文学フリマ京都10に向けた作品

枝浬菰文庫

文字の大きさ
7 / 37
5/11開催!〈文学フリマ東京40〉試し読み

第5作品「錬骨の大賢者と禁忌の黄金瞳-虹鉱の奇跡」

しおりを挟む
 


 全年齢OK BLではありません

 ❁あらすじ
 魔法国で起こる奇妙な事件——処刑しても死なない魔法使い。
 調査を命じられたのは、かつて「読心術の大賢者」と呼ばれながら、禁忌の実験で骨人間となった大賢者アレックス。
「死なない男の世話? 面倒くさいな……」
 渋々調査を始めた彼は、その子どもをマナと名付け、不死の鍵を握る吸血鬼リュースと出会う。
 やがて明かされるのは、国家を揺るがす吸血鬼の陰謀と虹鉱の秘密——そして、アレックス自身の運命。
 この謎に、答えはあるのか!?

 ❁登場人物
 ・読心術どくしんじゅつの大賢者:アレックス
 ・呪われた魔法使い:マナ
 ・大賢者:サマエル
 ・冷酷魔法騎士:ルイス
 ・ルイスの弟子:ヒョウカ、グレン
 ・吸血鬼:サヴァン、リュース

 ❁試し読み 5ページ
「うひっうひひひひっ、これで私は大賢者から神になれる」



 魔道具が散らかった机の横には大きな鍋があった。
 そこからはもくもくと煙が上がり色のついた魔法液をビーカーに注ぎそれを男は飲み干した。

「あ~」
 それから数日男は小屋から出てくることはなかった。


 魔法国ウガンダーシュベルツ 集会所

 議題に上がったのは春から冬に変わっても出席していないアレックスという大賢者の話だった。
 仲が良い私こと、サマエルが訪問の担当になりその小屋を訪れたのは議題が上がってから数ヶ月先のことだった。だって忙しかったんだもん。

 それにしても木々があるだけの何もない森を住処としているアレックスのことを集会にこないというだけの同僚を気にして、わざわざ小屋に行くなんて私もなんだかんだ、優しいな。

 ドアをノックするとガタンと壊れもくもくとした煙がまとわりつく。

「おーい、げほっ、なんだこれはアレックスいるか?」


 私は煙たい部屋の中を確認しようも真っ白で何も見えず、魔法で窓を開け小屋の主人がいるのかを確認した。しかし応答がなかった。

「まったくもう、実験、実験は確かに大切だけど集会も大切っ……え?」
 そこにあったのは苔が生えた衣類だった。それにこの小屋はおかしい、整理整頓好きのアレックスの部屋だとは思えないからだ。


 恐る恐る、衣類を杖でどかすとなんと骨になっていた。


「は? まさか死んだ?」
「ばぁああっ」


 アレックス? に驚かされ私は後ろに遠のいた。
「ワハハ、驚いたね、いやぁーまさかだよってどした?」
「お前、アレックスか?」


「え、ああそうだよ、神になるつもりが骨になっちゃった」


 てへっとなんとも可愛くしたらしいが骨が首を傾げたところで何も可愛くないし、おっさんがてへってしても気持ち悪いだけだ。


 私はじとーと見つめているとアレックスは骨になったままで立ち上がり机の上を片していた。

「お前、骨の作りどうなってるんだ、接合部分は」
「あー質問が多いね、まぁ簡単だよ、魔法でちょちょいのちょーいってくっつけた、他は?」
「便利なもんだな」


「うん、まぁ骨になっても景色は見えるし、君だって認識できる。肉体が消えて骨になってしまったってだけだ」
「そうなのか、集会に来なかったのは戻そうとしていたからか?」


「まぁそんなところ、こんな姿で街中歩いたら、どっかの冷酷魔法騎士様に消されそうだなと思ったから」
「冷酷ってあの人今いないぞ」
「そうだっけ? そんなことよりさ、この体すごいんだよ」
「何がだ」

「そりゃーお腹も空かないし、眠たくもならない、なにより君を驚かせることができる!」
「でもお前メガネつけてるぞ」


「あーこれ、これはおしゃれさ~」
「アレックス、お前本当に呑気なやつだな」


「まぁね、じゃないとこんな体受け入れることなんてできないだろ」
「……まぁいいや、私もアレックスと分かれば問題ないし」
 私の話しよりも机の上が気になるようで掃除を始めた。


「で、夏の集会で上がった話しをしてもいいか?」
「んーいいよ、どした?」

「呪われた魔法使いっ……処刑しようとしたら瞬時に全員殺されたと報告があった」
「ふぇーすごいね、こりゃ冷酷魔法騎士様のご登場だ」


「そう、冷酷魔法騎士様が行ったんだけど、あのお方に傷をつけたらしい」
「は? それまじかよ」


 アレックスが骸骨の顔で驚いたようだが声色しかわからなかった。


 ちなみに冷酷魔法騎士様というのは魔法国のトップクラス五位内に入っていて大賢者からは尊敬、または弟子になりたいと思えるほどの魔法使い。

 なんだけど国からは尊敬って言うよりも恐れられていて笑わないって理由から冷酷魔法騎士様と呼ばれている。

 あのお方をそんな風に扱う時点でおかしいとは思うけど。

 続きは文学フリマ東京40にて!! 5/11 12時に開催されます!
 お待ちしております!!

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

短編集

ミカン
BL
一話完結のBL小説の短編集です

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜

トマトふぁ之助
BL
 某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。  そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。  聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

処理中です...