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住心地のいい場所ダンジョンハウス

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 俺とリサは奴隷商館から出た後、どこに行くかで揉めていた。リサは可愛い雑貨や小物店が見たいと主張し、俺は仲間になった奴隷の皆の生活用品を揃えたいと主張した。
 リサは「こんな可愛い娘を1人で行動させる気ですか?」としつこかったので、「また今度行ってやる。」とあしらい、今日は別行動をすることとなり別れた。

 俺達はとりあえず服屋と家具を買い、これからの住まいとなるダンジョンへと連れていく。
 俺は皆を連れていくために転移門を開く。皆は転移門におっかなびっくりで本当に入っていいのか?という表情だったが俺が転移門を通るとまずはルナが後について来て、それで安心したのかみんなビクビクしながらもついて来た。


「タクミ、ここはダンジョンなのか?でも机なんかがあるから、、、。」

 辺りは石壁に覆われた部屋に連れて来られ、ルナは不思議がって尋ねてきた。どうやらルナはダンジョンに行ったことがあるようだ。
 そういえばまだダンジョンの改修が終わっていなかったな、今の状態でここに住まわせるのは無理だ、改修を先にするか。とりあえずポチ達とルナ達を会わせておこう、俺は下へと皆を連れていく。

「おい、タクミ、やっぱりここはダンジョンだよな?」

「そうだぞ、今はこんなんだがすぐに暮らしやすくするから待ってろ。」

「おい、そんな簡単に認められても、、、。」

 ルナは困惑し、他の皆はダンジョンと聞いてビビリだした。階段を下りるとポチやタマがしっぽを振ってやってきた。俺は2匹の頭を撫でてやる。その後ろにちょこんとハニーが待機している。ハニーとは保護したイーラベアーの子供の名前だ、プーにするか悩んだが日和ってハニーとなった。
 ポチやタマ、ハニーがやってくると明らかにルナが戦闘態勢に入っている。俺はルナをなだめて皆にポチ達がテイムした従魔だと説明し、タマがダンジョンマスターであることを説明した。
 ルナは大混乱で1人ぶつぶつ言っているが、ユリやユリの補助として奴隷になったリンはすぐにポチやタマの頭を撫でている。ラックやダンはおそるおそるハニーを見ている、その後に続いて新しく奴隷となったロンとゴンもビビリながらハニーに近づいている。
 ルナはわからないが、みんなはポチ達と上手くやれそうだな、俺は安心してダンジョンの改修を始める。

 ダンジョンは盗賊や魔物を取り込んだことでダンジョンランクが3になった。ランクが3になるとダンジョンエリアの種類を選べるようになった。草原や密林、山や海等いろいろ選べる。後々は海なんかも欲しいがまずは草原だな、これからのことを考えるともっと深い場所にした方がいいだろうな。俺はマスターパネルを使いダンジョンの位置をまずは深い場所へと移動させる。そしてエリアを草原エリアへと変更する。変更の効果は歴然だった、薄暗いダンジョンには太陽が上り空がある。そして地面には草原が広がり暖かい太陽の匂いがする。
 急なダンジョンの変化に俺以外のみんなが狐につままれたように唖然としている。おいおいなんでタマまでびっくりしてるんだよ、お前がダンジョンマスターだろ。
 よし次はエリアを広げよう、エリアはできる限り広げたがまだまだ狭いな、もっと頑張らないといけないな。とりあえず5haくらいにはなったから住めないほどではないと思う。家は後からでいいかな、とりあえずはキャンプだな。
 
 ダンジョン改修が終わり草原で気持ちよく寝ていたら、みんな常識と現実のギャップに折り合いがついたようでじっと俺を見てくる。そんなに見られても何も出てこないのに、するとタマが代表するようにゆっくりと近づいてくる。

「タクミ様、何をなされたのですか?」

「何ってダンジョンマスターのお前ならわかるだろ、少しダンジョンをいじっただけだぞ。」

「タクミ様にダンジョン権限を取り上げられて、ダンジョンマスターとして何もできないのでダンジョンパネルすらだしたことありませんから知りませんよ。」

 タマが少し拗ねてる。だがダンジョン権限を与えたら無駄使いしそうだもんな、もう少し様子を見て決めよう。タマがゴネないように注意をそらすか。

「見ろ、タマ!ここはお前のダンジョンだぞ、立派になっただろ。」

「凄いです、タクミ様に出会う前にはこんなダンジョンが作れるなんて考えられなかったです!」

「そうだろ、もっと凄いダンジョンにしていくからな。」

「ありがとうございます。タクミ様、一緒にランク10を目指しましょうね。」

「ああ、世界一のダンジョンを目指すぞ!」

 よし、タマの気をそらすことができた。それにしてもタマ、あまりにもチョロ過ぎるぞ。
 タマとの会話を終え、ルナ達の所へと向かう。

「これで少しは住みやすくなったと思う。家はすぐ建てるから待ってくれ。何か準備した方がいいものかあったらすぐに言ってくれ。ルナは少しやすんだら狩りに行くから準備してくれ。」

「ツッコミどころが多すぎて何から話したらいいかわからないが、タクミだから仕方ないのだろうな。タクミ、私は準備ができているからいつでも狩りに出かけていいぞ。」

「わかったそれなら狩りに行こう、ポチ、ハニー行くぞ!」

 俺はキャンプ道具をラックに預け、ゴブリンのムサシとスケルトンのコジロウに手伝いを命じて狩りに出かけた。
 狩りはルナが仲間になったことで前よりも効率的にランクの高い魔物を狩れた。狩りの最中はルナに戦いのアドバイスを貰ったことで少し動きがよくなった気がする。多くの魔物を狩れたことでホクホク顔でダンジョンに戻るとテント等がしっかり張られ、キャンプ準備が整っていた。

 この日は俺が手料理を振る舞い、キャンプファイアーをしながら賑やかに1日が終わった。
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