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2章:どん底からのスタート
10:癒しの花
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そして俺たちは、探索を続行した。この森にはまだ、そこまで強い魔物が居ないからよかった。
この森には、色々な薬草があるらしい。この森はある程度の広さがあるから、取りすぎたりしても、すぐにまた生えてくるだろう。これからはしばらくここで調達を続けよう。
そんなことを考えていながら、森を探索していると、ある花を見つけた。俺はそれをみて驚いた。その花はお父さんが言っていた花と外見と一致していたのである。お父さんの言った通りであるならば、この花を使えば、多くの人を助けることができる。
「この花は何か特別なんですか、カズアキさん?」
ルナが目を光らせながら聞いてきた。
「ああ。この花が一つあるだけで多くの人を助けることができると聞いたことがあるんだ。」
ルナは少し不思議そうな顔をしながら言った。
「そうなのですか。でもこの小さい花が多くの人を助けられる物というのは到底思えないです。」
俺もその言葉を聞いて、改めて疑問に感じた。確かにこんな小さい花で多くの人を助けられるのだろうか、でもお父さんが嘘をつくとは思えない。
「確かにそれは疑問だけど、俺は本当だと信じる。」
ルナは最初、驚いていたが
「そうですね。もしかしたらこの花には特別の力があって本当に多くの人を助けられるのかもしれません。」
「そうだな。」
俺は早速、その花を拾いその花の情報を確認した。
・ムゲンの花~癒~(1個)
・効果
この花はあらゆる力によっても壊される
ことはなく、消費するとこの花の種を手
ことができる。種は植えるとどんな状況
にあっても二日後には花が咲く。
この花を消費するとあらゆる回復薬(状態
回復薬を含む)を作ることができる。
・説明
この花は幻として語り継がれた花の一
つ。
花は所有者に永遠の幸福をもたらすと言
われている。
なんだろう…このものすごいチート感のある花は…。
「どうでしたか、カズアキさん。」
「それが…」
「ええっ!?何ですかその花!確かにその花さえあれば多くの人を助けられますね。
…いえ、その花とあなたさえいれば。」
そうか、そうだな。俺には材料さえあればあらゆる薬を作ることができる。
「そうですよ。あなたは凄い力を持っているのでそれを使えば 世界を救うのは難しいことではないです。」
ルナのその言葉で俺は自信が湧き上がった。
「確かに。この力、案外悪いものではないかもしれないな。…少し気になるんだが幻として語り継がれた花の『一つ』ということは他にもこのような花があるということだろうか?」
「わたしにも全然わかりませんが、その文章から推定すれば、その可能性は十分ありますね。」
もしそうならば、何としても欲しいものだな。世界を救うため、少しでも力が欲しい。
そうこう話していると俺のお腹が鳴り、ルナが笑う。
「一旦帰りましょうか。お腹も空いてきたことでしょうし。」
「そ、そうだな。」
そうして俺たちは町へと戻った。
太陽は真上にあり、大地の広い範囲に光を放出している。その光は強すぎて、暑苦しささえ感じる。
町へ戻ったが、何やら騒がしい。町の中央で何かが起こっているようだ。
その異変に気付いた俺とルナは中央の方へと向かう。
中央へ行くとすぐにその異変の原因がわかった。
町には…竜がいた。町の人はその竜に殺されないよう、我先にと逃げ回っている。そして、その竜と戦っているのは町長と1人の青年だった。
「そんな!?この辺りに竜なんて出たことなんてないのに!」
ルナが焦った様子で言う。
「こんな状態で聞くのは悪いと思うけど、あの町長と一緒に戦っている男は誰なんだ?」
ルナは少し落ち着いてから言った。
「あの方はこの町の英雄ですよ。」
あの青年がこの町の英雄か。まだ俺くらいの歳なのに凄いな。今、俺にできるのは…被害を最小限にするということだ。
「ルナ、被害をなるべく減らすぞ。」
「はい!」
そうして俺は町の人を安全な場所へと誘導した。
しばらく経ち、町の中に静寂が訪れた。どうやらあの二人が竜を倒したようだ。
「よかった…。」
俺は安堵のため息をついた。なんとか死者は出なかった。でも傷を負った人は出てしまった。
「なんとか、竜を倒すことができたようですね。」
