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2話 出られない部屋
「力也さん……」
床に胡座をかいている力也の横に腰を下ろし、その横顔を窺う。彼に聞きたいことはいろいろあるが、答えが得られそうなものはいくつもない。
「力也さん、あの……ひとつ、聞いてもいいですか」
「…………なんだよ」
「その……力也さんって、なんか、ああいう“何か”が見える人なんですか。俺には、一瞬窓に反射した影にしか見えませんでしたけど、力也さんにはハッキリ見えていたんですよね?」
万里が問うている間、力也は黙って万里の顔を見つめていた。お互いの顔は、半分マスクに覆われていてよくみえないが、今はそれがかえって安心できるような気がした。
二人はそのままどれくらい見つめ合っていただろう。長いような短いような微妙な沈黙の後で力也が放ったのは、万里の問いかけからはずいぶんズレた言葉だった。
「……俺な、ガキの頃、兄貴とすげぇ仲良かったんだよ」
「え」
「歳もかなり離れてたのに、毎日毎日熱心に俺の面倒みてくれてな。兄貴っつーか、母親とか父親みたいな感じだった。……けどな、俺がそんな兄貴の話をするたび、両親は妙な顔をするんだ。困惑したような表情で、お互い顔を見合わせる。そういうことが、俺が小学校に上がってからも続いて……俺はある日、両親に病院へ連れて行かれた」
「……病院?」
思わず口を挟んだ万里をじっと見返して、力也は思いもよらない言葉を続けた。
「俺さ、一人っ子だったんだよ。兄貴なんてどこにも居なかったんだ。ガキの俺はずっと、現実には存在しない“何か”を兄と慕ってたってワケだ」
「……幽霊ってことですか?」
「たぶんな。……つってもアレだ。死産だった長男が守護霊になって次男を見守ってたとか、そんな美談でもねぇ。ただ、勝手に家に上がり込んでた知らねぇ男に取り憑かれてただけだったんだよ。笑えるよな?」
全然笑えない話だと思ったが、口には出せなかった。何も言わない万里を見て、力也は軽く肩をすくめる。
「まあ、そういうことがあって、両親にとっての俺は、日常的に幻覚を見てる精神疾患持ちの息子ってことになった。……実際そうなのかもしんねぇけど、俺にとってはマジで見えてんだからどうしようもねぇよな」
「じゃあ力也さんは、産まれた時から当たり前に幽霊が見えてたってことですか?」
「信じるのか、こんな話」
「いやまあ、実際こんな状況ですし」
「……そうか」
小さく呟いて、力也は少しだけ目を細めた。
「……結局、両親からのそういう扱いに、どうにも居心地が悪くなってな。そっからお約束みたいにグレて、十代の頃はほとんど家に帰らずに、半グレのパシリみてぇなことばっかしてた。そん時に知り合ったのが、“スズキさん”だよ」
「スズキさんって、時々うちに仕事を持ってくる、あの人ですか? たしか、ここの清掃もスズキさんの紹介でしたよね」
「そうだよ。あの人は俺が“見える”人間だってのにすぐ気づいて、半グレの下から引き抜いた俺に、霊媒師まがいの仕事をさせるようになった。つっても俺はただ見えるだけで、除霊とかそういう器用なマネが出来たワケじゃねぇから、あんま長続きしなかったけどな。……そんでまあいろいろあって、スズキさんの伝手で清掃の仕事をするようになったんだが……なんか知らねぇけど、あの人未だに俺に霊媒師みてぇなマネさせたがるんだよ。俺はなんも出来ねぇつってんのに、こんなガチでやべぇ現場まで回してきやがってよ。こんなことならさっさと逃げときゃ良かったぜ。……お前のことも、巻き込んで悪かったな。俺がもっとしっかりするべきだった。俺が、もっと……俺、が……」
「……力也さん?」
膝を抱えて床を見つめながら耳を傾けていた万里は、力也の口調が突然おかしくなり始めたことに驚いて、慌てて顔を上げた。そして、その先でとんでもないものを見た。
