32 / 66
第二章
23.練習(1)
しおりを挟む「おはようございます!」
「おお!おはようスミレ!!!!」
初日を終えて翌日の早朝。
休診日ではあるがソフィアさんが、文字と魔法を教えてくれるとのことで出勤した。
確かにあんなに多忙な中、ソフィアさんはどうやって私に魔法や文字を教えるのだろう?と思っていたが、まさか休みを削って来てくれるなんて思いもしなかった。
「ソフィアさん。本日はお休みですよね?いいんですか……?」
「大丈夫!そんなこと気にしなくていいのよ!!!!むしろ私が教えたいし……。それに、ちょっとズルいけどたんまーーーーり先生からはお給料もらうから!!!因みにスミレもお給料でるってさ!!」
親指と人差し指で円を作ってニコッとするソフィアさん。今日はあくまで出勤という形になっているそうだった。ありがたい。
しかし仕事ではないオフスタイルのソフィアさんも素敵だ。トップスはフリルの着いた可愛らしすぎない黒のノースリーブで、あまりこの国の女性では見かけないパンツスタイルだ。ピタッとした白のストレートパンツがスラッと伸びた長い足を強調させて美しい。前の世界に居たら確実に引っ張りだこのモデルになっていたに違いない。
「じゃあまずは、文字から始めようか!」
ベットがある部屋に机と椅子を並べてくれるソフィアさん。
魔法の練習は魔力切れで気分不快を引き起こす可能性があるため、まずは文字の勉強から始めることになった。
「これ、マーシュ先生が王宮から取り寄せてくれたから使ってみようか!」
ソフィアさんから差し出されたのはA4サイズ位の分厚い本で、表紙には『はじめてのことば』と記載してある。
言語について現在における私の状況は、話し言葉は理解できるしこちらが話していることとを理解してもらうこともできる。文字の読み書きに関しては、文字を見てもその文の意味はわからないのに意味が何故か理解出来るが、書くことは出来ない。という感じだ。
文字が読めて意味が理解出来る状況なので習得は意外と早くできるかもしれない。
「スミレは文字を読むことはできるんだっけ!」
「はい、何故か理解は出来ます。書くことが出来ないです」
「そかそか!そしたらこの本をさらっと見た感じ、基本文字の表が付いてるし文法や簡単な例文ものってるからまずは基本文字の練習からしようか!」
基本文字とは、日本で言う五十音、英語圏で言うアルファベットのようなものであった。
いざ紙に書いてみるとなると、日本語にも英語にも似ていない特殊な文字の形に困惑するがこれは慣れるしかないだろう。
この『はじめてのことば』は児童用であるのか、可愛いイラスト付きでとても分かりやすい。内容もしっかりしていて、基本文字を練習して習得したら次は簡単な文法から学べるように設計されている。
そして私はある事に気がつく。
言語を書く練習はこれさえあれば、わざわざここに来なくても家で出来るのではないか………?
ソフィアさんの時間を割いて、ただ1人黙々と文字を書く必要はあるのか……?
そうなるとさすがに申し訳なさすぎるのでお伝えする。
「……ソフィアさん。思ったんですが、基本文字の練習だけならお家でも出来ますので時間を割いて頂かなくてもいいかもしれません」
「……まって。たしかにそうね!!そしたら、基本文字覚えるまでは無理のない範囲で自宅学習にしてもらって、今日は魔法の練習する???」
「分からないところだけ、お時間がある時に確認したいです。そして、ソフィアさんの時間を頂いてるので、そちらでお願いしたいです」
折角計画を立ててくれたのに申し訳ないが、家で出来ることを今ここでやる必要はないし、魔法の練習に移ることにした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
昨今の聖女は魔法なんか使わないと言うけれど
睦月はむ
恋愛
剣と魔法の国オルランディア王国。坂下莉愛は知らぬ間に神薙として転移し、一方的にその使命を知らされた。
そこは東西南北4つの大陸からなる世界。各大陸には一人ずつ聖女がいるものの、リアが降りた東大陸だけは諸事情あって聖女がおらず、代わりに神薙がいた。
予期せぬ転移にショックを受けるリア。神薙はその職務上の理由から一妻多夫を認められており、王国は大々的にリアの夫を募集する。しかし一人だけ選ぶつもりのリアと、多くの夫を持たせたい王との思惑は初めからすれ違っていた。
リアが真実の愛を見つける異世界恋愛ファンタジー。
基本まったり時々シリアスな超長編です。複数のパースペクティブで書いています。
気に入って頂けましたら、お気に入り登録etc.で応援を頂けますと幸いです。
連載中のサイトは下記4か所です
・note(メンバー限定先読み他)
・アルファポリス
・カクヨム
・小説家になろう
※最新の更新情報などは下記のサイトで発信しています。
https://note.com/mutsukihamu
※表紙などで使われている画像は、特に記載がない場合PixAIにて作成しています
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる