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第一章 邂逅
惑星777(トリプルセブン)
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二人の目的地は宇宙の辺境に浮かぶ巨大コロニー、777(トリプルセブン)
そこは銀河中の富裕層とギャンブラーが集う、欲望と金が渦巻く惑星型スペースコロニーだった。
コロニー全体が巨大なカジノ都市となっており、ネオンが輝く摩天楼が立ち並ぶ。煌びやかなライトと電子広告が夜空のような人工天井を照らし、昼夜の区別を曖昧にしている。
表向きは合法のカジノや娯楽施設が軒を連ねているが、裏では違法賭博、密輸、買収が横行し、あらゆる犯罪者や闇の取引が暗躍している。
コロニーの中心には、銀河でも屈指の規模を誇る「セブンス・パレス」がそびえ立つ。これはトリプルセブン最大のカジノであり、政財界の大物から裏社会のボスまでが集う権力と金の象徴だった。
ここでは、運だけでは生き残れない。
知恵、度胸、策略――すべてを駆使しなければ、あっという間に食い物にされる。
レイナとレグザの目的地は、そんな混沌とした惑星だった。
宇宙船内、トリプルセブンへの航行中。
レグザが操縦桿を握りながら気楽な調子で口を開く。
「そういや、お前トリプルセブンに行ったことあるか?」
副操縦席のレイナは目を閉じたまま、わずかにまぶたを動かす。
「……何回か」
レグザが片眉を上げ、興味深そうに笑う。
「へぇ、仕事で?」
「……そう」
「で、どうだった?」
レイナは一瞬沈黙し、淡々と答える。
「……騒がしい」
レグザは吹き出すように笑い、肩をすくめる。
「はは、そりゃそうだ。金持ちどもがギャンブルに明け暮れてる場所だからな。お前みたいなのには合わねぇか」
レイナは無言のまま、再び目を閉じる。
「そういや、お前ギャンブルとかやったことあるのか?」
レイナは目を閉じたまま答える。
「……ない」
レグザがニヤッと笑う。
「だろうな。お前、賭け事とか興味ねぇだろ」
「……興味ない」
「だよな。ま、俺も大勝負はしねぇけどよ」
レグザは片手をひらひらと動かしながら、軽い口調で続ける。
「負ける勝負はしねぇってのがコツだな」
レイナは何も答えない。
ただ静かに目を閉じたまま、船の振動を感じている。
レグザはそんな彼女をチラッと見て、ふっと笑う。
久々に会話が続いたのが嬉しいのか、口元が緩んでいる。
「久々にお前とこうやって話した気がするな」
レイナは特に反応しないが、レグザは気にする様子もなく、相変わらず楽しそうに操縦を続ける。
宇宙船はそのまま、惑星トリプルセブンへと進んでいった。
_________
宇宙船がゆっくりと金持ちの集まるトリプルセブンの港へ降下していく。
周囲には整然としたビル群が立ち並び、地上では豪華な衣服を纏った人々が行き交い、明るい音楽と楽しげな笑い声が響いていた。
船のランプが点灯し、ハッチが開く。
「ふぅ~、やっぱり都会の空気は違うな!」
レグザが腕を組んで辺りを見回し、満足そうに鼻を鳴らす。
その横で、レイナは足を踏み出したものの、人混みと喧騒に顔をしかめた。
「……騒がしい」
「ははっ、お前はどこ行ってもそう言うな」
レグザは肩をすくめると、軽快な足取りで歩き出した。
レイナも黙ってついていく。
コロニーの通りは活気に溢れ、通りには屋台や露店が並び、高級そうな飲食店やブティックが連なっている。
すれ違う人々は二人のことを一瞥し、特にレイナの黒いコート姿に一瞬目を留めるが、すぐに視線を外していく。
「お、いい匂いがするな」
レグザが足を止め、屋台を見つめる。鉄板の上で何かが焼かれ、香ばしい煙が立ち上っていた。
店主が愛想よくレグザに声をかける。
「お兄ちゃん、いい嗅覚してるね! ここの名物だよ、食ってくかい?」
「そりゃいいな! じゃあ二つ――」
言いかけて、レグザはちらりとレイナを見る。
「……いらない」
レイナはそっけなく答えるが、レグザは苦笑して一つだけ注文した。
「お前も少しは楽しめよ」
言いながら、ひと口食べる。
しばらく歩いた後、レイナが無言で横目でレグザの食べかけを見ていることに気づくと、レグザはにやりと笑い、残りを差し出した。
「本当にいらねぇのか?」
レイナは黙ってそれを受け取り、小さく一口かじる。
しかし特に感想もなく、黙々と食べ終えた。
「……お前、もうちょいリアクションってもんがだな……」