「な……っ、何してるんですか!!」
まるでネクタイかマフラーでも巻くような気軽さで、力也は己の首に淡々とベルトを巻き付けていた。ベッドの上に打ち捨てられていた、あの女性物の細いベルトを。
「やめてください力也さん! しっかりしてくださいよ!!」
耳元で怒鳴っても力也の耳には届かないようで、力也は虚ろな目をしたまま、自身の首をギリギリと締めつけようとする。明らかに正気とは思えないその有様に怯えながら、万里は必死で力也に取り付き、首筋に食い込むベルトの隙間に無理やり指を捩じ込んだ。
「力也さん……お願いだから、やめて……」
革製のベルトは硬く、素手では引きちぎることも出来ない。ついさっきまで普通に会話していたはずなのに、力也の意思は別の何かに……おそらくはアレに、完全に乗っ取られているように見えた。
“ここの家主はアレにやられたのかも知んねぇ”
力也の言葉を思い出して、背筋が凍った。このままでは、二人ともアレに殺される。本気でそう思った。
「力也、さ……」
力也の肩を掴んで無理やり押し倒し、その隙にベルトを強引に奪い取る。勢い余って引っ掻いてしまった力也の首筋が薄く裂けて、そこからじわりと血が滲み出した。
「う……」
力也は一瞬痛みに顔を歪ませたものの、床に横たわったまま体を起こそうとはしない。このまま、こんな所で自分たちは死ぬのか。この家の主だった人のように、汚い染みだけを遺して、たったそれだけの生きた痕跡すら、他人に掃除されて無かったことになって、誰にも知られないまま死ぬ。
冗談じゃないと思う反面、心のどこかで、それを望む気持ちがあるような気もした。どうせ散々つまずいた人生なのだから、ここで好きな人と二人、密かに終わった方が幸せなんじゃないか。そうだ、お前みたいなクズは生きていたって意味が無い。今すぐ死んだ方が良い。死ね、死ね、死ね。
「…………っ、なんだ、これ……」
突然降って湧いた恐ろしい呪いの言葉が、見る間に広がって脳を侵食していく。まるで、知らない何者かが頭の中に入り込んできて、脳の内側から直接囁きかけているかのように、耳を塞いでも消えない。それは抗い難い誘惑となって、不愉快なのにどうしようもないほど惹き付けられた。
力也から奪い取ったベルトに、視線が吸い寄せられる。これを巻き付ければ、それだけで終わりに出来る。こんな、クズみたいな人生を。
「…………くそっ!!」
死にたくない。死にたい。相反する思いが、自分の中でせめぎ合っている。嫌だ。どん底だった人生から、やっと生きたいと思えるようになったのに。
まだ俺は、この気持ちを、彼に伝えてもいないのに。
「…………おい、上崎……」
掠れた声が自身の名を呼ぶのを聞いて、万里は一瞬だけ我に返った。体の下に視線を向けると、息苦しさからか自らのマスクを剥ぎ取った力也の、苦しげな顔が目に入る。
「しっかりしろよ、上崎……お前は、大丈夫だから……呑まれんな……」
「…………力也、さん……」
この状況でなお、力也は万里の身を案じている。あの時もそうだった。普段の言動は少々荒っぽいが、実の所は誰よりも情に厚い。万里は彼のそういう所に惚れたのだった。
(……やっぱり、死にたくないな)
もっともっと、彼のことを好きでいたい。それが叶わないなら、せめて最期に、彼を手に入れたいと思う。
無理やり植え付けられた狂気が理性を飲み込んで、必死に隠していた醜い欲望が溢れ出す。それを止められる者は、誰もいない。
「……力也さん」
「……んだよ」
「力也さん、俺とセックスしましょう」
「………………は?」
「ほら、よく言うじゃないですか。死人は生きてる人間のパワーには勝てないから、死とは真逆の、性的なこととか考えると離れていくって。だったら、俺たち二人が目の前でして見せれば、アレもどこかに行っちゃうんじゃないですか。せっかく二人でいるんですし、ただ頭で考えるより効きますよ、絶対」
