルドマスターをしたものだ。
特にギルド名を考える時が燃えたものだ。
高位のギルドになればその名が通ることに喜びを覚えたものだ。
「あぁ!これからチームで行動するんなら呼び名があったほうがいいだろ?」
そして、これからは仲間を頼るという自分への戒めも込めている。
「そんなもんかなぁ?」
「そんなもんだ。」
サンがふーんと興味なさげだ。…悲しい。
「なんでそんなに反応が微妙なんだぁ!?」
普通名付けなんてウキウキワクワクしないか?なんでこんなに浅い反応なんだ!?……ワクワクするよな?
俺が微妙な反応に落胆していると後ろからブツブツ聞こえてきた。
「なんだ?」
振り向いてみると、ブツブツの主がセリスということがわかった。声が小さくてあまり聞こえないが、聞き耳を立ててみると少しづつ聞こえるようになってきた。
「天翔る光の守護者…いや、アテネ語を使って…ブレイバーズ?いやいや、ブルースフィア、グリーンスフィアなどの4つの世界石から名前をとって、スフィアード?いやいやいや…」
おおぅ?まさかのセリスが乗り気のようだ。だが聞こえてくるもののセンスが無いように感じる。
「セリス?」
「やっぱりブレイスフィアでどうでしょう!?!?」
「割と好きだが落ち着けセリス!!二人が付いてこれていない!!」
アリサとサンは目を点にして立ち尽くしている。
「セリス、あなたって結構そういう趣味あったのね…。」
「すみません…、少し興奮してしまって…。」
「まあ、そういうことで、チーム名を考えないか?」
「いいわよ。」
「いいよ。」
セリス以外の二人は微妙な反応だったが、ギルドに帰るまでの時間が暇なのか渋々了承した。こいつらにはロマンというものは無いのか…
そこからは色々な案が出た。
セリスは相変わらず中二病が考えたようなネーミングを続けていた。
「鮮血の騎士団にしましょう!そうしましょう!!」
…こいつ、こういうのが言いたくて魔法使いになったのでは…?
「アリサは何かないか?」
アリサに振ってみる。
「…ん~、可愛いアリサちゃんの団は?」
なんかとんでもないのが飛んできたな。
「まじか…なんでこんなにネーミングセンスがないんだ…。」
「ちょ、どういう意味よ!!」
ギャーギャー言うアリサを尻目に今度はサンに振ってみる。
「お前だけが頼りだ…サン。」
「僕ぅ…?う~ん……?」
どうやら思い浮かばないようだ…。
「仕方ないな、俺が出してやろう!!」
しょうがない、ネーミングセンス皆無のこいつらのために一肌脱いでやろう!!
「その名は!!セルシオスレインファントム(意味無し)だあああああ!」
決まった。これは決まった。字面、音、雰囲気、どれを取っても最高の名前だ。
現にこの名前が良かったのか、ほかの三人とも言葉も出ないほど納得している。やはり長年ネーミングをしてきただけはあるな。うむ。
うんうんと自分のネーミングに満足しながら頷いていると、アリサに肩を叩かれた。
「なんだ?」
「…アンタのネーミングが一番酷いわよ…?」
えっ?
「兄ちゃん、溜めてそれはひどいよ…」
まじ?
「それなら私のブレイスフィアのほうがいいですー!」
セリスの声に続いて頷く二人。俺のやつそんなにひどかったのか?!
「おい、みんな冗談だろ?」
「冗談じゃないわ」
「だからブレイスフィアがいいって…」
ダメだ、めちゃくちゃに批判されてしまう。
それから口論が続き、収拾がつかなくなってきた頃、サンが手を叩いた。
「わかった!こうしようよ!みんなが出した奴から少しづつとって…」
「レインブレイブ団って言うのは?意味は勇ましく降る雨の様に強く、そして静かな力を持つ。世界の悪を流し尽くす、とかそんな意味。」
「いいじゃないそれ!!」
すぐに反応したのはアリサだった。
「いい感じですぅ!」
な!?
セリスまで!?
