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ただのうっかりです
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ルナの一言で納品忘れが発覚し、その日はお酒が入っていたため怒られることを危惧し翌日アリスのいる商館へとやってきた。扉を開けようとすると表情の死んだよく知った顔が出てきた。
「リサ、そんなヒドイ顔してどうしたんだ?」
「え、、、あ、、、居たーーーー!!!今までどこにいたんですか!私が今日までどれ程お探ししたと思っているんですか。タクミさんのせいで、、、タクミさんのせいで私はクビになったんですよ!!!」
俺は仕方なく泣き出したリサの話を聞いてやった。
どうやらリサは俺がなかなか現れず、アリスの催促を受け続けて2週間経っても納品もなく、俺と連絡がとれなかったためアリスの怒りを買いクビになったようだ。リサは俺の連絡係としてやって来てるから、その俺と連絡がとれないとなると職務怠慢と言われても仕方ないな。だが俺のせいでクビになったとなると少し可哀想だな。なんとかしてやるとリサを宥め、俺は足どり重く商館へと入りアリスの部屋に通して貰う。
アリスの執務室に入ると部屋の空気は重苦しいものだった。俺も納品期日が過ぎた手前、話しかけ辛く沈黙に耐えていた。
「クロエ様の依頼日を過ぎて、よくやってこれたわね。」
アリスは口を開いてくれたが、顔を合わせてくれない。
「申し訳ありませんでした。」
建物のデザインが楽しくて期日を忘れていたが、依頼の納品を忘れるなんて論外である。俺はしっかりとアリスに頭を下げる。
「はぁ~、いつものように失礼な態度なら怒れるのに、そんな態度をとられると調子が狂うでしょ。もういいわ、頭を挙げなさい。それで今日までかかったのはいい作品ができなかったのかしら?」
「作品自体は1週間前にできていたんだが、建物のデザインに夢中で忘れてた。今回は本当に申し訳なかった。」
俺の言葉にアリスはワナワナと震えだす。
「貴方、いい加減にしなさい!作品がなかなか作れなくて納品できないなんて職人にはよくあることよ、だけど納品忘れは職人としてありえないわよ!」
「ごめんなさい。」
「ごめんなさいじゃないわよ、貴方の納品がないからクロエ様に催促されて胃が痛い思いをしてたのよ。それに貴方のせいでリサもクビよ、どれだけ貴方は迷惑をかけるの!」
クロエは眉間にシワを寄せ、まだまだ怒りが収まらないようである。確かに今回は俺が悪かったから甘んじてアリスの怒りは受け止めよう。だがリサの件はどうにかしないといけないな。
「今回は俺が悪かった、それでリサの件なんだがどうにかならないか?」
「貴方は人の心配もできたのね。でもリサのクビは取消せないわ。今回の納品が遅くなったのは貴方のせいだけど、リサは貴方との連絡係だったの、貴方との連絡がとれる手段を準備していなかったのはリサの職務怠慢よ。それにリサが貴方と連絡がとれなかったのは2度目よ、1度目の失敗は仕方ないかもしれないわ。でもその失敗から何も学ばず、同じミスをする職員はまた同じミスをするわ。そんな職員は私の商会には必要ないわ。だからリサの件はどうにもならないわよ。」
なかなか手厳しいな、でも同じミスを何度もする人間は同じミスをするという点には納得できる。でもリサがクビになるのは可哀想だな。このまま粘ってもアリスを説得する材料はないから1度ひくか。もしかしたら俺も取引停止かもしれないからな。
「それで俺は取引停止か?」
「クロエ様の依頼を忘れるのはありえないことだけどそれはないわ。今回のことがまた起きたとしても貴方と取引停止にすることはないわ。そしてもしクロエ様との関係にヒビが入っても貴方を守るわ。だって私はそれだけ貴方の才能を買っているから。それで、クロエ様の依頼の品はできているのよね?」
いかん少しグッときてしまった。なんという職人たらし、アリスの評価が高いのはわかる気がする。俺はアリスに見せるために収納から依頼の品を取り出す。
「今までとは違う変わったデザインね。でもこの手縫いの刺繍はこれだけで芸術ね。少し見せて貰うわね。」
アリスはそういうと細部にわたって観察し、懐からモノクルを取り出して観察している。たぶんモノクルは俺が持っている鑑定の魔道具と同じ物だな。
「はぁ~、貴方は性格はふざけているけど、やっぱり職人の腕だけは超1流ね。恐らくこの世界で貴方以上の職人はいないわ。この品は貴方がこの世界で1番の職人だと証明する程の物だわ。商人としてこの品をクロエ様に渡したくないと思う私がいるもの。タクミ、これからも宜しくね。」
どうやら俺はクビにはならないらしい、よかったよかった。それじゃあ、後はアリスに任せて帰るか。後、ヴェイグを紹介してもらおう。
「ああ、これからも宜しくな。それじゃあアリス、依頼品はお願いするな。それでアリスにヴェイグを紹介して欲しいんだが。」
「ええいいわよ、、、とでも言うと思ったの?クロエ様の所には貴方も行くわよ。全てが終わった後にはヴェイグ様を紹介してあげるわ。」
