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花火が上がる
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ヒューーーーーーー・・・ドンッ!!!
夏の夜空を彩る花火⋯
夏の風物詩⋯
たくさんの人で賑わう花火大会
マキと二人して浴衣姿でのお出かけ
高校生の夏休みを満喫してるわたし…
青春だなぁ…
◇
「ねぇ、美紗緒って進路どうすんの?」
カランコロン下駄の音を鳴らせて歩く帰り道
マキは唐突にわたしに聞いてきた
さっきまで全然別の話しをしてたのに…
綿菓子をちぎっては食べ、ちぎっては食べしてる仕草からはマキが真剣に質問してきてるように見えなかった
「進路? まぁ進学かな?」
マキは「ふーん」と返事ともつかない返事をしながらさっきまで食べてた綿菓子をじーっと見つめてる
「わたし、綿菓子屋さんになろっかなー」
ぼんやりとすらも見えないように感じる進路
漠然となにがしたいか?なんて思いつかない
だからわたしは進学したんだ…とマキに聞かれたことで思い出した
なぜだかマキの綿菓子屋さんになろうかな、と言った言葉の方が現実を見ているような気がした
「美紗緒は頭いいもんね」
「わたしのはチートだから…」
「チート? なにそれ?」
ハハハ、ハ、、、まだたまに出ちゃう意味不な言葉
しまった!とかは思わなくなってた
だってほんとに聞いてる方からしたら意味不だし…
「わたしはとりあえず早く働きたいかな」
「少しはママに楽させたいしな!」
夜空を見上げながら話すマキの横顔…
まだ幼さが残る表情だったけど しっかりして見えた
わたしと同じ年齢のはずなんだけどね…
ん?いや、違う…50 くらい離れてるわ⋯
ごめんねマキ、わたしは自分の進路も未来も知ってる
マキのことだって少しは知ってるんだ
だけど言えない⋯ 薄情なんかな、わたし…
「優しいんだねマキ おかあさん喜ぶよ」
こんくらいしか言えないけど、マキがこの先就職して結婚して旦那さんについてって、おかあさん喜んでたって聞いた 『子の幸せを願わない親はいない』ってマキ自身が言ってたよね
「優しい? わたしが? 寂しがり屋なだけだよ~」
照れ隠しも照れ笑いもかわいい
マキのこと知りたいって気持ちは現在《いま》のわたしの素直な気持ち
決して自分に必要だからマキに近づいたんじゃないんだ
「美紗緒に言われるとなんだか安心するんよね… そうなるんじゃないか?って思えちゃうから不思議~」
うん、信じていいから! わたしは心の中でマキに声をかけた なんだか想いが届いてるように感じた
そのままでいいんだよ、って想いが⋯
◇
バス停でマキと別れた
カラコロ カラコロ
帰りの坂道を一人下駄の音を響かせ上っていく
今バスを降りた人たちのほとんどがこの坂を上って家路につく
目的はこの坂を登るって意味じゃ同じだけど みんな全然知らない赤の他人
人がたくさんいてもわたしは一人を感じてた
物事って、一度転がり出すとあっという間にスピードが上がってく… そのくらいマキのこと知るスピードが早い
わたしとマキの歴史がそうさせるのか、マキの人懐っこさがすごいのか、そんなことはどうでもいいことだ
マキが思い悩んでることに対してもわたしは「その先」を知っている
でも、そんなこと言えるわけもないし 信じてもらえるなんて思えない
仮に信じてもらえてマキの未来が変わったら、それこそどうする?だ
マキがどんな判断をくだそうともわたしはなにも言えない ただ、信じるのみだ… 歴史の歩みと、マキ自身の判断を⋯
少し重くなった足取りは歩き慣れた坂道をいつも以上に意識させていた…
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