皿洗い部!!!!!!

稲木 糸

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1皿目

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「今日やけに多くない?」

それにしても今日のこの量は異常だ。

「あー 今日練習試合で他校から人来てたの」

水波は皿を洗いながら言う。

ここの高校は学食が兎に角美味しい。

だから、練習試合を平日に入れ、ここで食べるというのが多々ある。

確かに美味しいがあまり良くはないよな。

「ちょっと 彗くん」

また走り出そうとしている咲李先輩と彗くんを引っ張り、スポンジを持たせればやだーなんて騒いでる。

なんでこの部活入ったんだよ。

そんな2人を放って作業に置かれた皿を洗剤をスポンジに出して擦る。

確かに怠いのは分かる。

未だに僕もなぜこの部活に入ったのかは分からない。

洗った皿を恋に渡す。

恋はそれを水で流し、羽望が拭きそれを重ねていく。

「あーもう彗くんと、咲李先輩は洗わなくていいから片付けて」

と水波が叫べばスポンジを放り投げ、それだけでいいの?なんて言って片付けに行く。

その姿に半ば呆れながら横目に水の中に追加の皿を入れていく。

「もう飽きた ゲームしたい」

そう呟く恋は今にも逃げ出しそだ。

体がもうそっちを向いている。

「恋」

少し低い声を出せば、恋の肩が跳ね皿を受け取る。

「はい!!嘘です 嘘」

「そうだよね」

「もちろんです」

すると急に顧問の兎田先生が入ってきた。

「どうだ ちゃんとやってるかい?」

「兎田先生終わりません」

と何にもやっていない咲李先輩が口を開く。

「咲李先輩と彗くんが遊んでました」

と言えば、バラバラと言い訳を言い始めたが結局怒られ、渋々と彗くんは水で流す作業、咲李先輩は拭く作業に別れやっと静かになった。


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