「い、いや、お前何言って……」
「このままだと、たぶん俺たち二人とも死にます。だったら、やれることは全部試すべきじゃないですか?」
自分でも、無茶苦茶なことを言っている自覚はあった。それでも、深い場所から溢れてくる欲望は、もう誰にも止められない。
「力也さん……」
「は、おい、バカ。正気に戻れよ。呑まれんなつったろ」
「正気ですよ、俺は」
動揺しているのか、それとも霊障のせいで力が抜けてしまったのか、力也が物理的に抵抗してくる様子はない。万里は自身の顔を覆うマスクと、清掃用の薄いゴム手袋を剥ぎ取って、あらわになった手で力也の頬に優しく触れた。
「バカ、おい、待て……っ」
力也の唇がそれ以上の言葉を紡ぐ前に、万里は自らの唇でそれを強引に塞いだ。触れ合った唇がやけに冷たく感じたのは、単に寒さのせいか、それとも万里自身が昂っているせいか。
「んん……っ!」
突然呼吸を奪われた力也が、喉の奥で苦しげな呻き声を上げる。その反応が、万里の中に眠っていた嗜虐心を酷く煽った。
「……っ、力也さん……」
「か、みさき、お前……っ、何考えてんだ……!」
自分の上に覆い被さってくる男を押し退けようと、力也は必死にもがいているが、万里の腕や肩を掴む手は、彼の体格からは考えられないほどに弱々しい。それは力也本人にとっても想定外の事のようで、彼の表情には明らかに焦りが滲んでいた。
「力也さんのそういう顔、初めて見ました……可愛い」
万里が洩らした呟きを聞きつけた瞬間、力也の頬が羞恥の色に染まった。
「……やっぱ、今のお前は正気じゃねえよ。気が狂ってる」
「そういう事にしておいたら、受け入れてくれますか」
力也の喉元をスルリと撫でて、彼が着込んでいるジャンパーのファスナーに手をかけると、その下にある分厚い胸板がぴくりと反応した。二人が今着ている衣服は全て、会社で指定されている制服だ。万里も毎日同じ物を着ているのだから、相手を脱がせるのも容易い。
「……この方法で本当にアレが消えたとして、後になって後悔するのは、たぶんお前の方だぞ」
「死んだら後悔も出来ませんよ」
真顔で言い返して、ファスナーを一気に下まで引き下ろし、中のシャツのボタンも乱暴に外す。力也はその下にも薄い肌着を身につけていたが、ぴったりとした素材が体のラインを引き立たせており、それがかえっていやらしく感じられた。
「はぁ……くそ、なんでこうなっちまうかな……」
もはや抵抗を諦めたらしい力也は、毛足の長いカーペットの上に両手を投げ出して、ため息混じりの言葉を零した。今の万里にとっては、何もかも好都合でしかない。
「つうか、あいつマジでちょっと大人しくなってないか? これで本当に除霊できちまったら、今までの俺の人生何だったんだよ……てか、まさかスズキさんも分かってて俺に仕事振ってんじゃねえだろうな。セックスで除霊する霊媒師とか、そんなエロ漫画みたいな仕事はお断りだぞマジで」
「……力也さん、ちょっと静かにしてくれませんか。気が散るんですけど」
力也が着ている肌着の裾を捲りあげて素肌に口付けようとしていた万里は、力也が無抵抗のままベラベラと話し続けるのを見て顔をしかめた。自分の行いを棚に上げているという自覚は、もはや無くなっている。
「なんかお前もキャラ変わってるしよぉ。目が据わってんだよ、さっきから……っ」
まだいろいろと捲し立てようとする力也を黙らせようと、万里はスボンの上から彼の股間を思いきり掴んだ。いきなり急所を触られて強気に出られる人間は少ない。
「……っ、この、バカやろ……」
万里の狙い通り、弱い部分に触れた途端、力也は息を呑んで言葉を詰まらせた。そのことに少し気を良くしながら、万里は反対の手で力也のズボンのベルトを掴み、片手で器用に外していく。
「……お前、マジでさ……よく俺なんかに、そんなマネしようと思えるな……欲求不満か?」
