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第四章
5月2日(木):勇者と兵士と翼竜
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【京一】
間一髪だった。
巨大な鉱石の塊が空から落ちてくる。凛は腰を抜かせてしまったようで動けない。
僕はそこに向かって走りこんで、凛を抱き上げ、そのまま駆け抜けた。
この世界では、足の速さも腕力も子供のそれなので心許なかったが、なんとか逃げ切れた。
「大丈夫か、凛」
「きょーくん?」
僕の顔を見つめ、しばし固まっていた凛だが、突然、はっとして言う。
「あ、ああっ、あの、わたしはリンじゃなくって、『マジカル☆リンちゃん』だからっ! きょーいち君のおともだちのリンちゃんじゃないよ?」
「…………。ああ、うん」
そうか、魔法少女の正体が高槻凛であることはバレてはいけないという設定なのだ。いやまあ、別に顔も隠してないし、普通にバレないはずはないのだけど。でもここはそういうお決まりに則って形成された夢世界なのである。
「小僧、なにものだ貴様!」
迫力のある大きな声で言われる。
見ると、そこには全身がダイヤモンドで構築された、二メートルほどの大男が立っている。ダイヤモンド伯爵である。なんとも捻りのない名前だ。
昨日までは傍から傍観する形で見ていたが、こうして正面切って対峙すると、なんというか一層『リアル』に感じられる。ちゃんとした怪物。間近で見ると、怖い。
「なにものだ、って言われてもなあ……」
この場合、なんと言うべきなのか。
たぶん今の僕の立場はというと、『マジカル☆リンちゃん』の活躍劇において、いきなり茶々を入れたモブキャラみたいなものだろう。この世界間の中でも『リンちゃん』の幼馴染だということにはなっているようだが。
「ええい、なにものでも容赦はしねえ! 覚悟しろ」
そう言って、ばっ、と拳法の構えのような姿勢を取って威嚇をする伯爵。
安っぽいフリだが、彼の強靭さを目の当たりにしている以上、割としっかり恐怖心は湧く。
「きょ、きょーくん! だめだよ、あぶないから逃げて!」
腕の中で、凛が慌てて言う。この世界において、彼女は魔法少女であり、僕は守られるべき一般市民である。
しかし。
退くわけにはいかない。
小人が昨日、言っていた言葉。
――夢と現実は表裏一体。互いに影響し合うもの。現実での調子は夢に影響を及ぼすし、その逆もまた然り。
現実での彼女になにか悩みがあって、その精神的な不調がそのまま夢世界に形となって現れている。
こういった魔法少女モノでヒロインが敵に完全敗北することなんてあり得ない。
しかしそれが起こってしまっている……『マジカル☆リンちゃん』が勝てない敵、ダイヤモンド伯爵だとかいう安直な名前のこの怪物は、すなわち、現実の凛の悩みがこの夢の世界観に合わせて具現化したモノなのだ。
夢と現実は表裏一体、互いに影響し合うもの。現実での調子は夢に影響を及ぼすし、『その逆もまた然り』。
要するに、だ。この硬い石の男が消滅すれば、凛の心の荷が晴れるのではないか。
現実から夢への影響として、悩みが具現化して強敵が現れた。
逆に、夢から現実へも影響が及ぼされ得る。この怪物が消えてしまえば、現実の凛の悩みが解消されるのではないか。
いや、それだけで解消するとまではいかないだろうか。しかし、その後押しとなるのは確実だ。
――何より夢世界の住人たるあの小人から、その証言を得た。
さきほど小人に確認をしたのだ。あいつは言ったのだ。――夢の中で悩みの具現化を消せば、それは確かに現実に影響する、と。
