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それからマキと
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その日を境にマキとよく話すようになった
日を追う毎にマキと一緒にいることが多くなっていった
心を開いたマキは驚くような速さで距離をつめてくる
人懐っこさは才能なんだろうな?と思った
いろんな話しを通じてマキのことを少しずつ理解できるようになってくるとマキに対して見る目も変わってくる
でも、わたしといる時間が増えたってことは彼氏?男子?と一緒にいる時間が減ってるんじゃないの?
そんな気がかりもなくはなかった
でも、マキと一緒に時間を過ごしてる記憶は過去《いぜん》にもあった…
そのことでわたしは安心してマキとの時間を過ごせていた
◇
お昼休み、お弁当を食べ終わってマキと無駄話しの時間を部室で過ごしていた
今週はわたしがお昼休みに部室の掃除を任される当番だったから鍵を預かってた
「マキさ、友也《ともや》くんとはどうなってんの?」
「とっくに終わってるしー」
マキはペラペラと雑誌(セブンティーン)をめくりながらさらりと事も無げに言う
「え?! いつから??」
「うっさいなー そんなの気になるの?」
まぁ確かにどうでもいいんだけど…気にはなる
「わたしさ、ここからテニスコート見えるから知ってるんだけど、一年生の時から結構彼氏?男友達?変わってるよね?」
「まーね、わたしこんなんじゃん? だから勘違いされやすいんかもね」
「勘違い?」
雑誌を読みながらもいちいちわたしの質問に反応して答えてくれる律儀なマキ
「わたしって人懐っこいとか言われるじゃん? あんま男子にでも好き嫌い関係なく話したり馴れ馴れしくするから 男子からしたら『おれに気があるんじゃ?』みたいに思うらしいんよねー」
あっけらかんと話すマキ
聞いてるとなるほどねと思う節はある…
「ねーねー、美紗緒はトシちゃんとマッチとヒロくんだったらどの子がタイプ~??」
無邪気に雑誌を広げてわたしに三人が写ってるページを見せてくる
未来《あっち》の世界の三人を知ってるわたしは正直答えに困る⋯
「えー、そんなの急に聞かれてもなぁ… マキは?」
「ヒロくん! わたしはぜったいヒロくん!」
そう言ってヒロくん(沖田浩之)が載っているページを開いて見せてくる
「かっこいいと思わない? 断然ヒロくんだわ」
・・・
「てか、そういうのはいいから! 雑誌見つからないようにしてよ? 一応校則違反なんですからね?」
「ハイハイ気をつけますよー、ここでしか出さないようにしてるし」
そう言うとまた雑誌を開いて読み始めた
「じゃあ、つき合ってとかは男子に言われるの?」
マキは雑誌を読む手を止め少し考えこむ…
「あれ? そういやそんなのあったかな?」
そんなに悩むこと?ってくらいマキは考えてた
どうやら本気でわからないらしい…
「なんかさ、みんな『高校生になったら』なんて幻想抱いてるじゃん? その一番に恋人ってのがあると思うんよね、」
急にマキが話し始める
さっきまで考え込んでたことに繋がるのかな
「だからね、なんかね、そんな幻想のマネゴトみたいなことさせられてんのかなー?って…わたし」
「は?」
おそらく一生懸命考えてからのマキの発言なんだろう
いまいち言ってる意味がわからないけど なんかありそう⋯
「簡単に一緒にいれそうな女子って感じでさ、女子に慣れるまでわたしと一緒にいるっていうか…」
「なにそれ?! 彼氏じゃないの?」
「うーーーん…もし、彼氏って言い方するなら友也が一番彼氏っぽかったかな?」
ハッキリ言ってわたしには全然わからなかった
強いて言うなれば「友達以上恋人未満?」ってこと?
そんな簡単なもんなの?
「そんなんでいいの?マキは?」
「うーん… 寂しくなけりゃなんでもいいのよ、わたしは!」
雑誌を見ながら平然と言ってのける
マキがなにをどう思ってそんなこと言ってるのかわからなかったけど、マキはマキなりに抱《かか》えてるもんあるんだと思う
「くすぐったいなぁー! なにすんだよ!美紗緒!!」
へっ? マキに言われて気づいたけど、知らない間にマキの頭をなでなでしてたみたいだ…
マキは怒ったふりをして撫で散らかされた髪を整えていた
「子ども扱いすんなよなー?」
そう言ってわたしのこと見てるマキの表情はまんざらでもないように見えた
でもね、時折見せるマキの表情がどこか無理してるって感じることあったんだ
少しずつ見えてくマキの内面にわたしはいつしか興味を持つようになっていた
だって過去《いぜん》のわたしの知らなかったことを
現在《いま》のわたしが知りたくなるのは当然のような気がしてた
このまま一緒にいて、知らないなんてできないんだろうな…
それはわたしがマキを継人と出会うために利用してるってことになるから…
時間はまだあるんだ…
雑誌につっこみながら読んでるマキを見ながらわたしは自然と笑みがこぼれた
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