躊躇いもなく下着に手をかけて脱がそうとする万里を見下ろして、力也は皮肉げに笑う。
「力也さんこそ、俺なんかに触られて、ちょっと反応してるじゃないですか」
「…………っあ」
シンプルなデザインの下着をずり下ろして、その中に隠されていた箇所に直接触れ、くすぐるように優しく撫でる。その行為のひとつひとつに敏感に反応する力也のことを、ただただ可愛らしいと感じてしまう。
「か、みさき……お前、あとで覚えとけ……っ」
万里の手の動きに合わせて体を震わせながら、力也はそれでも悪態を吐き続ける。しかし、そんなリアクションも全て、今の万里を煽るだけだ。彼のどんな姿を見ても、もっと残さず全てを手に入れたいと、その思いばかりが強くなる。
万里は自身のジャンパーの胸ポケットに手を入れ、そこから使い捨ての新しいゴム手袋を取り出した。清掃に使うため、新品の予備は常に持ち歩いている。肌にぴったりと吸いつく素材の手袋を装着して、力也の足の付け根を掴み、その下半身に絡んでいたズボンと下着を無理やり引き下ろす。一連の行為を見た力也は、万里の意図に気づいたらしく苦い顔をした。
「……最後までする気かよ」
「そうしないと、効果が無いかもしれないでしょう」
カバーごと脱がせた靴とスボンを放り捨て、剥き出しになった力也の足を掴んで広げる。あられもない格好をさせられた力也が、反射的に足を閉じようとするより先に、万里は力也の体の深く秘められた箇所に指を差し込んだ。
「いっ……てぇ…………っ!」
硬く閉じた場所を強引に押し広げられる痛みに耐えかねて、力也は苦痛の声を上げる。
「ああ……っ、くそ、お前……仕事に支障出たら、責任取れよ、この……っ」
「……力也さんも、わりと社畜っぽいとこありますよね」
舌先で軽口を叩きながらも、万里は力也の中を掻き回す手を止めない。もはや痛いくらいに張り詰めた自身を彼の中に押し込みたいと、それ以外のことは何も考えられなくなっていた。
「力也さん……」
片手で自身の前を寛げて、引き抜いた指の代わりに、すっかり昂ったそれを押し当てる。
「っあ、うぐ……」
「……っ、力也さん……っ」
痛みに強ばった力也の体をこじ開けるように、奥深くへと欲望を捩じ込む。敏感な部分に直接感じる体温は、目眩がしそうなほど熱くて、今にも溶け出してしまいそうだと思った。
「……くそ、な、んで……こんな……っ」
切れ切れに言葉を吐き出す彼の赤く染まった頬も、万里の頬から流れ落ちた汗で濡れた首筋も、その全てが万里自身を昂らせる。
「力也さん……力也さん……っ」
正気なんて、とうに失っているのだろう。己の中から湧き上がってくる衝動に任せて、何度も何度も腰を打ち付ける。
「う、あ……っ」
薄く開いた力也の唇から漏れる呻き声ですら、この昂りに火をくべるだけだった。
「力也、さん……」
万里が限界まで高まった自身の熱を吐き出す寸前、何かを堪えるように、力也は硬く目を閉じた。荒々しく繰り返されるお互いの呼吸と、壊れそうなほどの心臓の音だけが、静かな部屋の中でうるさいくらいに響いている。
「…………あいつ、マジで居なくなってんじゃねえかよ……はあ……やってらんねえ……」
目を閉じたまま怠そうに呟く力也の声も、今の万里にはほとんど届いていなかった。
結局その後、伸びきった首を持つ怪異が現れることは二度となく、結果として二人は心霊物件の除霊に成功した。……してしまったのだ。
そしてそれが、彼らにとってはかなり厄介な事態の幕開けとなったのである。
床に胡座をかいている力也の横に腰を下ろし、その横顔を窺う。彼に聞きたいことはいろいろあるが、答えが得られそうなものはいくつもない。
「力也さん、あの……ひとつ、聞いてもいいですか」
「…………なんだよ」
「その……力也さんって、なんか、ああいう“何か”が見える人なんですか。俺には、一瞬窓に反射した影にしか見えませんでしたけど、力也さんにはハッキリ見えていたんですよね?」