僕に逃げる様子がないので、凛は焦りだした。
「ふん。いいだろう。二人まとめて叩き潰してやる」
ずん、と重い足音を出しつつ、ダイヤモンドの大男がゆっくり近づいて来る。
「……くらえ、ダイヤモンドパンチ!」
ださい技名を叫びながら、男は荘厳な輝きを放つその右手を僕らに向けて繰り出す。
「きょーくんっ!」
凛が叫ぶ。僕は、彼女をぐっと抱き寄せた。
男の放った右ストレートは、僕の顔面を狙ってまっすぐに飛んでくる。幼馴染の男の子の頭が吹き飛ぶのを予期してか、凛は肩を震わせながらぐっと目を瞑っていた。
次の瞬間、僕の目の前を何かが遮る。
そして、――もふん、と、気の抜けた音が鳴る。
「…………え?」
凛がゆっくり目を開く。僕らのすぐ目の前に、柔らかい何かが壁となっていた。それが、ダイヤ男のパンチを受け止めている。
「危なかったな、我が友人」
ダイヤ男のパンチを止めながら、こちらに振り返り、きりっとした良い声で言う『兵士』。
その兵士の丸みのある体の横を、ばっ、と素早く横切る人影があった。
過ぎ去る刹那の内にその姿をはっきりとは見られなかったが、どうやら少年のようである。彼はマントをなびかせ、ダイヤ男に向けて剣を振るう。鉄の刃がダイヤに触れ、キインと鋭い音が鳴る。
さらに状況が落ち着く間もなく、ぶおん、と、大きく風を切る音がした。
突風が巻き起こり、地面に大きな影が出来る。――空を見上げると、翼を持った巨大な生物が僕らの頭上を飛んでいた。
兵士に拳を防がれ、さらに少年の剣をその身で受けていたダイヤ男は、その巨大生物に踏みつぶされるのを察知して大きく退いた。
どすん、と、巨大な『ドラゴン』が、地面に降り立つ。
その背中から少女が飛び降り、しゅたっと華麗に着地する。少女のそのブラウンの髪が、ふわりと舞った。
敵が距離を取ったのを見て、ぬいぐるみの兵士がいったん後退する。彼が退いた先、後方には明らかな『お姫様』の格好をした少女がいた。
そして振るった剣を腰に差した鞘に納める少年。しゅりん、と心地よい音が鳴り、彼は陶酔するようにキザな表情をする。
三人が、僕と凛の前に歩み寄る。
「大丈夫? 凛」
「よかったあ、間に合って……!」
「はっはっは、勇者様が来たからもう安心しろよなっ!」
イブ、クララ、晃。少年少女が凛に向けて、口々に言う。
「み、みんな……!」
凛の表情が、安堵のためか、ぱあっと晴れる。
本日の放課後、図書委員を終えて帰る途中で彼らに会った。
凛が遅刻したと聞いて、イブを筆頭に三人とも、彼女になにかあったのでは、と、いたく心配していた。そして、自分たちになにか手伝えることが合ったら声をかけてね、と言っていたのだ。
夢世界の中で、魔法少女が勝てない敵、ダイヤモンド伯爵。
あの硬い大男を消滅させられれば、凛の悩みの解消につながる――とはいっても、僕一人であんなファンタジーな敵を相手にできるわけもない。
そこで、この三人を凛の夢世界に連れてきてほしいと、さきほどキューピーに頼んだのである。
まさに彼らが言っていた通り、凛のために協力してもらったわけである。深層夢の中なので、今ここにいる三人には現実的な意識はないにしろ、凛を助けたいという意思ははっきりとあるはずだ。
凛の夢の中に連れてくれば、その活躍をしてくれるだろうと考えた。
一度、僕が造り出した夢の舞台にみんなを呼んだことがあった。その際は、それぞれの夢の世界観を脱してナチュラルな子供の姿としてキューピーに連れて来てもらったが、今回は、それぞれの世界観をその身に纏わせたまま、凛の夢へと来てもらったのだ。