レグザは呆れながらも楽しそうに笑い、二人は依頼主の待つ屋敷へと向かった。
そこは銀河中の富裕層とギャンブラーが集う、欲望と金が渦巻く惑星型スペースコロニーだった。
コロニー全体が巨大なカジノ都市となっており、ネオンが輝く摩天楼が立ち並ぶ。煌びやかなライトと電子広告が夜空のような人工天井を照らし、昼夜の区別を曖昧にしている。
表向きは合法のカジノや娯楽施設が軒を連ねているが、裏では違法賭博、密輸、買収が横行し、あらゆる犯罪者や闇の取引が暗躍している。
コロニーの中心には、銀河でも屈指の規模を誇る「セブンス・パレス」がそびえ立つ。これはトリプルセブン最大のカジノであり、政財界の大物から裏社会のボスまでが集う権力と金の象徴だった。
ここでは、運だけでは生き残れない。
知恵、度胸、策略――すべてを駆使しなければ、あっという間に食い物にされる。
レイナとレグザの目的地は、そんな混沌とした惑星だった。
宇宙船内、トリプルセブンへの航行中。
レグザが操縦桿を握りながら気楽な調子で口を開く。
「そういや、お前トリプルセブンに行ったことあるか?」
副操縦席のレイナは目を閉じたまま、わずかにまぶたを動かす。
「……何回か」
レグザが片眉を上げ、興味深そうに笑う。
「へぇ、仕事で?」
「……そう」
「で、どうだった?」
レイナは一瞬沈黙し、淡々と答える。
「……騒がしい」
レグザは吹き出すように笑い、肩をすくめる。
「はは、そりゃそうだ。金持ちどもがギャンブルに明け暮れてる場所だからな。お前みたいなのには合わねぇか」
レイナは無言のまま、再び目を閉じる。
「そういや、お前ギャンブルとかやったことあるのか?」
レイナは目を閉じたまま答える。
「……ない」
レグザがニヤッと笑う。
「だろうな。お前、賭け事とか興味ねぇだろ」
「……興味ない」
「だよな。ま、俺も大勝負はしねぇけどよ」
レグザは片手をひらひらと動かしながら、軽い口調で続ける。
「負ける勝負はしねぇってのがコツだな」
レイナは何も答えない。
ただ静かに目を閉じたまま、船の振動を感じている。
レグザはそんな彼女をチラッと見て、ふっと笑う。
久々に会話が続いたのが嬉しいのか、口元が緩んでいる。
「久々にお前とこうやって話した気がするな」
レイナは特に反応しないが、レグザは気にする様子もなく、相変わらず楽しそうに操縦を続ける。
宇宙船はそのまま、惑星トリプルセブンへと進んでいった。
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宇宙船がゆっくりと金持ちの集まるトリプルセブンの港へ降下していく。
周囲には整然としたビル群が立ち並び、地上では豪華な衣服を纏った人々が行き交い、明るい音楽と楽しげな笑い声が響いていた。
船のランプが点灯し、ハッチが開く。
「ふぅ~、やっぱり都会の空気は違うな!」
レグザが腕を組んで辺りを見回し、満足そうに鼻を鳴らす。
その横で、レイナは足を踏み出したものの、人混みと喧騒に顔をしかめた。
「……騒がしい」
「ははっ、お前はどこ行ってもそう言うな」
レグザは肩をすくめると、軽快な足取りで歩き出した。
レイナも黙ってついていく。
コロニーの通りは活気に溢れ、通りには屋台や露店が並び、高級そうな飲食店やブティックが連なっている。
すれ違う人々は二人のことを一瞥し、特にレイナの黒いコート姿に一瞬目を留めるが、すぐに視線を外していく。
「お、いい匂いがするな」
レグザが足を止め、屋台を見つめる。鉄板の上で何かが焼かれ、香ばしい煙が立ち上っていた。
店主が愛想よくレグザに声をかける。
「お兄ちゃん、いい嗅覚してるね! ここの名物だよ、食ってくかい?」
「そりゃいいな! じゃあ二つ――」
言いかけて、レグザはちらりとレイナを見る。
「……いらない」
レイナはそっけなく答えるが、レグザは苦笑して一つだけ注文した。
「お前も少しは楽しめよ」
言いながら、ひと口食べる。
しばらく歩いた後、レイナが無言で横目でレグザの食べかけを見ていることに気づくと、レグザはにやりと笑い、残りを差し出した。
「本当にいらねぇのか?」
レイナは黙ってそれを受け取り、小さく一口かじる。
しかし特に感想もなく、黙々と食べ終えた。
「……お前、もうちょいリアクションってもんがだな……」
レグザは呆れながらも楽しそうに笑い、二人は依頼主の待つ屋敷へと向かった。
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