「ああ。でも怪我人がいるから落ち着くのはまだ早い。重傷を負っている人がいるかもしれない。」
俺は、急いでさっき探索して取ってきた薬草を使い、できるだけ多くの傷薬を作った。
俺はルナと手分けして、その傷薬を配った。
「傷薬、いりませんか~。」
傷を負った人が俺たちの方へと集まってくる。
しばらく経ち、俺たちの周りには人が段々居なくなっていた。そこへ、一人の少年が走りこんでくる。
「あの、僕のお母さんが…」
「竜にやられたのか?」
少年は黙って頷く。
「お母さんのところへ連れて行ってくれるか?」
「う、うん。」
俺は少年に着いて行き、さっき竜が暴れていた場所へと来た。
少年は黙って一人の女性の側に座る。その女性はひどい火傷を覆っており、意識をなくしたまま倒れていた。
「お母さん…」
「ひどい火傷だな…。助けられるかどうか…。」
少しの間、沈黙が流れる。
しばらく経ち、ルナが沈黙を破るように口を開く。
「カズアキさん、今、私たちには|花(ムゲンの花)があるじゃないですか。」
そうだった!あの花にはどんな異常状態も治す力があるんだった。
俺は急いで薬学セットを出し、異常状態回復薬を作った。
「さあ、これを飲ましてあげるんだ。」
そう言って少年にその薬を渡した。
少年がその薬を女性に飲ませると、火傷がすっかり消えて女性は意識を取り戻し、起き上がった。
ルナは何故か少し驚いた様子だった。
「一体何が…。確か町の中央にいて急に竜に襲われて…」
「お母さん、さっきね…」
少年が状況を説明する。
「そんなことがあったのですか。ありがとうございます。なんとお礼をすればいいのか…」
「お礼なんていらないよ。」
「いえ、それは悪いですよ。どんなことでもいいですから何か欲しいものはありませんか?」
「うーん、じゃあ。今じゃなくてもいいけど、薬物が少し欲しいかな?」
「わかりました。私、薬などの材料を売っているので、欲しいものがあれば言ってください。それをあげます。」
「いいのか?ありがとう。」
そうして俺は、二人を見送りルナの家へと向かった。
日はもうすっかり傾き、美しい夕焼けが西の空に見えている。
「もう夕方か…。」
「色々あって疲れましたね。」
「昼食も食べてないし、お腹も結構空いてきたな。今日もいいか?」
「構いませんよ。今日は豚肉を使った料理を作りますよ。」
「おお、いいね。」
この森には、色々な薬草があるらしい。この森はある程度の広さがあるから、取りすぎたりしても、すぐにまた生えてくるだろう。これからはしばらくここで調達を続けよう。
そんなことを考えていながら、森を探索していると、ある花を見つけた。俺はそれをみて驚いた。その花はお父さんが言っていた花と外見と一致していたのである。お父さんの言った通りであるならば、この花を使えば、多くの人を助けることができる。
「この花は何か特別なんですか、カズアキさん?」
ルナが目を光らせながら聞いてきた。
「ああ。この花が一つあるだけで多くの人を助けることができると聞いたことがあるんだ。」
ルナは少し不思議そうな顔をしながら言った。
「そうなのですか。でもこの小さい花が多くの人を助けられる物というのは到底思えないです。」
俺もその言葉を聞いて、改めて疑問に感じた。確かにこんな小さい花で多くの人を助けられるのだろうか、でもお父さんが嘘をつくとは思えない。
「確かにそれは疑問だけど、俺は本当だと信じる。」
ルナは最初、驚いていたが
「そうですね。もしかしたらこの花には特別の力があって本当に多くの人を助けられるのかもしれません。」
「そうだな。」
俺は早速、その花を拾いその花の情報を確認した。
・ムゲンの花~癒~(1個)
・効果
この花はあらゆる力によっても壊される
ことはなく、消費するとこの花の種を手
ことができる。種は植えるとどんな状況
にあっても二日後には花が咲く。
この花を消費するとあらゆる回復薬(状態
回復薬を含む)を作ることができる。
・説明
この花は幻として語り継がれた花の一
つ。
花は所有者に永遠の幸福をもたらすと言
われている。
なんだろう…このものすごいチート感のある花は…。
「どうでしたか、カズアキさん。」
「それが…」
「ええっ!?何ですかその花!確かにその花さえあれば多くの人を助けられますね。
…いえ、その花とあなたさえいれば。」
そうか、そうだな。俺には材料さえあればあらゆる薬を作ることができる。