なにせ、三人の夢はどれも非常にファンタジー色の強いもの。ドラゴンに、ぬいぐるみの兵士に、様々なゲーム要素を兼ね備えた男。
敵はダイヤをその身に取り込んだ巨大な怪物なのだ。そんなもの、生身の僕が相手どれるわけがない。こんなファンタジーの敵には、同じくファンタジーをぶつけるしかないわけである。
――そこへこの三人は打ってつけなのだった。
「くそ、新手が三人も……」
さすがのダイヤ男もたじろいでいる。世界観もめちゃくちゃな三人の少年少女。どれほどダイヤが硬かろうが一人では勝ち目はないだろう。
よし。正直不安だったが、なんとかなりそうである。
「仕方がない。ではこちらも、援軍を呼ばせてもらう」
「え?」
伯爵はにやりと笑ってから、指を鳴らした。ダイヤなので、カチン、という綺麗な音が鳴る。
その音が鳴るや否や、彼の背後に三つの大きな影が落とされた。空に、異様な気配を感じた。それら影の主、太陽を遮る三つの巨体は、地面に一斉に降り立つ。ずずん、と地面が大きく揺れた。
「魔界の帝王オクトバーン、参上である」
「ふん、俺様は悪魔のヒキガエル、ベルゼブブフォーだ」
「うふふふ、あたしはチョコの魔人、ブルーム!」
なんと。現れたのは、見たことのある三体の怪物。――過去、『マジカル☆リンちゃん』が戦ったことのある敵たちだ。
思いもよらない急な展開に、僕は動揺し、立ち竦む。
「くそう、敵が増えやがったぜ……! よし、あの三人の敵は俺たちに任せろ! お前は凛を守るんだ京一!」
晃が、とても格好つけた顔で僕に言う。
彼の言葉に同意するように、ドラゴンを手懐けるイブと、三人のぬいぐるみの兵士をそばに置くクララも、揃ってこくんと頷く。
――なんだって?
晃たちが、ダイヤ男の後ろに控える三体の怪物たちに向かっていく。その勇姿は実に頼もしいが、――いや、それだとあのダイヤモンド伯爵は、どうすれば……?
間一髪だった。
巨大な鉱石の塊が空から落ちてくる。凛は腰を抜かせてしまったようで動けない。
僕はそこに向かって走りこんで、凛を抱き上げ、そのまま駆け抜けた。
この世界では、足の速さも腕力も子供のそれなので心許なかったが、なんとか逃げ切れた。
「大丈夫か、凛」
「きょーくん?」
僕の顔を見つめ、しばし固まっていた凛だが、突然、はっとして言う。
「あ、ああっ、あの、わたしはリンじゃなくって、『マジカル☆リンちゃん』だからっ! きょーいち君のおともだちのリンちゃんじゃないよ?」
「…………。ああ、うん」
そうか、魔法少女の正体が高槻凛であることはバレてはいけないという設定なのだ。いやまあ、別に顔も隠してないし、普通にバレないはずはないのだけど。でもここはそういうお決まりに則って形成された夢世界なのである。
「小僧、なにものだ貴様!」
迫力のある大きな声で言われる。
見ると、そこには全身がダイヤモンドで構築された、二メートルほどの大男が立っている。ダイヤモンド伯爵である。なんとも捻りのない名前だ。
昨日までは傍から傍観する形で見ていたが、こうして正面切って対峙すると、なんというか一層『リアル』に感じられる。ちゃんとした怪物。間近で見ると、怖い。
「なにものだ、って言われてもなあ……」
この場合、なんと言うべきなのか。
たぶん今の僕の立場はというと、『マジカル☆リンちゃん』の活躍劇において、いきなり茶々を入れたモブキャラみたいなものだろう。この世界間の中でも『リンちゃん』の幼馴染だということにはなっているようだが。
「ええい、なにものでも容赦はしねえ! 覚悟しろ」
そう言って、ばっ、と拳法の構えのような姿勢を取って威嚇をする伯爵。
