リトル英雄

TAKASHIGE

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ヤマハYSR

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ヒーロー社会人
高校卒業後ヒーローは某自動車メーカーのディーラーに就職し整備の仕事をしていた。
車は好きなので仕事は楽しかったが給料は安かった。
実家の工場はヤマハの特約店をしていたので良く会うヤマハの営業マンとは仲が良かった。
ある日ヤマハからYSRと言う50ccのバイクを販売するに辺り赤城のカートコースでレースをするから出場してくれとの話が来た。
こんな可愛いバイクで遊びレースなんか興味が無かった。
一回目の開催レースは出場台数が少なく盛り上がらなかったらしい。
うちの工場もYSRの試乗車を卸していたので人数調整で次回のレースにイヤイヤ参加になった。
レースはスプリントと耐久の2種目だった。
ヒーローは兄と耐久クラスに出場することになった。
120分の耐久レースで1人が3分の2以上走ってはダメと時間制限が有ったのでヒーローの作戦は最初にヒーローが60分走り兄が40分走り残りはヒーローが走ることにした。
スプリントクラスは10台位の台数が集まり耐久クラスは15台位とまずまず盛り上がり始めたらしい。
耐久クラスのレースが始まった。
ヒーローは3番手をキープしながら先頭集団で数週走って出場選手のレベルを見ていたが30分後にはトップになっていた。
独走態勢のトップのポジションでライダー交換で兄に変わった。
兄も以外に速く走れていた。
多分内緒で練習走行に来ていたらしい。
兄が40分走りヒーローに交換した。
トップのまま交換し後は後続との差を気にしながら走りきり初参加で「優勝」した。
一応表彰式も有り、お立ち台の一番上に立った!
ヒーローはちょっと照れ臭かったが素直に喜んだ。
ヒーロー初めてレースで優勝した。
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