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5/11開催!〈文学フリマ東京40〉試し読み
第5作品「錬骨の大賢者と禁忌の黄金瞳-虹鉱の奇跡」
しおりを挟む全年齢OK BLではありません
❁あらすじ
魔法国で起こる奇妙な事件——処刑しても死なない魔法使い。
調査を命じられたのは、かつて「読心術の大賢者」と呼ばれながら、禁忌の実験で骨人間となった大賢者アレックス。
「死なない男の世話? 面倒くさいな……」
渋々調査を始めた彼は、その子どもをマナと名付け、不死の鍵を握る吸血鬼リュースと出会う。
やがて明かされるのは、国家を揺るがす吸血鬼の陰謀と虹鉱の秘密——そして、アレックス自身の運命。
この謎に、答えはあるのか!?
❁登場人物
・読心術の大賢者:アレックス
・呪われた魔法使い:マナ
・大賢者:サマエル
・冷酷魔法騎士:ルイス
・ルイスの弟子:ヒョウカ、グレン
・吸血鬼:サヴァン、リュース
❁試し読み 5ページ
「うひっうひひひひっ、これで私は大賢者から神になれる」
魔道具が散らかった机の横には大きな鍋があった。
そこからはもくもくと煙が上がり色のついた魔法液をビーカーに注ぎそれを男は飲み干した。
「あ~」
それから数日男は小屋から出てくることはなかった。
魔法国ウガンダーシュベルツ 集会所
議題に上がったのは春から冬に変わっても出席していないアレックスという大賢者の話だった。
仲が良い私こと、サマエルが訪問の担当になりその小屋を訪れたのは議題が上がってから数ヶ月先のことだった。だって忙しかったんだもん。
それにしても木々があるだけの何もない森を住処としているアレックスのことを集会にこないというだけの同僚を気にして、わざわざ小屋に行くなんて私もなんだかんだ、優しいな。
ドアをノックするとガタンと壊れもくもくとした煙がまとわりつく。
「おーい、げほっ、なんだこれはアレックスいるか?」
私は煙たい部屋の中を確認しようも真っ白で何も見えず、魔法で窓を開け小屋の主人がいるのかを確認した。しかし応答がなかった。
「まったくもう、実験、実験は確かに大切だけど集会も大切っ……え?」
そこにあったのは苔が生えた衣類だった。それにこの小屋はおかしい、整理整頓好きのアレックスの部屋だとは思えないからだ。
恐る恐る、衣類を杖でどかすとなんと骨になっていた。
「は? まさか死んだ?」
「ばぁああっ」
アレックス? に驚かされ私は後ろに遠のいた。
「ワハハ、驚いたね、いやぁーまさかだよってどした?」
「お前、アレックスか?」
「え、ああそうだよ、神になるつもりが骨になっちゃった」
てへっとなんとも可愛くしたらしいが骨が首を傾げたところで何も可愛くないし、おっさんがてへってしても気持ち悪いだけだ。
私はじとーと見つめているとアレックスは骨になったままで立ち上がり机の上を片していた。
「お前、骨の作りどうなってるんだ、接合部分は」
「あー質問が多いね、まぁ簡単だよ、魔法でちょちょいのちょーいってくっつけた、他は?」
「便利なもんだな」
「うん、まぁ骨になっても景色は見えるし、君だって認識できる。肉体が消えて骨になってしまったってだけだ」
「そうなのか、集会に来なかったのは戻そうとしていたからか?」
「まぁそんなところ、こんな姿で街中歩いたら、どっかの冷酷魔法騎士様に消されそうだなと思ったから」
「冷酷ってあの人今いないぞ」
「そうだっけ? そんなことよりさ、この体すごいんだよ」
「何がだ」
「そりゃーお腹も空かないし、眠たくもならない、なにより君を驚かせることができる!」
「でもお前メガネつけてるぞ」
「あーこれ、これはおしゃれさ~」
「アレックス、お前本当に呑気なやつだな」
「まぁね、じゃないとこんな体受け入れることなんてできないだろ」
「……まぁいいや、私もアレックスと分かれば問題ないし」
私の話しよりも机の上が気になるようで掃除を始めた。
「で、夏の集会で上がった話しをしてもいいか?」
「んーいいよ、どした?」
「呪われた魔法使いっ……処刑しようとしたら瞬時に全員殺されたと報告があった」
「ふぇーすごいね、こりゃ冷酷魔法騎士様のご登場だ」
「そう、冷酷魔法騎士様が行ったんだけど、あのお方に傷をつけたらしい」
「は? それまじかよ」
アレックスが骸骨の顔で驚いたようだが声色しかわからなかった。
ちなみに冷酷魔法騎士様というのは魔法国のトップクラス五位内に入っていて大賢者からは尊敬、または弟子になりたいと思えるほどの魔法使い。
なんだけど国からは尊敬って言うよりも恐れられていて笑わないって理由から冷酷魔法騎士様と呼ばれている。
あのお方をそんな風に扱う時点でおかしいとは思うけど。
続きは文学フリマ東京40にて!! 5/11 12時に開催されます!
お待ちしております!!
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