万里が問うている間、力也は黙って万里の顔を見つめていた。お互いの顔は、半分マスクに覆われていてよくみえないが、今はそれがかえって安心できるような気がした。
二人はそのままどれくらい見つめ合っていただろう。長いような短いような微妙な沈黙の後で力也が放ったのは、万里の問いかけからはずいぶんズレた言葉だった。
「……俺な、ガキの頃、兄貴とすげぇ仲良かったんだよ」
「え」
「歳もかなり離れてたのに、毎日毎日熱心に俺の面倒みてくれてな。兄貴っつーか、母親とか父親みたいな感じだった。……けどな、俺がそんな兄貴の話をするたび、両親は妙な顔をするんだ。困惑したような表情で、お互い顔を見合わせる。そういうことが、俺が小学校に上がってからも続いて……俺はある日、両親に病院へ連れて行かれた」
「……病院?」
思わず口を挟んだ万里をじっと見返して、力也は思いもよらない言葉を続けた。
「俺さ、一人っ子だったんだよ。兄貴なんてどこにも居なかったんだ。ガキの俺はずっと、現実には存在しない“何か”を兄と慕ってたってワケだ」
「……幽霊ってことですか?」
「たぶんな。……つってもアレだ。死産だった長男が守護霊になって次男を見守ってたとか、そんな美談でもねぇ。ただ、勝手に家に上がり込んでた知らねぇ男に取り憑かれてただけだったんだよ。笑えるよな?」
全然笑えない話だと思ったが、口には出せなかった。何も言わない万里を見て、力也は軽く肩をすくめる。
「まあ、そういうことがあって、両親にとっての俺は、日常的に幻覚を見てる精神疾患持ちの息子ってことになった。……実際そうなのかもしんねぇけど、俺にとってはマジで見えてんだからどうしようもねぇよな」
「じゃあ力也さんは、産まれた時から当たり前に幽霊が見えてたってことですか?」
「信じるのか、こんな話」
「いやまあ、実際こんな状況ですし」
「……そうか」
小さく呟いて、力也は少しだけ目を細めた。
「……結局、両親からのそういう扱いに、どうにも居心地が悪くなってな。そっからお約束みたいにグレて、十代の頃はほとんど家に帰らずに、半グレのパシリみてぇなことばっかしてた。そん時に知り合ったのが、“スズキさん”だよ」
「スズキさんって、時々うちに仕事を持ってくる、あの人ですか? たしか、ここの清掃もスズキさんの紹介でしたよね」
「そうだよ。あの人は俺が“見える”人間だってのにすぐ気づいて、半グレの下から引き抜いた俺に、霊媒師まがいの仕事をさせるようになった。つっても俺はただ見えるだけで、除霊とかそういう器用なマネが出来たワケじゃねぇから、あんま長続きしなかったけどな。……そんでまあいろいろあって、スズキさんの伝手で清掃の仕事をするようになったんだが……なんか知らねぇけど、あの人未だに俺に霊媒師みてぇなマネさせたがるんだよ。俺はなんも出来ねぇつってんのに、こんなガチでやべぇ現場まで回してきやがってよ。こんなことならさっさと逃げときゃ良かったぜ。……お前のことも、巻き込んで悪かったな。俺がもっとしっかりするべきだった。俺が、もっと……俺、が……」
「……力也さん?」
膝を抱えて床を見つめながら耳を傾けていた万里は、力也の口調が突然おかしくなり始めたことに驚いて、慌てて顔を上げた。そして、その先でとんでもないものを見た。
「な……っ、何してるんですか!!」
まるでネクタイかマフラーでも巻くような気軽さで、力也は己の首に淡々とベルトを巻き付けていた。ベッドの上に打ち捨てられていた、あの女性物の細いベルトを。
「やめてください力也さん! しっかりしてくださいよ!!」
耳元で怒鳴っても力也の耳には届かないようで、力也は虚ろな目をしたまま、自身の首をギリギリと締めつけようとする。明らかに正気とは思えないその有様に怯えながら、万里は必死で力也に取り付き、首筋に食い込むベルトの隙間に無理やり指を捩じ込んだ。
「力也さん……お願いだから、やめて……」
革製のベルトは硬く、素手では引きちぎることも出来ない。ついさっきまで普通に会話していたはずなのに、力也の意思は別の何かに……おそらくはアレに、完全に乗っ取られているように見えた。
“ここの家主はアレにやられたのかも知んねぇ”
力也の言葉を思い出して、背筋が凍った。このままでは、二人ともアレに殺される。本気でそう思った。
「力也、さ……」
力也の肩を掴んで無理やり押し倒し、その隙にベルトを強引に奪い取る。勢い余って引っ掻いてしまった力也の首筋が薄く裂けて、そこからじわりと血が滲み出した。
「う……」
力也は一瞬痛みに顔を歪ませたものの、床に横たわったまま体を起こそうとはしない。このまま、こんな所で自分たちは死ぬのか。この家の主だった人のように、汚い染みだけを遺して、たったそれだけの生きた痕跡すら、他人に掃除されて無かったことになって、誰にも知られないまま死ぬ。
冗談じゃないと思う反面、心のどこかで、それを望む気持ちがあるような気もした。どうせ散々つまずいた人生なのだから、ここで好きな人と二人、密かに終わった方が幸せなんじゃないか。そうだ、お前みたいなクズは生きていたって意味が無い。今すぐ死んだ方が良い。死ね、死ね、死ね。
「…………っ、なんだ、これ……」
突然降って湧いた恐ろしい呪いの言葉が、見る間に広がって脳を侵食していく。まるで、知らない何者かが頭の中に入り込んできて、脳の内側から直接囁きかけているかのように、耳を塞いでも消えない。それは抗い難い誘惑となって、不愉快なのにどうしようもないほど惹き付けられた。
力也から奪い取ったベルトに、視線が吸い寄せられる。これを巻き付ければ、それだけで終わりに出来る。こんな、クズみたいな人生を。
「…………くそっ!!」
死にたくない。死にたい。相反する思いが、自分の中でせめぎ合っている。嫌だ。どん底だった人生から、やっと生きたいと思えるようになったのに。
まだ俺は、この気持ちを、彼に伝えてもいないのに。
「…………おい、上崎……」
掠れた声が自身の名を呼ぶのを聞いて、万里は一瞬だけ我に返った。体の下に視線を向けると、息苦しさからか自らのマスクを剥ぎ取った力也の、苦しげな顔が目に入る。
「しっかりしろよ、上崎……お前は、大丈夫だから……呑まれんな……」
「…………力也、さん……」
この状況でなお、力也は万里の身を案じている。あの時もそうだった。普段の言動は少々荒っぽいが、実の所は誰よりも情に厚い。万里は彼のそういう所に惚れたのだった。
(……やっぱり、死にたくないな)
もっともっと、彼のことを好きでいたい。それが叶わないなら、せめて最期に、彼を手に入れたいと思う。
無理やり植え付けられた狂気が理性を飲み込んで、必死に隠していた醜い欲望が溢れ出す。それを止められる者は、誰もいない。
「……力也さん」
「……んだよ」
「力也さん、俺とセックスしましょう」
「………………は?」
「ほら、よく言うじゃないですか。死人は生きてる人間のパワーには勝てないから、死とは真逆の、性的なこととか考えると離れていくって。だったら、俺たち二人が目の前でして見せれば、アレもどこかに行っちゃうんじゃないですか。せっかく二人でいるんですし、ただ頭で考えるより効きますよ、絶対」
「い、いや、お前何言って……」
「このままだと、たぶん俺たち二人とも死にます。だったら、やれることは全部試すべきじゃないですか?」
自分でも、無茶苦茶なことを言っている自覚はあった。それでも、深い場所から溢れてくる欲望は、もう誰にも止められない。
「力也さん……」
「は、おい、バカ。正気に戻れよ。呑まれんなつったろ」
「正気ですよ、俺は」