く…、これでは賛同せざるを得ないじゃないか……!絶対俺の方が良かったが、まあ仕方ないか…。
「ま、まあまあじゃないか?まあ?みんながそれでいいなら?いいけど?」
「「「いいよ。」」」
少し食い気味じゃないか…
この後、俺たち改めレインブレイブ団はテンションが限界値まで下がった俺を連れて街まで帰ることとなった。
「チーム名決めないか?」
「チーム名?」
アリサがなにそれと首をかしげる。
俺は昔からゲーム、それもオンラインRPGが大好きだった。そこではよくギルドを立ち上げ、ギルドマスターをしたものだ。
特にギルド名を考える時が燃えたものだ。
高位のギルドになればその名が通ることに喜びを覚えたものだ。
「あぁ!これからチームで行動するんなら呼び名があったほうがいいだろ?」
そして、これからは仲間を頼るという自分への戒めも込めている。
「そんなもんかなぁ?」
「そんなもんだ。」
サンがふーんと興味なさげだ。…悲しい。
「なんでそんなに反応が微妙なんだぁ!?」
普通名付けなんてウキウキワクワクしないか?なんでこんなに浅い反応なんだ!?……ワクワクするよな?
俺が微妙な反応に落胆していると後ろからブツブツ聞こえてきた。
「なんだ?」
振り向いてみると、ブツブツの主がセリスということがわかった。声が小さくてあまり聞こえないが、聞き耳を立ててみると少しづつ聞こえるようになってきた。
「天翔る光の守護者…いや、アテネ語を使って…ブレイバーズ?いやいや、ブルースフィア、グリーンスフィアなどの4つの世界石から名前をとって、スフィアード?いやいやいや…」
おおぅ?まさかのセリスが乗り気のようだ。だが聞こえてくるもののセンスが無いように感じる。
「セリス?」
「やっぱりブレイスフィアでどうでしょう!?!?」
「割と好きだが落ち着けセリス!!二人が付いてこれていない!!」
アリサとサンは目を点にして立ち尽くしている。
「セリス、あなたって結構そういう趣味あったのね…。」
「すみません…、少し興奮してしまって…。」
「まあ、そういうことで、チーム名を考えないか?」
「いいわよ。」
「いいよ。」
セリス以外の二人は微妙な反応だったが、ギルドに帰るまでの時間が暇なのか渋々了承した。こいつらにはロマンというものは無いのか…
そこからは色々な案が出た。
セリスは相変わらず中二病が考えたようなネーミングを続けていた。
「鮮血の騎士団にしましょう!そうしましょう!!」
…こいつ、こういうのが言いたくて魔法使いになったのでは…?
「アリサは何かないか?」
アリサに振ってみる。
「…ん~、可愛いアリサちゃんの団は?」
なんかとんでもないのが飛んできたな。
「まじか…なんでこんなにネーミングセンスがないんだ…。」
「ちょ、どういう意味よ!!」
ギャーギャー言うアリサを尻目に今度はサンに振ってみる。
「お前だけが頼りだ…サン。」
「僕ぅ…?う~ん……?」
どうやら思い浮かばないようだ…。
「仕方ないな、俺が出してやろう!!」
しょうがない、ネーミングセンス皆無のこいつらのために一肌脱いでやろう!!
「その名は!!セルシオスレインファントム(意味無し)だあああああ!」
決まった。これは決まった。字面、音、雰囲気、どれを取っても最高の名前だ。
現にこの名前が良かったのか、ほかの三人とも言葉も出ないほど納得している。やはり長年ネーミングをしてきただけはあるな。うむ。
うんうんと自分のネーミングに満足しながら頷いていると、アリサに肩を叩かれた。
「なんだ?」
「…アンタのネーミングが一番酷いわよ…?」
えっ?
「兄ちゃん、溜めてそれはひどいよ…」
まじ?
「それなら私のブレイスフィアのほうがいいですー!」
セリスの声に続いて頷く二人。俺のやつそんなにひどかったのか?!
「おい、みんな冗談だろ?」
「冗談じゃないわ」
「だからブレイスフィアがいいって…」
ダメだ、めちゃくちゃに批判されてしまう。
それから口論が続き、収拾がつかなくなってきた頃、サンが手を叩いた。
「わかった!こうしようよ!みんなが出した奴から少しづつとって…」
「レインブレイブ団って言うのは?意味は勇ましく降る雨の様に強く、そして静かな力を持つ。世界の悪を流し尽くす、とかそんな意味。」
「いいじゃないそれ!!」
すぐに反応したのはアリサだった。
「いい感じですぅ!」
な!?
セリスまで!?
く…、これでは賛同せざるを得ないじゃないか……!絶対俺の方が良かったが、まあ仕方ないか…。
「ま、まあまあじゃないか?まあ?みんながそれでいいなら?いいけど?」
「「「いいよ。」」」
少し食い気味じゃないか…
この後、俺たち改めレインブレイブ団はテンションが限界値まで下がった俺を連れて街まで帰ることとなった。
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