安っぽいフリだが、彼の強靭さを目の当たりにしている以上、割としっかり恐怖心は湧く。
「きょ、きょーくん! だめだよ、あぶないから逃げて!」
腕の中で、凛が慌てて言う。この世界において、彼女は魔法少女であり、僕は守られるべき一般市民である。
しかし。
退くわけにはいかない。
小人が昨日、言っていた言葉。
――夢と現実は表裏一体。互いに影響し合うもの。現実での調子は夢に影響を及ぼすし、その逆もまた然り。
現実での彼女になにか悩みがあって、その精神的な不調がそのまま夢世界に形となって現れている。
こういった魔法少女モノでヒロインが敵に完全敗北することなんてあり得ない。
しかしそれが起こってしまっている……『マジカル☆リンちゃん』が勝てない敵、ダイヤモンド伯爵だとかいう安直な名前のこの怪物は、すなわち、現実の凛の悩みがこの夢の世界観に合わせて具現化したモノなのだ。
夢と現実は表裏一体、互いに影響し合うもの。現実での調子は夢に影響を及ぼすし、『その逆もまた然り』。
要するに、だ。この硬い石の男が消滅すれば、凛の心の荷が晴れるのではないか。
現実から夢への影響として、悩みが具現化して強敵が現れた。
逆に、夢から現実へも影響が及ぼされ得る。この怪物が消えてしまえば、現実の凛の悩みが解消されるのではないか。
いや、それだけで解消するとまではいかないだろうか。しかし、その後押しとなるのは確実だ。
――何より夢世界の住人たるあの小人から、その証言を得た。
さきほど小人に確認をしたのだ。あいつは言ったのだ。――夢の中で悩みの具現化を消せば、それは確かに現実に影響する、と。
僕に逃げる様子がないので、凛は焦りだした。
「ふん。いいだろう。二人まとめて叩き潰してやる」
ずん、と重い足音を出しつつ、ダイヤモンドの大男がゆっくり近づいて来る。
「……くらえ、ダイヤモンドパンチ!」
ださい技名を叫びながら、男は荘厳な輝きを放つその右手を僕らに向けて繰り出す。
「きょーくんっ!」
凛が叫ぶ。僕は、彼女をぐっと抱き寄せた。
男の放った右ストレートは、僕の顔面を狙ってまっすぐに飛んでくる。幼馴染の男の子の頭が吹き飛ぶのを予期してか、凛は肩を震わせながらぐっと目を瞑っていた。
次の瞬間、僕の目の前を何かが遮る。
そして、――もふん、と、気の抜けた音が鳴る。
「…………え?」
凛がゆっくり目を開く。僕らのすぐ目の前に、柔らかい何かが壁となっていた。それが、ダイヤ男のパンチを受け止めている。
「危なかったな、我が友人」
ダイヤ男のパンチを止めながら、こちらに振り返り、きりっとした良い声で言う『兵士』。
その兵士の丸みのある体の横を、ばっ、と素早く横切る人影があった。
過ぎ去る刹那の内にその姿をはっきりとは見られなかったが、どうやら少年のようである。彼はマントをなびかせ、ダイヤ男に向けて剣を振るう。鉄の刃がダイヤに触れ、キインと鋭い音が鳴る。
さらに状況が落ち着く間もなく、ぶおん、と、大きく風を切る音がした。
突風が巻き起こり、地面に大きな影が出来る。――空を見上げると、翼を持った巨大な生物が僕らの頭上を飛んでいた。
兵士に拳を防がれ、さらに少年の剣をその身で受けていたダイヤ男は、その巨大生物に踏みつぶされるのを察知して大きく退いた。
どすん、と、巨大な『ドラゴン』が、地面に降り立つ。
その背中から少女が飛び降り、しゅたっと華麗に着地する。少女のそのブラウンの髪が、ふわりと舞った。
敵が距離を取ったのを見て、ぬいぐるみの兵士がいったん後退する。彼が退いた先、後方には明らかな『お姫様』の格好をした少女がいた。
