転生するにしても回りくどくありませんっ?!

あたまんなか

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花火大会へ準備

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「ただいまぁー」

夕飯の支度をしながらの母のおかえりの声
この匂いは肉じゃがかな?なんて考えるだけでお腹が空いてくる

「おかあさーん、あのさぁ花火大会行ってもいいでしょー? その日なんもないよね?」

予定を聞くフリをして こっちの予定を伝える
なんもないのは知ってるんだけど

「なにも予定入ってないわよ お盆の予定だけ覚えててくれたら大丈夫だから」

お盆は毎年里帰りしてたからその予定は知ってる

「誰といくの?」

ぐつぐつ煮立つ鍋の音と母の声はなぜか相性がいい

「マキだよ! なに?そんなの気になるの?」

年頃の娘を持つ母の気持ちはわからないわけじゃなかった

「そういうんじゃないけど、聞かれた時に答えられないのも親としてね…?」

苦しい言い訳のように聞こえるけど、まぁこの時代じゃ連絡取る手段が限られてるからそういうもんか
わたしは母の承諾を得るとマキに電話をかけた
もちろん花火大会へのGOサインの電話を!





花火大会当日、浴衣を着たわたしは午後からマキの家へ向かっていた

マキの家で浴衣の着付けを手伝うために
初めて訪れるマキの家… 過去《いぜん》も何度かマキの家には行ったことがあった
ただ、いつも両親はいなかった…と言うかマキ以外誰にも会ったことがなかった
確かお兄さんはいるとは聞いてたけど見たことがない
もしかしたら今日初めて会えるかもと内心ドキドキしていた

ー ピンポン♪

懐かしい風景… でもずっと思い出すこともなかった
未来《あっち》じゃマキは遠くに引っ越しててマキの実家に来ることなんてなかったから
マキが出てくるまで周りの風景を見ながら自分の記憶と擦り合わせていた

ー ガチャリ

「美紗緒! すごくかわいい浴衣じゃん!! 素敵!! あがって!!」

勢いよく扉が開いたかと思うと元気なマキの声が聞こえた
わたしの浴衣姿にいささかテンションが上がってるように見えた

「おじゃましまーす!」

わたしは家の中に聞こえるように大きめの声で挨拶しながら入って行った

「いま、誰もいないからー! 遠慮なくどうぞー」

わたしはマキについて家の奥へと進む
見るともなく見えてしまうマキの家の生活感…?
だけど生活感をあまり感じない
整然と片づけられた家の中… 整理されていると言うよりは必要最低限の物しか置かれてないかのように閑散としているようにも見えた


「美紗緒、ここ入って!」

マキが襖を開けて部屋にわたしを通す
そこには古い和箪笥が一つと大きな鏡の鏡台があった

「それにしてもかわいい浴衣だね、おかあさんのかな?」

わたしの浴衣に興味津々なマキ
わたしは中学生の時に買ったものだよと答える
確か中1の頃だったような記憶…

「早速で悪いんだけど、これ…」

マキは和箪笥に乗っかってた長持ちを足元に下ろした
長持ちの上蓋を開けて一枚の浴衣を取り出す
かわいらしいアサガオがあしらわれた浴衣
おかあさんが昔着ていたものらしい
大切に保管されてたであろうことが浴衣の状態から見て取れた


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