魔王の右腕 ~平和に向けての巡り旅~

Amasylia

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石の祝福

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2人はお互い昨日の夜は何もなかったと確認し合い忘れることにした。
気を取り直して今日はフルーツ果樹園で南国フルーツの食べ歩きだ。

「サンシャインマンゴーですよ」
「うまいな。
おっ、あれはまさかドラゴンフルーツか?!」

フルーツに気を取られてる時だった。

「きゃー?!」
「アリア?!」
「痛い?!ユーリさん助けて・・・」

アリアが黒い蛇に至る所を噛みつかれていた。

「ベビーバジリスクか?なんでこんなところに?!
ともかく討伐だ。
はぁっ!」

ベビーバジリスクは目的を果たしたかのように逃げるように茂みの中へ消えていった。

「すばしっこい奴め逃げやがったか・・・」

カチコチカチコチ・・・

「アリア大丈夫か?!
「すみません強力な石化毒をもらったみたいです。抵抗できません・・・」

アリアの身体は噛まれた跡があり至る所が灰色に石化していた。

「くそっ?!僕がいながら?!」
「大丈夫ですよ。ギルドに行けばきっと石化解除薬がもらえるはずです。
ユーリさんが無事で良かったです」
「すまない、僕のせいで君を傷物にしてしまった」
「いいですよ、私は気にしていませんから」
「・・・アリア、僕と付き合ってくれないか?」
「いいんですか?私で?」
「あぁ君だからこそ欲しいんだ」
「こちらこそよろしくお願いします」

胸がときめく。やっといってもらえた。

「アリア・ジュリアは今日からユーリさんのものです。
私を好き・にし・・・て・・・く・・・」

バキンッ

「・・・」

アリアは完全石化してしまった。

「アリア?」
(言い切れないで石像になっちゃいましたね。
魔力も使えないみたいです。
でもあのベビーバジリスクさん達には感謝です)

コンコンコンコン

「持って移動しても大丈夫そうな硬さだな。
とりあえず入口まで運ぶか」
(私重くないでしょうか?)
「アリア、必ず元に戻してやる。もう少し我慢してくれ」
(ありがとうございます。ユーリさん)



「あーーーーー?!」
「ん?」
(え?)

「ごめんなさい、その石像もしかしてベビーバジリスクに襲われませんでした?」
「ついさっき襲われたんだが・・・」
「すみませんすみません。
あの子達いい子なんですけど可愛い子がいると殺到して石像に変えちゃうみたいなんです。
しかも解毒薬も効かない特殊個体で3日間絶対に元に戻れないんです」
「なっ?!」
(えー?!)
「さっきフルーツ狩りに来てた銀髪の3人組も石像にしてしまって急いで追いかけてきたんです。
本当すみません?!」
(まさか銀髪の3人ってあの子達なんじゃ・・・)

「おーいユーリ、フルーツ狩りは満喫できた?」
「エリーゼ姉さんそれどころじゃないぞ。
ベビーバジリスクが可愛い女の子を襲って石像に変えてるんだ?!」
「へー今大事そうに抱えているアリアちゃんの石像は可愛い女の子なのかな?」
「そうだ。僕たちつき合うことになったんだ」
「まぁおめでとう。
ところで後から来るって言ったシルバーユナイツの銀髪の3人とルーゼさん見なかった?」
「あっ・・・その3人はさっき・・・」

背後から音もなく迫る複数の影

「「あーーーーー?!」」

ガブッ

「あっ・・・」
「エリーゼ姉さん?!」

エリーゼにベビーバジリスクがかぶりつく
関節と首を狙い動きを止め石化毒を確実に身体中に流し込む。

カチコチカチコチ・・・

「みんな整列?!」
「「「キュピィ」」」
「すみませんすみませんすみません」

エリーゼの身体が急速に石化していく。

「エリーゼ姉さん大丈夫?!」
「大丈夫じゃないけど・・・まさか全く動けず石化されるとは・・・」
「全然・気づか・なかった。
私も・まだ・・ま・だ・・ね・・・」

バキンッ

「・・・」

エリーゼも水着に上着を羽織っている姿で完全石化してしまった。

(・・・あれ?解除できない)
(エリーゼさんも石像に・・・
そのベビーバジリスクは特殊個体で3日間絶対石化が解除できないんだそうです)
(えー?!)

「フルーツ園で石化した3名を回収しました。
まだ被害者がいるみたいなので回収してきます」
(みんな?!)
(あはは・・・私達もやられちゃった)
(私達石化耐性あるとわかってて急所の首と全関節にブスリと)
(しかもこの石化、魔法も使えないし超硬化するタイプの完全石化ですね。抜けられません)
(でも3日も動けないのは困りましたね。
せっかくのユーリさんとアリアさんをくっつける計画が・・・)
(あのさっきベビーバジリスクに襲われた時ユーリさんがプロポーズしてくれたんです)
(やったねおめでとう)
(ありがとうございます。
もっとお話ししたかったんですけどそのまま石像にされちゃいました)
「みんなまだまだ未熟だね。
帰ったらお仕置き訓練だね」
(ルーゼさん?!)
((((ルーゼ先生?!))))

キラーン

ベビーバジリスク達がルーゼを標的にしようとした。

(((((まずい?!)))))
「そこのベビーバジリスク達、この私に挑もうっていうの?
ぶっ殺すよ?」

ギロッ

ルーゼさんの魔力圧がすごい。

「「「キュルル?!」」」
(((((あっ完全にびびった)))))
「どうしよう?!こんな観光地でこの子達また大暴れしてしまった?!」
「あなたはテイマー?」
「僕はレウス・マーガーと言います。
そうです。
でもどちらかと言えばブリーダーですかね。
この国でテイマーギルドのギルド長をやってます。
シードラゴンやペガサスなんかの育成もやってます」
「へー」

このベビーバジリスクは悪意はないようだ。
かなり頭は回る方みたいだ。
石化耐性を持つあの3人を石像にしてしまう強さもある。
みんな何をされたのか分からず石化している。
まるで時を止められた少女達の彫刻像展だ。

「レウスさん回収した石化被害者は計30人です。
今回も美少女ばかりですよ?」
「ぬわー?!
またギルドの予算が?!」
「こちらがその石像にされた少女達になります」
(全然動けないよ?!)
(お願い助けてー)
(早く元に戻してください?!)

みんな顔立ちもスタイルもいい。
予定は変わるけどこの際ちょうどいいかもしれない。

「ねえいっそのこと逆手にとってみたら」
「え?」
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