魔王の右腕～平和に向けての巡り旅～

Amasylia

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鍛治試験と礼儀作法試験

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「鍛治試験は簡単だ。
この中から好きな道具、好きな機材、金属インゴットを持って剣を打て。
ルールは用意しているものの中から使うんだ。
トーナメント形式で剣同士をぶつけて折れなかった方が勝利だ。
試合後のメンテナンスは認める」
「評価基準はどう見るんですか？」
「試合前に剣の状態を見せてもらって1段階目の評価とする。
剣は規格内の大きさの範囲内であればどんな形でも構わない。
ただし刃先のないものは失格にするぞ。
予備として同じものを3本製作すること。
自信があるのなら一本でも構わない
以上だ」

この試験にはアイリスが参加している。
魔物戦だけでなく対人戦にも対応できるアイリスは超攻撃回避特化型だ。
敵の動きを読み取り弱点を看破し執拗に弱点を狙い続ける相手にとって最悪の戦闘狂だ。
今回は武器の特性を理解してもらうために参加させている。

今回は剣同士をぶつけることが条件だ。
身体強化は使って良いが剣技は禁止とされている。
いつも使っている刀は向いていない。

「材料は精々4本分ってところですか」

カーン、カーン、カーン

「ここで魔力をぎゅーっと込めてっと」

アイリスが行ったのは魔法による金属の圧縮だ。
ミスリルにオリジナルの配合で合金にして剣を作っていく

剣が熱いうちに模様を象ったスタンプを剣の面に当てつける。
アイリスが考えた古代文字の刻印だ。
もう片方の炉で溶かした金を刻印に流し込んでいく。
あとは刻印を少し研磨して準備万端だ。

気づけば鍛冶場で作業しているのはアイリスだけだった。

「できたーこれで完璧だね。
もう夜中の3時かー少し仮眠しようっと」

いつも持ち歩いているルーゼ先生に作ってもらったMy布団をその場に敷きすやすやと鍛冶場で眠りに入る。
ここは冬場には暖かくて都合が良い環境だったのだ。

日が上り対決の時が来た。

剣術科アイリス対鍛治科オッズの試合を開始する。

「思ったより重くてバランスが取りにくいなー
身体強化は使ってもいいけど剣技は使っちゃダメだったもんね」
「試験試合開始？！」
「せーのっと？！」

ガキィン

ドゴーーーーン

「あわわわわ・・・？！
あっやっちゃった？！」

ざわざわ

「なんて破壊力だ？！」
「地面が陥没したぞ？！」

「君大丈夫？！」
「大丈・・・(チーン)」
「あっ？！」
「おい？！しっかりしろ？！」

鍛治試験は波乱の開幕だった。

アイリスに激突した鍛治科の生徒は次々と剣を破壊され鍛治科としてのプライドをズタズタにしていく。
あの細腕にどこにそんな力があるのかもはや理不尽の塊でしかなかった。

「剣は刃こぼれひとつないな・・・
そして重すぎる？！」
「頑張って寝ずに一日中打ち続けましたましたからね」
「「「・・・」」」
「ん？」
「俺たちはどこで間違ったんだ？！」
「こんな理不尽あってたまるか？！」
「おのれルーゼ先生？！」
「もういいぞ・・・お前がＮo1だ」
「やりました」

一方、礼儀作法試験では・・・

「あなたたちは執事・メイドとして試験を受けてもらいます」
「私達にメイドをやれというんですか？！」
「主人がまともでなければ話になりませんからね。
余計なプライドは将来の妨げになりますよ。
メイドも同じ人間なのですからね。
見限られたらその家はその程度だということですよ。
今回は立場が逆だった場合どんな気持ちでやってるか理解するのが今回の試験です。
食事のマナーなどあとでいくらでも身につけることができます。
人間の付き合いは1日でなるものではないのですよ」

貴族科の生徒が苦戦する中シェリアはメイドではなく執事として活動していた。

「お嬢様、お待たせいたしました。
パンケーキにございます」
「キャー？！ありがとうございます？！」
「私は苺のショートケーキでお願いします」
「かしこまりました。お嬢様」
「キャー」

一方のエリーゼはメイドとして男子生徒の注目の的だった。

「旦那様、スペシャルランチになります。
萌え萌えきゅん」
「うぉおおおおお？！」
「俺にもスペシャルランチをお願いします？！」
「少々お待ち下さいませご主人様」

もうお目にかかれないだろうエリーゼさんのメイド服姿に見ようとする人で大賑わいだった。

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