そして振るった剣を腰に差した鞘に納める少年。しゅりん、と心地よい音が鳴り、彼は陶酔するようにキザな表情をする。
三人が、僕と凛の前に歩み寄る。
「大丈夫? 凛」
「よかったあ、間に合って……!」
「はっはっは、勇者様が来たからもう安心しろよなっ!」
イブ、クララ、晃。少年少女が凛に向けて、口々に言う。
「み、みんな……!」
凛の表情が、安堵のためか、ぱあっと晴れる。
本日の放課後、図書委員を終えて帰る途中で彼らに会った。
凛が遅刻したと聞いて、イブを筆頭に三人とも、彼女になにかあったのでは、と、いたく心配していた。そして、自分たちになにか手伝えることが合ったら声をかけてね、と言っていたのだ。
夢世界の中で、魔法少女が勝てない敵、ダイヤモンド伯爵。
あの硬い大男を消滅させられれば、凛の悩みの解消につながる――とはいっても、僕一人であんなファンタジーな敵を相手にできるわけもない。
そこで、この三人を凛の夢世界に連れてきてほしいと、さきほどキューピーに頼んだのである。
まさに彼らが言っていた通り、凛のために協力してもらったわけである。深層夢の中なので、今ここにいる三人には現実的な意識はないにしろ、凛を助けたいという意思ははっきりとあるはずだ。
凛の夢の中に連れてくれば、その活躍をしてくれるだろうと考えた。
一度、僕が造り出した夢の舞台にみんなを呼んだことがあった。その際は、それぞれの夢の世界観を脱してナチュラルな子供の姿としてキューピーに連れて来てもらったが、今回は、それぞれの世界観をその身に纏わせたまま、凛の夢へと来てもらったのだ。
なにせ、三人の夢はどれも非常にファンタジー色の強いもの。ドラゴンに、ぬいぐるみの兵士に、様々なゲーム要素を兼ね備えた男。
敵はダイヤをその身に取り込んだ巨大な怪物なのだ。そんなもの、生身の僕が相手どれるわけがない。こんなファンタジーの敵には、同じくファンタジーをぶつけるしかないわけである。
――そこへこの三人は打ってつけなのだった。
「くそ、新手が三人も……」
さすがのダイヤ男もたじろいでいる。世界観もめちゃくちゃな三人の少年少女。どれほどダイヤが硬かろうが一人では勝ち目はないだろう。
よし。正直不安だったが、なんとかなりそうである。
「仕方がない。ではこちらも、援軍を呼ばせてもらう」
「え?」
伯爵はにやりと笑ってから、指を鳴らした。ダイヤなので、カチン、という綺麗な音が鳴る。
その音が鳴るや否や、彼の背後に三つの大きな影が落とされた。空に、異様な気配を感じた。それら影の主、太陽を遮る三つの巨体は、地面に一斉に降り立つ。ずずん、と地面が大きく揺れた。
「魔界の帝王オクトバーン、参上である」
「ふん、俺様は悪魔のヒキガエル、ベルゼブブフォーだ」
「うふふふ、あたしはチョコの魔人、ブルーム!」
なんと。現れたのは、見たことのある三体の怪物。――過去、『マジカル☆リンちゃん』が戦ったことのある敵たちだ。
思いもよらない急な展開に、僕は動揺し、立ち竦む。
「くそう、敵が増えやがったぜ……! よし、あの三人の敵は俺たちに任せろ! お前は凛を守るんだ京一!」
晃が、とても格好つけた顔で僕に言う。
彼の言葉に同意するように、ドラゴンを手懐けるイブと、三人のぬいぐるみの兵士をそばに置くクララも、揃ってこくんと頷く。
――なんだって?
晃たちが、ダイヤ男の後ろに控える三体の怪物たちに向かっていく。その勇姿は実に頼もしいが、――いや、それだとあのダイヤモンド伯爵は、どうすれば……?
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