動揺しているのか、それとも霊障のせいで力が抜けてしまったのか、力也が物理的に抵抗してくる様子はない。万里は自身の顔を覆うマスクと、清掃用の薄いゴム手袋を剥ぎ取って、あらわになった手で力也の頬に優しく触れた。
「バカ、おい、待て……っ」
力也の唇がそれ以上の言葉を紡ぐ前に、万里は自らの唇でそれを強引に塞いだ。触れ合った唇がやけに冷たく感じたのは、単に寒さのせいか、それとも万里自身が昂っているせいか。
「んん……っ!」
突然呼吸を奪われた力也が、喉の奥で苦しげな呻き声を上げる。その反応が、万里の中に眠っていた嗜虐心を酷く煽った。
「……っ、力也さん……」
「か、みさき、お前……っ、何考えてんだ……!」
自分の上に覆い被さってくる男を押し退けようと、力也は必死にもがいているが、万里の腕や肩を掴む手は、彼の体格からは考えられないほどに弱々しい。それは力也本人にとっても想定外の事のようで、彼の表情には明らかに焦りが滲んでいた。
「力也さんのそういう顔、初めて見ました……可愛い」
万里が洩らした呟きを聞きつけた瞬間、力也の頬が羞恥の色に染まった。
「……やっぱ、今のお前は正気じゃねえよ。気が狂ってる」
「そういう事にしておいたら、受け入れてくれますか」
力也の喉元をスルリと撫でて、彼が着込んでいるジャンパーのファスナーに手をかけると、その下にある分厚い胸板がぴくりと反応した。二人が今着ている衣服は全て、会社で指定されている制服だ。万里も毎日同じ物を着ているのだから、相手を脱がせるのも容易い。
「……この方法で本当にアレが消えたとして、後になって後悔するのは、たぶんお前の方だぞ」
「死んだら後悔も出来ませんよ」
真顔で言い返して、ファスナーを一気に下まで引き下ろし、中のシャツのボタンも乱暴に外す。力也はその下にも薄い肌着を身につけていたが、ぴったりとした素材が体のラインを引き立たせており、それがかえっていやらしく感じられた。
「はぁ……くそ、なんでこうなっちまうかな……」
もはや抵抗を諦めたらしい力也は、毛足の長いカーペットの上に両手を投げ出して、ため息混じりの言葉を零した。今の万里にとっては、何もかも好都合でしかない。
「つうか、あいつマジでちょっと大人しくなってないか? これで本当に除霊できちまったら、今までの俺の人生何だったんだよ……てか、まさかスズキさんも分かってて俺に仕事振ってんじゃねえだろうな。セックスで除霊する霊媒師とか、そんなエロ漫画みたいな仕事はお断りだぞマジで」
「……力也さん、ちょっと静かにしてくれませんか。気が散るんですけど」
力也が着ている肌着の裾を捲りあげて素肌に口付けようとしていた万里は、力也が無抵抗のままベラベラと話し続けるのを見て顔をしかめた。自分の行いを棚に上げているという自覚は、もはや無くなっている。
「なんかお前もキャラ変わってるしよぉ。目が据わってんだよ、さっきから……っ」
まだいろいろと捲し立てようとする力也を黙らせようと、万里はスボンの上から彼の股間を思いきり掴んだ。いきなり急所を触られて強気に出られる人間は少ない。
「……っ、この、バカやろ……」
万里の狙い通り、弱い部分に触れた途端、力也は息を呑んで言葉を詰まらせた。そのことに少し気を良くしながら、万里は反対の手で力也のズボンのベルトを掴み、片手で器用に外していく。
「……お前、マジでさ……よく俺なんかに、そんなマネしようと思えるな……欲求不満か?」
躊躇いもなく下着に手をかけて脱がそうとする万里を見下ろして、力也は皮肉げに笑う。
「力也さんこそ、俺なんかに触られて、ちょっと反応してるじゃないですか」
「…………っあ」
シンプルなデザインの下着をずり下ろして、その中に隠されていた箇所に直接触れ、くすぐるように優しく撫でる。その行為のひとつひとつに敏感に反応する力也のことを、ただただ可愛らしいと感じてしまう。
「か、みさき……お前、あとで覚えとけ……っ」