「そうですよ。あなたは凄い力を持っているのでそれを使えば 世界を救うのは難しいことではないです。」
ルナのその言葉で俺は自信が湧き上がった。
「確かに。この力、案外悪いものではないかもしれないな。…少し気になるんだが幻として語り継がれた花の『一つ』ということは他にもこのような花があるということだろうか?」
「わたしにも全然わかりませんが、その文章から推定すれば、その可能性は十分ありますね。」
もしそうならば、何としても欲しいものだな。世界を救うため、少しでも力が欲しい。
そうこう話していると俺のお腹が鳴り、ルナが笑う。
「一旦帰りましょうか。お腹も空いてきたことでしょうし。」
「そ、そうだな。」
そうして俺たちは町へと戻った。
太陽は真上にあり、大地の広い範囲に光を放出している。その光は強すぎて、暑苦しささえ感じる。
町へ戻ったが、何やら騒がしい。町の中央で何かが起こっているようだ。
その異変に気付いた俺とルナは中央の方へと向かう。
中央へ行くとすぐにその異変の原因がわかった。
町には…竜がいた。町の人はその竜に殺されないよう、我先にと逃げ回っている。そして、その竜と戦っているのは町長と1人の青年だった。
「そんな!?この辺りに竜なんて出たことなんてないのに!」
ルナが焦った様子で言う。
「こんな状態で聞くのは悪いと思うけど、あの町長と一緒に戦っている男は誰なんだ?」
ルナは少し落ち着いてから言った。
「あの方はこの町の英雄ですよ。」
あの青年がこの町の英雄か。まだ俺くらいの歳なのに凄いな。今、俺にできるのは…被害を最小限にするということだ。
「ルナ、被害をなるべく減らすぞ。」
「はい!」
そうして俺は町の人を安全な場所へと誘導した。
しばらく経ち、町の中に静寂が訪れた。どうやらあの二人が竜を倒したようだ。
「よかった…。」
俺は安堵のため息をついた。なんとか死者は出なかった。でも傷を負った人は出てしまった。
「なんとか、竜を倒すことができたようですね。」
「ああ。でも怪我人がいるから落ち着くのはまだ早い。重傷を負っている人がいるかもしれない。」
俺は、急いでさっき探索して取ってきた薬草を使い、できるだけ多くの傷薬を作った。
俺はルナと手分けして、その傷薬を配った。
「傷薬、いりませんか~。」
傷を負った人が俺たちの方へと集まってくる。
しばらく経ち、俺たちの周りには人が段々居なくなっていた。そこへ、一人の少年が走りこんでくる。
「あの、僕のお母さんが…」
「竜にやられたのか?」
少年は黙って頷く。
「お母さんのところへ連れて行ってくれるか?」
「う、うん。」
俺は少年に着いて行き、さっき竜が暴れていた場所へと来た。
少年は黙って一人の女性の側に座る。その女性はひどい火傷を覆っており、意識をなくしたまま倒れていた。
「お母さん…」
「ひどい火傷だな…。助けられるかどうか…。」
少しの間、沈黙が流れる。
しばらく経ち、ルナが沈黙を破るように口を開く。
「カズアキさん、今、私たちには|花(ムゲンの花)があるじゃないですか。」
そうだった!あの花にはどんな異常状態も治す力があるんだった。
俺は急いで薬学セットを出し、異常状態回復薬を作った。
「さあ、これを飲ましてあげるんだ。」
そう言って少年にその薬を渡した。
少年がその薬を女性に飲ませると、火傷がすっかり消えて女性は意識を取り戻し、起き上がった。
ルナは何故か少し驚いた様子だった。
「一体何が…。確か町の中央にいて急に竜に襲われて…」
「お母さん、さっきね…」
少年が状況を説明する。
「そんなことがあったのですか。ありがとうございます。なんとお礼をすればいいのか…」
「お礼なんていらないよ。」
「いえ、それは悪いですよ。どんなことでもいいですから何か欲しいものはありませんか?」
「うーん、じゃあ。今じゃなくてもいいけど、薬物が少し欲しいかな?」
「わかりました。私、薬などの材料を売っているので、欲しいものがあれば言ってください。それをあげます。」
「いいのか?ありがとう。」
そうして俺は、二人を見送りルナの家へと向かった。
日はもうすっかり傾き、美しい夕焼けが西の空に見えている。
「もう夕方か…。」
「色々あって疲れましたね。」
「昼食も食べてないし、お腹も結構空いてきたな。今日もいいか?」
「構いませんよ。今日は豚肉を使った料理を作りますよ。」
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