ヘタレ魔道士と「人生選択の指輪」（プロメテウス・リング）

第三章

魔女の「赤眼」

　リサ王女のステータス異常、すなわち「死の宣告」デス・センテンスの効果が、何らかの理由で止まったか、あるいは、かなりゆっくりと進むようになっていることは、誰の目にも明らかだった。

　原因は、おそらくこの――指輪の特殊能力のせいだった。僕が放ったスロウの魔法が、カウント・ダウンを遅らせているのだ。

　なぜそうなったか？　そんなこと、僕にはまるっきり分からない。

　ただ、あのとき指輪は、「リサ王女にスロウ」という選択肢を僕に見せてくれた。僕はそこに、何か意味があると信じて、選んだだけだ。

　……指輪が、進むべき道を暗示したということだろうか？

　「面白いわね。」

　魔女が、静かな声で呟いた。

　「……この中に一人、時空魔道士が隠れている。いいわ、見極めてあげる。」

　戦場に、魔女を中心として強烈な波動が伝わる。ビリビリと体に響くような高エネルギーに、近衛兵たちは一様に耐えていた。次の瞬間、魔女の右目が、真っ赤に光った。

　「この場にいる、すべての人間のスキルを見破ってしまえばいい――「魔女の『赤眼』」ウィッチズ・レッドアイ。」

　その時、僕は既に、立っているのがやっとという状況だった。指輪の反作用だ。抵抗できないほどの眠気が、全身を覆っていた。

　だが、このような緊迫した状況で眠りに落ちるのは、あまりにも危険だった。そんなことぐらい、さすがに戦闘の素人の僕でも、分かる。

　薄く靄がかかったような視界の中で、なぜか、魔女と目があった気がした。魔女の独り言が、かすかに聞える。

　「……？　まさか、こんな低レベルの魔法使いが……？　しかし……あり得なくはない……。」

　次の瞬間だった。魔女が、僕に向かって手のひらを向けた。何か禍々しい、黒い波動のようなもの――それが何かは、ほとんど見えなかった――が、僕を襲った。

　ふわり、と僕の体が後ろのほうに飛んだ。

　後のことは、覚えていない。僕の意識は、真っ白に飛んでしまった。そうして、次に目が覚めたのは、すべてが終わった後だった。

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【ソウスケ　おうきゅう けいごへい】

ソウスケは　まじょとたたかった！
5,000のけいけんちをえた！

まほうLVが7にあがった！
まりょく　が4あがった！
すばやさ　が５あがった！

まじょののろい　にかかってしまった！
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