万里の手の動きに合わせて体を震わせながら、力也はそれでも悪態を吐き続ける。しかし、そんなリアクションも全て、今の万里を煽るだけだ。彼のどんな姿を見ても、もっと残さず全てを手に入れたいと、その思いばかりが強くなる。
万里は自身のジャンパーの胸ポケットに手を入れ、そこから使い捨ての新しいゴム手袋を取り出した。清掃に使うため、新品の予備は常に持ち歩いている。肌にぴったりと吸いつく素材の手袋を装着して、力也の足の付け根を掴み、その下半身に絡んでいたズボンと下着を無理やり引き下ろす。一連の行為を見た力也は、万里の意図に気づいたらしく苦い顔をした。
「……最後までする気かよ」
「そうしないと、効果が無いかもしれないでしょう」
カバーごと脱がせた靴とスボンを放り捨て、剥き出しになった力也の足を掴んで広げる。あられもない格好をさせられた力也が、反射的に足を閉じようとするより先に、万里は力也の体の深く秘められた箇所に指を差し込んだ。
「いっ……てぇ…………っ!」
硬く閉じた場所を強引に押し広げられる痛みに耐えかねて、力也は苦痛の声を上げる。
「ああ……っ、くそ、お前……仕事に支障出たら、責任取れよ、この……っ」
「……力也さんも、わりと社畜っぽいとこありますよね」
舌先で軽口を叩きながらも、万里は力也の中を掻き回す手を止めない。もはや痛いくらいに張り詰めた自身を彼の中に押し込みたいと、それ以外のことは何も考えられなくなっていた。
「力也さん……」
片手で自身の前を寛げて、引き抜いた指の代わりに、すっかり昂ったそれを押し当てる。
「っあ、うぐ……」
「……っ、力也さん……っ」
痛みに強ばった力也の体をこじ開けるように、奥深くへと欲望を捩じ込む。敏感な部分に直接感じる体温は、目眩がしそうなほど熱くて、今にも溶け出してしまいそうだと思った。
「……くそ、な、んで……こんな……っ」
切れ切れに言葉を吐き出す彼の赤く染まった頬も、万里の頬から流れ落ちた汗で濡れた首筋も、その全てが万里自身を昂らせる。
「力也さん……力也さん……っ」
正気なんて、とうに失っているのだろう。己の中から湧き上がってくる衝動に任せて、何度も何度も腰を打ち付ける。
「う、あ……っ」
薄く開いた力也の唇から漏れる呻き声ですら、この昂りに火をくべるだけだった。
「力也、さん……」
万里が限界まで高まった自身の熱を吐き出す寸前、何かを堪えるように、力也は硬く目を閉じた。荒々しく繰り返されるお互いの呼吸と、壊れそうなほどの心臓の音だけが、静かな部屋の中でうるさいくらいに響いている。
「…………あいつ、マジで居なくなってんじゃねえかよ……はあ……やってらんねえ……」
目を閉じたまま怠そうに呟く力也の声も、今の万里にはほとんど届いていなかった。
結局その後、伸びきった首を持つ怪異が現れることは二度となく、結果として二人は心霊物件の除霊に成功した。……してしまったのだ。
そしてそれが、彼らにとってはかなり厄介な事態の幕開けとなったのである。
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秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
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邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
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漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
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