流れでアリスだけで行ってくれないかなと思ったが駄目だった。仕方ない、気は思いが俺もついて行くか。
俺はアリスに連れられ馬車でクロエの屋敷へと連行されたのだった。
「リサ、そんなヒドイ顔してどうしたんだ?」
「え、、、あ、、、居たーーーー!!!今までどこにいたんですか!私が今日までどれ程お探ししたと思っているんですか。タクミさんのせいで、、、タクミさんのせいで私はクビになったんですよ!!!」
俺は仕方なく泣き出したリサの話を聞いてやった。
どうやらリサは俺がなかなか現れず、アリスの催促を受け続けて2週間経っても納品もなく、俺と連絡がとれなかったためアリスの怒りを買いクビになったようだ。リサは俺の連絡係としてやって来てるから、その俺と連絡がとれないとなると職務怠慢と言われても仕方ないな。だが俺のせいでクビになったとなると少し可哀想だな。なんとかしてやるとリサを宥め、俺は足どり重く商館へと入りアリスの部屋に通して貰う。
アリスの執務室に入ると部屋の空気は重苦しいものだった。俺も納品期日が過ぎた手前、話しかけ辛く沈黙に耐えていた。
「クロエ様の依頼日を過ぎて、よくやってこれたわね。」
アリスは口を開いてくれたが、顔を合わせてくれない。
「申し訳ありませんでした。」
建物のデザインが楽しくて期日を忘れていたが、依頼の納品を忘れるなんて論外である。俺はしっかりとアリスに頭を下げる。
「はぁ~、いつものように失礼な態度なら怒れるのに、そんな態度をとられると調子が狂うでしょ。もういいわ、頭を挙げなさい。それで今日までかかったのはいい作品ができなかったのかしら?」
「作品自体は1週間前にできていたんだが、建物のデザインに夢中で忘れてた。今回は本当に申し訳なかった。」
俺の言葉にアリスはワナワナと震えだす。
「貴方、いい加減にしなさい!作品がなかなか作れなくて納品できないなんて職人にはよくあることよ、だけど納品忘れは職人としてありえないわよ!」
「ごめんなさい。」
「ごめんなさいじゃないわよ、貴方の納品がないからクロエ様に催促されて胃が痛い思いをしてたのよ。それに貴方のせいでリサもクビよ、どれだけ貴方は迷惑をかけるの!」
クロエは眉間にシワを寄せ、まだまだ怒りが収まらないようである。確かに今回は俺が悪かったから甘んじてアリスの怒りは受け止めよう。だがリサの件はどうにかしないといけないな。
「今回は俺が悪かった、それでリサの件なんだがどうにかならないか?」
「貴方は人の心配もできたのね。でもリサのクビは取消せないわ。今回の納品が遅くなったのは貴方のせいだけど、リサは貴方との連絡係だったの、貴方との連絡がとれる手段を準備していなかったのはリサの職務怠慢よ。それにリサが貴方と連絡がとれなかったのは2度目よ、1度目の失敗は仕方ないかもしれないわ。でもその失敗から何も学ばず、同じミスをする職員はまた同じミスをするわ。そんな職員は私の商会には必要ないわ。だからリサの件はどうにもならないわよ。」
なかなか手厳しいな、でも同じミスを何度もする人間は同じミスをするという点には納得できる。でもリサがクビになるのは可哀想だな。このまま粘ってもアリスを説得する材料はないから1度ひくか。もしかしたら俺も取引停止かもしれないからな。
「それで俺は取引停止か?」
「クロエ様の依頼を忘れるのはありえないことだけどそれはないわ。今回のことがまた起きたとしても貴方と取引停止にすることはないわ。そしてもしクロエ様との関係にヒビが入っても貴方を守るわ。だって私はそれだけ貴方の才能を買っているから。それで、クロエ様の依頼の品はできているのよね?」
いかん少しグッときてしまった。なんという職人たらし、アリスの評価が高いのはわかる気がする。俺はアリスに見せるために収納から依頼の品を取り出す。
「今までとは違う変わったデザインね。でもこの手縫いの刺繍はこれだけで芸術ね。少し見せて貰うわね。」
アリスはそういうと細部にわたって観察し、懐からモノクルを取り出して観察している。たぶんモノクルは俺が持っている鑑定の魔道具と同じ物だな。
「はぁ~、貴方は性格はふざけているけど、やっぱり職人の腕だけは超1流ね。恐らくこの世界で貴方以上の職人はいないわ。この品は貴方がこの世界で1番の職人だと証明する程の物だわ。商人としてこの品をクロエ様に渡したくないと思う私がいるもの。タクミ、これからも宜しくね。」
どうやら俺はクビにはならないらしい、よかったよかった。それじゃあ、後はアリスに任せて帰るか。後、ヴェイグを紹介してもらおう。
「ああ、これからも宜しくな。それじゃあアリス、依頼品はお願いするな。それでアリスにヴェイグを紹介して欲しいんだが。」
「ええいいわよ、、、とでも言うと思ったの?クロエ様の所には貴方も行くわよ。全てが終わった後にはヴェイグ様を紹介してあげるわ。」
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俺はアリスに連れられ馬車でクロエの屋敷へと連行されたのだった。
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